IS -インフィニット・ストラトス- if   作:人食いムンゴ

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4月17日 放課後

──教室──────

 

「今日の授業はここまでです。ちゃんと復習をしてくださいね♪」

 

そう言ってこの授業を担当していた山田先生は胸をプルンプルンと弾ませながら教室を出ていった。

 

それをしっかりと目に焼き付けて、今日の授業は一段落する。

背伸びをして、固まった体をほぐす。

 

「んーっ」

 

すると、一夏が背伸びをしている間に片付けを終えたのか箒は山田先生の後を追うかのすぐに教室を出ていった。

なにやら少し慌ただしささえ感じる。

 

なんか授業のことでわからないことでもあったのか?

 

そんな風に考えながら、ぼっーとしていると

 

 

「さぁ、一夏さん!早速第三アリーナにいきましょう!」

 

目の前に現れたセシリア。

どうやら、練習から逃げることは出来ないらしい。

 

「へいへい」

 

重い腰を上げて立ち上がると、早く行きましょうと言わんばかりにセシリアが一夏の背中を無理やり押しながら教室を出ていく。

 

──第三アリーナ───────

 

スーツに着替え終わり、更衣室を出てアリーナに出る。視線の先に見えたISの姿。

 

(先客か?)

 

とりあえずそのISに近づいてみると、ISに乗っている人物もこちらに気づいたようで、振り替える。

 

「!!」

 

思わず一夏は立ち止まる。

その一夏後ろからセシリアもやってきた。

 

「それでは一夏さん…練習を始めって───箒さん!?」

 

 

驚いた様子セシリアに対し、箒はやる気を見せている。

 

「待たせたな一夏───訓練機の使用許可が下りたからな。」

 

IS『打鉄』───打鉄は純国産ISとして定評のある第二世代の量産型。安定した性能を誇るガード型で、初心者にも扱いやすい。そのことから多くの企業並びに国家、当IS学園においても訓練機として一般的に使われている。

 

「今までの練習では、近接格闘戦の訓練が足りていないだろう。ここで私の出番だな」

 

箒の武装は刀型近接ブレードを装備している。

それがまた箒にはものすごい似合っている。

 

(これで桃色の霊子甲冑を装備すれば───いや、それはいいとして)

 

 

(くっ……。まさかこんなにあっさりと訓練機の使用許可が下りるだなんて……誤算でしたわ)

 

しかめっ面で悔しそうにするセシリア。

 

 

「では一夏、はじめるとしよう。刀を抜け」

 

「おうっ」

 

気合い十分の箒。すらりと抜かれた刀越しに見える風格はまさに侍。凛としたその表情からは集中力が高まっているのを感じる。

 

「では──参るっ!」

 

──と、そこにつんざく声。

 

「お待ちなさい!一夏さんのお相手をするのはこのわたくし、セシリア・オルコットでしてよ!?」

 

言うが早いか一夏の前に割って入ったセシリアは、箒と真っ向から対峙する。

 

「ええい、邪魔な!ならば斬る!」

 

「訓練機ごときに後れを取るほど、優しくはなくってよ!」

 

箒の袈裟斬り。それをあらかじめ展開しておいたショートブレードの《インターセプター》で受け流すセシリア。剣撃の勢いを利用して間合いを取り、素早く片手でトリガー。

 

あれよあれよと言う間に二人は地上から離れ、空中戦を繰り広げる

 

──結局、こうなるのかよ。

 

少し呆れつつ二人の様子を見守る。

それと同時に箒のことで感心していた。

 

あんな雑な説明で本当に動かせるのかどうか怪しんでいたが、訓練機ながらも代表候補生であるセシリアに対して遅れをとっていない。

 

正直言って、専用機持ちの俺より乗りこなしている気がする。はぁ。

 

そんな落ち込んでいる一夏の後ろから声をかけられる。

 

「やっと見つけた」

 

その声で一夏は振り替えると、そこにいたのはセカンド幼なじみこと鈴だった。

 

「鈴じゃねぇか──どうした?」

 

「どうしたじゃないわよ全く───さぁ行くわよ」

 

「行くってどこへだよ?」

 

「アンタ久しぶりに会ったこのアタシをどこも連れていかない気なの?」

 

「いやいや、今訓練中だし」

 

「ぼっーと突っ立ってることが訓練なの?」

 

(辛辣だな…。)

 

「ほ、ほら、行くわよ!」

 

半ば強引に鈴さ一夏の手を引く。

 

「ちょ、鈴、痛ぇ痛ぇ」

 

強引に引っ張る手はなかなか力強い。

 

(鈴って…こんなに力あったっけ?)

 

そして、二人は第三アリーナから消えていった。

 

 

一方その頃、空中戦を繰り広げている二人は、お互いに睨み合い、地上にいる一夏に声をかける。

 

「一夏!何故、私を助けない!?」

「一夏さん!どうして見ているだけですの!?」

 

 

【返事がない。ただの無駄骨のようだ。】

 

 

もちろん、返事が返ってこないことに異変を感じ、二人は地上を見たが一夏が見当たらなくなっていた。

 

「い、一夏がいない!?」

 

「ど、どこに行かれましたの!?」

 

焦る二人、しかし何かを悟り、同時にお互いを睨みつける。

 

「セシリア!お前のせいだぞ!」

「いいえ!これは箒さんのせいですわ!」

 

ムムムムムムッ!

 

 

【そして、戦闘が始まった……! 】


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