IS -インフィニット・ストラトス- if 作:人食いムンゴ
─昼─教室────────────────
やっと昼かぁー。
手を組んで伸びを行い、体を伸ばす一夏。
今日は弁当は持ってきてなかったため、学園の食堂で食べる予定だ。
箒は一人で座っていた。弁当等は持ってきていないようだった。
早速、一夏は箒の方に駆け寄りお昼を誘う。
「箒。昼行こうぜ」
「私はいい。遠慮しておく。」
「そう言うなって。折角久しぶりに会ったんだ。積もる話もあるだろ?」
「私は…。」
一向に席を立とうとしない箒に一夏は強引に手を握り、箒を教室から連れ出す。
「な、なにをする!こら!離せ!」
繋いだ手を無理やり離そうとする箒に一夏は引っ張り続ける。
「黙ってついてこいって。」
そんな力強い声にこれ以上は抵抗せず黙ってついていく箒。
少し、ドキッとしたのは秘密だ。
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食堂
「なぁ箒はどれにする?」
「私はこれにする。」
箒が選んだのは鯖の塩焼き定食だった。
品数はかなり多いが箒の鯖の塩焼き定食が美味しそうだったので、一夏も同じものを注文する。
「だいたい私は…おまえにお節介を頼んだ覚えはない!」
「いや、俺は箒にお願いしたいことがあって」
「な、なんだそれは……」
「まぁそれは座ってから話そうぜ」
「…………」
箒はむすっとした顔で視線だけ天井に逃がしながら、食事をおばちゃんから受けとる。
「箒、テーブルどっか空いてないか?」
「…………」
とりあえず箒を追って、空いていたテーブルにつく。
「……それで、用件はなんだ」
味噌汁に口を付けながら返事する箒。対する一夏も程よく焼けた鯖の身をほぐしながら続ける。
「頼む!ISのこと教えてくれないか?授業すらなんもわかんねぇのに、このままじゃ来週の勝負で何も出来ずに負けそうだ」
「止めたのにくだらない挑発に乗るからだ、馬鹿め」
「そこをなんとか、頼れるのは箒だけなんだ。頼むっ」
箸を持ったまま、手を合わせて拝む一夏。
「………………」
少し一夏のお願いから間が空いてから
「……わかった。」
「お、教えてくれるのか?」
「そう言っている」
(初めからそう言ってくれればいいのに。なんだったんだ今の緊張感は…。)
「今日の放課後」
「ん?」
「剣道場に来い。一度、腕がなまってないか見てやる」
「いや、俺はISのことを──────」
「見てやる」
「……わかったよ」
反論を言わさんとばかりの目付きで言われてしまってはなにもいい返すことが出来ない。
ここは大人しく従うしかない様子だった。