IS -インフィニット・ストラトス- if 作:人食いムンゴ
――1025号室 浴室―――――――――
湯船に体育座りの形で浸かり、物思いに耽る箒。
(一夏のやつ…。)
一夏のことを考えると思い出すとセシリアのことまで出てくる。
休み時間に一夏と談笑しているシーン。昼御飯のあーんをしているシーン。専用機で一夏に指導しているシーン。思い出したくもない、抱きついているシーンまで浮かび上がってくる。
箒は頭を大きく振り、必死に勝手に浮かび上がってくるシーンを追い出そうする。
なにより、一番気にいらないのは、セシリアの相手している一夏が満更でもない感じが、余計に気にいらなかった。寧ろ、喜んでいるようにも見えた。
あれだけお互いが敵対していたのにも関わらず、今日で二人の仲は急速に縮まっていた。箒が築いた10年以上の仲の関係性に、一瞬で追い付かれた気がした。
正直、焦りを感じる。
(一夏が好きなのは…ああいうタイプなのか?)
容姿端麗、成績も優秀でISランクも箒より上をいき、代表候補生で専用機も持っている。
自分が勝っていると思う要素は、幼なじみという肩書きと同室で過ごしているということだけ。
完全に分が悪い。
性格もおしとやかになったことで、好感度が高くなったのだろうか?
それともあの整った容姿が好みなのだろうか?
今一度、湯船に浸かっている自分の体を見てみる。
やはり大きく違うのは水面に浮かんでいる大きな胸だ。
肩は凝りやすく、すぐに合わなくなる下着。剣道をするときもサラシを巻いてしないと胴着が収まらない。
胸のせいもあってか制服も少し太く見えてしまう。
良いことなんてひとつもない。寧ろ邪魔な存在だ。
(……この胸が。)
邪魔な存在だから、いらないものだから、一夏もきっとこの胸が好きではないと勝手な脳内変換で考える箒。
(私はどうすればいいのだ……。)
気持ちが沈むと同時に箒自身もブクブクと湯船に沈んでいった。
────────────────────
箒が風呂に入ってしばらくしてから、一夏は着替えの準備をしようとベッドから立ち上がった。
「さてーと……はっ!!?」
目に飛び込んで来たのは、浴室に入る引戸の前に落ちている大きなお碗の形をしたものにヒモが付随している白い物体とT字状の白い物体。
「こ、これは!?」
テレレレレーーン♪(脳内SE)
コマンド
▼見る←
▼調べる
▼取る
コマンド
▼床←
▼引戸
▼戻る
コマンド
▼白い物体←
▼戻る
一夏は床に落ちている二つの白い物体を注意深く見つめた。
(ゴクリ…。)
コマンド
▼見る
▼調べる←
▼取る
コマンド
▼床←
▼引戸
▼戻る
コマンド
▼白い物体←
▼戻る
一夏は床に落ちている二つの白い物体を調べる。
まずはT字状の物体から調べた。
形状はローライズ状で表側の生地の真ん中には小さいリボンがついている。間違いない。パンティだ。
続いて、お碗の形をしてヒモがついた物体を調べる。
二つのお碗はかなり大きい。相当大きなサイズが伺える。フリルがつき可愛さが感じられる。間違いない。ブラジャーだ。
コマンド
▼見る
▼調べる
▼取る←
コマンド
▼自分の服
▼落ちている下着←
(か、体が勝手に!!)
一夏は下着を手に取った。
コマンド
▼見る
▼調べる
▼取る
▼においをかぐ←
コマンド
▼自分の下着
▼取った下着←
(こ、ここまで来たら…。よ、よし嗅いでみよう)
一夏は下着に顔を近づけた。いいにおいが一夏の鼻を通った。
なにかが満たされていく気がした。
(ふぅ。)
「い、一夏すま…」
突如、開いた引戸。鉢合わせする恥ずかしげにバスローブを着ている箒と下着で顔を
「あ」
お互いが数秒間固まって見つめあった後。
「い、い、い、いち、いち、一夏ーーーー!!」
「ち、違うんだ!箒!これは体がか、か、勝手に!」
このあと滅茶苦茶ボコられた……。