超次元ゲイムネプテューヌ~緑の女神候補生~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の予告通り後半パートになります。
少しだけオリジナルが入ってます……
救出描写を上手く表現できてるか不安ですが
楽しんでいただければ嬉しいです。

それではどうぞ。


第8話 双子の救出へ

「う……」

 

うっすらと目が覚める……

ここは何処だろ?

確か僕は……

 

「あ!、ルル君!!」

「ルル!!、大丈夫!?」

「ネプギアちゃん?、ユニちゃん……?」

 

声がした方に顔を向けると、

ネプギアちゃんとユニちゃんだった。

2人共、心配そうな表情をしていた……

 

「僕は大丈夫……ロムちゃんとラムちゃんは?」

「「その……」」

「ゴメン。そうだったよね……」

 

トリックとかいう怪物とその下っ端に

ロムちゃんとラムちゃんは攫われてしまったんだった……

助けようとしたら返り討ちに遭って吹っ飛ばされて……

そんな事を考えたら扉が開く音がした。

誰だろうと思い上半身をゆっくりと起こすと、

お姉ちゃんだった。隣にはネプテューヌさんとノワールさんもいた。

 

「ルルちゃん!!」

「お、お姉ちゃ……ぐえっ!?」

「目が覚めたんですね!?、良かったですわ……」

 

お姉ちゃんは僕が起きた姿を見るなり思い切りハグしてきた。

心配してくれるのは嬉しいんだけど……く、苦しい……

このままじゃ窒息死……

 

「ベール、心配する気持ちは分かるけど離さないとルルが窒息しちゃうよー?」

「へっ?、あああぁ……私とした事が!?」

 

ネプテューヌさんの声に反応したお姉ちゃんは、

あわあわとしながら放してくれた。

 

「お姉ちゃん…ロムちゃんとラムちゃんが……」

「その話ならネプギアちゃんとユニちゃんから聞きましたわ。そんな自分を責めるような表情をしないで?」

 

いつの間にか僕はそんな表情をしていたようだ。

でも助けられなかったのは事実。

とりあえずブランさんに謝りに行こうと思い僕達はブランさんがいる執務室に向かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

執務室についたのはいいが少し問題が発生した。

それは……

 

「そう言われましても、誰も通すなとブラン様に申しつけられていますので……」

「え~、私達女神仲間なんだからいいでしょ!」

「あ、いえ…女神様といえども……」

 

ブランさんが教会の職員さんに命じたのか、

執務室に入れない事だった……

ネプテューヌさんが言ってもどうやら入るのは無理なようだ。

 

「せめて謝らせてください!」

「僕も謝らせてください!」

「ロムとラムが誘拐されたのはアタシ達のせいなの!」

「既に警備兵を総動員させて捜索させていますので……」

 

それでも入らせてもらえない。

何とかできないかと思った次の瞬間……

 

「帰って……あなた達はいつも迷惑よ」

 

執務室からブランさんの声が聞こえた。

悲しみと苛立ちが混じったそんな声だった……

その気持ちは僕にも分かった。

ネプギアちゃんとユニちゃんにちょっと頭を冷やしてくると言い、

僕はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

ーー教会・ロムとラムの自室付近ーー

 

 

 

 

 

 

 

気づけばロムちゃんとラムちゃんの自室まで来ていた。

あ、ドアが開きっぱなしだ……閉め忘れたのかな?

ドアに手をかけ閉めようとした時……

 

(アレ……なんだろ?)

 

本のような物が風になびかれるようにパラパラと音を立てていた。

少し気になった僕は悪いと思いつつも部屋に入る。

 

「これって……ロムちゃんとラムちゃんのスケッチブック?」

 

気になってた物の正体は、

ロムちゃんとラムちゃんが絵を描く時に使うスケッチブックだった。

表紙が水色と桃色の2冊があるから水色のがロムちゃん、桃色のがラムちゃんのだろう。

そういえば僕が何を描いたのって聞いたら、2人共恥ずかしそうにしてたけど……

そう思いつつも2人の描いた絵を見る。

 

(これって……僕?)

 

ロムちゃんのスケッチブックを見たら、

そこには僕とロムちゃんが描かれていた。

しかも題名が『ルルくんと一緒(エヘヘ)』と小さく書いてあった。

ラムちゃんのスケッチブックも見るとロムちゃんのと同じく僕が描いてあった。

ただ違うのはラムちゃんも描かれていた事だった……

そして題名も『ルルと一緒、ぶい♪』と小さく書いてあった。

 

(絶対に助けるから……)

 

そう思っていた時だった。

腰に付けていたプラネットギアから着信音が鳴った。

2人のスケッチブックをテーブルに置いた僕はプラネットギアの通話ボタンを押した。

目の前にモニター画面が表示される……

連絡してきたのはネプギアちゃんだった。

どうやらロムちゃんとラムちゃんを見つける方法があると、

お姉ちゃんが言ったらしい。

ネプギアちゃん達は執務室にいるらしいので僕も向かう事にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー執務室ーー

 

 

 

 

 

 

「実はブランとは()()()()を進めていましたの」

 

お姉ちゃんがパソコンを操作しながら、

僕……というよりもネプテューヌさん達に話す。

ブランさんは今ここにはいない。ネプギアちゃんに聞いたところ、

倒れてしまい自室で休んでいるとの事。

 

「ルウィーで人工衛星を使ったサービスが行われていたのはご存知ですわよね?」

「確かー……『お寺ビュー』だっけ?」

「10年くらい前に終わったやつよね?」

「ええ。あの人工衛星はまだ稼働していて地上写真のデータを送る事が出来るのですわ。ただし低解像度の、それを解析して()()()()にするソフトウェアをリーンボックスの研究所が開発しましたの」

 

そう……。

僕がこの次元に来てから、

お姉ちゃんが進めてたのがルウィーの人工衛星を使った機能の低解像度を高解像度にバージョンアップするソフトウェアを開発していたと聞いた。

 

「おー!、さすがベールのところは進んでるねー」

「そこでブランに持ちかけたのですわ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「それってあなた達だけが世界中の情報を得られるって事じゃない」

「えー!、私達みんなに見られすぎて困るじゃん!」

「いいえ、私達はそのデータをみんなで共有しようと思っていたのですわ」

 

それを聞いたネプテューヌさんとノワールさんは驚いていた。

この話は僕も今日お姉ちゃんから聞かされた。

 

「ブランが言い出したんですのよ?、友好条約を結んだのだから4つの国で等しく利用すべきだと。だから私達2人で公開する機会を窺っていたのですわ。サプライズプレゼントみたいで洒落てるでしょ?」

 

ちょうどその時、パソコンの音が鳴り響いた……

 

「お姉ちゃん、解析が終わったみたいだよ」

「みたいですわね。これで誘拐犯の逃げた場所が……あら?」

「お姉ちゃん?、ってここは……」

 

ロムちゃんとラムちゃんが誘拐された場所は意外な場所だった……

その場所は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーースーパーニテールランドーー

 

 

 

 

 

 

僕達は再びテーマパークに訪れてた。

ロムちゃんとラムちゃんが誘拐された場所、それは建設中のアトラクション施設に犯人は隠れていたからだ……

それにしても人工衛星の探索機能は凄いよ、ほんとに……

 

「よーし!、今すぐ殴り込みだ!!」

「お待ちになって」

「ねぷ?」

 

意気込みながらいざ殴り込みしようとするネプテューヌさんに、

お姉ちゃんが待ったをかけた……

 

「こういう時は人質の救出が最優先ですわ、ですから私が行きます」

「…お姉ちゃんなら言うと思った。僕も行くよ」

 

という訳で他のみんなには、

万が一犯人が裏口から逃げないように封鎖役をお願いしてもらった。

行動を開始しようとした時にネプギアちゃんとユニちゃんに無茶だけはしないでって言われたけど……

 

「…この中だよね?」

「ですわね」

 

侵入していく内にある扉の前に着いた。

中からはロムちゃんとラムちゃんの悲鳴が聞こえた。

間違いないなく2人は……ここにいる。

お姉ちゃんの合図で僕は扉を蹴り破った。

 

「そこまでだ!」

「「あっ……」」

 

良かった……

2人は特に怪我とかはしてないみたい。

さて、気づかれないようにどうやって助け出すか。

 

「その子達を解放なさい…私が身代わりになりますわ!」

 

お姉ちゃんが考えたのはまず自分が身代わりになるという事。

その間に僕がロムちゃんとラムちゃんを助け出すという案だった。

最初は僕が身代わりになると言ったら「それはダメですわ!!」と拒否された……

 

「…はぁ?、俺紳士だし。守備範囲は幼女だけだし、でかい胸とか興味ないし」

 

うわぁ……真顔で言い切ったよ。

こいつロリコンだ……ロリコンがいるー!?

怪物の見た目でロリコンとか初めて見たんだけど……

 

「なっ!?、大きな胸のどこがいけないと言うんですの!?」

「…お姉ちゃん、怒るとこ色々と違う」

「……垂れる未来しか見えない」

 

別次元とは言え、

お姉ちゃんに何て事を言ってくれてんだ。

うん確信したよ。トリックは正真正銘の真のロリコンだよ。

 

「フフフ……あなた私を怒らせてしまったようですわね!!」

 

そこには女神化したお姉ちゃんの姿が。

変身前の金髪から緑色のポニーテールに変わる……

 

「ん!?、女神だったのか!!」

「グリーンハート、変身完了……」

 

自身の武器である槍を構えトリックに突撃した。

けど僕が攻撃した時のように効果が薄い……

それどころか一旦攻撃を受けるや否や反動を利用して

お姉ちゃんを弾き返した……

 

「かかか! この俺にそんな攻撃が効くか!!」

「…それはどうかな?」

「ん?、なっ!?、いつの間に!?」

 

トリックの背後に回り込んだ僕は、

傘に貫通効果の魔法を付与させ背中を狙い一閃を喰らわすがギリギリで防がれる。

だけどこれこそが狙いだった。

 

「お姉ちゃん!」

「ええ!、狂乱怒涛の槍、受けてみなさい! レイニーラトナピュラ!」

 

超高速の槍の連続突きはトリックに当たり、

ロムちゃんとラムちゃんを捕まえてた舌が僅かに緩み始めた。

それを見逃さなかった僕は2人を何とかキャッチ。

この隙に離れようとした直後何かに巻きつかれた。

それはトリックの舌だった。

それと同時に僕とロムちゃんラムちゃんはトリックと一緒に吹き飛ばされてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「痛った……ロムちゃん、ラムちゃん大丈夫?」

「うん……(コクコク)」

「大丈夫……」

 

…というかここ何処だろ?

見た感じ廃置場みたいだけど。

 

「とりあえず2人は逃げて」

 

ロムちゃんとラムちゃんを何とか逃がそうとした時……

 

「幼女は命に代えても守る、それが紳士のジャスティス!……ん?、幼女は何処?」

「ここにはいないけどね!!」

「ぐっ!?」

 

トリックが意味不明な事を言いながら現れた。

僕は傘をコールし突撃する。

ロムちゃんとラムちゃんの逃げる時間を少しでも稼ぐ為だ……

お願いだから見つからないでくれよ……

 

「この生きのよさ!。まったく、幼女は最高だぜ!!ん~レロレロレロ!」

 

ロムちゃんとラムちゃんがフェンスをよじ登り逃げ出そうとするところを

ついにトリックが見つけてしまい舌が2人に襲いかかろうとしていた……

 

「させない!、"シェアドライブLv2"……アクセス!」

『Access、Evolution……』

 

すぐさま女神化した私は、

飛行速度を上げてロムちゃんとラムちゃんを抱きかかえる。

それにしても舌が伸びるとか気持ち悪いわね……

 

「ルルくん……かっこいい(キラキラ)」

「すごーい!」

 

ロムちゃん、ラムちゃん?

気持ちは嬉しいけど雰囲気が良い意味でぶち壊しよ?

とりあえず2人を安全な場所に置いた私はビームランスを構える。

 

「この野郎……俺の幼女を返してもらおうか!!」

「そんなのお断りに決まってるでしょ」

 

と言ってみたのはいいけど……

あの伸びる舌が厄介ね。

下手したらロムちゃんとラムちゃんにも当たる可能性も……

 

「いってぇっ!?」

「な、なに……ってハンマー?」

 

トリックが痛みに声を上げて悶絶していた、よく見てみるとそこにはハンマーによって打ち付けられた舌が目に映っていたのが私でも分かった……

すると廃置場の陰から誰かが歩いて来る音が聞こえ、影が見えてきた。

その正体はブランさんだった……

 

「私の大切な妹達に何しやがる…許さねえぞ……この変態が!!」

「変態?、それは褒め言葉だ!!」

「そうかよ……なら、褒め殺しにしてやるぜ!」

 

そう言うとブランさんの身体が輝きだした。

髪の色も普段の茶色からシアン色へと変わっていき、そして何処からともなく現れた巨大な斧、尖刃を手に取り大きく振り回して構える。

私がこの次元に来た時に見た姿……ホワイトハートに変わっていた。

 

「覚悟しやがれ!、このド変態!!」

「あかかか!!」

 

ブランさんはトリックの攻撃を躱し、追尾してくる舌も華麗に躱し続ける。

 

「この超絶変態!!」

「ぐひっ!?」

「激重変態!!」

「ぐぁ!?、ぐほぉ!?」

 

ば、罵倒込みで攻撃は凄まじ過ぎるわ……

心なしかトリックも嬉しそうに見えるのは私の気のせい?

 

「テンツェリントロンベ!!」

「あああああー幼女万歳ー!!!」

 

最後の一撃を喰らったトリックは空の彼方へ吹き飛んでいった……

最後の最後まで幼女って言ったわよ……ここまでだと呆れるわね。

というか私あんまり役に立たなかったわね……

そう思いながらも変身を解除した僕は……

 

「ほら、ブランさんのところに行ってきなよ」

 

ロムちゃんとラムちゃんに

それだけを言い残した僕は先に他のみんなと合流する事にした。

姉妹の邪魔をしちゃ野暮だもんね?

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日・ルウィー教会ーー

 

 

 

 

 

誘拐事件が解決した次の日。

…えーと僕は今、ロムちゃんに連行されています。

連れてこられたのはロムちゃんとラムちゃんの自室だった。

 

「えと…ロムちゃんどうしたの?」

「あの…昨日は助けてくれてありがとう…(テレテレ)」

 

どうしたのかなと思いきや、

照れながら僕に昨日の件についてお礼を言ってきた。

 

「いや、ロムちゃんとラムちゃんが無事で良かったよ」

「それとね…もう1つだけルルくんに言いたい事があるの」

「…言いたい事?」

「……(コクコク)」

 

するとロムちゃんはスーハーと深呼吸をした後、

僕の目を見ながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けてくれて…本当にありがとう…わたしだけの()()()(ニコニコ♪)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満面の笑顔でそう言った。

…え、王子様?

 

「えと……王子様って僕の事?」

「うん…///」

 

 

 

 

 

この日、

僕はロムちゃんから王子様と認定されてしまいました。

リーンボックスに帰るまでロムちゃんから言われた事が鮮明に残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
アブネス?、はて……(逸らし顔)
次回はアニメ第3話『リーンボックスの週末(ガールズナイト)』になります。
頑張って執筆しますので
次回もよろしくお願いします。




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