シャドウサーヴァントから始まる人理救済   作:ドリーム

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姉ちゃん!!テストって終わったさ!!












マーリン当たったさ!!すみません。石投げないでください。私も予想外だったんです!



ジャンヌの思い。キャスターの狂気。邪ンヌの焦り。ぐだ男の裏切り………………ん?

 

聖女になる前…

 

彼女はただの女の子だった。

 

のどかな村で、

 

普通の親に

 

普通の生活を

 

そんな普通の生活は、彼女が13歳の時までだった。

 

「主は言った…」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「うおっ!!」

 

俺は触手による攻撃を避けつつ、自分の失敗を悔やんでいた。

 

(しまったな…キャスターだから近接に持ち込めば俺でも勝てるかと思い上がってたな。キャスターでも英雄。過去の偉人。ただの凡人には届かない領域だ)

 

狂っているように見えて、キャスターの攻撃は正確だった。もともと剣で戦うタイプのせいか、俺達の攻撃を予測したり、フェイントのような攻撃をしてくる。

さっきからなかなか決定打になる攻撃が当たらない。

なんて悩んでたら、その隙を突かれた。

 

「海魔よッ!!」

 

海魔の鋭い一撃が鞭のようにしなり、俺の脇腹をえぐる。凄まじい一撃に、俺は何回転かしながら壁に激突する。

 

「ブッーーカハッ…い、痛え…」

 

頭から血をダラダラ流し、目に血が入る。視界がふさがり、頭がボーーっとする。

痛い…

とにかく痛い。

 

なんてボサッとしてたらタコが俺周りを囲っていた。

 

しまった。早く、立って…逃げなければ、

 

「「「「「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎ーーーーー!!!」」」」

 

あ…

 

 

 

 

 

 

 

 

我が神ここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)!!」

 

しかし、ここにいるのは俺だけではない。

 

ジャンヌの宝具により、絶対安全圏ができ、傷が癒え始める。

 

「助かった」

「いえ。それよりお怪我は?」

「大丈夫だ。ちょいと血が出すぎてクラっとしたが、まだ動ける」

「そうですか。けど無理はしないでください」

「そうだな」

 

口の中に溜まった血を吐き捨てて、ハルペーを握る。

そろそろジャンヌの宝具の効果が切れる。タコが突っ込んでくるーーーー!!!

 

「「「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎!!!!」」」

 

その触手をできるだけ少ない動きで避け、なおかつ歩幅は大きく、前にとにかく進む。

無尽蔵に現れるタコは脅威だ。なら、あとで面倒になる前に大元を叩く。

 

「あの本か…キャスターじゃなくてあの本がタコどもに魔力を与えている…あれをどうにかしなくっちゃあな…」

 

普通に攻撃しても傷を瞬時に塞ぎ遅い掛かってるタコども。

しかし、俺が持つには不死殺しの槍。

かの石化の女怪、ゴルゴーンの首を切り落としたとされるもの。

 

「これに切られたら再生は不可能。足を狙えばもう動けんな」

 

これはサーヴァントも例外ではない。だが、攻撃を当てられるかと言ったら話は別だ。

 

歴戦の戦士達、古代の英雄、そんな存在に、たかがちょいと一般人より強いってだけの俺が勝てるかと言うと、絶望的に、当たり前に、呼吸をするかのように言える。

 

「勝てるわけがない」

 

分かりきってる答え。そんなのアホな奴でもたどり着く答えだ。

たとえステータスが最弱のキャスターだろうと、相手はあのジル・ド・レェ。元騎士にして、ジャンヌ・ダルクと共に戦った戦士だ。

 

 

 

 

 

じゃあなんで戦うか。

 

 

一番は作戦だからだ。

これから行う作戦上、こいつにはこれ以上聖杯でサーヴァントを呼ばせない。

タコの援軍を送らせはしない。

だからと言って勝てない。なら時間を稼ぐしかない。

()()()()()()()。すでにこの部屋にキャスターがいると分かった時点で、仕込みは済ませた。

2番だが…これはジャンヌのことだな。さあ、思う存分、自分の思いをぶつけろジャンヌ。多分外ではもう決着がついてる。作戦を実行したらもう二人っきりで話すこともできないだろうしな。時間はあまりないぞ。

 

 

 

 

 

 

〜ジャンヌ視点〜

 

「ジル!!」

「なぜだ!?聖処女よ!ジャンヌよ!なぜ恨まない!?なぜそこまで聖者であり続ける!?」

 

マスターが話していた作戦を実行するのに、すでに準備は整っていた。

それでも実行せず、私に合わせて戦っていることを考えて、彼は私のために時間を稼いでいる。

 

 

あとで私が後悔しないように…

 

「ジル!…私は決して後悔をしません!あの時。まだ村娘だった時!主の声を私は聞いた!」

 

私は、ジルの前に立つ。周りの海魔は、

 

「……(チラリ)」

 

マスターが抑えてくれていた。

 

 

ありがとうございます…マスター

 

「なぜ?なぜだ!!なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ!!」

「ジル…あなたも知ってるでしょう?私…結構頑固なんですよ?」

 

…そう。私は後悔をしない。あそこで何か別の選択肢もあったのかもしれない。主の声を気のせいと思えたのかもしれない。

 

 

 

…私が立たなくても、フランスは救われたのかもしれない。

私の行いはこれっぽっちも意味がなかったのかもしれない。

 

「でも」

 

でも

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は。ジャンヌ・ダルクはすでに選択したのです。この結末を。人生を。そこに…後悔はもちろん、復讐心はありません」

 

 

 

 

 

 

だからこそ…あなたを救いたい…ジル…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッッッ!!

 

「ジル!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜くず男視点〜

 

「ジル!!」

 

きた。邪ンヌだ。この時を待ってた。

 

邪ンヌは俺とジャンヌに気づき、驚愕する。まさに目を見開いて。

 

「なッーーなんであんたらが!!」

「気づかなかったのか?あっちの戦場で俺たち二人がいないのに。指揮官失格だぜ」

「ーーー!!…はっ!だからなに?ここにいるのは弱体化の絞りカスとただのマスター。あの男(ぐだ男)ならともかく。あんたなら私とジルで倒せる!!」

 

まあそうだろう。当然だ。もともとぐだ男と俺の考えた作戦は、いわば潜入ミッション。聖杯と、ついでにせいぜいキャスターの首をもらえればな〜程度のものだ。

 

「まあ、お前がきたということは作戦Bだ。本当なら上の階とこの部屋のいたるとこに仕掛けた爆弾を起爆してこの部屋ごとぶっ壊す予定だったが…お前がそうそう点火させて来れないよな〜…」

「その前にあんたを燃やすわよ」

 

うん。知ってる。

 

「こうなったら第三者にやってもらうしかないわけだ。ジャンヌ。俺に掴まれ。所長。ビビって漏らすなよ?」

「え?は、はい」

『ちょっとあんた私のことどうイメージしてるのよ!!』

「想像どうりですよ…………ああ。準備オーケーだ。()()()()()()()()あとはこいつらごとこの城をドッカンだ。やれ!」

 

俺はロマンを通してぐだ男に連絡をする。

 

「ば、馬鹿な!聖杯がない!?いつの間に!?」

「邪ンヌ!!聖杯の番人にそのキャスターを選んだのは間違いだったな!そいつは()()()()()()()()()()()()だぜ!!」

 

そう。ジル・ド・レェはジャンヌ相手だととても隙だらけだ。俺が後ろでちょいっと聖杯を回収しても気づきはしない。

 

「あばよ!!ワイヤー設置完了!衝撃に備えろよジャンヌ!俗に言うアレだ!『上からくるぞぉー気をつけろ!!』」

「『え?』」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドドドドドドドドドドド!!!!!!

 

 

その時、フランスの空に火薬の流星群が流れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ぐだ男視点〜

 

え?なに?邪ンヌきちゃったから作戦B?知ってた。

 

「よーし!行くぞ力仕事は男の仕事だ!とにかく火薬を詰めこメェ!!」

「任せな!!」

「行くぞ!」

「じゃあ僕は音楽家だから休んでるよ」

「働け!アマデウス!!」

 

僕たちはオルレアンに向かうのではなく、最初の丘に向かっていた。投擲台に火薬を打ち込み、どんどん発射して行く。

ハハハ、さすがエミヤ製!馬力が違いますよ!!

 

「オルレアンの城が大爆発!!」

 

はっはーくずれろくずれろー(棒)

 

ドドドドドドドドドドドド!!!!!!!

 

『ちょ、ちょっとあれは大丈夫なのかい!?主にくず男くんが!!?』

「あ、そこらへん考えてなかった」

『ぐだ男クゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッッッ!!!?』

 

まあくず男なら大丈夫…だな。うん

 

「せ、先輩。それ大丈夫じゃないやつです」

「マジか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜くず男視点〜

 

無事城は飛んできた火薬と爆弾がうまく働いて、崩壊。邪ンヌもキャスターも下敷きになったが…

 

「いやー本当。ジャンヌがいなければ即死だったな」

 

ミスったね。俺も下敷きになるところだった。

 

「なんですか!私が聞いてた作戦と違いますよ!?」

「まあまあ。最初は、あの部屋だけドカーンってするだけだったんだよ?でも邪ンヌもきちゃったからもう少し強めの爆発が欲しくてさ………………ついやっちった☆」

「えーー…」

「まあいいじゃん。生きてたし」

「…今更ですが、なにもこんな爆発させなくても皆さん全員で戦えば勝てたのでは?」

「まあそうなんだろうけどさ。万が一ってのがあるじゃん。もし、聖杯を使ったなにやらやばい魔術を起動させられたり、さらにサーヴァントを呼ばれたりしたら収拾つかないだろ?と言うか、やるなら派手に徹底的に」

「結局最後のが一番本音じゃないですかー!!」

「気にしたら負けだ。さっさと決着つけたか…ジャンヌ…できれば素早く移動したい。どうやらまずいぜこれは…」

「え?…」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーー

 

地面が揺れる。いや、正確には…この真下の瓦礫が揺れてる。

 

 

ドゴォ!!

 

大きな音とともに()()は瓦礫の中から出てきた。

 

「ああー…思ってるのよりやばいかも…急ぐぜジャンヌぅぅぅぅ!!」

「は、はい!!」

『もう終わりでいいじゃない!!なんなのあのでかい()()はァァァァァ!!?』

 

間違いなくあの巨大な触手はあの海魔のものだ。つまりあのキャスターはくたばってねえ!!

所長うるさい静かにしてくれ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「束ねるは星の息吹…」

 

「「『え?』」」

 

逃げようと思った時、丘から凄まじい光の柱が…

 

「輝ける命の放流…」

 

『くず男ー。今更なんだけどさー』

 

同時に入るぐだ男からの連絡。

 

……………………ちょっとこれはやばい雰囲気?

 

「受けるがいい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『令呪使ったから早く逃げてね♡』

「キモいしふざけんなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

『イィィィィィィヤァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!』

「ま、マスター!!宝具を使います!伏せてください!!」

 

 

 

 

 

 

 

エクス(約束された)……………カリバァァァァァァァ(勝利の剣)!!!!」

「ジャンヌゥゥゥゥゥゥ…なんですこの光はァァァァァ!!!!!!!!」

 

その時、俺たちは星の光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーーージャンヌゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」

 

なんか聞こえたけど気のせいだと思いたい。

 

 

 

 

 

 





『教えてくず男先生のコーナー』は、主演の多田野 荒木の不調により中止になりました。

くず「光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い光怖い…」
ジャ「ああ!マスターが『光怖いよ病』に…」
ぐだ「誰のせいだろうね」
マシュ「先輩!?流石にこれは」
くず「ふざけやがってェェ!!!」
ぐだ「この野郎生きてやがったのか!!?」

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
ムダムダムダムダムダムダムダムダ…ハナシニナランナァ!!ヒンジャクヒンジャク!!
コンナコトサレテヘイナヤツハイネェ!!
ロ-ドロ-ラ-ダァァァァァァァァァ!!
タンクロ-リ-ダァァァァァァァァァ!!


オオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!×2

アル「ワタシ ワルク ナイ DESU☆」
ジル「オオオオオオオオオ!!!ジャンヌの生まれ代わり!!またお会いできるとは!!」
アル「アイエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!?」

ジャンヌ&邪ンヌ「「またみてくださいね!(みなさいよ!)………え?(あ?)」

終わり


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