とある復讐代行の日常   作:初代小人

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まさか2話でコメントいただけると思ってなくて喜んで連日投稿してる小人です。
書き上がったのは2017/05/06の2:12です。
こういういけ好かないキャラをひどい目に合わせるのが何よりも楽しいってことに最近気づいた性悪です。

今回の話はフィクションです。実在の人物や国は意識していません。


case2・他人の気持ちを考えたことは?

あの科学者は条約を違反している!

 

何よりも人権を考慮に入れていない!

 

どうにかしてくれ!

 

 

case2.生は時に苦しみとなる

 

 

「クソッ!また失敗か!人体は脆すぎる!」

 

俺はアジアのとある社会主義の国の科学者だ。

 

ここでホムンクルスの製造のための研究と実験をしている。

 

クローンで良いではないか、と思うかもしれないが、それでは駄目なのだ。

 

無から有を作る事に意味がある。そう考えている。

 

「次の実験体を連れてこい。」

 

部下にそう命じて連れられてきたのは明らかに健康状態の悪い検体だった。

 

「んなモン役に立たんだろ。別なのを連れてこい」

 

そう命じたらやけに早く扉がノックされた。

 

「入れ」

 

端的な命令に応じて入ってきたのはこの研究所に似合わない清潔()()()服装の人間。

 

何故人間と称したかと言うと、性別も年齢も全く計り知れないから。

 

そいつが俺にいう。

 

「あなたは怨みを買いすぎました。だから私がここにお邪魔したのです。裁きを受けて頂きますよ。」

 

裁き!?巫山戯るな!俺はまだ!実験が…

 

薄れていく意識の中、「いってらっしゃいませ」という声が聞こえた気がした。

 

 

彼はそれから姿を見せることは無かった…

 

 

 

〜take1〜

 

 

もうここに連れてこられて何日になるだろう。

 

(!?)

 

攻めてきた敵国の兵士に連れ去られて、この研究所に来た。

 

(どうなっているんだ!?)

 

母国に置いてきた妻と子供たちに会いたい…

 

(これは捕虜の目線…というやつか…?そんなことが出来る装置など聞いたこともない…)

 

でもその願いは叶わないんだろうな…

 

と、僕達が収容されてる牢屋に二人の兵士が入ってきた。

 

そしてその二人はこっちにやってきた。

 

〇※(立て!)!」

 

敵国の理解出来ない言葉を怒鳴られ、そのまま無理に立ち上がらされる。

 

そして血で薄汚れた白衣を着た研究者らしい男がいる部屋に連れてこられた。

 

死ぬんだな、直感的にそう悟った。

 

それなのに、恐れた事態はいつまで経ってもこない。

 

僕を運んだ兵士二人はそのまま元の部屋に僕を戻し、別の男を連れていった。

 

(ああ、あの虚弱な検体か。)

 

しばらくしてから男の絶叫が鳴り響いた。

 

聞いたことのないほどの絶叫。

 

何が行われているのか、もはや想像すらできない。

 

ただそれを聞いて震えていることしかできない。

 

何故か生きていられたかは知らないが、あのままでは殺されていたらしい。

 

死神の鎌が首を撫でる不愉快な感覚がこびり付いて離れなくなった。

 

それなのに、それから何日たっても俺は生きている。

 

部屋に入ってきては出ていく男達。

 

〇※(立て!)

 

「嫌だ…死にたくないぃ…」

 

ベソをかきながら連れていかれる男。

 

「ギャアアアアアアアアアアア!」

 

もはや人間の言葉すら発せないのだろう苦痛を与えられて叫ぶ男。

 

「テメェら!絶対に許さねぇ!」

 

呪詛を吐きながら連れていかれ同じ末路を辿る男。

 

「なあ!希望を捨てんじゃねえぞ!きっと助けが来るから信じるんだぞ!」

 

有りもしない希望を語り、やはり同じ末路を辿る男。

 

 

優しい男、冷酷な男、傲慢な男、純朴な男、屈強な男、狡猾な男、謙虚な男、卑屈な男、頭脳派な男、自殺願望を持った男、狂った男。

男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男。

男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男男

 

 

今さっきまで元気にしていた男が連れていかれ、二度と帰ってこない。

 

そんな日々を幾年も重ねて、僕の心は…

 

 

壊れてしまった

 

 

 

〜take1.fin〜

 

 

その部屋には記憶の旅から帰ってきているはずなのに口から泡を吹いて何も言わない研究者がいる。

 

目は開いてこそいるが焦点があっていない。

 

そんな異常な空間の中で彼あるいは彼女は語り出す。

 

 

「自分がされて嫌な事は、他人にしてはいけない。大抵の人が育ての親から言われる言葉ですね。何にせよ彼は想像もしていなかった捕虜の生活を見せつけられ精神が壊れてしまった。」

 

 

「さて、このケースでは、とても沢山の人がこの男の“実験”によって殺されてしまっています。果たしてこの研究所では…」

 

 

生きていることが本当に幸せだと言えるのでしょうかね?

 




はい、引き続きもっと上手に書けるようになりたいので、感想、批判、注意点など何でも教えてください。糧にします。

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