一応ラストエピソード(仮)を書き上げての創作です。
この作品の最後まで付き合っていただけましたら、一応全ての謎はわかると思いますので、今はまだこの駄文にお付き合いいただけると嬉しいです。
「だったら投稿あくしろよ」
「あっはい」
「あとそろそろギャグ書きたくて疼いてんじゃないの?」
「もちろんです…組合員として…当然だ」
「じゃあ早くしろよ」
「アッハイ」
それではどうぞ。
————それはツギハギと言うべき代物だ。
中身のない空っぽのツギハギだらけの肉袋。
とにかく必要だったから仕立てた不出来で醜い
空っぽの人形。
ただ空っぽだとなにもできないから、そこらへんにあった
脆く適当に縫い合わされたそのツギハギ袋がそんなことをすれば耐えられなくなるのは当たり前だった。
つなぎ目が解けていく。
元のバラバラだった頃に戻っていく。
人形は自分を忘れていく。
だから、耐えられるまでやり直した。
耐えられる可能性を信じてやり直した。
———過去の約束に縛られ自己犠牲に追われる偽物のダレカを。
———最後まで他人を信じ続けた
———生まれを問わず人間としての自我を獲得したダレカを。
———誰かを犠牲にしなければ救えないと絶望したダレカを。
———自己評価が最悪でも戦いとともに成長して行ったダレカを。
———平凡で天然でどこにでもいる……「明日も生きる」ために戦い続けたダレカを。
そんなダレカ達を寄せ集め、繋いで、できた空っぽの肉袋に、そこらへんにあった
隙間から溢れる泥を、糸でなんとか塞いでいく…
ツギハギだらけの肉袋。
それを縫い合わせる細い糸。
互いになくてはならない。表と裏。光と陰。
————この光景を彼らは183726943回も行い続けた。
それはツギハギだらけの人間になった。
ー《F/GO》ー
ーぐだ視点ー
「ジャンヌは敗北!しめやかに爆散!」
「散り際までいつもどおりだったな…」
フハハハハ-スゴイゾ-カッコイイゾ-など叫びながら、アヴェンジャーとの戦いに敗れ綺麗に消滅して行った我らが聖処女ジャンヌ=サン。
戦う寸前のシリアスな彼女は何処へやら…
これにはアヴェンジャーも苦笑いが止まらない。
「クハハハハハハハハハハ!!!!!」
いや…これは苦笑いなのかな?
—————…
「あがっ…!?」
ジャンヌの消滅を見送った瞬間、この第4の扉を潜る前、あの死体を見た時からきた謎の嫌悪感に再び襲われる。
背中に冷や汗が流れ、心臓の動きが加速する。呼吸も荒くなっていく。あまり良くない視界で、心配そうにこちらを見るメルセデスと目があった。
「リツカさんッッ!?」
「待てメルセデス。これはマスターの問題だ」
「そんな…こんなに苦しそうなのに?」
「…だからこそだ。この
アヴェンジャーとメルセデスが何か言ってるようだが全く耳に入らない。それよりも、この嫌悪感には匂いのように方向性がある。
「あが…向こう…からだ…」
それは扉の向こう…第5の扉につながる廊下からだった。
視界がぐらつく。足がふわふわして、生まれたての子羊みたいに足がガクガク震える。
「…でも…行かなきゃ…」
ジャンヌが迎えに来ていた…
それはつまり、僕は早くカルデアに帰らなければいけない。みんなが心配している。
きっと…アイツも…
「アヴェンジャー…扉…開けてくれないか?」
「…いいだろう。メルセデス、いくぞ」
「…は、はい…」
アヴェンジャーはメルセデスを連れて扉に向かって行った。有難い。今何かに襲われたら、今の僕じゃ彼女を守れない。
僕は荒い呼吸をなんとか整えようと深呼吸をする。
「すぅぅ……はあ…すぅぅ…はあ…」
瞼を閉じて、もう一度開く。
そこにはさっきよりかはマシになった視界が広がっていた。
震える足に喝を入れつつ、無理やり前進する。
たかが数十メートル。こんなに苦労したのは初めてだ。なんとか扉一歩手前までたどり着き、そこで待っていてくれたアヴェンジャーたちに声をかける。
「ご、ごめんごめん。なんか急に気分が悪くなっちゃってさ」
「…そうか。なら覚悟しろ。
「え?」
アヴェンジャーが開きかけた扉を全開に開ける。必然的に奥の廊下が見えるわけだが…
「————…!!」
「ヒッ…何ですか…これ…」
「………」
————そこは地獄だった。
壊れた人形が、ゴミ捨て場に放置されるように、そこにはゴミのように捨てられた
「…これは…」
…しかもただの死体ではない。僕はその死体に見覚えがある。
しかし、それはありえないことだ。
死体があることは百歩譲っても、
「何で…ここにもいるんだ…」
その死体は、
死因は失血死。両腕がへし折られ、変な方向を向いている。足が両断され、そこから溢れ出た血での失血。
前見た彼女は腕がちぎれていた。
死に方が違う。
その奥にある床に転がってる死体を見た。最初に見た彼女と、さっき見た彼女と全く同じ顔、でも…
死に方が違う。
廊下を震えながら見回す。そこにはドッペルゲンガーもびっくりなレベルで、同じ顔の同じ少女の同じ死体があった。
けれど…
死に方が違う。
腹に穴が開いていた。
目がくり抜かれていた。
首が飛んでいた。
上半身と下半身が分かれていた。
体がねじ切れていた。
何かに叩きつけられて潰れていた。
…なんだ
死。
それは見知らぬ少女の死だ。
死。
それがどうしてかとてつもなく、
死死、死、死死死。
死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死…
「———!!お、落ち着け…これじゃあさっきの二の舞だ」
落ち着くことなんて結局できなかったが、冷静になることはできた。
ここまで来れば、このまとわりついてくる嫌悪感の理由が嫌でもわかる。
それはこの死体たちだ。どういうわけか、俺に嫌悪感を与えている。
ただ死体だから、というわけではない。理由はわからないが、これはおそらく
「————あ」
————歩いていると、一つの死体と目があった。
死ぬ瞬間の人間は何を感じるだろう。
思い出だろうか。
家族だろうか。
友人。
恋人。
仕事。
社会。
人間関係。
そして…それを上回る絶望。
しかし、目の前の少女の瞳を見た。
死ぬ瞬間が容易に想像できる。
彼女は心臓に一刺し。即死だったが、ほかの死体より比較的無傷だった。
だからこそ気がつけた。
彼女は、これっぽっちも絶望なんかしていなかった。
これから死ぬくせして、『次こそは』と叫んでるように見えた。
バカバカしい。人間死んだらそれまでだろうに…
「行こう。アヴェンジャー」
「体調は」
「もう十分休んだ。いや、止まっちゃいけないんだ」
どこかの誰か。
知らない誰か。
関係ない誰か。
もしかしたら、
ありがとう。僕、まだ止まらずにいられそうだ。
「行こう。アヴェンジャー、メルセデス」
第5の扉に手をかける。重苦しい音とともに、奥からくる重圧が、体をきしませにくる。
大丈夫だ。絶望なんてない。あったとしてもそんなの吹き飛ばしてやる!
『お前はいろいろ気にするような神経も思考も持ってな図太い野郎なんだから…
悩むくらいなら止まるなよ?』
いつかアイツはそういった。
この旅をしていて気づいたことがある。
くず男はいつも同じように僕を扱っていた。
それはある意味僕にとって救いだった。
異端のように扱うダレカと違って、
アイツは
僕は期待されている。
だからここで止まるわけにはいかない。
ここを脱出し、カルデアに帰る。
そして、必ず…
『———わるいな…』
「————え?」
————その時、思い出しちゃいけないなにかを思い出した。
感想指摘待ってます。
*もうじき(監獄編)終わります。
やったね読者ちゃん!ネタ祭りが再開するヨ!