IS -インフィニット・ストラトス- if 作:人食いムンゴ
1025室にて
「一夏!どういうことだ!!なんだ!あのオルコットの態度は!」
1025号室では怒号が飛んでいる。箒は今日のことで落ち着いていられなかった。
朝には急変するセシリアの態度に驚いたが、負けじと張り合い。昼は昼で邪魔され、放課後には二人でISの訓練をしていたところにセシリアがやってきて教える(邪魔が入る)という事態が発生していた。
「そうは言ってもだな。前より刺々しさはなくなったからいいと思うけどな…。」
箒とは違う、淑女を感じさせるあの雰囲気。
セシリアにあって、箒にはないのでとても魅力的に感じる。
「なっ!!?お前はあのオルコットの肩を持つのか!?」
「えぇ……。」
「だいたい私が教えているというのに、教えかたがなってないだとか文句を言って…ブツブツ」
「……はぁ」
箒に聞こえない程度でこっそりため息をつく一夏。
教えると言っても結局、箒とセシリアが言い合いをするだけでまともな訓練にはならなかった。
「一夏!明日からはオルコットに私が教えているから必要ないと言え!」
「う、うーん」
それは出来れば避けたい。
箒の説明を受けたが酷かったのだ。
ここをズンっとする感じだ。ドンという感じだ。などとなにをどうしていいのか全くわからない。
寧ろ、途中から参加したセシリアも理論的な説明で分かりにくい部分もあるが、機体の持っているだけあってどう操作すればどういう動きをするか分かりやすかった。
百聞は一見にしかず。
「いや、ちょっと口頭だけだと分かりにくい部分があってさ…。」
流石に全くわからないとストレートに本人に言うと逆撫でしてしまいそうなのでオブラートに包むが…。
「私の説明では不服だと言うのか!」
「あ、いやそういうわけじゃなくて…」
この状態はなにを言い返しても箒の機嫌はますます悪くなる状態だと察した。
少し沈黙の後。
「なら、ISがあればいいのだな?」
「ま、まぁそうだな…。」
「なら、私は少し用があるから部屋を空ける」
「へ?どこに行くんだよ」
「職員室だ」
「はぁ…?」
そう言って部屋を後にしていった。
一人になったことで少し気持ちも落ち着く。
ベッドに横になると枕元に置いてあったスマホがピカピカと光っている。
女子からの連絡かと思っていたが、送り主の名前を見ると
「お、弾からか」
早速、文の内容を確認してみる。
弾:元気でヤってるか?
一夏:なんだよその意味深な文章
弾:スタンプ
n ∧_∧
(ヨ(´∀` )
Y つ
弾:試合はどうだったんだ?
一夏:その試合は負けたんだけど、勝った権利を譲られた。
弾:譲られた?どういうこと?
一夏はその試合に至るまでの経緯を送った。クラス代表になる際に言い争いになり、決闘をすることになったこと。
決闘をしたときにセシリアを助けたこと。
それからコロッと態度が変わったこと。
今、幼なじみの箒とセシリアがぶつかりあってることを説明した。
流石にセシリアに抱きつく行為はまた弾からとやかく言われるのをわかっていたので言わなかったが…。
弾:なるほどな。んで、そのセシリアって女の子は一夏にすっかり懐柔されたわけだ。
お前は魔性の男だな…。
一夏:まぁなw
弾:褒めてねぇよ!w
一夏:わかってるよ。
弾:んで、幼なじみの巨乳とイギリスのブロンド美女がお前を取り合うためにやっきになっててお前はそれをやめさせたいと
、言うなら二人は仲良くしてほしいと
一夏:まぁそんなとこ
弾:アホか。んなもん、無理に決まってるだろ
聞いてる感じだと完全にライバル同士じゃん
お前が首を突っ込んで仲良くできる問題じゃないだろ
一夏:じゃあ、どうすれば
弾:お前がどっちかを選べばそれで解決だろ
一夏:それは…難しいな
弾:お前ほんと大事な場面で優柔不断になるよな
一夏:否定出来ないな。
弾:強いて一つアドバイスするなら息抜きついでにどっか行くのもありなんじゃないか?
確かに入学前からバイトや受験勉強で忙しく、入学後もISの勉強やらトレーニングやらでまともな休日を過ごしていないことを思い出した。
一夏:考えておくよ
弾:ま、頑張って上手くヤれよ!ニヤニヤ
こいつ……と思いながら、返ってきた返信を見ていたところに箒が部屋に帰ってきた。
「おかえり」
「……フン」
一夏の方を向かずに、着替えを持って風呂に入っていた箒。
(こりゃあ、口聞いてはもらえないな…。弾から言われたことを参考にして、なんか考えないとなぁ…。)