ちょっと今回は駄文がひどいかもしれんが…細かいことは気にしない。兄貴の精神でおよみください。
あと、お気に入り登録増え続けてどうにかなりそうです!本当にありがとうございます!!
これからもこの小説とお付き合い頂きたいと思っています!(願望)
——ある少年の話をしよう。
——少年はただの人だった。
——ほかのダレカと変わらない。
——希望を持って生きる人間だった。
——それは夢にあらず。
——されど現実でもない。
——いつか少年は青年になり
——何千何万何億回の死の果てに
——光が見えるだろう———
〜ぐだ視点〜
第2の扉を難なく超えた僕らは、次の第3の扉を目指して進み始める。
おかしい…
しかし、第2の扉を超えたあたりから視界に妙なものが移り始める。
見慣れた亡霊ではない。かといって目の前を歩いているアヴェンジャーでも、僕の後をビクビクしながら歩いてくる女性…メルセデスでもない。
メルセデスは第1の扉を超えたあたりで見つけた女性だ。赤い軍服を来ていて薄ピンクの髪と、紅い瞳が特徴的だ。
ちなみに記憶喪失だという。自身の名前さえ覚えていないのだ。
メルセデスとは、アヴェンジャーが彼女につけた名前だ。
何か意味のある…彼の真名につながることなのだろうか…しかし情報がない。
「———ッ…むぅ…」
「……」
「だ、大丈夫ですか?どこか怪我を?」
「い、いや、ダイジョーブ!僕チョー元気!心配しないで!」
まただ。別に痛いわけじゃないが…なんか引っかかる…これは一体…
ノイズ…そういう感じのが流れ込んでくる。第3の大罪の具現が精神攻撃をするタイプなのだろうか…?
いや、でも…わかんねえ…!!(理解不能!理解不能!)
「ん?」
しばらく進んでいると、廊下の壁際に亡霊達が群れていた。
しかしあれはまるで…餌に集る蟻のようだ。
「ヒッ…」
「後ろにいろメルセデス。マスター、どうやら何かに集まっているようだぞ」
アヴェンジャーはそういい、僕らを後ろに下げながら様子見をする。
その瞬間…
バチィィッッッッッッ!!!!
「うお!!」
「キャッ…!」
落雷かと疑ってしまいそうな光力に思わず僕とメルセデスは思いっきり目を覆う。
アヴェンジャーから凄まじい量の魔力が出てきたかと思ったら、亡霊は一匹もいなくなっていた。正確に言えば残骸が散らばっている(塵ダ!念願の塵を手に入れたぞ!!)
「アヴェンジャー…?」
そして、もう一つ気になることがある。アヴェンジャーが見ればわかるレベルで不機嫌なことだ。
僕は気になり、亡霊たちが何に集っていたのか彼の背後に走り出す。
「…死体?」
そこには、僕と歳がそう変わらなそうな少女の死体があった。腕が千切れ、髪は薄汚れ、着ている服は彼女自身の血で真っ赤になっており、何を着ているのかわからなかった。
特異点を駆け抜けて、死体は見慣れていた。だけど…
「…アヴェンジャー…彼女は?」
「……それはこの監獄塔の出口に行けばわかることだ。行くぞ」
「あ…リツカさん…」
「うん…行くよ。でもこのままじゃかわいそうだから悪いけどせめてもので牢屋のベッドで…」
僕は彼女を抱え、空きの牢屋に入り寝床にそっと下ろす。
さっきから謎のノイズとは違う感覚が僕を襲う。
それは胸にぽっかり穴が空いたような…そんな気分。初めて死体を見たのはオルレアンの襲撃された村でだ。
その後もちらほら見かけたけど…こんな気持ちになったのは初めてだ。
こういっちゃなんだけど…正直死んでいったのは他人でしかなかったから、あまり深く何も思えなかった。
当然苦しかったし、もう少し早く行動できれば救えたのではないか?と思った。
でも結局他人なのだ。この時点である意味俺は人でなしなんだろう。
「行こうメルセデス。アヴェンジャーが待ってる」
「え?あ、はい」
第3の扉が見えてくる。
…この気持ちに覚えがある。
この胸を巣食うこの感覚。倦怠感。そして、こみ上げる熱さ…
———これは…『悔しい』…多分そういう気持ちだ。
ー《F/GO》ー
〜くず視点〜
黒い浜辺には相変わらずどんよりとした風がなびいていた。
黒い海は俺を外へ出すつもりなどないように高く波打つ。
足元に広がる黒い草花は、俺を島の中心へ誘うように咲き誇っている。
「……」
しばらく歩いていると、どこからともなく竜牙兵が何体も現れる。
監獄島…『形を失った島』がいつまでたっても海岸にいる俺に嫌気がさしたか…いわば運び人を寄越してきた。
今までの俺では、その数には対応しきれないだろう。武器が何もない今ならなおさらだ。
そう、
だが、
「「「「「「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎!!!!!!!」」」」」」
「お前らは…優しくは殺さんぞ」
回路の数はあいも変わらず少ない。ぐだ男と比べたら月とスッポンっていうやつだろう。
大剣が迫る。
だが、それでも押し通さなければいけない時がある。
それは今であり、既に振り返る事は不可能となった。
おお振りに振られる大剣に、どこからともなく現れた鎖が拘束する。
『カルデアに帰還する』、『魔術王をぶん殴る』。両方やらなければいけないのが今の俺の辛いとこだ。
鎖はまるで意思を持った蛇のように、しなやかで、なおかつ力強く…ッ
覚悟はいいか?
鎖はそのまま竜牙兵の体にまとわりつき…
グシャァ……!!
「俺は…できている」
粉々に砕いて行く。
まだちょっと調整が難しい。だいぶ手加減したが、竜牙兵ごときなら粉々になってしまう。
「———!!」
「—!?」
「——、———!!!」
意味不明な状況に後ずさりをするその他の竜牙兵達。
しかしあいにく今の俺に手加減は求められても困る。力の調整ができないのもあるが…
「この煮えたぎった感情が…手加減なんてさせないんだよ…ッッ!!!!」
ここを必ず脱出する。魔術王を必ずぶん殴る。
それが今の俺の最優先目標であり、目の前の有象無象達はその前に立つ邪魔なハードルでしかないのだ。
いや…もはやハードルですらない。
小石に意識を向けるほど、今の俺に余裕はない。
「あ゛あ゛ッ!!!」
右手に持つ短刀で首をへし折り、蹴りでその体を砕いて行く。今までの俺なら不可能なことをいともたやすく行って行く。
「—————ッッッッッッ!!!!!」
「逃げられると思うな。そこは既に…」
俺から距離を取ろうとする竜牙兵達の足元に既に仕掛けていた鎖がまとわりつく。
強力に締め上げる鎖からは決して奴ら程度は…
「
———逃げられない。
俺の影から質力あるカタチがこみ上げる。スキル解放成功。霊基再臨成功。
前提として、基礎霊基の構造を変更。
奴らを粉々にするにはこれでは足りない。
「《スキル:怪力B》起動」
ドゴォ!!!!!!!
影から飛び出す強烈な拳が竜牙兵を一体吹き飛ばす。吹き飛んだ竜牙兵はほかの奴らを巻き込んでさらに向こうへ吹き飛んで行く。
しかし吹っ飛んでいった方向には鎖に捕らえられ壁になっている竜牙兵が大量におり、
——ベキベキべキベキベキベキベキベキベキグシャグシャ!!!!!!!!
当然吹っ飛ばされた奴らと鎖で固定され壁にされた奴らは衝突する。
俺は鎖を引っ張り、奴らをこっちに引きずり出す。鎖に引っ張られこっちに突っ込んでくる竜牙兵どもに、
「「「「「「————ッッッッッッ!!!!」」」」」」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドギャァアァァアアア!!!!!!!
殴られ、吹っ飛ぶたびに俺が鎖を引っ張り、
それをただただひたすら繰り返す。
何度も。
何度も。
奴らが砕けて塵に還るまでッッッ!!!!
「がァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!」
とどめの一撃を受け、竜牙兵は一気に塵となって舞っていく。
どんよりした風が、塵となった奴らを吹き飛ばして行く。俺はその場で膝を地面につけ、胸元に手を当てる。
「ハア…ハァ…」
息切れを起こしながら、俺は隣で棒立ちしている
長い長髪は、時折俺の頰にかするが、俺はそれを五感では感じ取れなかった。
「……」
『———』
わかってる。影は喋らない。ここにいるのは彼女が残した力だけの存在。
無表情の人形のような彼女は仕事を終えると、まるで幽霊のように俺の影に溶け込んでいった。
さわれないし、心もない。本当に人形のようで幽霊のようでもある。
ジャラジャラ…
鎖が俺の手元に巻き戻ってくる。
現状、俺の身体能力は大半がかなり上がっている。しかし本質であるスキルや宝具は、影しか使用不可。それにスキルは魔力の充電が必要で、連続は使えない。
「…やっぱりぐだ男が羨ましいぜ」
現状の自分の状態を冷静そうに確認するようで、俺は心の底からあいつを羨ましく思った。
どんな力を手に入れても、ここに彼女はいないのだ。
その声を聞くことも、体温を感じることも、意思を交わすことも…できないのだから。
ふと、マシュちゃんとあいつが仲良く談笑してる姿を思い出す。
儚げな彼女の笑顔と、それを包み込むような優しそうなあいつの笑顔が…
————ああ、本当に…羨ましい。
ー《F/GO》ー
〜ぐだ視点〜
第3の具現を撃破する。別段精神攻撃するってわけでもなかったが…いや、ある意味精神的…というか正気度的にくる攻撃ではあった。
「…行くぞマスター」
「うん。行こうメルセデス」
「は、はい…」
第3の扉を抜ける。重く、ずっしりとした扉の隙間からどんよりした湿気混じりの風がなびいてくる…その瞬間…
グシャ…
「———ッッッッッッ!!!?!?!」
———
頭を抱えるほどの激痛が。熱さが。一気に流れてくる。
手足をおられた。
——瞼を開けても閉じても、ノイズが酷い。
目をえぐられた。
——知らないイタミが体に走る。
体に穴を開けられた。
——あるはずのない傷跡が見える。
気味の悪い生物に精神を溶かされた。
——こんなの初めてだ。
性欲の塊に体を貪られた。
——いや、違う…
暴力の塊に死ぬまでいたぶられた。
——このイタミを…どこかで知った。
死んだ。
死んだ。
死んだ。
死にたくない。
死んだ。
死んでしまった。
次がある。
死んだ。
次がある。
死んだ。
殺された。
喰われた。
死んだ。
次が
死んだ。
まだ次ある。
また次がある。
もうやだ。
死んだ。
死ぬ。
死。
助けて。
いやだ。
千切れた。
次。
次。
次。
死んだ。
死んだ。
死んだ死んだ。
死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ。
死。
死死死死死死。
死んだ死んだ
…死んだ?
死んだって?
死ぬってナニ?
私は…
俺は…
ダレナノ?
死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ殺され死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだタスケテ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死生きる死死死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ————
ッッッッッ!!!?!?!!!
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
俺は思わず拳を作り、壁に叩き込む。瓦礫がいくつか体にあたるが、そんなのはどうでもいい。
今見たのはなんだ?
俺が見たのはなんだ?
俺は…何を見た?
俺は…
ザザッッッッッッ
————ノイズが走る。
……僕はリツカだ。藤丸 立香。
それ以上でも以下でもない。
「……」
「り、リツカ…さん?」
「…なんでもない。ごめんねアヴェンジャー。あと心配してくれてありがとう、メルセデス」
僕はぐだ男。僕は立香。
それに変わりない。そのはずだ。
第4の扉が見えてきた。
感想指摘待ってます!
わからなかった人への説明。
影メドゥーサ。
もはやスタンド(意思はない)
荒木くんの強化内容
スキル使用可能(ただし影メドゥーサ出してる状態のみ)
身体能力の大幅アップ(ただしぐだ男には勝てない模様。ぐだ男ェ…)
鎖を自由自在に操る。
まだ書いてませんがデメリットもあります!(英霊の力を使うのにデメリットがあるのはもはや伝統ってSN主人公も言ってた)