目が覚めた。
「いででてて…うう…背中が痛い。おもいっきし打ち込まれたな…槍の刃の方で叩かれなかっただけマシか…ウゴゴゴ…」
『!?起きたの荒木?結構キツイの貰ってたけど…』
「背中に跡つきますかね…オッフ…アーいてー…どうなりました?黒ひげは?聖杯は?エウリュアレお姉さんは?裏切りランサーは?」
事情を所長に聞いてみたところ、どうやら俺はだいぶ寝込んでいたらしい。
もうすでに日にち超えてるっていうね…ナンテコッタイ
裏切りランサー、ヘクトールを追いかけ中だったらしい。
というか…
「やっちゃえヘラクレス!」
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️ッッッッ!!!!」
「な、ぬわああァァァァァァ!!?姐さん!!船底に穴が!!?」
「塞ぎな!!したでくず男が寝てんだろ!!?」
「な、なんだ!?あっちの船…まるで透明な壁があるみたいで弾が届かねえ!!?」
「私の女神ヘカテーの魔術です!そして私はイアソン様の妻です♡」
「ああそうだね僕のメディア!わかったから防御を頼むよ!…ごふッ…」
「アイツ吐血してね?」
「夫婦感のいざこざだろ?そっとして差し上げろ」
「「「「アッハイ」」」」
そんなド◯フの大爆笑みたいなコントが聞こえたが、その時、
ドガアアアアアアァァァァァァンンッッッ!!!!
船の壁に穴が空き、空いた穴からオッドアイの岩のような体を持つ、巨大な男がその身丈と同じくらいの斧(?)を抱えていた。
『そんな現実離れした怪物を見た荒木=サンはSANチェックをどうぞ』
「悪いが俺はダイスは持ってないし、TRPGだと毎回俺死んでんだよな…じゃねえェェェ!!!?」
俺は直感でその場から移動する。その大男はこちらを見据えながら斧を叩きつけてくる。船に凄まじい音が響き始める。このままでは船がタダでは済まないだろう。
「ヒュー!見ろよあの大男!」
『まるで大英雄みたいね!!』
こんなコントが唯一の心のオアシスですぜ畜生!!
「一瞬でもいいから動きを止める…所長!!」
『ガンド!!』
しかし、
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️ッッッッ!!!!」
弾かれた。
「はあ!!?おかしいだろ!!?あの一流ガンドを弾くのかよ!!?マジファッ◯!!!」
『ちょ、ちょちょちょっと!!?私ガンド以外何もできないんだけど!!?いやー!!まだ死にたくなぁぁいいいいッッッッ!!!』
「黙れ小娘!!喚いてないでなんか考えろ!!」
『ウワアアァァァァンッッッ!!!爆破バカに考えろとか言われたァァァァァァ!!!』
「それド-ユ-コト?」
ああそうだよ(諦め)
俺は爆破が世界を救うって知ってんだぞ!!
そのためならぐだ男の一人や二人犠牲にしても…だめだ。あいつが死ぬとこを想像できない…
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️ッッッッ!!!」
「クソ!!どっちみちこのままじゃ船はオジャンだ!!バーサーカーだな…アステリオスと同等レベルのステータスだとは思うが…」
だが奴は怪物ではなく、大英雄。
真名をヘラクレス。様々な武芸をおさめ、十二の試練、半神などで有名なチューやばいサーヴァント。
まああくまで外の妻帯者野郎が言ってることが本当ならの話だが…
「くず男!無事か!?」
「オカン!」
「あとで叩くぞ!そんなことより…くっ…バーサーカー!!」
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️ッッッッ!!!!」
あ!そういえば先輩は聖杯戦争で「私はあのヘラクレスを5回殺したがね」とか言ってた!!
「せ、先輩!あのバーサーカー、ヘラクレスってマジ?」
「マジのマジだ!!」
「無敵の固有結界でなんとかしてくださいよぉ〜!!!」
「だめだ!!ここでは詠唱する暇がない!!」
「詠唱!?以下略とかだめなの!?」
「ムリポ」
「キャラブレ!!?」
そんなガングロ顔を真顔にしてそんなアホみたいなこと言わないでよ!!
とにかく逃げれェェェ!!!
……いやだめだ!!このまま船が沈むのはまずいし、エウリュアレお姉さんを渡しても置けん!!
「先輩!!スナイプ!!」
「なに!?相手はあのメディアの結界付きの船だ!!弾かれるぞ!!」
「ヘラクレスはバーサーカーになってちょっと動きが鈍臭い!!隙をついて船に接近!俺がハルペーで結界を切る!!」
「無茶を言うな!!そういうのはサーヴァントの仕事だ!!」
「でもこのままじゃ沈む…ん?」
ヘラクレスの攻撃が急にやむ。
なにかと思い外を見ると、ヘラクレスは何かに抑えられていた。
アステリオスだ!!
「!!ジャンヌ!邪ンヌ!ネロ!全員こっち来い!!先輩、ぐだ男に船を任せたって言っといて下さい!!」
「ど、どうするつもりだ!?」
「アステリオスが体張ってんだ!!俺たちが張らない訳ないでしょ!!無謀っていいますか!?」
「…私はなにも言わん。あくまで私の
マスターはぐだ男だ」
「…サンクス!」
俺の声を聞き、すぐさま俺の元に集まる3人の頼もしいサーヴァント。
「ジャンヌ!宝具を極小展開、邪ンヌは遠隔操作で相手船の周りを炎で囲め!!ネロは俺を抱えろ!ちょっと無茶するから!!」
無言の先輩のスナイプ投影。巨大な弓の弦に足を乗せ、おもいっきし船に空いた穴から飛び出す。
不死殺しの槍に結界を破る力があるとは思えんが、なんでもない武器で叩くより宝具で叩く方がマシだ!!
「!!?まさか上から来るとはね!メディア!撃ち落とせ!!」
「はい。イアソン様」
船の甲板に魔方陣が展開され、そこから魔力砲が発射される。
そのためのサーヴァント!!
「弾け!ネロ!!」
「うむ!!はあああああァァァァァァ!!!!!」
真紅の剣が砲撃を弾き飛ばす。
火炎を纏う剣は次々に魔力砲を撃ち落として行くが、このままではジリ貧だ。あの展開された魔方陣を破壊する!!
「対魔力スキルB相当のナイフを打ち付ける!!」
バリィィンッッッ!!!!
「な!!?」
「お、おい!!なにやってるんだメディア!!」
ヒュー!!さすがダ・ヴィンチちゃん作成のナイフだ!!刃先が折れたとはいえキャスターの魔方陣を崩したぜェェェ!!!
「うお!!透明な壁が!!これか!!ネロ!崩すぞ!オラオラオラオラ!!!」
「余に任せよ!!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!」
…全然穴も傷もできねえ…まあ予想はしてたよ。こうなったらプランBだ!!
…今から考えるってことは指摘するな!!
「ギャァァァァァァ!!?魔力砲がファン◯ルみたいに追跡してくるゥゥゥゥゥ!!!?」
くそう!!背中にちょっとかすってる!!かすってる!!熱い熱い熱い熱い熱いアツゥイィィィィィィ!!!!!
走りながらじゃぁなにも閃かな…い…
…閃いた。
そうだよ。なにも結界を崩す必要ないじゃん。
笑みがこぼれる。クククククククク…ははははははは…
「ふははは…イーヒッヒッヒッヒッヒ!!船にピッチリ結界を張ったのは失敗だったなキャスター!!
ネロ!!しばらくそこの美少女人妻キャスターと妻帯者ビチクソロリコン野郎の相手を頼むぜ!!」
「任せよ!!」
俺はそのまま船から飛び降りる。
待ってろよ金髪サラサラヘアーロリコン野郎!!
あ、もちろんヘラクレスがいる方とは反対の方に飛び降りる。
ひゃー海水ギモッジィィィィィィ…(大嘘)
「ふ、フハハハハ!やっぱり僕らアルゴノーツが怖くなって逃げ出したか!?臆病者め!!
———まあ気持ちはわかるよ。なにせ相手はあの裏切りの魔女のメディアに偉大な王な王になる僕イアソン。そして何よりあの大英雄!ヘラクレスがいるんだからねェェェ!!!」
「うるさいぞそこの妻帯者!!貴様は美青年だが、これっぽちも余のタイプじゃないぞ!!」
「やーいやーい見捨てられたかわいそうな下級サーヴァント!!お前も海に落としてやろう!!メディア!」
「はい!イアソン様!!」
「くぅ…こやつらの相手は骨が折れるぞ…主に精神面で…アラキ早くするのだ…」
ー《F/GO》ー
〜海中・船底〜
あいにく泳ぎには自信があってね(真顔)
一応ハルペーで切りつけてみるが、船底には案の定一切傷がつかない。結界は船底にもしっかり働いてるようだ。安心したぜ。
これからやる作戦には船全体に結界が張ってあることが最低条件だ。
まあ張ってないなら別に船底に穴開けて侵入するがね…(暗黒微笑)
(さあて…呼吸が続くのは1分くらいか…貯蔵は…粘着式が5個か。十分だな)
作戦とは、結界により外部から内部への衝撃はゼロだが、船自体への衝撃は緩和されない。
つまり、こうやって船底に爆弾を仕掛ければ凄まじい勢いで船は転覆し、船内はおもいっきし荒ぶることになるだろう。結界も少しの間は崩れる…つまり、
(転覆しろ!!アルゴノーツ!!!)
ボグワアアアアアアァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!
(『緊急回避』!!)
爆発から礼装で能力回避しつつ、その凄まじい威力の爆風により、船は予想通り凄まじい勢いでひっくり返る。結界により、船自体に破損はないが、中がスゴイ。
特にあの金髪サラサラヘアーやろうの荒ぶり方が。
「わあああああぁぁぁっぁぁぁあああっっっっ!!!!?め、メディア!?なにが起こってるんだ!?僕の船が!?」
「落ち着いてくださいイアソンさま!!いま結界の安定を維持してます!そのあとヘラクレスに船を起こさせましょう!!」
おーおー大慌て大慌て。まるで水をかけられた猫みてえだ。
あ、目があった。とりあえず笑っておこう。ガハハハ!!
「ああ!?まさか…アイツがやったのか!!!?」
さて、あのイアソンとかいうのはどうでもいいが、あのメディアとかいう人妻キャスターはやばい。
魔力砲がもはやファン◯ル。
俺はあんなイーゲル・シュテ◯ンを受けてる場合じゃない。
(この不安定さなら…切れる!!『ハルペー!!!』)
ズバアアアアアァァァァァァァァッッッッ!!!
結界はやはり突然のことでもろくなっていた。いともたやすく切り裂けたぞ!!
あとは走る!!
エウリュアレの元まで!!
「うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉッッッ!!」
「メ、メディア!!なにやってるんだ!!奴が入って来たじゃないか!!」
喚いてろアホめ!!エウリュアレは…よし、マストにもたれかかってるな!!
あと6メートル!!
「クソ!走りずらい…!!」
4メートル!!
「あと…もうちょい…!」
2メートル…!!!?
お前は…!!?
影からそいつは長い得物を持って現れる。
「悪いね坊主。おっさん防衛戦は大の得意でさ〜…」
「ヘクトール!!そいつに女神を渡すな!!」
「このぉ…流石にサーヴァントは……なんてね!」
相手に向かって体をひねりながらの自身の体を軸として回転しつつハルペーを叩き込む。
無論…
ガキィィィィンッッッ!!!
「おーおーあぶねえあぶねえ」
奴はハルペーを防ぐ。それでいい。防ぐってことはゼロ距離だ。
くらえ!!
『ガンドッッ!!』
「なに!!?」
一瞬の出来事、奴の胸元に所長のガンドが炸裂。
動きを止めたヘクトールの脇を抜け、エウリュアレを担ぎ、そのまま海中へ走る!!
(ちょッッ…これなに!!?)
(あ、起きた。まあもうちょい我慢して…ゲ…)
何とか船から脱出したと思ったらアステリオスを振り飛ばしてヘラクレスがこちらを見つめていた。
斧を捨て、こちらにスゴイスピードで泳いでくる。
(いや、無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!!!
あんなのとガチンコ☆水泳対決なんてしたくねえ!!!)
(な、なんとかしなさいよあなた!!このままじゃわたし達海の藻屑よ!?)
(女神様ってスゴイなー直接脳内に言葉を送るなんてー…うバババババババ…)
何が何でも生き残る。
と、そんな時、海上からロープが垂れて来た。そして同時に上から胡散臭い声が聞こえる。
『そんなあなたにとっておきのジャンヌ☆タクシーでーす。そこに吊るしたロープに捕まればあなた方を一気にフィィィィィィィッッシュッッ!!!』
(上からロクでもない聖女の声が聞こえるが…これ頼みだ!!もう目の前に大英雄=サンいるんだよぉぉぉぉ!!!!?)
無我夢中で俺はロープに手を伸ばした。
ー《F/GO》ー
〜どっかの島〜
「いやぁ…アルゴノーツ団は強敵でしたね」
「オーバー◯ビルに比べちゃいかんでしょ。スゴイ=シツレイだよ」
「アイエエエエエェェェェェェェェェ!!!?」
急に忍殺語で語りかけてきたぐだ男に滅殺拳法イダダダダダダダ…腕おかしい方に曲がったよ…
「僕に組みつこうとするからだよ。新しいキャラシート用意するかい?」
「さっきしかけたけどね。あー痛い痛い!?エウリュアレ様!?ヒールで蹴られると流石のカルデア礼装でも痛いです!!」
「うっさいわね!女神である私を海中に引きづりこむなんて…」
「でも助かったじゃないですかーヤダーア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛…」
「先輩!!くず男さんが…!!」
「キーボーオーノーハナー(「止まるんじゃねえぞ」の意)」
「歌ってる場合じゃないですよ先輩!まずいですよ!」
「マシュ、ステイ」
「ワン…はッッ」
そのあと仲良く砂浜に沈んだ二人の人類最後のマスターがいたそうな…俺たちだな。
〜教えてくず男先生のコーナー〜
くず「えー…本当ならしたくないんだけどー…これからエウリュアレ様にお詫びに地獄巡り…じゃなくて、タノシイタノシイ女神とのデートに出なきゃいけないんで早めにどうぞ」
ぐだ「ねえ…僕の首どうなってんの?劇中でマシュに首吹っ飛ばされたんだけど…?一瞬180度回ったように見えるんだけど…?」
マシュ「(ふんすふんすした顔してる)」
くず「気にするな。それは首じゃなくてホーレンソーだ」
ぐだ「ちょっとなに言ってるのか分からないです」
セイ「セイバーウォーズ復刻です!皆さん頑張ってくださいね!!」
ぐだ「あれ?アルトリアサン普段より白…あれ?」
くず「青い方はどこへ…?」
アチャ『宇宙へ弁当を届けに行きます。探さないでください』
ぐだ「おい」
〜終わり〜