シャドウサーヴァントから始まる人理救済   作:ドリーム

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反省はしている。後悔はした記憶がない。
こんなの彼女じゃねえ!!って人は帰って、どうぞ。
それでもええよって言う優しい方は見ていってくだしあ。



昔話をしよう。あれは今から一万4000年前…いや、10年前だったかな?「ブレブレですね」アッハイ

「今日もおはなし…お願いしますね?」

「わたしからもお願いします!!」

「余も聞きたいぞアラキ」

「ゑ?これから種火回収で消耗した体力をベットでインして休もうかと思ったんだけど…」

 

なんていってみるが女の子3人の忌忌笑顔(誤字ではない)には逆らえず諦めてお茶を四人分出し、ベットに腰掛ける。

あのすみませんネロさん。胸を押し付けてこないで。ほらそこに椅子用意したでしょ?

え?そんなの関係ない?余はここがいい?

ははは童貞に刺さるぜ(血反吐)

 

「そうだね…今まではぐだ男の話ばっかだったからこれからは俺たちがお世話になったある先輩の話をしよう」

「えっと…エミヤさんですか?」

「あーたしかに学生時代お世話になったけど、その時はすでにあの人卒業してたから。これは同じ学生だった先輩の話だよ」

 

今でも思い出せる。あの人の濃い印象…

 

 

 

 

あと麻婆…

 

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

 

 

〜三年前〜

 

「……どこだここ…」

「こっちだよぐだ男…いくら高校に来たばっかだからって学校で迷子になるのはお前だけだよ」

「ほ、方向音痴だから(震え声)」

「そーですね(棒)」

 

四月、俺たちはピッカピカの高校一年生だった。

桜が咲き、風は暖かく、新しい生活に少し子供らしくワクワクしていたのは覚えている。

え?なにマシュちゃん。先輩はこのころから方向音痴だったのかって?そうだよ(真顔)

 

そんな感じでなんとかギリギリ教室に入り、先生からのジドッとした視線を受けながら苦笑いでそれを受け流しつつありがちな自己紹介に入った。

 

その時だ。俺たちより遅く教室に入ってくる生徒がいた。

 

ガラッ

 

「…遅れました」

「…早く座りなさい。次はないですよ」

「…はい」

 

女子生徒だった。茶髪に少しウェーブがかってて、顔の整った凛とした人だったよ。

ちょうど俺の隣だったので、あとで挨拶くらいしとこうかなと思った。

 

だがその前にちょうど彼女の自己紹介の時間がきた。

まあその自己紹介は事故紹介だったが…

 

 

 

 

 

 

「私の名前はフランシスコ・ザビ「岸波さん?」岸波白野です…あ、ちなみに私は留年してるので皆さんとは年が違います」

 

ぶっ飛びすぎてなんかよくわかんなかった。

とりあえず、それが俺たちが始めてザビ子先輩…白野先輩を知った時だった。

 

 

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

 

 

それからしばらく経ち、席替えやらなんやら起こったが、どういう偶然が、俺とぐだ男は白野先輩の隣と後ろだった。班も一緒だ。

 

だから気づいた。白野先輩は…

 

 

 

「(モグモグ)…」

「「((友達がいない…そしてずっと麻婆食ってる…))」」

 

というかあれは麻婆じゃない。俺の知ってる麻婆はあんなに赤黒くないし、あんな近づいただけで痛くなりそうな見た目も雰囲気もしていない。

 

そんな俺を見かねてか彼女は言った。

 

「……食べる?」

「食べるかッッッ!!!?」

 

しかし整ってる顔でキョトンとされて少しどきりときたが、それをしばらくぐだ男にいじられたのは嫌な思い出。

え?なにきよひー?正直者はいい人?ありがとう。

 

 

 

 

 

 

しばらくして、俺たちは試験期間に入った。

まあほとんどが中学の復習だったので、俺は楽勝だった。え?ぐだ男?あいつは真面目だろうが寝てようが、満点とる変態だから。

 

 

 

 

 

しかしある時、

 

「ううん…」

「…どうかしたんすか?」

 

岸波先輩が試験まであと少しという日に、一人放課後の教室で唸っていた。

俺たちは二人で顔を合わせ、一応話を聞いてみることにした。

 

「えっと…全然わかんなくて…あはは…」

「どっからどこまでっすか?俺たち少しなら教えられますよ」

「僕に任せてユーは気楽にゴー」

「まじめに言えよ」

「アッハイ」

 

そんなコント交えつつ聞いてみたら…驚きの答えが返ってきた。

 

 

「ぜ、全部…って言ったら…ダメ?」

「「今日から寝れないっすね」」

「はははは…がく…」

 

彼女は乾いた笑いを浮かべつつ、ガクリと机に突っ伏した。

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

 

そこからしばらく近くにあった武家屋敷(エ◯ヤさん家)にお邪魔(押し入り)し、白野先輩に残り休日含めて学校でもみっちり教え込んだ。

いや、まあ容量は良かったからどんどんできるようになっていったんだけどサボり癖があってよく逃げ出すんだよ。

布団の中にうずくまって「勉強したくないでゴザル!!」って言うもんだから

 

「じゃあオヤツのロールケーキはなしですね。ああもったいねーなー」

「僕が食べるさ!!」

「待って!やる!勉強するから!」

「え?いまなんでもするって」

「言ってないよ」

「アッハイ」

 

って感じで

試験は無事赤点回避、っていうか普通に上位に食い込んでた。なにこれこわい。ちなみに一位はぐだ男ね。え?知ってた?デスヨネ。

 

 

 

 

 

 

 

「なあなあクラスで誰と付き合いたい?」

「どうした性欲にまみれた煩悩学生よ。ついに現実が辛くなったか?」

「うるせえよ多田野!お前みたいに女の子や、学校の美人OBとかの知り合いがいっぱいいるお前には俺の気持ちが…」

「じゃあ言うが、俺の知り合いの女性、女子殆どが、ある人が好きで、俺はそいつの友人、後輩だった時の便利扱いされる俺の気持ちわかるか?」

「俺が悪かった」

「分かればいいんだよ」

 

友人のクラスメイトとそんな話をしてた時、

 

「ふーむ…そういえば、岸波先輩はどうなのよ。あの人かなり顔整ってるし、結構ユーモアあるぞ」

「それはお前や、藤丸だけだよ…なんかあの人は…クール?っていうか…愛想がないっていうか…というかそもそも俺は年下好きっていうか」

「最後のはどうでもいいな」

「おい」

 

あんまり実感が湧かなかった。サボりぐせや、時々見せる謎ギャグなど、あとほんの稀におっさんみたいなこと言う白野先輩は、他からそう見えていたのが。

 

人の本質っていうのは、見かけじゃわからないのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

 

岸波先輩が不良と関わりがある。

そんな噂を聞いてから白野先輩の近くには俺たちしかいなかった。

本人はなんとも思ってないのか、普段通り麻婆食べながらおっさんくさいセリフを言いつつメガネについて熱く語ってくる。(ぐだ男がメガネをつけたら発狂した)

 

しかしある時、

 

「帰ろーぜー…あれ?岸波先輩は?」

「さっきからいないからトイレかなって思ったけど…見なかった?」

「見てねえけど…」

 

ある日を境に白野先輩は放課後一緒に帰らなくなった。

 

そんな時、あの噂が頭を駆け巡った。

 

なにか…あったのかもしれない。

 

 

「…くず男。行くんでしょ。僕もついてくよ」

「察しが良くて助かるよ。相棒」

 

 

 

 

 

 

 

 

白野先輩を疑ってたわけじゃない。彼女が悪いことをしてるとか思ったわけじゃなく、単純に…

 

「どこにいるんだぁ?」

「校舎裏とかそういう目ぼしいとこは探したけど…あ」

「どうしたぐだ男。あ」

 

ぐだ男の視線をおうと、取り壊し予定の旧校舎が見えた。ありがちすぎて候補に入れてすらなかったが…もうそこしか思い当たらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ー!!」

「ーー!!」

 

なにやら大きな声が聞こえる。立ち入り禁止の空間に入るんだからそれはもうそういうことだろう。

 

 

声を頼りに、ある教室前まで移動する。

そこに二人で顔を隙間に合わせ、中を覗く。

 

——いた、岸波先輩だ。

 

早速中に入ろうとするが、ぐだ男に手を掴まれる。

 

びっくりして声を上げようとするが、ぐだ男に人差し指で静かにしろとジェスチャーされ、もう一度覗き込む。

 

 

 

 

「んでよ、岸波ぃ…お前のおかげで留年しなくて済んだけど、お前にぶっ叩かれたとこマジで痛えわ。階段から落ちて腕折れるしよ、マジ災難。どう責任取るわけよ」

「…留年で責任取ったことにならないの?」

「ならわけねえだろ!!俺は腕使えねえせいで女も抱けねえんだよ!!マジナイワー…ほんとナイワー…というわけでよ」

「「「ゲヘヘヘヘ」」」

 

そんな感じで、ありがちに後ろからたくさんの不良が出てきた。なんだゲヘヘヘヘって、世紀末かお前ら。汚物は消毒か。

 

…ネロさん?なんかすごい顔になってますよ?え?いいから続き?アッハイ。

 

 

 

 

「にしてもお前もバカだよな。後輩守るためとか…自己犠牲ってやつ?留年までさせてこれ以上はさすがに可哀想だから後輩いたぶるので勘弁してやるってのによ…わざわざ自分からくるなんてな…ガハハハ!!」

「「「へへへへ!!」」」

 

 

 

これにはぷっつんきた。

なにがプッツンって、別に不良がどうこうじゃなくて…

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐだ男。アレ何秒で潰せる?」

「3秒あれば十分」

「オーケー。初手は俺がやる。そこから任せるから、よろしく」

 

俺は隣の教室から机を一つ引っ張ってきて助走をつけながら…

 

 

 

ガッッッシャアアアアアアアンンンッッッッ!!!!

 

 

「お寿司のお届けだ猿どもおおおおおォォォォォォォォ!!!!!」

「「「「ヘアァァァァァァ!!!!?」」」」

 

机は窓を突き破り、不良数人を吹っ飛ばす。下手したら頭蓋骨逝っちまったかもしれんがまあでえじぃうぶだろうというか感じだった。

 

「はい!マグロ!大トロ!イカ!タコ!キュウリの軍艦!みんな大好きハンバーグ!!」

「ハンバーグ!?寿司屋に謝フベラッッッッ」

 

謎の掛け声に合わせ凄まじスピードで一人一人殴り飛ばして行くぐだ男。ていうかサーモンがねえってどういうことだルルロォ!!?

 

「ふ、二人とも…なんでここに…」

「あーなんて行くかあれですよ」

 

 

 

 

 

 

 

「一緒に帰りましょ。先輩」

 

 

 

 

「そしてお前がローストポークだァァァァァァ!!!!」

「テメそれ俺が豚ってことかこnブベラッッッッ」

 

 

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

 

 

「まあその騒ぎを聞きつけ教師が乱入、3人仲良く指導室でこってり絞られた後、仲良く帰ったとさ」

「その時から先輩はSE☆N☆PA☆Iだったのですね…」

「まあそうだね…ん?どったのネロ様?」

「うむ…なんでか知らんがとても嬉しいのだ。そなたのいうザビ子とやらが生きている事が…なぜだかな」

「はあぁ♡ますたぁ♡」

「こやつはもうダメなのかもしれん」

「それがきよひークオリティですよ」

 

あの時一番腹たったのは、

 

 

 

 

 

 

 

———一緒に帰ろう。それが言えない不甲斐ない俺たちにだった。

 

 

 




ちょっとした話

くず「はあああ…マジリア充嫌だ。ぐだ男はモテるし、先輩は遠坂先輩と間桐先輩に挟まれてるし…それなのに俺は一体…ウゴゴゴゴ…」
ザビ「どしたのくずくん」
くず「リア充嫌い」
ザビ「おk把握。そーだなー…じゃあ明日一緒にデートしてあげようか?」
くず「
——それは、
思春期高校生にとっては
あまりにも凄まじいことだった
甘くエロく
ほろ苦く
そして危険な香りを漂わせる
誘いだった——

ザビ「ベル◯ルク風に言われてもなぁ…」

〜終わり〜

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