私は満足していない。
どうしたらいいってんだ。お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛…
「おらぁ!黒ひげ!!聖杯貰いに来たぞオラァン!!」
「ああ?海賊からお宝奪う宣言とは太え野郎だ!!野郎ども!全弾構えろ!!」
再戦。再び海上で二つの船がならぶ。
弾が飛び交い、海賊たちの交戦が始まる。
前回との違いといえば…
「攻めてこねぇ…だと?」
黒ひげは訝しむようにつぶやく。
多少の小競り合いはあるが、あまり攻めて来ないドレイクたちに相手が何を企んでいるのか…
え?なんでこんなに黒ひげの様子が鮮明にわかるかって?
(俺自身が船員に紛れることだ)
『これはこれでメタル◯ア感あるわね!』
所長が荒ぶってるが気にしないでおこう。というか大体いつもヒステリックに荒ぶってんな。うん。
まあどうやって潜り込んだか…
簡潔に行ってエミヤスナイプでまた単独潜入ですよちくしょう。でも1番の適任俺なんだよな…
ドレイクはいなければ黒ひげに怪しまれるし、ぐだ男は黒ひげと交戦経験があるから正面衝突して欲しいし、何より黒ひげにめっちゃ印象強く映ってると見たからだ。
サーヴァントはもっとダメ。魔力気配がやばいし、ウチにも野良にもアサシンがいない。
消去法で俺と所長しかいないんだなこれが…とほほ…
『私今イキイキしてる!!』
(間違っても声出さないでくださいよ…やっぱり船員みんな攻めないな…仮説は正しかったようだ)
合図は
あとはあっちで勝手に熱くなってくれ。
ー《F/GO》ー
「弾!!」
「へ、へい坊ちゃん!(明らかに昨日とは別人だぜ…気迫が違う)」
立香はジャッカルをとにかく撃ちまくる。
以前から強化されたジャッカルはサーヴァントの霊基すら貫く威力だった。
本来、通常の物理法則が効かない英霊になぜ効くのか?
それは弾の一発一発に生まれついての、それは何代も受け継がれてる魔術師にも引けもとらない魔力量を持つ立香の血液を混ぜ込んで作ってあったのだ。
あとはダ・ヴィンチクオリティなのでもはや理解不能である。
まあ、それは置いといて、
「マシュ!こっちくる弾、防げるか!?」
「は、はい!任せてください先輩!」
礼装、『強化魔術』
弾丸の硬さを強化し、敵サーヴァントの頭めがけてぶち込んでいく。
敵サーヴァント、二人で1組なのだろうか、金髪の長身の女サーヴァントのスナイプをマシュは弾いていく。
シュミレーターで何度も連携をしていたマシュと立香は息ぴったりの移動しつつ、マシュは防御を、立香は攻撃していく。
「!先輩!後方!」
「わかってる!俺に合わせろ!!」
「了解ですマスター!!」
後方から少数人数でマスター狙いの敵がやってくるが、
ガシャ!!シャキンッッ
すぐさま弾倉を対サーヴァント用から、通常の弾に入れ替え、そのまま後方にぶっ放す。
視界に入れてないはずなのに的確に足などに打ち込み、動きを止めた瞬間!
「オラァァ!!」
顔面に合わせ強力な回し蹴りを叩き込み、甲板から海に落とす。
顎くらい折れてそうだが、立香は全く気にするそぶりを見せない。
その時!
トスッッ
甲板のマストになにかが刺さる音がする。
あらかじめ聴力強化もしていた立香は、それが荒木の合図だということに気づく。
(…了解相棒)
「マシュ! 作戦開始だ!まあ作戦って言う作戦じゃないけどネ!」
「わ、わかりました!(い、一瞬普段の先輩に戻った気がします…)」
これより、『黒ひげ危機一発かと思いきや後ろからヒャッハーが襲いかかって来た』が実行される!!
ネーミングは荒木である
ー《F/GO》ー
なんか存在しない第三者にバカにされた気がする…
気のせいか…?
強化筋肉によるナイフ投擲。これを合図として、まずは…
「せ、船長!ついに奴ら攻めて来ました!!」
「おう。…奴らこの『
この船長真面目なんだか、オタクなのかよくわかんねえな…
こういうバカっぽい奴が、一番頭いいんだよ…流石は大海賊…まじパネエ…
「いくよアン!!」
「行きますわよメアリー!!」
「かかってこい!俺はここにいるぞぉ!!」
なんか
幻覚か?幻覚だな(確信)
さて…もう一体ランサーらしき奴がいたはず…
「そらよ!!」
「はあ!!余は楽しい!!」
「
「FOOOooooooooッッッッ!!!」
「
…よし、押さえてるな(白目)
アイツは彼女らに任せよう…うん。
俺は舵がついてる一番高い甲板裏に立つ。ちょうど真上に汚い魔力とそれを覆う大きい魔力を感じた。
どう考えても黒ひげと聖杯だ。というか自分で言っておいてなんだが汚い魔力ってなんだ…?
「いくぜ所長…」
『私のガンドが光って唸るぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』
「元気そうだ…なッッッッ!!!」
バック宙からのハルペーを首下めがけてぶち込む!!!
「アイエエエエエ!?何奴!?」
「お前ライダーじゃなくてアサシンだったのか!?」
「忍者語が話せるだけでござるよディフフフフフ!!…さああて!海賊の船に無断で乗り込んだネズミを始末しようかねッッ!!!」
急に目つきを伝説海賊に変え、手についたフック?なのか?をこっちに突き立ててくる!!
「うお!おい!ヘァ!!?」
さらに蹴り、拳、とにかく暴力の嵐を俺にラッシュしてくる。
『緊急回避』でかわしつつ、こちらもハルペーを振り回す。
当たっただけで急所もののハルペーを、
「うおっ!あぶねえもん振り回しやがる!!」
「うるせえ暴力マシーンが!!お前のフック(?)怖いんじゃい!!」
「海賊といえばフックでしょうが!!」
「それフック確定なのかよ!!?」
こんなふざけたこと抜かしながらやってるが、結構やばい。『緊急回避』の効力は約3分。
前も言ったが、俺にサーヴァントは倒せねえ。
別に俺は英雄肌でもねえし、ぶっちゃけ指揮官でいられるならそうでありたい。
でもやらなきゃ詰むこの状況。俺しかいねえなら俺がやるしかねえ!!
「…テメェ…俺を誘ってるな?」
「!!??!」
「デュフフフフフ…やっぱりでござるなぁ…こういうのはよくなんかで見たでござる!」
「テメ!余裕こいて口調戻しやがって!!ああくそ!こっち来やがれ!!」
「そういうわけにはいかんでござるなぁ!」
クッッ…だが
「なあ黒ひげ…こんな言葉を知ってるか?『敵を騙すなら味方から』」
「ん〜〜?知ってるでござるよぉ?それがどうしたでござる?」
「俺は実はビビリでな。作戦が成功する確率が少ない場合、少しでも確率を上げるためにあることをする癖があるんだ。お前に突っかかってるマスターにもよく注意されるがよ…
『
「何…?…まさか!!?…」
ドグオオオオオオオオォォォォォォォォォンンンッッッッッッッッッ!!!!!!!
その時ちょうど黒ひげの足元に亀裂が走り、中から火炎が漏れ出す。
宝具を破壊するにはぐだ男の銃弾と同じくぐだ男の血液を特に大量に突っ込んでおいた(ぐだ男は貧血気味になったが)
黒ひげは下の階に落ち始める。だが、油断はしない。アイツは底に着く前に…仕留める!!!
「『ハルペーッッッッ!!!!』」
ズザァアァァァッッッッ!!!!!
ハルペーの刃が心臓を貫く。霊基を破壊し、その次に腕を切り裂き、鼻先にハルペー押し付ける。
「…まさかお前みたいな小僧に押し負けるとはな…ドレイクの船に乗ってるだけはある…」
「え?いや俺もマスターなんだけど…」
「え?でもサーヴァント見え「それ以上はいけない」アッハイ」
俺は黒ひげの懐から聖杯をぶんどる。これで第三特異点クリッッッッ!!?
ドガアアアァッッッ!!!
「ガハッッ」
いつの間に移動していたのだろうか…
「やっと隙を見せましたね船長。いやあ、裏切ろうにもずっと銃握って油断しないあんたから聖杯を取るにはこうするしかないからな」
「て、テメエ…」
視界が徐々に暗転する。
最後に見えたのは、
エウリュアレと聖杯を担いでどこかに行ったランサーの背だった。
「ら、ランサー…」
ライダー 黒ひげ、消滅。
ランサー ヘクトール、健在。
ライダー アン&メアリー、消滅。
〜疲れた〜
ぐだ「おい」
くず「おい」
ジャ「エエエエエエェェェェェェェェェエエエエェェェェェェエエエエェェェ…」
マシュ「もうこれわかりません」