はいすみません。次回は多分所長の話です。
アルテラさんの文明基準は厳しいようで緩いようです。
〜くずルーム〜
「お菓子はいい文明。破壊しない。だがこの開けずらい袋は悪い文明。破壊する」
「待ってアルテラさん。来て早々ポテチの袋に向かってマジギレしないで!これはこことここをつまんで引っ張ると…ほら簡単に開くから…」
「む…(もぐもぐ)ポテチはいい文明」
「ほっ…」
第三特異点を修復し、自室で一夜過ごし目が覚めるとそこにはくつろぐアルテラさんがいた。
自分の
「しかしマスターの部屋はなぜか毎回清姫というバーサーカーがいて入る気分になれない」
「ごめん、同情する」
「同情するならお菓子をくれ。でなければ…」
「アッハイ。えーと…団子しかねえ…食べます?」
「なんだそれは?」
俺は棚から串刺し三色団子を取り出し、緑茶とともにアルテラさんの前に出す。
アルテラさんは串を持ち上げ、団子を眺める
「私の剣に似ているな」
「あ…言われてみれば…」
アルテラさんの宝具、『軍神の剣』は三色の刃を持つ。(というか最初はビームサーベルにしか見えなかった)
赤、緑、青の虹のような剣だった。
対してこの団子は一個一個が赤、白、緑という配色で、白と青と違いはあるが、『軍神の剣』を持つアルテラさんが白ぽいイメージがあるのでなんか似てると言われれば似てる気がしてくる。
団子をもぐもぐと幸せそうに食べるアルテラさんは、何か閃いたのか、「ハッ!」という漫画のキャラクターみたいな顔になる。
…絶対しょうもないことの気がする。
「…!アラキ。まさか団子とは…マルス!!」
「違いますよ。ただの和菓子です」
「…そうなのか…」
なんか最初ローマであった暴走アルテラとここにいるアルテラさんが全く同じ姿とはいえ…ギャップがすごいな…
可愛らしさが目立つ…うーむ。
そもそもフンヌの大王ってレフ…じゃなくて
フラグロスが言ってたからてっきり屈強な男でも出てくんのかと思ったら褐色美少女出てきて別の意味で度肝を抜かされた…あのぐだ男ですら
『アイエエエェェェェェェ!?女の子?女の子ナンデ!!?』
なんて忍殺語になっちゃうくらい驚いてたし…
でも後々になって
『でもよく考えたらアーサー王もローマ皇帝も女の子だったじゃん』
『あ(察し』
ってなってなんか、その後もフランシスク・ドレイクも女だったし、もうたいして驚くこともできなくなって来たな。
「アラキ。団子はあるか?」
「あ、へーへー。緑茶飲みます?」
「ああ。これはいいものだ」
「了解。熱いからお気をつけて」
「うむ……アツっ…」
いますんごい可愛い声聞こえたけど気のせいだな。うん。
とりあえず今は…
「お茶は熱くて悪い文明…破壊s「待って待って待って!!!!」」
俺のマイルームを守らなければ…
ー《F/GO》ー
〜翌日〜
俺が部屋でダ・ヴィンチちゃんから盗んだ機材の数々を、ロマンから盗んだお菓子を食べながらガチャガチャいじっていると、突然マイルームの扉が開く。
「アラキ。マスターに聞いたがお前は“マンガ”とやらを持っているようだな」
相手はまたアルテラさんだった。どうしたんだろうか?またお菓子か?
と思ったが今回はどうも違うらしい。
「え?まあ暇つぶし程度に…それがどうしたんです?」
とりあえずふつうに答えつつ、なぜそんなことを聞くのか聞いてみた。
「それは文明か?」
「…多分文明です…」
「どいてろ。破壊「待って。読めば理解できる」…わかった」
危なかった。後ちょっとでマイルームごと俺のコレクションが吹っ飛ぶところだった。
とりあえず数冊ありきたりな少年漫画でも渡しておく。
それから数時間アルテラさんは椅子に座ってパラパラ読み進め、読み終えると「次の巻をよこせ」と言って来たので言われるがままに渡し、またそれを読み終えて、次の巻を要求。俺は次の巻を渡す。
そんなことを繰り返していると、まあ当然寝る時間になるわけで、とりあえず全巻渡しておいた。
〜またまた翌日〜
「アラキ。ほかのマンガはないか?」
「え?もう全部読んだの?」
アルテラさんがまさかの全巻を読み終え、次の漫画を要求して来た。
なので今回はうってかわって少女漫画を渡してみた。
昨日と同じく、しばらくの間読み進め、最終的に最終巻まで渡して部屋に帰ってもらった。
〜翌日〜
所長と一緒にダ・ヴィンチちゃん作『ジャンヌクエスト 〜未知なるようで実はみんな知っている秘宝〜』というクソゲー臭がすごいゲームをやっている。(以外にハマる内容で天才は伊達じゃないと思った)
すると、突如扉が開き誰かが入ってくる。
「アラキ。読み終えた。次のマンガは…何をやっている?文明か?」
「いい文明ですよアルテラさん。やってみます?」
「分身…名前…あ…る…て…ら…よし。名前を打ったぞ」
「それじゃあ性別を決めましょう。まあ女…でいいですか?それとも勇ましい戦士って感じで男でも」
「女。女がいい」
『じゃあ次は見た目ね…なにこれ…見事にアルテラと同じパーツがあるわ…これなら作るの簡単ね』
「いや、見た目は変える」
「え?そうですか。どんなの作るんですか?」
「…笑わないか?」
「笑いませんよ。ねえ所長?」
『え?ああそうね。そんなことじゃ笑わないわ』
アルテラさんは不慣れな動きでコントローラーを動かし、キャラメイクをしていく…数分経つと、そこには…
「おお…随分可愛らしいのができましたね…」
『漫画のメインヒロインレベルね…これこのゲームのヒロイン枠取っちゃわないかしら…』
そこにはアルテラさんの姿とは全く似ていない、『アルテラ』が完成していた。
うん、しばらくゲームやってるとキャラメイク適当になっちゃうけど初めての時はカッコいい、可愛いキャラ作りたくなるよね。
「お、おかしい…か?」
「『いいえ、全く』」
何より恥じらいつつも聞いてくる目の前の美少女に俺たちは叶わなかった。
「あ!敵ですよアルテラさん!!」
「む…破壊する…あれ?私の剣は…」
『そりゃゲームの中にないわよ…バランス崩壊だわ…』
「あ、アラキ!街中でいきなり『どうぐ』を盗まれたんだが…!!」
「あーそういうイベントですよ。ここは今までの装備なしで敵に見つからないように泥棒を捕まえるイベントなんです」
『あんたさっきここで何回死んだっけ?(笑)』
「ウルセェトイレに突っ込むぞ」
『ごめんなさい』
《フハハハハ!!アルテラよ!私は今までお前を導く聖女を名乗っていたが実は…お前のお姉さんなんだよ!!へーいマイシスター!!》
「…アラキよ…この選択肢…『攻撃する』しかないのだが…」
「どうぞやっちゃってください」
「わかった。破壊する」
《グアアアアアアなぜ私が姉を騙る魔王だと気づいたぁあぁぁぁぁ!!!?!?》
『結構最初から分かるわよね』
「タイトルの時点でこんな気はしてた」
「私は分からなかった」
「『ゑ?』」
こうして着々と物語が進んでいき、最終的に魔王ジャンヌ=V=ダル・マイケル二世・クを倒し、世界に平和が戻った。
魔王が求めた秘宝は実は魔王が引きこもってる数百年の間に世界中に出回るようになったただのビー玉というオチは結構アレだった。
ただのドジじゃねえか魔王ジャンヌ=V=ダル・マイケル二世・ク。
あとなげーよ。
あ、アルテラさんは終始そわそわ楽しそうだったので良かったです。
ゲームはいい文明認定で済んで良かったと胸をなでおろす所長と俺。
俺たちに取って趣味を破壊されるとこだった。
〜翌日〜
「ゲームがしたい」
「そういうと思って用意してもらってました。『ジャンヌクエストⅡ 〜胃痛で死んだ黒い妹を救いに…行こうと思ったけどあと数十年引き守るから待って〜』…タイトルなげえなオイ」
「早速やろう。キャラメイクか?」
『今回はキャラメイクなしのものよ。主人公の魔族姫ジャンヌ・ダルク=オルタが、姉の魔王ジャンヌ=V=ダル・マイケル二世・クの馬鹿さ加減にキレて胃痛で死んだフリして困らせようとしたら本当に死んだことにされちゃって、川に死体として流されちゃうんだけど、流れ着いた雪国から姉に復讐するために魔王城に向かうって話よ…前作で死んでなかった?魔王ジャンヌ=V=ダル・マイケル二世・ク』
「そこら辺も語られるんじゃないんですか?俺もまだやってませんし」
「まあいい」
アルテラさんはちょこんとテレビの前で座り俺たちを見つめる。
「早くやろう。ゲームはいい文明だ」
とても楽しそうにニコリと微笑んだ…
((おお…浄化される…!!))
ゲームはやっぱアレなオチだった。
感想指摘待ってます!
ジャ「なんか私の扱いおかしくありませんか?」
普通です。