シャドウサーヴァントから始まる人理救済   作:ドリーム

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第四特異点だよヤッター

アナスタシアちゃん出ないよヤダー

カドアナ流行れ


第4特異点 死界魔霧都市〜ロンドン〜 ロンドンの貧民街から聖杯欲しくてヒャッハー
霧の都で迷子になったら基本死にます。これ英国のきほんネ


 

〜管制室〜

 

レイシフト当日。俺たちは第四特異点へのレイシフトに向けて、管制室に集まっていた。

 

「レイシフトだよ!全員集合!!」

「なにその日曜の夕方にやってそうなタイトル…」

「そんなことはどうでもいいんだ重要なことじゃない。特異点を攻略するチャンスだ」

「おう、そうだな」

 

そして、ぐだ男がいつもの位置につき、今回の動向サーヴァントを発表する。

 

「実は…今回の編成は普段と変えて、セイバー アルトリア。アーチャー オカン。そして…キャスターメディアで行こうと思う!!」

「なにぃ!!つまりもう兄貴死亡ネタができないのか!!?」

「そうなんだ…兄貴もレオニダスブートキャンプに出かけちゃって…」

「いやあれ以上強くなってどうすんだあの人…」

「ケルト最強って言っても過言ないらしいしね」

「でも先輩…クー・フーリンさんは最近ずっと「今日もガッツ、明日もガッツ、明後日もガッツ、これからずっとガッツガッツガッツガッツガッツガッツガッツガッツ…」って呟いてました」

「彼にも色々あるんだよ。うん」

「なに、彼には戦闘続行スキル以外にも矢除けの加護って言う名前からしてチートなのがついてるから大丈夫だ」

「まあカルデア召喚システムの不具合で三回までなんだよねそれ…」

「やっぱりあれ壊した方がよくね?」

「らめぇ!!!」

 

まあ、そんなわけで今回は兄貴ことランサーは同行せず、代わりにメディアさんがついていくわけだ。

 

「任せなさい。戦うのは少々専門外だけど、相手もサーヴァント、魔術が絡んでいるなら私も十分戦力になるわ。マスターはしっかり守るから安心なさい坊や」

 

メディア=サン…なんて頼もしい人なんだ!やっぱり年を重ねた魔術師は伊達じゃねえ!!

 

「なにかイケナイ事を考えなかった?」

「なにも考えてないので杖を頭から離してもらえませんでしょうか!」

 

なんとか離してもらえたぜ…後数秒謝るのが遅かったらオルガってた(地面に倒れるの意)

 

「はあ…まあ守る必要ないくらいおかしいマスターですけど…」

「それ言っちゃあいけませんよ」

「僕がどうかした?」

「「いや、なにも」」

 

話がずれたが、後半、つまり俺についてくれるパーティーを紹介する。

 

「まずは、ルーラー!ジャンヌ!!」

「私も仮面ルーラーだ!!!」

「ハイ、そうですね」

 

いつも通りのソウルフレンド。

ちなみに昨日はコマンドー(日本語吹き替え完全版)を見たあと、仮面ラ◯ダーアマゾンを全話視聴したのち、コスプレしながら「アアアアアマゾオオオォォォォォンッッッ!!!」と叫びつつ邪ンヌを追いかけてたらしい(邪ンヌは号泣しながら逃げてた)

そのせいか、髪がボッサボサで、上下芋ジャーに頭にずらしながら仮面をつけてるダメ女状態なのだが、そのことには目を向けてはいけない(戒め)

ちなみにジル軍師はそこで死んでる。出会い頭に目潰しされたらしい。哀れ…

 

「次にアヴェンジャー、邪ンヌね」

「怖い…仮面怖いよぉ…」

「なにがあった」

「深夜に仮面つけた聖女が微動だにしないアスリートフォームで追いかけてきた…」

「それはたしかに怖いな」

 

邪ンヌ、我らがツッコミ担当の常識系復讐少女。姉が右手が常に唸ってて笑顔でパンチかます聖女で、父が目を飛び出してて触手プレイ好きの軍師で、母がもはや慈愛などない聖杯。

という家族を持つかわいそうな子。

泣けてきた。

 

「ラストはこの人、見た目は子供、胸は豊満、その下半身は…スケスケだった…!セイバー、ネロです」

「むむ!!マスターよ!余は完成されているのだ!!決して子供などではないぞ!!」

「ソーデスネ」

 

ローマ。それ以上でもそれ以下でもない。

一つ言うなら…その胸は…豊満だった(自明の理)

 

ん…?あれ?

 

 

「俺のパーティー…変わってないんだけどこれ発表する意味あったの?」

「ウルセェそのおけつに爆竹ぶち込むゾ」

「それ僕のネタですごめんなさい」

「ん?今なんでもするって…」

「言ってねえよ」

 

いつもの冗談を交え、俺たちはサーヴァント達と共にコフィンに入り込む。

コフィンの中はいつもどおり薄暗く、前方の強化ガラスはぼやけ、外でスタッフが忙しなく動いてることをかろうじて理解できる。

 

(コンディションは万全…みんなの足は引っ張らないぜ…)

 

無意識にショルダーに刺したナイフの取っ手を握りしめる。

硬くてひんやりしたナイフは緊張で跳ね上がった体温を指先から冷やしてくれる。

 

 

 

 

 

「さあ、第四特異点へ出発だ!!」

 

 

《レイシフト、3秒後にスタートします》

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、また座標ずれた」

「知ってたけどお前は許さない」

「ゆ、許してヒ◯シンス…」

「ファッ◯」

 

 

 

 

 

 

 

 

————レイシフト、スタート

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

 

ロンドン。英国、イギリスの首都であり、あの時計塔がそびえ立つ町である。

また、産業革命による蒸気機器の発明により、そこには多くの蒸気が発生し、そこは霧の街とも…

 

 

 

 

 

「いや…濃すぎるだろ…」

『濃いわね…』

 

あたりを見渡しても、霧、霧、霧、霧、霧…ミストさん漂うこの街中でなによる不安なのが…

 

「ジャンヌ達がいない…アカン…俺死んだかもしれん」

『ちょっとやめなさいよ…不安になるじゃない…』

 

なによりジャンヌ達サーヴァントが誰も俺と一緒の座標に送られていないことだ。

一緒にいるのはハルペー入りの所長のみ。

これで人がワイワイしてる街中なら大変ありがたいが、いま俺がいるのはこの視界数メートルも確認不可能の濃霧。

なんとか街灯が辺りを照らしているが、人影が全く見えない。

 

視界は真っ白、自分の足元さえちゃんとした地面に立っているのかさえ不安になってくる。

すると、音声音がなり、

 

『あ、くず男くん!よかった無事だったんだね!!』

「おうロマン。よくもヘンテコなとこに送ってくれたな…まあそれはいいや。ぐだ男達は無事?ジャンヌは?」

『あ、ああ…大丈夫。ぐだ男くん達もちゃんとレイシフトしてるしみんな一緒だよ』

『ロマ二、この霧はなんなの?解析はどうなってるのかしら?』

『ああそうだった!!くず男くん!今すぐ屋内に避難するんだ!!』

 

所長がこの濃霧について聞こうとすると急にロマンはなにかを思い出したのか、俺に避難を誘導してくる…しかし…

 

p————!!!!

 

『『「ッ!!?」』』

 

改造魔造眼鏡のアラームがなる。これを改造した俺はこのアラームの意味を理解する。

これはカルデアの管制室のシステムを基盤に作り上げた。

数秒遅れてカルデアの管制室の方にも()()を感知する。

 

『くず男くん!敵性反応だ!』

「ああ!俺もわかってる!!」

 

ナイフとハルペーを引き抜き、全方位に警戒を向ける。

しかしサーヴァントなしでいきなり戦闘とは…こんなんじゃ俺…特異点修復する前に死んじまうよ…

 

 

 

「なんて霧に毒されてる場合じゃなかった!!」

 

その瞬間、後ろから聞こえる…まるでイノシシの突進音のような音を俺は聞き逃さなかった。

 

ドドドドドドドド…!!

 

後ろから迫る音を聞き分ける。ソレは改めて聞くとイノシシというより迫り来る車のタイヤ音のようだ。

 

自身にギリギリ音の正体が衝突しようとした瞬間、俺はカルデア制服を通し魔術を速やかに起動する。

 

以前よりはるかにスピードをあげた起動速度。練習した甲斐があったもの!

 

「跳躍力強化!ふっ!」

 

ソレの後ろにバック宙で周り込み、ハルペーで思いっきり切りつける!

 

ズチャアアッッッ…

 

(…な、なんだこの感触…)

『なに今の音…』

 

所長も俺と同じ感想らしい。そして吹っ飛ばされたソレは丸まった白い巨体を持ち上げて、こちらを見下ろしてくる…でっか!!?

 

『くず男くん!ソレはホムンクルスだ!通常の人間とは違う戦闘用に作られた人工物だ!!』

「魔術的に!?魔術すごいな…いつのまにかそんな漫画みたいな…って魔術自体漫画みたいなもんだった!!」

『ちょ、ちょっと漫画のなんかと一緒にしないでくれる!?』

「所長うっさいです」

『アッハイ』

 

それはなんというか…出来損ないの人間のような…粘土細工というか…感情のない瞳でこちらを睨んでるのか、見るって機能がそもそもあるのか、

 

ビュンッッ

 

「え…?」

 

しかし、やはりソレは魔術によって生まれた常識を超える存在。

某有名なバトル漫画のようにそいつは俺の前に移動し、その形容しがたい形の腕を俺の顔面に叩きつけてくる。

 

バァンッッ!!

 

破裂するような音が街に響く。

意識が一瞬あっち側に持っていかれそうになったが、足を踏ん張り、壁にナイフを引っ掛けなんとか立ち上がる。

右目が見えないのは叩かれたとこから血が出ていて目に覆い被っているからだろう。

 

こんな余裕そうにしてるが、むちゃくちゃ痛い。悲鳴も嗚咽も吐かないだけマシだと言ってくれ。

 

『くず男くん!早くそこから離れるんだ!じゃないと…』

「…わかってるよロマン…クソ…現実いいことねえなぁ…」

 

ズ…

 

ズ…

 

ズズ…

 

眼鏡のセンサーにもカルデアの管制室にもソレらを捉えていた。

 

濃霧の陰から複数の巨大な影…ホムンクルスの集団。

 

「はあ…退路は…塞がってるか。ロマン!ぐだ男の方に通信回しといてくれ。俺の事情を伝えてサーヴァントを一体でもいいから俺に回してくれ!!」

『わ、わかった!すぐに通信は戻す…耐えてくれ!!』

 

ブツりと通信を切る。ハルペーを握り直し、目の前の悪夢を直視する。

 

回復魔術も回したおかげでだいぶ動くようになってきた。

手足首を回しつつ、全身のチェックを素早く行い、目の前の敵に刃先を向け、構える。

 

 

 

「一人目!」

 

目の前のやつの頭付近まで跳び上がり、踵落としを食らわせ重心がずれた瞬間に頭にハルペーをねじ込み体重ごと押し倒しながら差し込む。

ムニムニとした気色悪い感触を覚えながら、粉になって消滅するのを見届けつつ、次のターゲットに目を向ける。

 

「二人…目!!」

 

地面から低姿勢で移動し、最も近くにいたやつのかかとを切り裂く。

そこから膝、股間、胴体、頭としたから素早くナイフで切り裂き、振り向きざまにハルペーを心臓部分にねじ込み、心臓をえぐりとる。

 

えぐりとった心臓を後ろから俺に手を伸ばすホムンクルスの顔面に叩きつけ、その隙に後ろに周り込み、三、四人目を殺していく。

 

五人目、六人目、七人目どんどん殺していく。

その肉片を浴びながら、その血を垂らしながら、無論俺も無事ではない。

何度吹っ飛ばされ、何度壁に叩きつけられたかわからない。

だがあいにくここは裏路地、逃げ道は大量のホムンクルスにふさがれて、窓を突き破って民家に入っても出口塞がれて結局やられるだろう。

跳躍力強化で屋根の上に飛ぶってのもあるが、この濃霧の中、足を踏み外しやすい屋根の上は遠慮したい。

 

しかしそれでもホムンクルスどもを順調に削り取っていく。このままいけば、何とかこの包囲網を突破できるのではないか…

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし現実はやはり甘くはない。

 

 

「ガハッ…なんだ…これ…?」

 

血だ。回復魔術は常に回してたし、ダメージは比較的なかった。

しかし、急にくるむせ、喉がカラカラになり、体の中がぐちゃぐちゃになりそうなのを理解する。

 

《くず男くん!今すぐ屋内に避難するんだ!!》

 

ロマンの言葉を思い出す。ロマンはなにを言いたかったのか?

所長は霧について聞き出そうし、この反応が返ったきた。

 

「まさか…この霧…有毒!?」

『嘘でしょ!?まさか宝具!?』

 

それしか考えられない。この街全体にかかってるって考えるならこんな大きぼ、間違いなく宝具。

 

意識を回すと、急に視界がぐらつき膝が震える。

しかしホムンクルス達は手加減などしない。

 

ドオオオォォッッッ

 

バキィッッ

 

「…!!」

 

背中から大きな衝撃が伝わってくる。動けなくなった隙にホムンクルス達はここぞと攻めてくる。白い大きな拳により、体にいくつもダメージが走る。外の打撃、内側の損傷、無事なのは精神面のみ。

自分でも驚きだ、こんなオワコン状態でもまだ俺は諦めてないらしい。

震える肩を痺れてる手でつかみ、ハルペーを大きく振り回す。

 

グチャアアァァァ……!!!!

 

前方のホムンクルス達が何人か吹っ飛び切り裂かれ、打撃ダメージは一旦やむが、中のダメージが酷く、これっぽっちも動けなかった。

 

 

最後の力を振り絞って上を見上げる。見慣れた不細工面をしたホムンクルスが、その無機質な瞳に俺を写しながらその拳をたたきつけようとしてくる。

間違いなく頭に当たる。かわせないし防げない。

待ってるのは死。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやだ。

死んでたまるか。

 

こんな場所で…

 

 

まだ…

 

俺は…

 

 

()()()()()()()()()()———ッッッッ!!!!

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

 

「あれ…ここは…」

 

気がつけば俺は民家で眠っていた。

誰かがつけたであろうランプを見て、俺をここに運んでくれた人がいることに気がつく。

辺りを見渡し、ランプのすぐ下に眼鏡やナイフが置いてあり、壁にはカバンやハルペーがかかっていてものはとりあえず何もなくなっていないようだった。(所長も寝てるし)

 

「!!!」

 

しかし、しばらくすると、扉の向こうから音が聞こえ始める。

俺はすぐさま毛布をひっくり返し返し、置いてあった私物のナイフを持ち構える。

そして、ギイィィっと音を上げ、扉が開く…そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや?起きたんですねぇ!タマモ、なかなか起きないものだから心配してましたよ〜あ、お粥ありますけどたべれますぅ?」

「え?あ…どうも…」

 

和風美人がいた。

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

 

———彼は気がついていない。

誰も気がついていない。

なぜならそういう風に()()()()()()()()()()

 

世界そのものからすれば事実の書き換えなんて容易だろう。

誰もそこにはいなかったし、誰もが少年が運良く包囲網を抜け出し、通りかかったはぐれサーヴァントに救われたようにしか見えないだろう。

 

 

 

 

 

 

…故に誰もその裏路地での()()を知らない。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に気がつけない。

 

 

 

 

修正は進む。

 

世界は反抗を開始していた。

 

 

 

 

 

 

そのことに少年はまだ気がつかない。

 

 

 

 

 

その()にさえ、気がつかない。

 

 

 





〜やったねくず男先生のコーナー〜

くず「ついに第四特異点だよヤッター」
ぐだ「ついにくず男がぼっちになっちゃったよヤダー」
マシュ「まずいですよ先輩!くず男さんが謎の美女と二人っきりです!美女が危ないですよ!」
くず「マシュちゃんや、俺の心配はしてくれんのかい?」
マシュ「そんなこと言ったら先輩は先輩で色々やばくて心配ですよ!くず男さん!」
くず「おいマシュちゃんが霧の毒素にやられてんだけど」
ぐだ「なんだっていい。マシュちゃん可愛いヤッターのチャンスだ」
ミ◯ト「こんなに俺とカルデアで意識の差があるなんて知らなかった…!こんなんじゃ俺…特異点作り出しちまうよ…」
ぐだーず「「帰れ」」


〜終わり〜

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