みんな応援してくれよな!!ええ!?(クソ顔)
先程の戦闘から数時間。俺はただただ歩かされた。それもこれも目の前のおっぱいタイツの痴女の「ついてこい」に従っているからだ。
「…いい加減、どこに向かっているのか教えてくれません?」
「アラキよ。いまお主に足りないものはなんだと思う?」
「話聞けよ」
なんなんだこの人は…疑問文には疑問文で答えろと学校で教わっているのか?…あ、そもそもこの人の時代に学校あるのか怪しいや。
「…技量?」
「そうだな」
「筋力?」
「それもだ」
「戦術?」
「うむ」
「…全部?」
「そうだな」
「おい」
つまりあれか?某兄貴のごとく「お前に足りないもの…それは!!情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ…そして何よりもォォォオオオオッッ!!速さが足りないッッッ!!!」…みたいなことか?そして思っておいてなんだがなげえなこのセリフ。
「お主には色々足りず、そしてさらにいえば才もない。お主と同じ時代のもう一人の若者の方と比べると月とすっぽんだ」
「言ってくれるぜこの人…」
そもそもな話…知ってたが、俺には才能がない。
そんなことはわかってる。ショックではないといえば嘘になるが、まあわかっていた事実を突きつけられてもそこまで落ち込みはしなかった。
「本来なら儂はお主の様な見込みのないものに付き合うことはない」
「じゃあなんであの時戦ったんです?」
すると彼女は急に立ち止まり、こちらに長い髪を翻しながら振り返った。
その視線は鋭く、まるで俺そのものを品定めしているかのような視線。正直あまりいい視線でもないし、向こうも早く続きを話せといった雰囲気だから俺は続けた。
「あなたは最初から俺に才がないことがわかってたんでしょう?それにさっきの言葉からわかるけど、あんたぐだ男も…立香も見たことあるようだった。たしかに…素人の俺から見ても、才能有り余ってるのはあっちだ」
なのにわざわざ才能なしの俺の方に来たのが少し気になった。
才能ない人間には教えないというのなら、俺でなくぐだ男を取るはずなのに…彼女は俺の前に現れ、わざわざ実戦を通してまで俺の実力を測りに来た。
その真意は?
なぜ俺なのか?
(驚いたな。軽く「なぜ連れて行くのか」とでも聞くと思っていたが…その前提を聞かれるとは思わなかったぞ)
スカサハはなぜか微笑んでいた。その顔は、何も知らなければ赤面コース待ったなしの顔だったが、相手が相手なだけに不気味でしかない。
(たしかに才はない。だが、それを含めて現状判断に優れている。皮肉だな。なまじ才能がなかった故に身についた技能だろう)
「…なに、深い理由はない。儂とて久しぶりの外だ。たまには趣向を変えるのも悪くない…それに…お主が
それはどういう…
「借り物とはいえ、持てる戦力を余すことなく使いこなそうとする根性。自身の終わりの瞬間を無駄に喚き散らかすことなく受け入れようとする受体性。それは近代の連中にはなかなか出来んことだろうよ」
ある意味才能。とスカサハはそういい嬉しそうに言って再び歩き始めた。
あってるかはわからないが、なんか吹っ切れたところがあの人の教師魂に火でもつけた…でいいんだろうか?
よくわからんが…結局なにも答えてくれなかったな…。
(儂ら英雄、天才にはあって当然の才能。しかし、これはただ才を持ってるだけの有象無象が持ってなかった希少な才能でもある…アラキよ。お主はこのスカサハに
「ついたぞ。ここなら見下ろし易いだろう」
「結局どこに…な、な、な…」
森を抜け、ある大きな影が見えてきた。
それはよくまだ子供だった頃、テレビで何度か見かけたあの建物だった。
しかし…纏ってる魔力と、その建物の目の前に突き刺さってる異形の前に、俺は驚愕するしかなかった。
「なんじゃありゃぁあぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッ!!??!!!「声が大きいわ馬鹿者!!!」いでえぇェェェぇぇぇぇぇぇぇぇ…」
振り下ろされるゲンコツはメテオ級。どこの海軍本部中将のおじいちゃんかな?
しかし目の前にあるあの建物はどう見てもホワイトハウス。そう、あのアメリカと言ったらホワイトハウスのホワイトハウス。それがその場に建っていたのだ。
しかしそれよりも驚きなのはそのホワイトハウスを取り巻く濃密な魔力とその目の前にある謎のオブジェ…
「いででで…で、でもどう考えてもあれ…ゲイ・ボルグ…ですよね?大きさおかしいけど…」
そう、ホワイトハウスの目の前に刺さっていたのはありえないレベルのサイズのゲイ・ボルグだった。
全長21メートルのホワイトハウスが小さく見えるほどのビック・ゲイ・ボルグッッ!!!(解説王風)
「…な、何言ってるかわからねえと思うが…俺も何が刺さってるのかわからんかった…頭がどうにかなりそうだった。ケルトだらけの大進行とか、歩くやばい痴女スカサハとか「おい」そんなチャチなもんじゃ断じてねえ…もっと恐ろしい…キチったジャンヌ並みの恐怖を味わったぜ……」
…あれ?意外と怖くないのでは?(迷案)
ていうかあれ普通に魔神柱レベルのサイズだぞ?刺し穿つどころか抉り消しとばすだろあんなの!!
「お主どうした急にそんな柱のような髪型のカツラをかぶりだして…」
「いや、なんか最近シリアス路線が強いから少しでもポルポル要素でギャグを取り戻そうかと…」
「なんのことだ?まるで意味がわからんぞ!!」
「あんた海◯社長に取り憑かれてない?」デュエルシナイヨネ?
「お主は何を言っているんだ」
WA☆KA☆RA☆N(投げやり)
とりあえずどう考えてもあれはゲイボルグなんですがどういうことなんですかねぇ?
「わからんのか?このホワイトハウスの主人は我が弟子、セタンタ…いや、クー・フーリンだぞ?」
「あかん。シリアスな兄貴には勝てんわ(ムリポ)」
ー《F/GO》ー
〜ぐだ視点〜
僕らは清姫作朝食を済ませて(もちろん異物を入れないよう監視してましたとも!)今後の目標…今日は協力してくれるかもしれない噂の問題児、セイバーとランサーに会いに行くのだが…
まず前提として、今ラーマの体を蝕む呪いをかけた張本人、つまり今回の終敵について話していた…だけど…
「ゲイボルグの使い手…一体ナニフーリンなんだ…(白目)」
「先輩、現実逃避しないで下さい」
「いやでもマシュ。相手はシリアス兄貴だ。勝ち筋が見えないんだぁ…」
「なあアーチャー。俺は普段坊主からどんな目で見られてるんだ?」
「負け犬だろう。狗だけに」
「よく言ったアーチャー…消しとばしてやる」
「別に倒してしまっても構わんのだろう?」
「二人ともやめてくださいカリバー(棒)」
「「ぬわぁぁーーー!!!!」」
「ムゥ…本当に彼は余を貫いたクー・フーリンと同一人物なのか?」
「同一人物…ということはつまり、彼は病原体…?再発!防止!!消毒!!」
「ランサーが(ナイチンゲールの手で)死んだ!!」
「「「この人でなし!!」」」
前途多難だと思う(血反吐)
「あの…ますたぁ?きよひーすごい反省しました。なのでできればこの空中ブランコ状態を解いてほしいのですが…」
「そうかそうか…ダメだ。僕が満足するまで続けろ」
「はうっ…」
「最近のマスターキツイや…だがそれがいい」
「へんなルーラーはまたまたしまっちゃおうねー」
「そんなー(´・ω・`)」
「無限ループしないで下さい先輩。あとジャンヌさんは黙ってて下さい」
「マシュマロπがキッツイや」
「いい後輩でしょう?我がカルデアのファイナル☆ウエポンです」
「一番気に入ってるのは…おπだ☆」
「先輩?ジャンヌさん?」
「「ごめんなさい」」
ウチの後輩には殺ると言ったら殺る『スゴ味』があります(震え声)
ー《F/GO》ー
長いと言われればそうでもない距離を歩く。今回ナイチンゲールとラーマ、ジェロニモには町に留守してもらうことにした。大所帯で動くとあれだし、それに町には何人か怪我した一般人がいたので、それらの看病、警備を頼みたかったのだ。
あ、ついでに先輩とアルトリア、それときよひーも置いてきた。食事にはやっぱり先輩に勝るものはないし、いざという時の遠距離援護射撃を期待したい。アルトリアは何より町をしっかり守ってくれそうだ。
え?きよひー?なんか連れて行ったらめんどくさい気がした。なんかオルレアンで感じた似たような気配だ。
「先輩、これから会うのはランサーの方らしいですが…なぜでしょう…なんだかとてつもなくアレな気配を感じます」
「マシュも?僕もそんな気がするんだ。きよひーは連れて行かなくて正解だったかもしれないね…ほら…なんか聞こえてこない?カルデアで定期的に聞こえてくる…」
「げえ…まさかやっこさん…
ロビンがとてもげんなりした顔で耳を抑え始める。
うん、聞こえる聞こえる。僕の
「
「…はい…オルレアンでも気が狂いそうでしたもんね…アマデウスさん」
パァンッッッ
とりあえず曲がり角で弱々しく通り過ぎるケルト兵の顔面を銃弾でぶち抜き、マシュの盾で僕を守ってもらいつつ、ロビン、ジビリーを別方向に配置させる。ロビンは屋根に、ビリーには建物の中から。それぞれ的を一体一体アーチャーらしく(ここ重要)射撃で潰してもらう。
もう一度言うけどアーチャーらしく(大事なことだから二回言ったゾ☆)
「あれ?先輩…たしかのこの歌は彼女の歌ですけど…
「……これは…?」
あまりにもアレな歌に気づけなかったが…たしかに近づくにつれてマシュの言ってることがわかる。
もう一人いる。
しかもあの
(まじかよ…よりによって二人揃ってんのかよ…!!近づくだけで耳がやられるじゃねえか…!!)
(たしかに……これはグリーンが言ってた通り…ちょっとヤバいね!!)
「せ、先輩!スゴイです!歌声だけでふき飛ばされそうです!!」
「う、うろたえるんじゃあない!カルデア一行はうろたえない!マシュ!強化魔術で強化した丸めたティッシュだ!耳に入れといて!」
(ロビン!ビリー!キツイて思うけどとにかく僕らと同じでケルト兵も弱ってる!なんとか潰して行ってくれ!)
マシュに即席耳栓を渡し、僕は弾を装填する。とにかく今はケルト兵の排除が優先だ!
ロビンとビリーに念波を送り、懇願する。
(たくっ…依頼者さんは無茶をおっしゃる!!)
(とか言って全力出しちゃうグリーンも僕は好きだよ!)
(うっせ!ふざけてないでいくぞビリー!!)
(ああ!)
もはや巨大な波紋状の衝撃波でしかない二人のサーヴァントたちの歌声に混じり、彼らの銃声と弓の音が聞こえる。
よし、奇襲に合わせて全員排除する!!
「………!!マシュ!」
「はい!展開します!破壊ちゅ…じゃなくて歌唱中すみません!『
「え?なに!?」
「むむ!?何奴!」
マシュの宝具で
「ジャンヌズ!来い!!」
「ジャンヌズ言うな!!名前で言えキチマスター!!」
「酷い!!私結構気に入ってるんですよ?」
「うっさい!!あんたとコンビみたいなんて絶対ヤd「キ◯グ・クリ◯ゾン!!オルタの小言を消しとばす!!」クソッタレ!!」
「いいから働け」
「最近のマスターはキツイや」
「言われなくても働くっての!」
炎が、拳が、旗が飛び交う。
ケルト兵はみんな弱体化してる上にエクストラクラスサーヴァント二騎の猛攻にアーチャー二騎の援護射撃に手も足も出せず消えていく。
パァンッッッパァンパァンパァンッッッ
「ちなみにマスターが手を出さないとは…言ってないよね?」
「さすが先輩!清々しいくらいの銃殺です!ちょっと信頼が揺らぎました!」
「ごめんね(´・ω・`)」
それはちょっとショック死しちゃいそうです。
「なんと!?アレは余たちのすばらしい歌に招かれた客人ではなかったのか!?」
「ええー?でもみんな聞き惚れてたわよね!?ね!?」
「…(目そらし)」
「なんで目逸らすのよー!!」
改めて、協力者となったサーヴァント二騎。
セイバー ネロ・クラウディウス。
ランサー エリザベート・バートリー。
二人とも美少女だ。そんでもって声も美声だ。歌詞は最悪だ。もう一度言うけど歌詞は最悪だ。
「まあ
「無論余もだぞ!奴らには一度命を狙われたのでな!」
らしい。
まあ協力してくれるなら願ったりかなった…り…?
すると急にネロ[ブライド]が僕の顔に手を当て、撫でるようにさすってきた。突然の行動に、少しドキリと来たがネロの目を見てそんな気持ちも失せた。
どこか悲しげに、けれど嬉しそうな目に。
(そうか、そなたがアラキの…)
『別れる前に…俺のことは誰にあっても言わないでください』
『それはまた唐突だな。何故だ?』
『ここに…おそらく別れた親友と仲間がいるんです。彼らに俺の存在を知らせるのは…』
『それこそ何故だ?親友ならば、再開をいち早く知らせるのが最もではないか?』
『…あっちは俺を死んだと思ってるんです。それなのに急に出てきたらみんな驚くだろうし、それに…情けない話、俺自身どういった顔して会えばいいかわからないんです』
『アラキ…』
『でも会いに行きます。なので今は黙っていて欲しいんです』
『…そんな顔をされては余も首を横に降るわけにはいくまい。わかった。何があってもそなたのことは口外しないと白薔薇に誓おう』
『ありがとうございます。ネロ皇』
『———アラキよ。別れる前に聞かせて欲しい』
『…?』
『そなたの親友は…どんな人物なのだ?』
『…そうですね…とにかくすごいやつなんです。天才ってやつ…なんですよ。何やっても一番をとるし、何やっても成功するし、失敗したとこなんて…見たことがない』
『そうか『でも』む?』
『だからこそ人一倍脆くて、でも自分の弱いとこを他人に見せるのが下手で下手で…もうホントド下手なんです。あいつとっても綺麗な青い目してるんですよ。昔始めてあった時はいつも曇ってた青い目』
『ネロ皇。もしあいつにあったら支えて欲しいんです。何だかんだ寂しん坊だから…俺が死んだと思って心の奥底ではポッキリ逝ってると思うから…』
「良い目だな。リツカとやら」
「あれ?僕自分の名前言いましたっけ?」
「む?ああ…余は天才だからな!感が当たっただけだぞ!」
(お主の親友は、ポッキリ逝ってなんかおらぬぞ。たしかにどこか萎れておるが…だからこそ奮い立とうとしている。ふふ…強いのだな。
〜白薔薇の皇帝は今日もニンマリ笑った〜
感想指摘待ってます。
次回多分ぐだが本音をポロリする。