サザエ=サン   作:サンシタ

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◆◆◆サザエさん◆◆◆

◆更新するドスエ◆


#2 ダディ・イズ・マム・バイ・インベンション

駅前から歩いて程無くナミヘイは自宅に到着した、ドアを開け妻を呼び出す、「オーイ、母さん」家の奥からフネとカツオが迎えに来た、「お帰りなさい、今日は早かったですね」

 

「イイモノを買ってきた、ホレ」ナミヘイは手に持っている包みを得意気に見せつける。

「オミヤゲ?」カツオは尋ねる、「実際驚く主婦の味方だよ」ナミヘイは満足気に答えた。

 

 

 

◆ダディ・イズ・マム・バイ・インベンション◆

 

 

 

「全自動タマゴ割り機?」この家の長女、フグタ・サザエが訝しげに尋ねる、彼女のファミリーネームが違うのは家庭の事情である、その胸は平坦である、チャブ・テーブルの上に置かれたマシンを興味深げに見める一同、「どうやるの?」次女のワカメが聞き、「見せてください」サザエの息子でナミヘイの孫でもあるタラオが続く。

 

 

「まぁ待ちなさい」ナミヘイは取り扱いマニュアルに目を通しながら答える、その髪型は奇妙だった、「手で割った方が早んじゃないか?」「ちょっとやめなさい」ボンズめいた髪型の少年、カツオの発言をサザエが遮る、空気を読んだのだ。

 

 

「まずはタマゴを入れる」本体上部の球体を開けナミヘイがタマゴをセットし、閉じるとキャバァーン!キャバァーン!キャバァーン!「タマゴを割りますドスエ」電子音と人工マイコ音声が響きLEDが激しく点滅する!

 

 

「そしてレバーを引く」マニュアル通りにレバーを引くとマニュピレーターがタマゴをキャッチ!

 

 

「イヤーッ!」マイコ音声と円柱状のハンマーがタマゴを打ち据えマニュピレーターが左右両サイドからタマゴを持ち上げた、中身は下の受け皿へ、見事にタマゴが割れた!ワザマエ!

 

 

「良くできてるネー!」「オモシロソウ!」「サワラセテ!」子供達は目を輝かせてタマゴ割り機を見つめる、ナミヘイは満足気に「壊さぬ様にな」「「「ヤッター!」」」タマゴ割り機に集まる子供達、「どうだい母さん、コレがあれば少しは楽になるだろう?」胸を張り尋ねるナミヘイに「エッ……エェ…」困惑した様子で答えるフネ。

 

 

キャバァーン!「タマゴを割りますドスエ」「イヤーッ!」タマゴが割れた、「タノシイ!」「アタシにも!」「ボクもデスー!」キャバァーン!「タマゴを割りますドスエ」「イヤーッ!」キャバァーン!「タマゴを割りますドスエ」次々に割れていくタマゴ、「とんだ主婦の味方ね」サザエとフネは顔を見合せ苦笑する。

 

 

キャバァーン!「タマゴを割りますドスエ」「イヤーッ!」キャバァーン!「タマゴを割りますドスエ」「イヤーッ!」キャバァーン!「タマゴを割りますドスエ」「イヤーッ!」タマゴが次々と割られていく、「それよりは父さん、こんなにタマゴを割ってどうするの?」「夕飯のおかずにすればよかろう」事も無げに答えるナミヘイ、「夕飯はダシマキ・タマゴにしようかね?」フネは答えた。

 

 

 

……………

 

 

 

「ビャア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!ウマヒィ゛ィィ゛ィ゛!!機械で割ったタマゴは実際一味チガウ事デスネ」

ダシマキ・タマゴを口に入れたこの家の婿、マスオが叫んだ、彼は自分の立場を良く理解していた。

 

 

実際タマゴを手で割ろうが機械で割ろうが味に変わりは無い、しかし、それを正直に指摘すればこの家でムラハチになってしまう、自分を守る為タイコモチめいたオセジを口にする、心にも無いオセジを上司や同僚、取引先の人間にするのはサラリマンにとってチャメシ・インシデントである。

 

 

「サスガ、マスオ君だ、タラちゃんはどうだ?」ゴウランガ!ナミヘイはマスオのオセジを真に受け更に上機嫌でタラオに尋ねる、「ひとあじデス」タラオも満面の笑みで答える、純粋な子供には本当に味が違うように感じるのだろう 。

 

 

「そうか、そうか、我ながらイイ買い物をしたものだ」孫の様子に目を細めるナミヘイに「一体何処で買ってきたの?」サザエが聞く。

 

 

「通りで実演販売してたんだよ、そのうち一家台の時代が来るかもしれん」しみじみと語るナミヘイ「一家に一台ですか?」驚くフネ 。

 

 

ナムアミダブツ!なんたるマッポー的未来予想図か!闇黒メガコーポの下、人の営みがネコソギにされタマゴを割るという行為さえ血の通わぬ機械に取って代わるというのだろうか!

 

 

「せっかくだから明日もタマゴ割り機に活躍して貰おうよ」しかし、そんなメガコーポの思惑などネオサイタマの一般市民、ましてや年端の行かない子供が解るはずもなく無邪気にカツオは語る、明日もタマゴヤキかと問うワカメに「スキヤキだよ」と返しナミヘイもそれを許可した、場の空気、ナミヘイの機嫌を読んだ実際見事なアブハチトラズである、ワザマエ!

 

 

 

一方その頃

 

 

 

一台の家紋ハイヤーがオムラ・ホームテック本社前で停車した、警護のクローンヤクザ達が周辺を警戒する中、一人の男が車から降り立つ、男の名はスティーブンス・オムラ、オムラ・ホームテックを率いる若きCEOである、長身痩躯、眼光は鋭く神経質そうな顔立ちの男である。

 

 

 

#3 ダディ・イズ・マム・バイ・インベンションに続く

 

 

 

 

 




本作を読んで頂きありがとうございます、感想は実際作者のモチベーション向上になりカラテが高まり作品のクオリティが上がりラッコとかバンブーによいえいきょうをあたえるとおもう

◆しよう◆

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