自身に宿る力の強大さを改めて自覚し、自分に何ができるのかを考え始める事にした僕は、今日も幻想の世界で生きていく……。
「――ナナシ、今日は休みなさい」
「えっ?」
朝の九時過ぎ。
朝食を食べ、人里へと薬を売りに行く鈴仙さんを見送った後、八意先生は僕にそんな事を言ってきた。
「ここに来てから毎日頑張ってくれているもの、たまにはゆっくりしなさい」
「でも……」
「大丈夫。急患は居ないし今日は新薬の実験もするつもりはないからのんびり過ごすといいわ」
「う、む……」
優しい口調でそう言われてしまうと、これ以上は食い下がれない。
しかし参った、急に休めと言われても……何をすればいいのか。
永遠亭に来て手伝いや薬の勉強ばかりだったから、ここに来て自分が何の趣味もないつまらない人間だという事に思い至ってしまった。
本当に拙い、かといって輝夜さんの相手をするのは正直御免だ。
さてどうしよう、竹林の中を散歩しようにも迷った挙句に野良妖怪の腹の中に収められる未来しか見えない。
「どうした?」
「うわあっ!?」
突然背後から話しかけられ、盛大に驚き軽く飛び跳ねてしまった。
そんな無様な僕を見てクスクスと笑うのは……金の髪を持つ少女、宵闇の妖怪ルーミアであった。
「……急に話し掛けないでよ、ルーミア」
「すまないな。だがこうやってたまには妖怪らしい事もしないと、忘れてしまいそうになるからな」
「どういう事それ……まあいいや、それよりどうしたの?」
「何か考え事をしているように見えたからな、どうしたんだ?」
問われたので、今日は休みを貰って何を過ごそうと考えていた事を話した。
「そうか、今日は休みなのか……」
「何か休日の良い過ごし方は無いかな?」
「お前、趣味とか無いのか?」
うぐっ、嫌な質問をしないでほしい。
そんな心中が顔に出てしまったのか、ルーミアの僕を見る目に何だか同情の色が見られるようになった。
ええいっ、そんな目で僕を見るんじゃない。
「……なら、今日は私に付き合ってくれないか?」
「いいけど、何処に行くの?」
訊ねると、ルーミアは僕に向かって小さく笑みを見せながら。
「霧の湖だ。――ちょうどいい機会だから、私の友人達を紹介しよう」
そう言って僕の手を取り、そのまま空を飛び始めたのだった。
■
今日も霧の湖は霧に包まれている、当たり前だが。
陸地はそうではないものの、湖の中はまともに見えず中央付近に建っている紅魔館は影も形も見えなかった。
「ルーミア、こっちこっちー!!」
湖の陸地へと降り立つと、2人の小柄な少女達が僕……というよりルーミアを迎え入れる。
見た目だけならば可愛らしい少女にしか見えない彼女達であるが、背中にはそれぞれ氷で出来た羽根と昆虫を思わせる羽根が生えており、人間ではない事を示していた。
初対面ではあるが、後学の為に幻想郷の人外について書かれている“
「はじめまして、チルノさん、大妖精さん」
「あれ? なんであたいと大ちゃんの名前を知ってるんだ?」
青髪の少女、チルノさんがキョトンとした顔で僕を見る。
「ルーミアからある程度は聞いていましたし、幻想郷縁起にチルノさん達が載っていましたから」
「げんそうきょう……えん、ぎ?」
「ほら、妖精や妖怪の事が書かれてる書物の事だよチルノちゃん、寺子屋にもあったでしょ?」
大妖精さんが説明するが、チルノさんは「そうだっけ?」と首を傾げるばかり。
その姿にがっくりとうなだれる大妖精さん、ルーミアも呆れているのか額に手を置いていた。
「まあいいや。えっと……アンタ誰だっけ?」
「ナナシ、といいます」
「ナナシ……ああっ、アンタがルーミアの言ってた変な人間ねっ!!」
「……変な人間?」
じろりと、ルーミアにジト目を向ける。
すぐさま僕の視線から逃れるように顔を逸らすルーミア、この子は2人にどんな紹介をしたのだろうか。
「よろしくねナナシ、あたいはチルノ! こっちは友達の大妖精の大ちゃん!!」
「はじめまして、ナナシさん」
改めて名を名乗ってくれた2人に、軽く会釈を返す。
妖精というのは見た目と同じく思考も子供寄りだと幻想郷縁起には記述してあった、なのでなるべく物腰を柔らかくするように意識しながら接するよう心がける。
その甲斐はあったのか、とりあえずチルノさんにも大妖精さんにも変に恐がられたりはしてないようで一安心、なのだが。
少しの違和感が、2人の間から感じられた。
僕を恐がっているというわけではないのだが、なんていうか……意外なものを見るような視線を向けられているような気がしたのだ。
「2人とも、ナナシは外来人だが大丈夫だと前に説明しただろう?」
「う、うん……そうなんだけど……」
「わかってるよルーミア、ナナシは外来人だけど悪いヤツじゃないってサイキョーのあたしにはわかるよ!」
「…………」
今の会話を聞いて、初めてルーミアと出会った時の事を思い出す。
そういえば彼女は僕が外来人だと知って、露骨に嫌悪感を露わにしていた。
それに八意先生達は僕を人里に行かせないようにしているし、外来人というのはこの幻想郷にとってあまり良い立場ではないらしい。
「あ、あの……気を悪くしたのなら、ごめんなさい」
「いえ、そんな事はありませんから気にしないでください。その代わりというわけではないですけど……僕みたいな外来人って、幻想郷で生きる人達にとって歓迎されない存在なんですか?」
「…………えっと」
話していいものかといった様子で、口を噤む大妖精さん。
躊躇いを見せる彼女の代わりとばかりに、隣に居たチルノさんが僕の問いに答えてくれた。
「あたしも詳しくは知らないんだけどね、結構前に沢山の外来人が里にやってきたんだって。そいつらが好き勝手やったせいでみんな外来人ってやつ等の事あんまり好きじゃなくなったんだ」
「好き勝手やったというのは、里で暴れたとかですか?」
「暴れたというよりは様々な犯罪行為を行なったと言った方が正しいな、窃盗や暴行は勿論として里の備蓄を食い荒らしたり人妖問わずに喧嘩を売ったり……封印されていた時の私やチルノ達にも被害が及んだんだ」
「……凄く恐かったです、口や鼻に沢山リングみたいなのを付けてる恰好も恐かったんですけど、私達と同じ言葉で話しているのに全然意思疎通ができませんでしたし……」
その時の事を思い出したのか、大妖精さんは肩を縮こませ小さく震える。
……成る程、詳細は判らないけどその外来人の集団は里と一部の妖怪妖精にとって厄介な存在だったという事か。
ルーミアが僕を外来人だと知って怒りを露わにしたり、八意先生達が僕を人里に行かせようとしない理由が漸く判った。
「その人達は、まだ里に?」
「ううん。いきなり居なくなったみたいだよ、あたし達も見なくなったし」
「――“神隠し”にでも遭ったんだろうさ」
何処か嬉しそうに、ルーミアは呟き口元に冷たい笑みを見せた。
神隠し、というものかの詳細は判らないものの……要するに
自業自得と蔑むつもりはないけれど、それ以上の被害が出ない事には安堵する。
それと同時に、ルーミア達や永遠亭のみんなに対して申し訳ない気持ちで一杯になった。
「ナナシ、なんか辛そうだけど……お腹痛いの?」
「そういうわけじゃないですよ、ただ……僕と同じ外の世界の人間が、沢山の人に迷惑を掛けたと思うと申し訳なくなって……」
「? なんでナナシがそんな事考えるんだ? ナナシは何も悪い事なんかしてないのに」
心底不思議そうなチルノさんを見て、僕は自然と嬉しい時に浮かぶ笑みを作っていた。
彼女は優しい、外来人の連中による被害に遭ったというのに、同じ外来人の僕は悪くないと言ってくれている。
「チルノの言う通りだナナシ、大体どうしてお前が思い悩む必要がある?」
「確かに僕は直接被害を出したりはしていないけど、僕という外来人が居るだけで周りの迷惑になる事だってあると思うと……」
「考え過ぎだ、お前は変な所で頭が悪い」
ぴしゃりと、情け容赦なく辛辣な言葉を放つルーミアにおもわず小さく唸ってしまった。
いや、確かに考え過ぎかもしれないけど……ってチルノさん、人を指差して笑わないでくださいよ。
「ナナシは変なヤツだなー、でもルーミアの言ってた通り良いヤツだね!!」
「変は余計だよチルノちゃん。ナナシさんも気にしたら駄目です、少なくとも私達はナナシさんが悪い人じゃないって判っていますから」
「チルノさん、大妖精さん……」
ああ、もう本当に情けない。
初対面の相手に気を遣われるなんて、余計に申し訳なくなった。
だけど、そんな事ばかり考えていたら2人の優しさを無碍にしてしまうから、今は一々気にするのは止めにしよう。
「ありがとうございます、本当に……ありがとう」
「……へへへ」
「ふふっ、どういたしまして」
出来る限りの感謝の言葉に、2人は嬉しそうな笑みでそれに応えてくれた。
……だけど、まだ人里の外来人に対する印象は悪いままというのは少しばかり気になった。
いつか里に行ってみたいと思っているし、なによりも悪い印象を抱かれたままというのは嫌だと思ったのだ。
無理な話ではあるけれど、できる事ならば誰もが仲良くなれればいいと思っているから。
だから解り合えたらきっとそれは素晴らしい事だと、信じたい。
「そんな事より、早く遊ぼうよ!!」
「いいですよ、何して遊びましょうか?」
「えーっとね……あ、その前にナナシ、いつまであたし達に敬語使ってるの?」
「えっ?」
「なんか気持ち悪いから普通に話してよ、大ちゃんもそう思うでしょ?」
「えっ!? いや、気持ち悪いとは思わないけど、私も敬語なんか使わずに話してくれた方が嬉しいです」
「…………あ、うん」
気持ち悪いって言われて、一瞬思考が停止した……。
チルノさん、いやチルノみたいな可愛らしい容姿の幼女に言われるのは、想像以上にキツイものがある。
ま、まあいいや……チルノも深い意味で言ったわけではないのだろう、多分。
「それで、何をして遊ぶつもりだ? 言っておくが、ナナシの事を考えて発案しろよ?」
「じゃあ……鬼ごっこは?」
「私は構わないが、飛行は禁止だぞ?」
「えっ、なんで!?」
当たり前である、そのルールが適用されて僕が鬼役になったら完全に詰む。
というわけで、飛行禁止というルールの元、鬼ごっこの鬼役をじゃんけんで決めようとして。
「……?」
霧に覆われ中が見えない湖の中から、激しい水飛沫の音が聞こえてきた。
何か大きなものが水の中で暴れまわっているような、激しい水音が幾度となく聞こえてくる。
それも1つではない、最初に聞こえたものよりも小さいが、もう1つ別の水音が聞こえてきた。
「何だ……?」
「この湖には、大型の妖怪魚が生息してるみたいですけど……」
だとすると、その妖怪魚が顔を出してきたのだろうか。
けど随分と長いな、そう思っていると。
「た、助け……っ、助け……!」
そんな声が聞こえ、場の空気が一変した。
「今の声は……!?」
「あの声……わかちゃんだ!!」
「ちょ、ちょっと待ってチルノちゃん!!」
湖の方角に飛び立とうとするチルノを、大ちゃんが慌てて手を掴んで引き止める。
「放して、大ちゃん!!」
「駄目だよチルノちゃん、こんなすぐ前も見えないくらい濃い霧の中を飛んでいったら、妖怪魚に呑み込まれちゃうかもしれないし」
「だけど今の声はわかちゃんの声だったんだ、きっとその妖怪魚に襲われてるんだよ!!」
だから助けに行くと、再び湖に向かおうとするチルノ。
彼女を大ちゃんと2人で止めつつも、どうしたものかと思考を巡らせる。
大ちゃんの言う通り湖はまともに確認できないほどに霧が濃く、安易にあの中に入れば危険なのは明白であった。
「…………?」
「ナナシも放してってば!!」
暴れるチルノの手を掴んで止めながら、僕は視線を霧へと向け続ける。
……感じる違和感、僕の目が霧の中にある“異端”を映し出していた。
この霧は自然のものではない。
人為的な要因によって作り出されたものだと、知らぬ知識が僕の頭に訴えかけていた。
「……魔法で生み出された霧、ならその基点に干渉すれば晴らす事が、でき、る……?」
初めから知っていたかのように、知らずにこの霧の本質を理解する自分に……寒気がした。
この知識は一体何なのか、何故そんな事を理解できるのか、浮かぶ疑問は瞬く間に増えていく。
「っ」
今はそんな事を考えている場合じゃない筈だ……!
知らぬ知識だろうが関係ない、この霧を何とかできる可能性を持っているのなら利用させてもらわねば。
目に力を込めて、睨むように霧を見つめ続ける。
「――チルノ、僕が霧を晴らしたらすぐにそのわかちゃんって子を助け出してくれ」
「えっ……ナナシが?」
「僕を信じて。必ず何とかするから」
何とかできる筈だ、既に僕の中では“答え”を見つけ出している。
この霧の湖にある霧の殆どは、“魔法使い”によって生み出された魔力が込められた霧だ。
故に天候に左右されずに常時展開されており、その魔法使いが解除しなければいつまでも残り続ける。
――だから、僕の力でこの霧を一時的に霧散させるしかない。
頭に流れる未知の知識が、僕の力の一部を明かしてくれている。
僕の力は“癒し”の力、けれどそれは決して傷を治すという意味だけではない。
「いくよ、チルノ!!」
「よーし、いけーっ、ナナシ!!」
両手を天に掲げ、内側にある力を解放していく。
すぐに黄金の光が両手に集まり、掌の上に球体として形成させた。
傷を治す以外での意味、それは自然に生み出されたものではない存在を“癒す”事ができるという意味だ。
今回のように人為的に生み出された霧を“癒す”――自然ではないものに干渉し、消し去る効力がこの力にはある。
「……はあああああっ!!」
両手を勢いよく振り下ろし、光の球が霧の中へと消えていった。
刹那、一瞬だけ周囲が眩い光に包まれ、次の瞬間――霧の湖に漂っていた霧が全て霧散した。
同時に見える巨大な魚と、それに襲われている半身が魚の所謂“人魚”と呼ばれる少女の姿が視界に映される。
「わかちゃーーーーーーーーん!!」
弾け飛ぶような勢いで、チルノが湖に向かって飛び立った。
彼女の怒りを表すかのように周囲の温度が下がっていき、地面の草花が霜に包まれていた。
「チ、チルノちゃん……!」
「こいつ……わかちゃんをいじめるなーーーーーっ!!!!」
大きく飛び上がり、両手を振り上げるチルノ。
その小さな両手から生み出されるのは、全てを押し潰し叩き潰す程に巨大な氷塊であった。
容赦も遠慮も抱かず、チルノはその氷塊を妖怪魚目掛けて叩き落とした。
響く爆音。
衝撃が周囲の空気を震わせ、彼女の一撃をまともに受けた妖怪魚は悲鳴すら上げずにそのまま湖へと沈んでいった。
それには構わず、チルノはわかちゃんと呼んだ人魚の少女の両脇を掴み、こちらへと戻ってくる。
そして彼女を陸地へと上げると……僕達はおもわず息を呑んだ。
「ひどい傷……」
「だ、大丈夫……ちょっと鱗が剥れただけだから……」
「大丈夫なわけないよ!! 血も沢山出ちゃってるし……大ちゃん、どうしよう!?」
「ど、どうしようって言われても……」
慌てるチルノ達だが、よく見るとあまり傷は深いものではないようだ。
八意先生や鈴仙さんの手伝いをいつもしているおかげか、それくらいは認識できるようになっていた。
とはいえ放っておける類の傷でもないのは確かだ、なので僕は彼女の傍で跪き、一番傷の深い部位――彼女の尾へと手を翳した。
「な、何を……?」
「ナナシ、もしかして……わかちゃんの傷、治せるの?」
「やってみるよ。――恐がるなって言う方が無理な話なのはわかるけど、僕は君に危害を加えるつもりはない事だけは信じてほしい」
なるべく恐がらせないようにそう言いながら、僕は彼女の身体に力を注いでいった。
すぐに頭痛や眩暈が身体を襲うものの、何時ぞやの時と比べれば充分に我慢できるものであった。
光が彼女の身体を包み込み、やがて血は止まり傷も全て綺麗さっぱり無くなってくれていた。
「…………ふぅ」
終わった事を確認するように息を吐く、頭痛は……するけど大丈夫だ。
この力にも慣れてきたのかもしれない、使う度に意識を失っていた時に比べれば格段に進歩している。
「すごい……傷が、みんな治っちゃった……」
「ナナシ、ホントに凄いよ!!」
「あはは……ありがとう」
キラキラとした眼差しを向けてくるチルノに、苦笑を浮かべる。
大ちゃんはただただ目の前の光景に驚きを隠せず、ルーミアは何か言いたげに僕を軽く睨みつけていた。
きっと力を使った事に対して怒っているのだろう、けど勘弁してもらいたい。
この人魚の女の子と面識はなかったけど、友達であるチルノの友達なら助けたいと思ってしまったのだから。
「…………」
「あっ、大丈夫? 傷は治したと思うけど……まだ何処か、痛い所があったりするかな?」
「…………」
「? えっと、もしもし?」
問いかけるが、人魚の少女はこちらの声に反応せずただじっと僕を見つめ続けていた。
なんだか瞳を潤ませ、頬を赤らめている、やっぱりまだ痛い所があるのだろうか。
「わかちゃん、どうしたの?」
「っ、あ、えっと……チルノちゃん、助けてくれてありがとう」
「いいよ別に、それよりわかちゃんが無事でよかった!!」
にかっと微笑むチルノに、人魚の少女も嬉しそうに微笑んだ。
と、此方に視線を戻す人魚の少女であったが……なんだか、僕を見る目に違和感を覚えた。
恐怖や警戒心のような負の類ではないけれど、目の中に恍惚な色が見えているというか。
「…………あ、あの。貴方様のお名前は何と仰られるのですか?」
「えっ、あ……ナナシ、ですけど」
「ナナシ様、ですね……」
慈しむように僕の名前を連呼する人魚の少女、彼女の反応に僕達は顔を見合わせて首を傾げていると。
「助けてくださってありがとうございましたナナシ様、私はわかさぎ姫と申します」
人魚の少女、わかさぎ姫さんは自らの名前を明かしてから。
「その……いきなりこのような事を言われても、驚くと思うのですが」
身体をもじもじさせ、顔を先程以上に紅潮させながら。
「――私と、お付き合いしてはくださいませんか?」
「…………………………はい?」
よくわからない事を、言ってきたのだった。