サザエ=サン   作:サンシタ

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◆更新◆



◆ニッポンの夏◆



◆忍殺の夏◆



以上です




◆更新です◆



#3アビス・フィッシュ・カオス

「だから言っただろ?アレじゃ足りないって」嘲笑を浮かべる口元はメンポ(注:面頬)で覆われている。

 

 

 

そして男が身に付けているベルトのバックルを見よ!クロスしたカタナに「キ」「リ」「ス」「テ」の四文字、ナムアミダブツ!この男はソウカイヤのニンジャだ!

 

 

 

男はタバコを取り出すと傍らで控えている紫色の顔をしたヤクザに火を付けさせ、それを一口含むと紫煙を吐き出し好き勝手に感想を述べる。

 

 

 

「人数が足りない、次は今回の3倍のクローンヤクザを購入しろ」チンピラめいた男は無慈悲に言い放つ「「「「「アイエッ!」」」」」悲鳴を上げるヤクザ達、口調こそ丁寧だが醸し出す空気は有無を言わせぬ圧力アトモスフィアを漂わせる。

 

 

 

「それからオムラのマシンガンを全員に持たせろ、あれは良いものだ」「「「「「アイエエエッ!」」」」」たまりかねたグレーターヤクザの一人が抗議する。

 

 

 

「チョッ!チョット待ってくだせぇ、アウトレイジ=サン」「イヤーッ!」「アバーッ!」ムゴイ!アウトレイジと呼ばれたニンジャは右フック!ヤクザの首は460度回転し吹き飛んだ!生首が勢い良く壁に掲げられたヘル・キノコクランのエンブレム叩き付けられクランのオヤブン、キムタの足元に転がる。

 

 

 

「無駄口を叩かない事だ、これは要望では無い命令だ」アウトレイジは無慈悲に言い放つ、周囲のヤクザはアウトレイジの殺気に気圧され一言も発する事が出来ない、居並ぶヤクザ達は皆、しめやかに失禁!

 

 

 

幹部達がブザマに失禁する中オヤブンのキムタのみはアウトレイジを睨みつける、その様子を薄笑いを浮かべ嘲笑するアウトレイジ。

 

 

 

「・・・・・・アウトレイジ=サン、アンタの言いたい事は良く分かる、だがウチも余裕が実際無い、ラオモト=サンへのミカジメを払うだけで手一杯だ、新たなクローンヤクザなど「ならばウチからローンを組む事だ」キムタの話を遮る。

 

 

 

「土地・・・建物・・・テナントの権利、そういった物をシンジケートに差し出す事だ、それをネコソギ・ファンドが査定し適切な評価で資金を貸し出す、当然利息は発生するが良心的だ」欺瞞!

 

 

 

(何言ってやがる!アンタ達からカネを借りたらオシマイだ!)裏社会に身を置くキムタはネコソギ・ファンドの悪辣な取り立てを知っている、自分も違法金融業を営み大勢の人間をジゴクに落とし、それ以上多くの人生を狂わせて来たが彼らのやり口はそれ以上に悪辣である。

 

 

 

「その資金を元に戦力を整えろ、商談はシンジケートを必ず通すように、我々がヨロシサンとオムラに話を通すから特別価格で購入できる、その際手数料の支払いを忘れるな」「アイエェ・・・」キムタは悲鳴を上げる。

 

 

 

その様子を気にする事無くアウトレイジは続ける「クローンと銃は最新型を購入しろ、高額のリベートが発生するからな」「我々にキャッシュバックされるんですか?」キムタの問いに「当然我々ソウカイヤが頂く」アウトレイジは無慈悲に言い放つ。

 

 

 

「アウトレイジ=サン!そりゃ横暴ってもんだ!」思わず声を荒げるキムタに「・・・・・・ンダッテメッコラァ・・・・・・」

アウトレイジの表情が、口調が変わる。

 

 

 

「ザッケンナーコラ!テメッ!スッゾコラーッ!」目を血走らせヤクザスラングをまくし立てる「ワレドッコラー!ナマックラーッ!」アウトレイジは口から唾を飛ばしキムタを罵倒する、腹立ち紛れに足元に転がるヤクザの首なし死体を力任せに蹴飛ばした。

 

 

 

首なし死体は錐揉み回転しながら事務所の防弾ガラスを突き破り道路を挟んだ向かい側の雑居ビルの窓ガラスに突き刺さる。

 

 

 

「「「「「アイエェェェッ・・・・・・!」」」」」アウトレイジの怒号にヤクザ達はしめやかに失禁した、ニンジャの殺気交じりの怒号を受け耐えられる人間などそうはいない、只一人、オヤブンのキムタだけは眼光鋭く睨み返す、人生の半分以上を暴力に捧げて生きてきただけの事はある、しかし。

 

 

 

その顔には脂汗が浮かび背中には冷たい物が流れる、そして股間に感じる生温かい湿り気、この場であからさまに失禁しないのはオヤブンとしての矜持か。

 

 

 

「いいか、キムタ=サン、コレは関係者全てにメリットのある話だ」落ち着きを取り戻したアウトレイジは聞き分けの無い子供に言い聞かせるかの様にキムタに言い聞かせる。

 

 

 

「先ずは状況の把握だ、ヘル・キノコクランはマーダー・タケノコクランと抗争中だが状況は思わしくは無い、よって戦力を増強したい、そうだな?」「・・・・・・アッハイ」キムタは頷く、「その為にクローンヤクザの導入と装備の充実させる必要がある、そうだな?「・・・・・・アッハイ」キムタは頷く。

 

 

 

「その為の資金が足りない、よってネコソギ・ファンドから資金を調達する」「あんたらは戦力を強化できファンドは土地や建物を手にする、そして利息も頂戴する正にWinー

Winな関係だ」「・・・・・・アッハイ」虚ろな目でキムタは頷く。

 

 

 

「そしてシンジケートはアンタ達ヤクザと暗黒メガコーポの仲介役となる、ヘル・キノコクランは特別な価格でクローンヤクザや銃を買える、我々は仲介役手数料を頂く、これもWinーWinな関係という物だ」「・・・・・・アッハイ」マグロめいた目でキムタは頷く。

 

 

 

「我らソウカイヤは暗黒メガコーポに顧客を紹介する、そして彼らは売上を伸ばし我々はリベートを受け取る、どうだ実際誰も損をしないだろう?」もはや返事をする気力すら無くキムタは無言で頷く。

 

 

 

キムタの様子を満足げに嗤うと「灰皿」傍らに控えている紫色の顔をした男に指示する、男はおずおずと焼けただれた両手を差し出す。

 

 

 

アウトレイジは無言で未だ火がくすぶっているタバコを押し付ける「グワーッ!」肉が焼け焦げる男と叫び声が事務所に響く。

 

 

 

ムゴイ!何たる非道か!ヤクザといえどここまでされるいわれは無い!紫色の顔の男はその場にうずくまる、アウトレイジは男の脇にしゃがみ込みニヤニヤと薄笑いを浮かべ苦しむ男の顔を覗き込んだ。

 

 

 

「アニキ・・・・・・情けねぇ声出さないで下さいよ、以前アニキ自身が言ってたじゃネェですか『辛れぇ事、苦しい事を呑み込んでこそ真のオトコ』でしたっけ?自分バカなんで良くは覚えてねぇんですよ」親しげに語り掛けるがそのヘビめいた眼は冷ややかである。

 

 

 

「今の自分があるのはアニキのおかげなんスよ、アニキにはアレコレいろんなインストラクションを貰いましたからねぇ・・・・・・骨身にしみるほどに」冷ややかな眼に殺意が宿る。

 

 

 

「・・・・・・ッ!アイエエ・・・・・・ッ!ゴ・・・ゴボボボーッ!」アウトレイジの殺意と憎悪に満ちた眼を直視したアニキと呼ばれた男、サメジマは激症性NRS(ニンジャリアリティショック)を発症!激しく痙攣した後失禁!口からは吐瀉物を吐き出し失神した。

 

 

 

倒れた元アニキ分であるサメジマの頭を踏みにじりながらアウトレイジは嘲笑する、ネンコを重視する日本の社会的通念において許されざる暴挙である、ヤクザクランにおいては尚更の事だ。

 

 

 

・・・・・・だが彼らソウカイニンジャを掣肘する存在はいない、強大なヤクザ戦力と経済力、ネオサイタマ市警をも手玉に取る政治力・・・・・・そしてニンジャ、うかつにも彼らの怒りに触れたら最後、その日の内にタマ・リバーに無残な屍を浮かべる事になるだろう。

 

 

 

「アニキ・・・アンタには本当に世話になったんだ、礼はまだまだ終わっちゃいねえんだ・・・楽にくたばってくれるなよ」ゾッとする様な冷たい口調で言い捨てるとキムタに振り向き「それじゃキムタ=サン、抵当の件に関しては明日中にでもコチラに提出してもらう、ラオモト=サンも目を通すんだ舐めた事はしてくれんなよ」

 

 

 

言いたい事を言い捨てアウトレイジは外に待たせてある家紋タクシーに乗り込むとトコロザワピラーを目指しネオサイタマの闇に消えるのだった。

 

 

 

 

#3アビス・フィッシュ・カオス完#4アビス・フィッシュ・カオスに続く

 

 

 

 

 

 




◆後書きな◆



◆作り置き分終了◆



如何だったでしょうか?ニンジャアトモスフィア補給できたでしょうか?感想コメントは随時募集中です、送られて来るとモチベが上がり実際更新に良い影響があると思う。

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