「う、んん…」
視界がグレーに染まり、一度意識を手放した誠が目を開けると、そこはグレーな色合いのままであるものの、あの船の上ではない、別の場所に立っていた。
風が吹かない、暖かくも寒くもない奇妙な温度の場所で、それでいて見覚えのある景色。
誠自身の姿は元の姿に戻っている。
「森の中…もしかして、ここは馬廻神社の…」
色合いは違うが、見間違うはずがない。
なつかしさと苦くて苦しい思い出が詰まったその場所を誠は歩く。
直感で、ここに和人がいて、どこで待っているのかもわかっている。
その場所へと足を運び、そこは和人を置いて逃げてしまった場所、そしてそれと同じ場所に和人が座り込んでいた。
「和人兄ちゃん…長い間、逃げちゃって、ごめん…」
座り込む和人の肩に手を置き、涙をこらえながら詫びるが、和人からは何も反応がない。
フウフウとかすかに息をしており、死んでいるわけではないが、その姿は悪夢を見て、苦しんでいるように見えた。
「僕、やっと来れたよ。直葉も、姉さんも待ってる。だから…一緒に帰ろう、和人兄ちゃん」
いつまでも目を覚まさない和人に誠は一抹の不安を宿す。
ここに来たのはいいが、今の誠には和人の目を覚まさせる方法が思いつかない。
それに、ここからどうやって帰ればいいのかもわからない。
シャドーの声も聞こえない。
「そうだ…もしかしたら…」
眠る和人を抱えた誠はグレーの森の中を歩いていく。
ここが馬廻公園で間違いないなら、お堂もあるはずだ。
侑哉がこの世界にやってきたとき、そして誠と直葉が逆に彼のいる世界のLINKVRAINSへ行った時、あのお堂が導いてくれた。
都合のいい話だということは分かっている。
それでも、そこにすがる以外に考えられない。
「和人兄ちゃん…ここへは、僕一人で来れたわけじゃないんだ…。僕を、ここまで連れて行ってくれた人がいたから…」
そのきっかけが正体不明のデュエリストに殺されてしまったこと、そして同時に記憶も肉体も失ったシャドーが憑依したことだ。
精霊にかかわる事件に巻き込まれ、その中でシャドーが憑依したことによって生まれた力を知った。
そして、直葉もまた力を手に入れ、徹が仲間になった。
一度は和人のことで自分自身に絶望した時期もあったが、彼らに支えられて乗り越えることができた。
「和人兄ちゃん、僕は…」
「誠…」
背後から声が聞こえ、その声は抱えていて、眠っているはずの和人と同じ声。
それに驚いた誠が振り返ると、そこには瞳の色が金色になっている和人の姿があった。
「虫のいい話…だな。何年もほったらかしにして、都合がよくなったから助けに来た…だって?」
「…」
「お前は何かがなければ前へ進むことも、逃げることもできない。そうだよ、スグが誘ったから、みんながそれを選ぶから、他の人がそうするから、力をもらったから…だから、だから…お前は自分で何もつかんじゃいない。都合に流されて逃げて、都合に流されてここにいる。そんなお前の言葉をどう信じればいいんだ?」
きっと、これはあの時現れた誠の影と同質のもの。
和人がステージ3になったわけではないと思うが、仮にも監視者となっていたため、それと同質になった可能性も否定できない。
そして、この言葉は和人の本音だ。
「許すわけないだろう?お前は何もかも忘れて、明日奈とスグ…2人と笑って過ごすことを選んだ。俺もいるはずだった場所を亡きものにしようとした。そんなお前が許せない。だから…代わりに眠ってくれよ。俺の代わりに…永遠に、さ」
「和人兄ちゃん…僕は!!」
「何、言っているんだ…?まったく、俺の格好になって、変なことを言ってるんじゃないぞ…」
「和人兄ちゃん…」
「おろしてくれないか、誠…」
和人の頼みを聞き、誠は抱えている和人を降ろす。
ふらつきながらも、自分の足で立ち、和人は誠と対峙するもう1人の自分を見る。
「俺は…うれしいんだよ。明日奈の後ろにいたお前がここに来て、助けに来てくれたことがな…」
「黙れよ。お前はこいつが許せないんだろう?当然、分かるさ…俺はお前…」
「お前こそ黙れよ、偽物。俺の姿を勝手に使ってるんじゃないぞ!誠がここに来てくれたなら…あとは、明日奈の元へ帰るだけだ!!うおおおお!!」
和人が左腕を上げ、叫ぶと同時にデュエルディスクとデッキが出現し、左腕に装着される。
同時に誠の腕にも、変身したときのデッキとデュエルディスクが装着される。
「思った通りだ…。俺の心の中から、俺自身でコントロールできる。まぁ、偽物は別だけどな…久しぶりに2人でやるぞ、誠!」
「和人兄ちゃん…うん!!」
「偽物だとなぁ。そんな言葉で俺を拒絶したことを後悔させてやるよぉ!!」
和人の言葉に錨を見せた和人の影もまた、デュエルディスクを手にする。
「こいつに勝って、帰る!強くなったお前を見せてくれ!」
「うん!!」
「「デュエル!!」」
和人の影
手札5
LP8000
和人&誠
手札
和人5
誠5
LP4000
「俺の先攻。俺は手札から《テイク・オーバー5》を発動。デッキから5枚のカードを墓地へ送る」
デッキから墓地へ送られたカード
・聖剣を抱く王妃ギネヴィア
・サイクロン
・聖騎士アルトリウス
・予想GUY
・A・ジェネクス・バードマン
「聖騎士…?」
「よくあるよな、誠。ゲームで出てくる伝説の剣、エクスカリバー…聖騎士、つまりアーサー王物語が元ネタだよ」
「ゲーム、好きだからね…和人兄ちゃんは」
自分への当てつけのようなカテゴリーのカードがデッキに入っていることに和人は思わず苦笑する。
それほど偽物と呼ばれたのが答えているのか。
「そして、俺は手札から魔法カード《聖騎士モルドレッド》を召喚」
金髪で銀色の鎧と赤いマントを身に着けた片手剣の戦士が現れる。
彼の影は一瞬だけ悪魔に似た形となったものの、それはすぐに元の形へと戻った。
聖騎士モルドレッド レベル4 攻撃1700(3)
「そして、墓地に存在する《聖剣を抱く王妃ギネヴィア》の効果発動。このカードが手札・墓地に存在する場合、俺のフィールドの聖騎士の装備カードにすることができる」
《聖騎士モルドレッド》の前に、茶色い三つ編みのツインテールの髪形をした、白と紫のドレス姿をした少女が現れる。
彼がひざまずくと、その彼の胸に抱いている黄金の刀身の剣を授けた。
剣を手にした《聖騎士モルドレッド》は持っていた剣を地面に突き刺し、受け取った剣を構え、彼女は消滅した。
「このカードを装備したモンスターの攻撃力は300アップする。そして、聖剣を手にしているとき、レベルは1つ上がり、属性が光属性から闇属性へと変わる」
彼女から受け取った剣の刀身が次第に黒く染まり、《聖騎士モルドレッド》の鎧もまた、黒く染まっていく。
聖騎士モルドレッド レベル4→5 攻撃1700→2000 光属性→闇属性(3)
「そして、《モルドレッド》の効果。1ターンに1度、自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在しない場合、自分フィールドの装備カードを墓地へ送ることで、デッキから《モルドレッド》以外の聖騎士を特殊召喚できる。俺はデッキから《魔聖騎士ランスロット》を特殊召喚する」
手にした剣を上空へ投げると、上空に現れた真っ黒や鎧とマント姿をした、灰色の長髪の男がそれを手にする。
黒く染まっていた《聖騎士モルドレッド》が元の姿に戻り、満足げにその剣を手にした《魔聖騎士ランスロット》がもう1人の主と言える和人に刃を向ける。
魔聖騎士ランスロット レベル5 攻撃2000(2)
聖騎士モルドレッド レベル5→4 攻撃2000→1700 闇属性→光属性(3)
「そして、手札から永続魔法《聖剣の誕生》を発動。そして、《ランスロット》の効果。1ターンに1度、自分フィールドの聖騎士1体をリリースすることで、デッキから聖剣と名の付くカード1枚を手札に加えることができる。俺は《モルドレッド》をリリースし、デッキから《聖剣カリバーン》を手札に加える。更に、《聖剣の誕生》の効果発動。1ターンに1度、俺のフィールドにこのカード以外の聖剣と名の付くカードが存在しないとき、手札の聖剣1枚を相手に見せることで、墓地からレベル4以下の聖騎士1体を特殊召喚し、見せたカードをそのモンスターに装備する。蘇れ《聖騎士モルドレッド》」
2本の水色のラインが刀身に刻まれた黄金の三角形の鍔の片手剣が上空から落ちてきて、地面に刺さる。
その剣を再び鎧を黒く染めたうえで現れた《聖騎士モルドレッド》が手にする。
聖騎士モルドレッド レベル4→5 攻撃1700→2200 光属性→闇属性(2)
「そして、その後でデッキから装備したもの以外の名前の聖剣1枚を除外する。俺は《聖剣アロンダイト》を除外する」
デッキから自動排出された《聖剣アロンダイト》が
「これで、レベル5のモンスターが2体…」
「ということは、エクシーズ召喚が来るのか?」
「分かるの?」
「まあな、あいつに乗っ取られている間の記憶が俺の中に残っているみたいだ…。部分的に、だけどな」
それゆえに、本来は存在しないはずのリンク召喚以外の召喚法も頭に残っている。
そして、この体が犯してきた過ちのことも。
「そして、《カリバーン》の効果発動。俺のライフを500回復させる」
和人の影
LP8000→8500
「俺はレベル5の《ランスロット》と《モルドレッド》でオーバーレイ。エクシーズ召喚。現れろ、ランク5。《セイクリッド・プレアデス》」
セイクリッド・プレアデス ランク5 攻撃2500(EX1)
「そして、《聖剣の誕生》は俺のフィールドに聖騎士が存在しない場合、墓地へ送られる。そして、このカードの効果で除外した聖剣1枚を墓地へ戻す。そして、カードを1枚伏せて、ターンエンド」
和人の影
手札5→0
LP8500
場 セイクリッド・プレアデス(オーバーレイユニット2) ランク5 攻撃2500(EX1)
伏せカード1(2)
和人&誠
手札
和人5
誠5
LP4000
場 なし
「誠、まずは俺から行かせてくれ。俺のターン、ドロー」
和人
手札5→6
「エクストラモンスターゾーンに俺のモンスターが存在しない場合、このカードは手札・墓地から特殊召喚できる。俺は《斬機シグマ》を特殊召喚」
のこぎりのような刀身の両手剣を持つ、赤と白の装甲をした人型兵器が現れる。
「これって…サイバース族!?どうして??」
「分からないが、俺が監視者にとりつかれたことが大きいかもしれないな」
サイバース族という種族そのものは名前以外は知らないが、少なくとも行方不明になる前までは一切知らない存在。
誠の反応から見ると、普通は存在しないはずなのだろうが、今重要なのは自らの影を倒すことだった。
斬機シグマ レベル4 攻撃1000(チューナー)(1)
「更に手札から《ファイアウォール・ガーディアン》を召喚」
小型の《ファイアウォール・ドラゴン》ともいうべき姿のドラゴンが《斬機シグマ》の後に続くようにフィールドに現れる。
ファイアウォール・ガーディアン レベル4 攻撃1000(5)
「さあ、現れろ!明日へと続くサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はレベル4以下のサイバース族モンスター1体。俺は《ファイアウォール・ガーディアン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。現れろ、リンク1。《リンク・ディサイプル》」
右手に幅広い刀身の片手剣を手にした小人というべきモンスターが浮遊する。
リンク・ディサイプル リンク1 攻撃500(EX2)
「そして、俺はリンク素材となった《ファイアウォール・ガーディアン》の効果発動。このカードがサイバース族リンクモンスターのリンク素材として墓地へ送られた場合、墓地から特殊召喚できる。蘇れ、《ファイアウォール・ガーディアン》」
ファイアウォール・ガーディアン レベル4 攻撃1000(3)
「そして、俺はレベル4の《ファイアウォール・ガーディアン》と《シグマ》でオーバーレイ!」
「お前も、エクシーズ召喚するのか」
「エクシーズ召喚にはエクシーズ召喚だ。現れろ、ランク4。《斬機ダランベルシアン》!」
2体のサイバース族を取り込んだオーバーレイネットワークが爆発し、その中から黒と緑をベースとした重装姿なうえに、バックパックに大型のスラスターを取り付けた人型兵器が姿を現し、その手には上下に縦長の長方形型の刀身をつけた剣が握られる。
斬機ダランベルシアン ランク4 攻撃2000(2)
「《ダランベルシアン》の効果。このカードをエクシーズ召喚に成功したとき、オーバーレイユニットにしたモンスターの数によって効果が発動する。オーバーレイユニットになったモンスターは2体。よって、俺はデッキから斬機カード1枚を手札に加える。俺は《斬機超階乗》を手札に加える。更に俺は手札から魔法カード《斬鬼因数解体》を発動。自分フィールドのエクストラデッキから特殊召喚されたサイバース族モンスター1体を対象に発動できる。俺は《ダランベルシアン》を選択する。その効果により、オーバーレイユニットの…」
「させるわけないだろう!?俺は《セイクリッド・プレアデス》の効果発動。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、フィールド上のカード1枚を手札に戻す。俺は《ダランベルシアン》を手札に戻す」
《セイクリッド・プレアデス》の杖から放たれる波紋を受けた《斬機ダランベルシアン》が消滅し、オーバーレイユニットとなっていた2体のモンスターが墓地へと消えていく。
取り除かれたオーバーレイユニット
・魔聖騎士ランスロット
「くそ…!対象がいなくなったことで、《斬機因数分解》は不発だ…」
悔し気に役目を果たせなかったそのカードを墓地へ送り、空っぽになった自分のフィールドを見る。
だが、《セイクリッド・プレアデス》のその効果は1ターンに1度。
まだ手段は残っていた。
「俺は手札から魔法カード《斬機方程式》を発動。俺の墓地の斬機1体を特殊召喚する。俺は墓地から《斬機ダランベルシアン》を特殊召喚。更に、この効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000アップする」
斬機ダランベルシアン ランク4 攻撃2000→3000(3)
「バトルだ!俺は…」
「速攻魔法《月の書》を発動。《ダランベルシアン》には裏守備表示になってもらう」
「ぐっ…」
「お前のやることはお見通しだ。わかるだろう?」
挑発するように口角を釣り上げる和人の影に舌打ちする。
刃を構えていたはずの《斬機ダランベルシアン》は上空に現れた月から発した一筋の光を受け、裏向きのカードへと変わってしまった。
斬機ダランベルシアン ランク4 攻撃3000→守備0(3)
「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド…。悪い、誠」
和人の影
手札0
LP8500
場 セイクリッド・プレアデス(オーバーレイユニット1) ランク5 攻撃2500(EX1)
和人&誠
手札
和人6→2(伏せカード、または手札の内1枚《斬機超階乗》)
誠5
LP4000
場 リンク・ディサイプル リンク1 攻撃500(EX2)
裏守備モンスター(斬機ダランベルシアン) (3)
伏せカード2(2)(3)
「馬鹿な奴だな、お前は。《セイクリッド・プレアデス》1体すら倒れないなんてよぉ、俺のターン、ドロー。更に、《テイク・オーバー5》の効果。このカードを除外し、さらにカードを1枚ドローする」
和人の影
手札0→2
「《プレアデス》の効果発動。オーバーレイユニットを1つ取り除き、俺は《プレアデス》自身を手札に戻す」
「伏せカードでも、《リンク・ディサイプル》でもなく…!」
「どういうつもりだ…?」
優れたバウンス効果を持つはずの《セイクリッド・プレアデス》を自ら手放す動きを見せる自らの影。
認めるわけにはいかないが、これもまた自分と誠を窮地に追い込むための手段の1つに思えた。
取り除かれたオーバーレイユニット
・聖騎士モルドレッド
「そして、手札から魔法カード《聖杯の継承》を発動。デッキから聖騎士または聖剣1枚を手札に加える。俺は《聖騎士ケイ》を手札に加える。そして、《聖騎士ケイ》を特殊召喚。このカードは相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、特殊召喚できる」
長めで薄い茶髪をした、傷だらけの銀の鎧と紫のマントを装備した騎士が現れ、左手に装備しているタワーシールドを構える。
聖騎士ケイ レベル4 攻撃1200(1)
「このカードの特殊召喚に成功したとき、俺のフィールドにこのカード以外の聖騎士、または聖剣カードが存在しない場合、手札の聖騎士、または聖剣1枚を墓地へ送ることで、手札・デッキ・墓地からレベル4の聖騎士通常モンスター1体を特殊召喚できる。俺は手札の《天命の聖剣》を墓地へ送り、デッキから《聖騎士アルトリウス》を特殊召喚」
《聖騎士ケイ》と似た鎧を身にまとう茶色い短髪の騎士が現れる。
マントをつけておらず、彼と似た鎧もまだ騎士となって日が浅いためなのか、傷がついておらず、新品同然の物だった。
聖騎士アルトリウス レベル4 攻撃1800(2)
「そして、現れろ。神へと導く未来回路。アローヘッド確認。召喚条件は聖騎士モンスター1体。俺は《聖騎士ケイ》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。現れろ、リンク1。《聖騎士の守護者ケイ》」
サーキットへと飛び込んでいき、リンクモンスターとなって戻って来た《聖騎士ケイ》の姿は鎧そのものは将軍ともいうべきより重装なものへと変わり、マントにも竜の刺繍がされているものの、その鎧もマントも返り血で汚れ、傷で覆われていた。
彼自身も、いくつもの傷跡があり、左腕のタワーシールドも多くのへこみや傷ができていた。
聖騎士の守護者ケイ リンク1 攻撃1200(EX1)
「《聖騎士の守護者ケイ》の効果。このカードが表側表示で存在し、リンク先に聖騎士通常モンスター、または聖騎士王が存在する場合、1度だけ墓地に存在するレベル4以下の聖騎士1体を特殊召喚できる。俺は墓地から《聖騎士モルドレッド》を特殊召喚する」
聖騎士モルドレッド レベル4 攻撃1700(4)
「そして、俺はレベル4の《モルドレッド》と《アルトリウス》でオーバーレイ。エクシーズ召喚。現れろ、ランク4。《聖騎士王ランスロット》」
2体の聖騎士がオーバーレイネットワークへ飛び込み、その中で2本の剣を手にし、白銀の鎧姿となった《聖騎士アルトリウス》が戻ってくる。
右手に握られている新たな剣はおそらく選定の剣であり、この姿は《聖騎士アルトリウス》が出生の秘密を知るとともに王となった姿であろう。
聖騎士王アルトリウス ランク4 攻撃2000(2)
「《アルトリウス》の効果。このカードのエクシーズ召喚に成功したとき、墓地の聖剣を3枚までこのカードに装備できる。俺は墓地の《天命の聖剣》と《聖剣カリバーン》、《聖剣アロンダイト》を《アルトリウス》に装備」
元々手にしている《聖剣カリバーン》が輝くとともに、彼の背中に新たに出現した鞘にはほかの2本の剣が入る。
「《カリバーン》を装備したことにより、《アルトリウス》の攻撃力は500アップする」
聖騎士王アルトリウス ランク4 攻撃2000→2500(2)
「更に、《カリバーン》の効果。俺のライフを500回復させる」
和人の影
LP8500→9000
「そして、墓地の《聖剣を抱く王妃ギネヴィア》の効果。このカードを《アルトリウス》に装備する。それにより、更に《アルトリウス》の攻撃力は300アップ」
聖騎士王アルトリウス ランク4 攻撃2500→2800(2)
「1体のモンスターに4枚も装備カード…」
誠の脳裏に浮かんだのは古いストラクチャーデッキの中にあった《重装武者ベン・ケイ》だ。
あのカードは水から装備するカードの数だけ攻撃回数を増やすことができた。
仮に《聖騎士王アルトリウス》にそれと似た効果を持っていた場合、しんどい思いをすることになるかもしれない。
「《アルトリウス》の効果発動。オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、自分フィールドの聖剣の数だけフィールド上の魔法・罠カードを破壊する。俺が破壊するのは《天命の聖剣》、《聖剣カリバーン》、そして貴様の2枚の伏せカードだ」
オーバーレイユニットを手にしている選定の剣に宿した《聖騎士王アルトリウス》がそれを振るうとともに衝撃波が発生する。
その衝撃波を受けた2枚の伏せカードが消滅する。
「くっそ!!」
「《天命の聖剣》と《聖剣カリバーン》は破壊されたとき、自分フィールドの戦士族の聖騎士に装備しなおすことができる。《聖騎士王アルトリウス》に再び装備する。そして、フィールドに戻った《カリバーン》の効果発動。俺のライフを500回復する」
和人の影
LP9000→9500
取り除かれたオーバーレイユニット
・聖騎士モルドレッド
破壊された伏せカード
・魔法の筒
・斬機式逆比例
「バトル。まずは《聖騎士の守護者ケイ》で裏守備モンスターを攻撃」
裏守備状態である《斬機ダランベルシアン》に向けて、ズシリズシリと接近し、握っているタワーシールドをたたきつける。
守備力0では《斬機ダランベルシアン》に耐えることはできず、スクラップへと変わってしまう。
「更に、《アルトリウス》で《リンク・ディサイプル》を攻撃」
続けて2本剣を手にする聖騎士王が走り出し、《リンク・ディサイプル》を切り付ける。
斬られたモンスターは爆発し、その爆風を受けた和人が吹き飛ばされる。
「うわあああ!!」
「和人兄ちゃん!!」
和人&誠
LP4000→1700
「はははは!ごっそりライフが減ったなぁ」
自分を倒すと言いながらも無様に倒れる和人に影は嘲笑する。
これが自分を受け入れない男の限界なのだと。
それならば、もう自らが真実の和人となるだけ。
そして、これまでの怨念返しをするだけだ。
「いいや、まだだぜ…。俺は墓地の罠カード《斬鬼逆比例》の効果を発動…。こいつは俺のサイバース族リンクモンスターが相手モンスターの攻撃によって破壊され、俺に戦闘ダメージが発生したとき…墓地から除外することで発動できる。次の俺のターンのスタンバイフェイズ時、戦闘ダメージ1000ごとに1枚、デッキからカードをドローする」
「ふん…俺はこれでターンエンドだ」
和人の影
手札0
LP9500
場 聖騎士王アルトリウス(オーバーレイユニット1 《天命の聖剣》《聖剣アロンダイト》《聖剣カリバーン》《聖剣を抱く王妃ギネヴィア》装備) ランク4 攻撃2800(2)
聖剣の守護者ケイ(リンク先:《聖騎士アルトリウス》) リンク1 攻撃1200(EX1)
天命の聖剣(装備魔法)(1)
聖剣アロンダイト(装備魔法)(2)
聖剣カリバーン(装備魔法)(3)
政権を抱く王妃ギネヴィア(装備カード)(4)
和人&誠
手札
和人2(内1枚《斬機超階乗》)
誠5
LP1700
場 なし
「僕のターン、ドロー!!」
誠
手札5→6
「スタンバイフェイズ時に、《斬機反比例》の効果を発動。和人兄ちゃんが受けたダメージは2800。よって、僕はデッキからカードを2枚ドローする」
誠
手札6→8
「更に手札から速攻魔法《魔力の泉》を発動。相手フィールドに表側表示で存在する魔法・罠カードの数だけ、デッキからカードをドローする。相手フィールドに表側表示で存在する魔法・罠カードは4枚。だから、カードを4枚ドローする。そして、その後で僕のフィールドに存在する魔法・罠カードの数だけ手札からカードを墓地へ捨てる」
手札から墓地へ捨てたカード
・C.C.オセロット
2枚のカードの効果により、手札を10枚に増やすことができた誠は今の片手でかろうじてつかみきれるほどの手札を見る。
これだけのカードがあれば、いろいろとできることができる。
「僕はスケール1の《C.C.ピクシス》とスケール8の《C.C.コンパス》でペンデュラムスケールをセッティング!」
「おお、ペンデュラム召喚か。こいつは俺にとりついていた奴も警戒していたぜ」
「そうだと思うよ。これは、別の世界の友達がくれた力だから」
別世界のLINKVRAINSで戦う友に思いをはせつつ、誠は上空に揺れるペンデュラムを見る。
「これで僕はレベル2から7までのモンスターを同時に召喚可能!星をつなげ、ペンデュラム!空に神話と伝説を刻め!ペンデュラム召喚!現れろ!!《C.C.ピーコック》、《C.C.エリダヌス》、《C.C.クロック》、《C.C.ジラフ》!」
ペンデュラムが生み出す波紋によって、一気に4体ものC.C.がフィールドに飛び出してくる。
C.C.ピーコック レベル4 守備2000(1)
C.C.ジラフ レベル2 攻撃1500(2)
C.C.エリダヌス レベル7 攻撃2600(3)
C.C.クロック レベル2 攻撃1200(4)
「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はペンデュラムモンスター以外のC.C.2体。僕は《ジラフ》と《クロック》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《N.C.C.ソーラリアン》!」
N.C.C.ソーラリアン リンク2 攻撃1800(EX2)
「更に現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はC.C.モンスター1体以上。僕は《ピーコック》と《エリダヌス》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚!現れろ、リンク2。《C.C.ガンレオン》!」
C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000(3)
「ここで僕は《ソーラリアン》の効果を発動。このカードのリンク先にC.C.モンスターが召喚・特殊召喚されたことで、デッキからレベル6以下のC.C.ペンデュラムモンスター1体を特殊召喚する。僕は《C.C.ビルフィッシュ》を特殊召喚」
C.C.ビルフィッシュ レベル5 攻撃1900(1)
「再び現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件は《ガンレオン》を含むリンクモンスター2体。僕は《ガンレオン》と《ソーラリアン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!紅蓮の炎を纏いし、痛みを越える獅子!リンク召喚!現れろ、リンク4!《C.C.ガンレオン・マグナ》!」
《N.C.C.ソーラリアン》の力を受け、装甲が灼熱の炎にも似たオーラを発動する。
直葉とアカネを救いたいという意思に応えるかのように生まれたカード。
その炎は誠の和人を連れて帰りたいという意思を示しているかのようだった。
C.C.ガンレオン・マグナ リンク4 攻撃2700(EX2)
「《ガンレオン・マグナ》の効果発動。このカードのリンク召喚に成功したとき、墓地のC.C.をこのカードのリンク先に特殊召喚する。僕は《ガンレオン》を特殊召喚」
C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000(2)
「そして、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力分、このカードとこのカードのリンク先のモンスター以外の特殊召喚されたモンスターの攻撃力をダウンさせる。そして、その効果で攻撃力が0となったモンスターは破壊される!痛みを力に変えろ、ペイン・シャウター!!」
咆哮と共に緑色のエネルギーが周囲に拡散していく。
そのエネルギーを受けた《聖騎士の守護者ケイ》が消滅し、《聖騎士王アルトリウス》も膝をつく。
聖騎士王アルトリウス ランク4 攻撃2800→800(2)
「バトル!《ガンレオン》で《聖騎士王アルトリウス》を攻撃。ライオット・ジャレンチ!」
巨大なレンチを手にした《C.C.ガンレオン》が痛みによって膝をつく《聖騎士王アルトリウス》に向けてそれを振り落とす。
しかし、振り下ろしたレンチは彼に当たることなく、なぜか目の前に現れた《聖騎士の守護者ケイ》がタワーシールドで受け止めていた。
「これは…!!」
「《ケイ》を巻き添えにしたのが失敗だったな。《聖騎士の守護者ケイ》は聖騎士王が破壊されるとき、代わりに墓地から除外できる。そして、その効果を発動したターン、そのモンスターは破壊されず、そのモンスターとの戦闘で発生する俺へのダメージも0になる」
「くっ…!」
「《ガンレオン》には特殊召喚されたモンスターを戦闘で破壊することで、墓地のC.C.を特殊召喚する効果があったな?残念だが、これじゃあ不発だ」
《C.C.ガンレオン》が攻撃をこれ以上行っても無意味だと判断し、誠のフィールドへ戻る。
しかし、なおも《聖騎士の守護者ケイ》の幻影は《聖騎士王アルトリウス》の盾となり続けていた。
「僕はカードを2枚伏せて、ターンエンド」
和人の影
手札0
LP9500
場 聖騎士王アルトリウス(オーバーレイユニット1 《天命の聖剣》《聖剣アロンダイト》《聖剣カリバーン》《聖剣を抱く王妃ギネヴィア》装備) ランク4 攻撃800(2)
天命の聖剣(装備魔法)(1)
聖剣アロンダイト(装備魔法)(2)
聖剣カリバーン(装備魔法)(3)
政権を抱く王妃ギネヴィア(装備カード)(4)
和人&誠
手札
和人2(内1枚《斬機超階乗》)
誠8→2
LP1700
場 C.C.ガンレオン・マグナ(相互リンク:《C.C.ガンレオン》 リンク先:《C.C.ビルフィッシュ》) リンク4 攻撃2700(EX2)
C.C.ガンレオン(相互リンク:《C.C.ガンレオン》) リンク2 攻撃2000(2)
C.C.ビルフィッシュ レベル5 攻撃1900(1)
伏せカード2(3)(4)
C.C.ピクシス Pスケール1(1)
C.C.コンパス Pスケール8(5)
「ハハハハ!せっかくのチャンスだったのに残念だったな。お前はいつもそうだよ、助けようと頑張って、結局は足を引っ張るだけ。何がしたいんだよって話だよ、お前は!」
「くっ…!」
あざ笑う和人の影の言葉を誠は黙って聞くしかなかった。
実際、このターンがまさにその状態だ。
そして、《聖騎士王アルトリウス》にはまだオーバーレイユニットが1つ残っている。
「俺のターン、ドロー」
和人の影
手札0→1
ドローした2枚のカードを見た和人の影は薄い笑みを浮かべつつ、膝をついている《聖騎士王アルトリウス》に目を向ける。
「私は手札から《RUM-バリアンズ・フォース》を発動。このカードは俺のフィールドのエクシーズモンスター1体を同じ種族でランクの1つ高いカオスエクシーズへとランクアップさせる」
「RUM!?そんなカード、今まで…!!」
「これこそが、エクシーズが禁忌となった理由だ」
シンクロ、エクシーズ、融合、ペンデュラム。
神々によってこの世界から排除された禁忌の力。
その理由がそのRUMというのはどういうことなのか?
上空に紫色のまがまがしいオーバーレイネットワークが出現し、選定の剣以外のすべての剣を手放した《聖騎士王アルトリウス》が飛び立つ。
「すべての可能性は混沌より生ず。そして、その混沌は神が御する!カオスエクシーズチェンジ!現れろ、混沌より生まれしエクシーズの力、《CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ》」
オーバーレイネットワークの爆発と喪に、真っ白に染まった髪となり、グレーの鎧と黒く染まった刀身をした選定の剣を手にした《聖騎士王アルトリウス》がフィールドに降りてくる。
CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ ランク5 攻撃2800(EX1)
「カオスエクシーズモンスター…」
「お前が俺なら、見覚えがあるだろう?見たじゃねえか、カオスエクシーズモンスターが生まれたことで起こった災厄をなぁ?」
「災厄…どういうこと?」
「…誠。それについてはこのデュエルが終わって、明日奈のところへ帰ったらすべて話す。だから、今はデュエルに集中してくれ」
「う、うん…」
彼らの話す災厄というのは、この世界から4つの召喚法が消えた原因だというのか。
だが、その災厄が起こったような話など聞いたことがあるはずがない。
和人が黙り込んだのは気がかりだが、彼への信頼から素直に従うことにした。
「《アルトリウス・オルタ》の効果。このカードのエクシーズ召喚に成功したとき、墓地に存在する聖剣を3枚まで装備することができる。ただし、同じ名前の聖剣は1枚しか装備できない。俺が選択するのはもちろん、《アロンダイト》、《カリバーン》、《天命》の3枚だ」
選定の剣の妖しい紫の輝きが一段と強まり、更に2本の聖剣が例のごとく背中の鞘に収まる。
CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ ランク5 攻撃2800→3300(EX1)
「更に墓地の《聖剣を抱く王妃ギネヴィア》の効果。このカードを《アルトリウス》に装備する」
CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ ランク5 攻撃3300→3600(EX1)
「そして、《カリバーン》の効果。俺のライフを500回復する」
和人の影
LP9500→10000
「更に、《アルトリウス・オルタ》の効果発動。聖騎士王エクシーズモンスターをカオスオーバーレイユニットとしている場合、カオスオーバーレイユニットを1つ取り除くことで、このカードが装備している聖剣の数だけ、相手フィールド上のカードを破壊し、破壊したカードの数×1000のダメージを相手に与える。なお、この効果は装備している聖剣を墓地へ送ることでも発動できる」
「何!?」
《C.C.ガンレオン》とそのカードのリンク先のC.C.リンクモンスターは1ターンに1度、戦闘では破壊されない効果を持つ。
そして、《C.C.ピクシス》の効果により、ペンデュラムゾーンのC.C.は破壊されなくなっている。
だが、《C.C.ビルフィッシュ》と2枚の伏せカードの場合は話が別だ。
「俺は《アロンダイト》を墓地へ送り、《ビルフィッシュ》と2枚の伏せカードを破壊する。さあ、すべてを失いし王よ、その刃で俺を殺せ!!」
「ぐぅ…!」
カオスオーバーレイユニットを選定の剣を切り裂いた《CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ》が走り出すとともに、まずはあいさつ代わりと言わんばかりに《C.C.ビルフィッシュ》を切り裂く。
そして、2枚の伏せカードに対してもうっぷんを晴らすかのようにその剣でめった刺しにした。
「誠!!」
「僕は伏せカードのうちの1枚、《CC:アンドロメダ・バリア》を発動!僕のフィールドにC.C.リンクモンスターが存在するとき、1度だけ僕が受けるダメージを0にする!」
白い障壁が誠と和人を包み、次の獲物として襲い掛かる《CX魔聖騎士王アルトイルス・オルタ》の剣から彼らを守る。
「そして、僕のフィールドに受けるはずだったダメージと同じ数値の攻撃力と守備力を持つ《C.C.アンドロメダトークン》1体を特殊召喚する」
白い障壁は古代ギリシャ風の鎧と兜を身に着け、アンドロメダ座が刻まれた片手剣を握る青い装甲でほっそりとした女性的な体つきの人型機械が現れる。
C.C.アンドロメダトークン レベル5 攻撃3000(1)
破壊された伏せカード
・CC:スターライト・ペンデュラム
「今更攻撃力3000のトークンを召喚したところで!《アルトリウス・オルタ》で《ガンレオン》を攻撃!」
肩で息を整えた《CX魔聖騎士アルトリウス・オルタ》が狂ったように剣を振り回しながら《C.C.ガンレオン》に突っ込んでいく。
「《ガンレオン》は1ターンに1度、戦闘と効果では破壊されない!」
「《ギネヴィア》の効果。このカードを装備しているモンスターが闇属性で、そのモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時、そのモンスターを破壊する。そして、その後で《ギネヴィア》を破壊する」
《CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ》の背後の影の中から《聖剣を抱く王妃ギネヴィア》の幻影が現れ、手から魔力のビームを発射する。
ビームをジャレンチで受け止める《C.C.ガンレオン》だが、その次に選定の剣によってバラバラに切り裂かれてしまった。
「ぐうう…!」
和人&誠
LP1700→100
「俺はこれで、ターンエンドだ」
和人の影
手札1→0
LP10000
場 CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ(オーバーレイユニット1 《天命の聖剣》《聖剣カリバーン》《聖剣を抱く王妃ギネヴィア》装備) ランク5 攻撃3600(2)
天命の聖剣(装備魔法)(1)
聖剣カリバーン(装備魔法)(3)
政権を抱く王妃ギネヴィア(装備カード)(4)
和人&誠
手札
和人2(内1枚《斬機超階乗》)
誠2
LP100
場 C.C.ガンレオン・マグナ(リンク先:《C.C.アンドロメダトークン》) リンク4 攻撃2700(EX2)
C.C.アンドロメダトークン レベル5 攻撃3000(1)
C.C.ピクシス Pスケール1(1)
C.C.コンパス Pスケール8(5)
「はあ、はあ…ライフ残り…100…」
相手のライフは残り10000の上に、フィールドには《CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ》が残っている。
やろうと思えば次のターン、再びあの効果を使ってとどめを刺してくる。
使わないとしても、攻撃力3600の攻撃が待っている。
「厄介だな…誠、そのペンデュラム召喚、俺には使えないのか?」
「ごめん…《ピクシス》も《コンパス》も、C.C.以外のモンスターのペンデュラム召喚ができないんだ」
「そうか…」
その自由度があれば、もっとペンデュラム召喚を使えたが、それほど都合よくはできていないのもデュエルだ。
だが、それを乗り越えて勝利をつかむことがデュエルの魅力。
「誠、こいつの決着は俺がつける。力を貸してくれ」
「…うん!!」
「俺のターン、ドロー!!」
和人
手札2→3
「悪い…誠。俺は手札から魔法カード《ドラスティック・ドロー》を発動。俺のフィールドに存在する2体以上のすべてのモンスターを除外する。そして、俺はデッキからカードを3枚ドローする!」
「ええ…!?和人兄ちゃん!?」
「《ガンレオン・マグナ》を生き残らせたとしても、《オルタ》の効果でやられる!それに…俺が決着をつけるって言っただろう?」
フィールドから《C.C.ガンレオン・マグナ》と《C.C.アンドロメダトークン》が消えていき、和人は3枚のカードに指をかける。
(誠が迎えに来てくれた…。そして、このデュエルに勝てば、帰れるかもしれない…。頼むぜ、逆転の手をくれ…!!)
祈るように和人は3枚のカードをドローする。
「引いたぜ…。こいつが俺の逆転へのカード!俺は墓地の《斬機シグマ》の効果を発動!エクストラモンスターゾーンに俺のモンスターが存在しない場合、墓地から特殊召喚できる!」
斬機シグマ レベル4 攻撃1000(1)
「更に俺は手札の《斬機サブトラ》の効果を発動。フィールド上のモンスター1体の攻撃力をターン終了時まで1000下げることで、手札から特殊召喚できる。俺は《オルタ》の攻撃力を1000下げ、《サブトラ》を特殊召喚!」
赤い装甲で腰に日本刀を差した斬機が赤いマントをひらめかせ、《CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ》の背後に現れる。
そして、そこから和人のフィールドへ走るとともに居合切りで《CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ》を切り付けた。
CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ ランク5 攻撃3600→2600
斬機サブトラ レベル4 攻撃1000(2)
「更に俺は手札から魔法カード《サイバネット・リンク・サポート》を発動。俺のフィールドに存在するサイバース族モンスターが2体以上存在し、それらのモンスターのレベルが同じな場合、このターン、俺がサイバース族モンスターをリンク召喚するときに1度だけ、墓地のリンクモンスターもリンク素材にすることができる。現れろ、明日へと続くサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はモンスター3体。俺は《シグマ》、《サブトラ》、そして墓地の《ガンレオン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!始祖たる刃で明日を切り開け!リンク召喚!現れろ、リンク4!《斬機オリジンルジャンドル》!!」
サーキットの中に誠のリンクモンスターの幻影を含む3体のモンスターが飛び込んでいく。
そして、入れ替わるようにその中から背中に楕円形の円盤がついていて、楕円形のシールドと1から10のローマ数字が刀身に刻まれた剣を装備した真っ白なアーマーの人型兵器が現れる。
フィールドに降り立つと同時に、刀身に刻まれた数字が淡く光りを放ち、その刃を《CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ》に向けた。
斬機オリジンルジャンドル リンク4 攻撃3000(EX2)
「《オリジンルジャンドル》の効果。こいつのリンク召喚に成功したとき、このカードのリンク先にモンスターが存在しない場合、このカードをリンク先の俺のメインモンスターゾーンに移動させることができる」
斬機オリジンルジャンドル リンク4 攻撃3000(EX2→2)
「そして、手札に存在する斬機魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。そして、その効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。俺は《斬機超階乗》をセットする」
「そのカードは…」
和人が《斬機ダランベルシアン》の効果で手札に加え、手札にとどめられていたカード。
このカードが彼の頭に浮かぶ勝利への道の決定打。
だが、そのためにはまだまだ手が足りない。
「更に俺は手札から魔法カード《斬機加減法》を発動。手札の斬機モンスター1体を墓地へ送り、俺のフィールドに存在する斬機モンスター1体の攻撃力を墓地へ送った斬機モンスターの攻撃力の半分の数値分、アップさせる。俺は《マルチプライヤー》を墓地へ送り、そのモンスターの攻撃力の半分、250を《オリジンルジャンドル》に加える」
太めの四肢で、両足がブースターとなっている黄土色の装甲をした2本剣の人型兵器の幻影が《斬機オリジンルジャンドル》に取り込まれていく。
斬機オリジンルジャンドル リンク4 攻撃3000→3250(2)
「そして、《斬機加減法》のもう1つの効果を発動。墓地に存在するこのカードを除外することで、ゲームから除外されている俺のサイバース族モンスター1体を墓地へ戻す。俺は《シグマ》を墓地へ戻す…」
「そして、罠カード《斬機超階乗》を発動!俺の墓地に存在する斬機モンスターを3体まで俺のフィールドに特殊召喚する!俺は墓地の《サブトラ》、《シグマ》、《マルチプライヤー》を特殊召喚!」
《斬機超階乗》のソリッドビジョンの中から、一気に3体の斬機がフィールドに飛び出す。
そして、それぞれが握っている剣を和人の影に向ける。
斬機サブトラ レベル4 攻撃1000(1)
斬機シグマ レベル4 攻撃1000(チューナー)(3)
斬機マルチプライヤー レベル4 攻撃500(4)
「そして、それらのモンスターを素材にシンクロ召喚またはエクシーズ召喚を行う!!俺はレベル4の《サブトラ》と《マルチプライヤー》にレベル4の《シグマ》をチューニング!」
十字を切るように剣を振った《斬機シグマ》が上空に剣を投げた後で大きく跳躍すると、その姿をチューニングリングへと変え、2体の斬機もその中へ飛び込んでいく。
「レベル12のシンクロモンスター…」
「あいつらからもらった力となったら、気持ちが悪いが、一緒に帰るためだ。使わせてもらう!決戦の火ぶたを断つ刃よ、今こそ紅蓮と共に終戦を告げろ!シンクロ召喚!現れろ、レベル12!《炎斬機ファイナルシグマ》!!」
チューニングリングの中からカラスの羽根のような黒い翼と燃え上がる刀身が印象的な細身の剣を手にした、《斬機シグマ》と似た色彩をした人型兵器が飛び出してくる。
そのモンスターを見た瞬間、和人の影の表情が硬くなる。
炎斬機ファイナルシグマ レベル12 攻撃3000(EX2)
「《マルチプライヤー》の効果発動!こいつが墓地へ送られたとき、エクストラモンスターゾーンの俺のサイバース族モンスター1体の攻撃力をターン終了時まで倍にする!」
上空からもう1本の同じ剣が落ちて来て、それを手にすると同時に《炎斬機ファイナルシグマ》の翼が炎へと変わっていくとともに装甲が展開していく。
上空を縦横無尽に飛ぶそのモンスターの露出したフレームからも炎が漏れだし、全身から噴き出る炎が暗がりのフィールドを明るく照らす。
炎斬機ファイナルシグマ レベル12 攻撃3000→6000(EX2)
「バトルだ!《ファイナルシグマ》で《アルトリウス・オルタ》を攻撃!バーニングバースト・ストリーム!!」
2本剣の《炎斬機ファイナルシグマ》が一気に《CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ》の懐へ飛び込むとともに、高速でその剣を振るい始める。
「だが、《聖剣を抱く王女ギネヴィア》の効果で…」
「無駄だ!《ファイナルシグマ》がエクストラモンスターゾーンに存在するとき、斬機カード以外の効果を受けない!」
「ちっ…だが、《天命の聖剣》の効果で、破壊を免れる!」
「だが、戦闘ダメージは受けてもらう!《ファイナルシグマ》はエクストラモンスターゾーンに存在するとき、相手に与える戦闘ダメージを倍にする!」
「くうううう!!」
選定の剣で2本剣の猛攻をしのぐが、刃がぶつかるたびに熱風が発生し、和人の影を襲う。
全身を高温で焼かれた和人の影は恨めし気に和人を見ながらも、声を上げることなくその場に立ち続ける。
和人の影
LP10000→3200
「だが、次に《オリジンルジャンドル》で攻撃したとしても、俺のライフは残る!そして、次のターンでその攻撃力上昇の効果が切れるというなら…」
「いいや!もうお前に次のターンはない!《オリジンルジャンドル》の効果発動!こいつのリンク先に存在する斬機モンスターが相手モンスターを攻撃した時、こいつ自身の攻撃を放棄する代わりに、続けてもう1度だけ攻撃できる!その時、そのモンスターの攻撃力は《オリジンルジャンドル》の攻撃力分アップする!」
「な…何ぃ!!」
「俺は帰る!!誠と一緒に、スグの元へ…明日奈の元へ!!」
和人の意思に応えるようにさらなる炎を放つ《斬機ファイナルシグマ》は2本剣を合体させて、重量のある両手剣へとその武器を変化させた。
もう逃げられない、敗北を避けることはできないとわかった和人の影は拳を震わせながら、叫び始める。
「貴様は…憎んでいるんじゃないのか!?誠を!!お前の体を好き放題に使ったあいつらを!!」
監視者として利用し、誠との戦いや霧山城市での事件を引き起こした。
自分が暮らす街を滅茶苦茶にしようとしている彼らを許せるはずがない。
その感情を本体である和人も持っているはず。
そんな彼を見た和人は静かに目を閉じる。
「…少なくとも、俺は誠を憎んでいないさ。…じゃあな、俺の偽物…」
和人が自らの影に背中を向けると同時に、《斬機ファイナルシグマ》が両手剣を振り下ろす。
選定の剣で守りに入った《CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ》だが、無情にもその剣諸共両断されて消滅し、和人の影もまた、灼熱の炎に焼き尽くされ、消えていった。
その時の彼の表情は苦悶に満ちたものではなく、うっすらと笑みを浮かべているようだった。
和人の影
LP3200→0
聖剣の誕生
永続魔法カード
このカード名のカードは自分フィールドに1枚しか存在できない。
(1):1ターンに1度、自分フィールドに「聖剣」カードが存在しない場合に発動できる。手札に存在する「聖剣」装備魔法カード1枚を相手に見せることで、自分の墓地に存在するレベル4以下の「聖騎士」モンスター1体を特殊召喚し、そのカードを装備させる。その後、自分のデッキに存在するそのカードと名前の異なる「聖剣」カード1枚を除外する。
(2):自分フィールドに「聖騎士」が存在しない場合に発動する。このカードを墓地へ送り、(1)の効果で除外したカード1枚を墓地へ戻す。この効果は無効化されない。
聖騎士ケイ
レベル4 攻撃1200 守備1800 特殊召喚・効果 光属性 戦士族
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードは通常召喚できない。相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(1):このカードの特殊召喚に成功したとき、自分フィールドにこのカード以外の「聖騎士」「聖剣」カードが存在しない場合に発動できる。手札の「聖騎士」「聖剣」カード1枚を墓地へ送り、自分の手札・デッキ・墓地に存在する「聖騎士」通常モンスター1体を特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分は「聖騎士」以外のモンスターを召喚・特殊召喚できない。
聖騎士の守護者ケイ
リンク1 攻撃1200 リンク 光属性 戦士族
【リンクマーカー:下】
「聖騎士」モンスター1体
(1):このカードが自分フィールドに表側表示で存在し、このカードのリンク先に「聖騎士」通常モンスターまたは「聖騎士王」モンスターが存在する場合、1度だけ自分の墓地に存在するレベル4以下の「聖騎士」モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。
(2):自分フィールドに存在する「聖騎士王」が破壊されるときに発動できる。代わりに墓地に存在するこのカードを除外する。この効果を発動したターン、そのモンスターは戦闘・効果では破壊されず、戦闘で発生する自分へのダメージが0となる。
CC:アンドロメダ・バリア
通常罠カード
(1):自分フィールドに「C.C.」リンクモンスターが存在し、自分が相手によってダメージを受けるときに発動できる。発生する自分へのダメージを0にする。その後、受けるはずだったダメージと同じ数値の攻撃力・守備力を持つ「C.C.アンドロメダトークン」1体を特殊召喚する。
C.C.アンドロメダトークン
レベル5 攻撃? 守備? トークン 闇属性 機械族
「CC:アンドロメダ・バリア」の効果によって特殊召喚される。
(1):このカードは「C.C.」リンクモンスターとリンクしていない場合、攻撃できない。
ドラスティック・ドロー(アニメオリカ)
通常魔法カード
このカード名のカードは1ターンに1度しか使用できず、このカードを発動したターン、自分はサイバース族モンスターしか召喚・特殊召喚できない。
(1):自分フィールドの2体以上の全てのモンスターを除外して発動できる。自分はデッキから3枚ドローする。
サイバネット・リンク・サポート
通常魔法カード
このカード名のカードは1ターンに1度しか使用できず、このカードを発動したターン、自分はサイバース族モンスターしか召喚・特殊召喚できない。
(1):自分フィールドにサイバース族モンスターが2体以上存在し、それらのモンスターのレベルが同じな場合にのみ発動できる。このターンのメインフェイズ中にサイバース族リンクモンスターのリンク召喚を行うとき、一度だけ墓地に存在するリンクモンスター1体を除外することで、そのモンスターをリンク素材として扱うことができる。
斬機式加減法
通常魔法カード
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札の「斬機」モンスター1体を墓地へ送ることで発動できる。自分フィールドの「斬機」モンスター1体の攻撃力をターン終了時までその効果で墓地へ送ったモンスターの元々の攻撃力の半分の数値分、アップさせる。
(2):このカードを墓地から除外し、ゲームから除外されている自分のサイバース族モンスター1体を対象に発動できる。そのカードを墓地へ戻す。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンにのみ発動できる。
斬鬼反比例
通常罠カード
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「斬機」モンスターが相手モンスターを戦闘を行うときに発動できる。戦闘を行うどちらかのモンスターの攻撃力・守備力をターン終了時まで入れ替える。
(2):自分フィールドのサイバース族リンクモンスターが相手モンスターの攻撃によって破壊され墓地へ送られたとき、自分に戦闘ダメージが発生した場合、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。次の自分スタンバイフェイズ時に、その時受けたダメージ1000ごとに1枚デッキからカードをドローする。
CX魔聖騎士王アルトリウス・オルタ
ランク5 攻撃2800 守備2300 エクシーズ 闇属性 戦士族
レベル5の「聖騎士」モンスター×3
(1):このカードのX召喚に成功したときに発動できる。自分の墓地に存在する「聖剣」装備魔法カードを3枚まで(同名カードは1枚まで)このカードに装備する。
(2):このカードが「聖騎士王」XモンスターをX素材としている場合、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除く、またはこのカードが装備している「聖剣」装備カード1枚を墓地へ送ることで発動できる。このカードが装備している「聖剣」装備カードと同じ数だけ相手フィールドに存在するカードを破壊する。その後、この効果で破壊したカードの数×1000のダメージを相手LPに与える。
斬機因数分解
通常魔法カード
このカード名のカードの効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに存在するEXデッキから特殊召喚されたサイバース族モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターの種類によって以下の効果を適用する。この効果を発動したターン、自分はサイバース族モンスター以外を召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
●融合モンスター:そのモンスターをEXデッキに戻し、元々の攻撃力の合計がそのモンスターの元々の攻撃力以下になるように、デッキからサイバース族モンスター2体を手札に加える。
●Sモンスター:そのモンスターをリリースし、手札・墓地からレベルの合計がそのモンスターと同じになるようにサイバース族モンスターを1体ずつ特殊召喚する。
●Xモンスター:そのモンスターのX素材となっているモンスターを可能な限り自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚できなかったX素材は墓地へ送られる。
●リンクモンスター:そのモンスターをリリースし、自分の墓地に存在するそのモンスターよりもリンクマーカーの数が1つ少ないサイバース族リンクモンスター2体を特殊召喚する。
斬機オリジンルジャンドル
リンク4 攻撃3000 リンク 闇属性 サイバース族
【リンクマーカー:上/左下/下/右下】
モンスター3体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):このカードのリンク召喚に成功したとき、このカードのリンク先にモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードをこのカードのリンク先の自分メインモンスターゾーンに移動させる。その後、手札に存在する「斬機」魔法・罠カード1枚をセットする。この効果でセットしたカードはこのターン、発動できる。
(2):このカードのリンク先に存在する「斬機」モンスターが相手モンスターを攻撃したダメージステップ終了時に発動できる。そのモンスターの攻撃力をターン終了時までこのカードの攻撃力分アップさせ、続けてもう1度だけ攻撃する。この効果を発動したターン、このカードは攻撃できず、このカードのリンク先以外のモンスターは攻撃できない。