サザエ=サン   作:サンシタ

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◆お知らせ◆

◆オリキャラ登場につきタグを追加、これは本作の正確な情報を読者のみなさんに提供するためで他意は一切無い、今後オリキャラや改変キャラが続々登場する予定なので楽しみにお待ち下さい◆


◆更新◆
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◆◆◆サザエさん◆◆◆




#3 ダディ・イズ・マム・バイ・インベンション

一台の家紋ハイヤーがオムラ・ホームテック本社前で停車した、警護のクローンヤクザ達が周辺を警戒する中、一人の男が車から降り立つ、男の名はスティーブンス・オムラ、オムラ・ホームテックを率いる若きCEOである、長身痩躯、眼光は鋭く神経質そうな顔立ちの男である。

 

 

二十代にしてオムラの不採算部門、オムラ・ホームテックCEOに就任した彼は、決断的な社内粛清と洗脳社員研修を徹底し、ドラスティックな組織改革を断行したのだ、その結果、カチグミ社員五十人以上がセプクやケジメを強いられ、マケグミ社員の半分を解雇する一方、ZBRやバリキ、タノシイドリンクなどの薬物の無償配給により人件費を大きく減らしつつ生産効率の向上をやってのけるという離れ業をやってのけたのだ。

 

 

彼は業績改善の為の努力は惜しまなかった、ライバル社経営陣や技術者の暗殺、工場や資材に対する破壊工作、他社製品へのネガティブキャンペーン…これらの企業努力により、トウチバ、マチュシタ・エレクトロニクス社、エレファント・シンボル社など同業他社は大きく業績を悪化させる一方、オムラ・ホームテックのみが右肩上がりの成長を続け、社長就任から十年過ぎた今業績シェア90%を占めるリーディングカンパニーとなったのである。

 

 

スティーブンスは秘書や護衛を引き連れオスモウ会議室へ向かう、部下からの業務報告を聴きながら圧縮スシ・バーを口にする、一見不作法だがこれが彼のビジネススタイルである。

 

 

スシを一本食べきるとマシンガンめいた勢いで部下に指示する、周囲のある者は手元の情報端末に入力し、又ある者はIRC端末で何処かに連絡する、指示が一通り終わると再びスティーブンスはスシを口にし部下の報告に耳を傾ける。

 

 

会議室に着くまでに三本のスシ・バーを食べた、これが今日の夕食である、彼からすれば必要なカロリーさえ取れればそれで良く、食に楽しみを求めるなど愚の骨頂だと感じていた、そしてその姿勢は食だけでは無くありとあらゆる事に共通していた。

 

 

会議室にはすでに数十人のスタッフ達がドヒョウ・戦略チャブに着席していた、彼らはスティーブンスが入室するや否や一斉に立ち上りアイサツをする「「「「「ドーモ、お疲れ様です、スティーブンス社長」」」」」おお、なんたる一体感か!迷いが実際無い!クローンヤクザめいた統率!これが研修の成果だ!「座りたまえ」スティーブンスは満足気に頷き着席を促す。

 

 

会議室には「センシュラク」「キンボシオオキイ」「ヨコヅナ」「満員御礼」…力強いオスモウフォントのショドーが天井から吊るされ、壁にはオムラ・インダストリの歴代会長の肖像画が掲げられていた。

 

 

今回のここに集ったメンバーはあの全自動タマゴ割り機の研究・開発・宣伝・販売、各チームの代表である、販売初日の結果報告とその検証の為に集められたのだ、彼らの顔色は皆、一様に悪い。

 

 

「よし、それでは始めるか、まず販売チーム、販売実績を報告しろ、何分で完売した?」スティーブンスは自信満々で尋ねる、何しろ今回の製品は企画から研究開発、製品PVの決定、初期出荷量などほぼ全て自分が関わっているのだ、売れない訳が無い。

 

 

「………完売しませんでした……、ハイ」販売チームのリーダー、スズキは消え入りそうな声で報告する、その顔色は悪い。

 

 

「ナンだと…」報告を聞いたスティーブンスのメガネが光る!

 

 

「売れ残るとはどういう事だ、販売数量、営業時間、出店場所!人の流れ!売れ残る要素などないぞ!私が決めたのだ間違いは無い!……それで幾ら売れ残った」沸き上がる衝動を何とか抑え詳しい報告を求める。

 

 

「………一個です」スズキの顔色が更に悪くなり、全身が小刻みに震えだす、「一個だけ売れ残ったか…」落胆した様子のスティーブンスにスズキは更に小さな声で報告する、「いえ、一個売れ残ったのでは無く一個だけ売れたのです、つまり売れ残りは九十九個」

 

 

「ザッケンナーコラー!」スティーブンスの怒りがついに爆発した、「どういう事だ!お前ら一体何をやっているんだ!」机を叩きつけ立ち上りスズキを睨み付ける!

コワイ!

 

 

「アイエエエ!スミマセン!スミマセン!」スズキは恐怖に震えながらオジギをして許しを請う、「スイマセンでスムカーッ!スイマセンで済んだらマッポはいらん!」スズキの謝罪はスティーブンスの怒りに油を注いだ様だった「それでお前らはどんな商品アピールを行ったのだ!」メガネを光らせスティーブンスは問い詰める。

 

 

スティーブンスに執拗に責め立てられるスズキ、((スズキ=サン…))その場にいる社員、特に研究・開発・宣伝各チームリーダーは沈痛な面持ちで罵倒されるスズキを見守る、だが、おおナムサン!彼ら胸中は同僚が出世コースからドロップアウトし競争相手が減った事に対する暗い歓びに満ちているのだ!

 

 

しかし、それを表情や態度に表す事は決して無い 、ウカツにも態度に表そうものなら奥ゆかしさを欠いた人間と見なされムラハチにされてしまうのだ、サラリマンの世界は上に行けば行くほど実務能力以外の部分…ハイクや奥ゆかしさといった要素が重視されるのだ、そしてムラハチになればその先に待つものは惨めなマケグミ人生である、((良くてケジメか…))((スズキ=サンの後任はオコゼ=サン辺りか…))((彼の所属派閥は大打撃だな))…もはやスズキの存在は意識する価値は無く、今後の社内の勢力図や利権の配分に考えを巡らせていた。

 

 

「…つまりお前は以前の成功体験に溺れ十分な配慮を怠ったのだ!勝ってメンポを確かめよという…バカッ!環境に文句を言う奴に晴れ舞台は一生来ない!」スティーブンスのスズキに対する糾弾はまだ続いていた、スズキが弁解を一言口にするごとに倍以上の勢いで罵倒される、豊富な語彙、ミヤモト・マサシのコトワザを引用するあたりにスティーブンスの高い知性が窺える。

 

 

そんな中、秘書の一人がIRC端末を持ってスティーブンスの元に駆け寄って来た、「社長、アルベルト会長、モーティマー社長のお二人からお電話です」うやうやしく端末を差し出す、スティーブンスは忌々しげにそれを受け取った。

 

 

「ドーモ、スティーブンスです、ご無沙汰しております、最近は手が離せない案件が多くご挨拶が…イエイエドーモ…とんでも無いことです」忌々しげに端末を受け取ったスティーブンス、だがライス・グラスホッパーめいた調子で頭を下げながらそれを感じさせない様子で受け答える。

 

 

「エッこれからですか、…分かりました、直ちに伺います、それでは」通信を切るとその場の社員達に告げる、「急にアルベルト会長とミーティングする事になった、私はこれから本社に向かわねばならない、君たちは私がここに戻るまで今後の対処方針についてミーティングしていてくれ、…それからスズキ=サン、君は私が戻って来たらケジメをしてもらう」スティーブンスは部下の一人に全自動ケジメ装置の準備を指示すると会議室を後にした。

 

 

 

#4 ダディ・イズ・マム・バイ・インベンションに続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ナムサン!サザエさん要素が一切無い!

◆感◆
ドーモ、閲覧ありがとうございます、ニンジャアトモスフィアを感じていただけたでしょうか?ニンジャスレイヤーとサザエさんはきょうつうてんがおおくコラボするとなんか良いと思う。
◆謝◆
次回も閲覧してもらえたらありがたいです。





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