作中で出てきたもので優の知らないものはほとんど無かったってのが何気に凄えw
「………」
「あ、あのー…おみなえさん?」
同じオーパーツがこちらの世界にある理由を考え込む優。
(オレがこっちの世界に飛ばされる要因になった幽霊島は、世界各地のあらゆるモノを取り込んで通常空間と異空間を往復していた。よく考えてみたらオレが知らないだけで他の遺跡も幽霊島に取り込まれて何かの拍子にこの世界に来ちまった…って可能性も無いとは言えねえよな。もしアンドヴァラナウトがそうだとしたら…)
「もしもーし」
幽霊島は世界から
(いや、逆にこっちの世界に幽霊島みてえなものがあって、こっちから元の世界に来たって可能性も…。もしそうならそれで元の世界に帰ることも…)
「聞いてくださいよー!」
考えれば考えるほど謎と可能性は深まるばかりで一向に答えは出ない。しかし一度思考の海に沈んだ優は簡単には帰ってこれない。
「………」
「おみなえさん!!」
「!?」
「ユーノくんが困ってますよ!!」
「あ、ああ。すまねえ、つい考え込んじまった」
(ボクもびっくりしたよ…)
……が、姉の秋葉を彷彿とさせる気迫のこもった呼び掛けでようやく気付き、これ以上の推測は無意味と悟った優は心機一転、ユーノとの会話に戻っていった。
「…さっきのオレの仕事の話の時に妙な反応してたのは、お前の仕事に対してオレがどんな反応するのか不安だったからか」
「…はい」
ユーノは露骨に気まずそうなトーンで返事をした。優はしばし沈黙した後、目を伏せながら再び口を開く。
「あ、そうだ。お前何歳だ?」
「きゅ、9歳です」
「そんな歳で遺跡の発掘なんてやってんのか……って9歳であんな魔術を使ったたってのか!?」
「ぼ、ボクは主に補助系の魔法を修めてまして…。中でも結界魔法は得意中の得意なんですよ」
(いくら得意でアンドヴァラナウトがあるって言っても若すぎるだろ!こいつ、とんでもねえ化け物かもしれねえな…)
「ほ、他にはなにかありますか?」
少しでも場の空気を和ませようとその場で思いついた質問をしてみたら、ユーノの意外な潜在能力を垣間見てしまった優であった。
「…じゃあもう一つ質問だ。お前の一族は遺跡を発掘したあと、それをどうしてるんだ?」
「基本的には遺跡で発掘したものや遺跡の情報を売ってます。一族では詳しく調べられなかったり、厳重な管理や封印が必要なものが…主にロストロギアが出てきた場合は管理局へ引き渡したりもしてますね。中には………この指輪みたいに自分達で所有することもあります」
「………」
ユーノの説明が終わっても何も喋らない優。ユーノは優の反応が気になってたまらなくなり、恐る恐る顔を上げる。
「あ、あの…」
「ふーん」
優は素っ気ない反応を返すとまた黙り、数秒後に口を開く。
「管理局ってなんだ?」
「あ、それって…」
管理局なるものが気になった優だが、なのははそれを知っているようだ。
「うーん…。これこそ本当に話してもいいのかな…」
「ユーノくん、わたしみたいにすぐに信じられる人はあんまりいないと思うから…」
「?」
「でもこの人は魔法のことも知ってるみたいだし…」
「たしかにわたしは知らなかったけど、おみなえさんも多分この世界にある魔法だけだと思うよ」
「おーい」
「ロストロギアにも詳しいし…」
「うーん…。たしかに協力してもらえれば心強いけど…」
「………」
ユーノは前足を組むというフェレットらしからぬポーズで数十秒間悩み……
「……それを説明するにあたって念頭に入れておいてほしいことがあります。よく聞いてください」
とうとう包み隠さず話すことを決意した。
「で、念頭に置くことってのはなんだ?」
「僕の精神状態は至って正常です。空想癖もありません。だからこれから話すことは全部本当のことです。それを覚えておいてください」
「あ、ああ」
「やっぱり話しちゃうんだ」
この念の押しように若干引く優だったが、逆に「よほど
「すぐには信じてもらえないかもしれませんが、僕はこの世界の人間じゃありません」
「!?」
「僕の一族はさっき遺跡の発掘を生業にしてるって言いましたよね。その遺跡っていうのは一つの世界にあるものだけじゃなくて、こことは全く違ういくつもの世界に存在するんです。
僕が今ここにいる世界もその一つなんですよ。この世界はまだ調べてないですけどね。そのいくつもの世界は総称で『次元世界』って呼ばれています」
「次元…世界?」
「はい。それぞれの世界を管理することで次元世界の秩序と平和を守り続けているのが『時空管理局』…通称管理局です。時空管理局の本局は『ミッドチルダ』っていう世界にあります」
(いくつもの世界…。時空管理局…。ミッドチルダ………)
瞳を濁らせて沈黙する優。ユーノはただならぬ雰囲気の優にこれ以上話し掛けることは出来なかった。
自分なら絶対信じずに一蹴する自信があります(笑)