遊戯王VRAINS 幽霊に導かれし少年   作:ナタタク

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特別話6 サイコロードの猛攻

侑哉

手札4

LP4000

 

ステージ2

手札4

LP4000

 

 

「俺の先攻からいかせてもらうよ!まずは、手札から魔法カード、《強欲で貪欲な壺》を発動!デッキトップから裏側で10枚除外して、2枚ドロー!」

 

侑哉

手札4→3→5

 

「そして、手札から《リンクスレイヤー》を特殊召喚!このカードは自分のフィールドにモンスターが居ない時、手札から特殊召喚できる!」

 

リンクスレイヤー レベル5 攻撃2000(2)

 

「さらに、手札から《ジャンク・シンクロン》を召喚!」

 

ジャンク・シンクロン レベル3 攻撃1300(チューナー)(1)

 

「さぁ、いくよ!俺はレベル5の《リンクスレイヤー》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!集いし願いが、新たに輝く星となる!光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!《スターダスト・ドラゴン》!!」

その言葉と共に白き竜が現れる。

その白き竜の姿はまるで星のようにキレイで、召喚した侑哉も目を奪われる。

 

 

スターダスト・ドラゴン レベル8 攻撃2500(EX1)

 

「おぉ…!やっぱり、《スターダスト》は良いな!」

『はい…!すごくキレイなモンスターですね!』

《スターダスト》の姿を見たレイは侑哉と同じように感嘆の声を上げる。

「だよな!やっぱりスターダストは誰から見てもキレイなモンスターなんだな……って、感動するのも良いけど、ターンを進めないといけないな…俺はカードを2枚伏せて、ターンを終了するよ!」

 

 

侑哉

手札5→1

LP4000

場 スターダスト・ドラゴン レベル8 攻撃2500(EX1)

  伏せカード2

 

ステージ2

手札4

LP4000

場 なし

 

「私のターン、ドロー…」

 

ステージ2

手札4→5

 

「私は手札から魔法カード《サイコロードの解明》を発動。私のフィールドにカードがなく、エクストラモンスターゾーンに相手モンスターが存在するとき、私のフィールドに《サイコロードトークン》を3体まで特殊召喚できる」

白いローブを身にまとい、顔を一つ目の仮面で隠したカルト信者のようなトークンが一気に3体もフィールドに現れる。

 

サイコロード・トークン×3 レベル3 攻撃1200(チューナー)(1)(2)(3)

 

「そして、君は私が特殊召喚したモンスターの数まで手札からモンスターを特殊召喚できる」

「俺は…モンスターを召喚しない」

侑哉の言葉を聞き、ステージ2は目を細める。

手札に残っている1枚のカードは魔法か罠カード、召喚方法が制限されているモンスターか…。

様々な可能性が脳をよぎる。

 

サイコロードの解明

通常魔法カード

(1):自分フィールドにカードがなく、EXモンスターゾーンに相手モンスターが存在するときに発動できる。自分フィールドに「サイコロードトークン」を3体まで特殊召喚できる。その後、この効果で特殊召喚したモンスターの数だけ、相手は手札からモンスターを特殊召喚できる。この効果を発動したターン、自分はサイキック族以外のモンスターの召喚・特殊召喚を行えない。

 

サイコロードトークン

レベル3 攻撃1200 守備1200 トークン 闇属性 サイキック族

「サイコロードの解明」の効果で特殊召喚される。

 

「まあいい。それよりも…」

ステージ2は周囲を見渡し、付近でスピードデュエルをしている2人のデュエリストを見つける。

そして、一瞬目を光らせるとその2人のデュエリストが黒いオーラを宿し、様子がおかしくなり始めた。

「フフフ…いくらかこの能力を使ったおかげで、性能が上がったようだ。この仮想空間の人間どもも手中に収めることができる!」

「何!?」

「さて…このままこの空間のデュエリストすべてを洗脳し、手駒にしてやろうか…」

洗脳されたデュエリストはそのまま周囲のデュエリストを探しはじめ、強制的にデュエルを開始し始めていた。

「これはお前と俺のデュエルだ!関係のない人間を巻き込むな!」

侑哉は声を荒げて、ステージ2にそう言い放つ。

「ハハハ!さぁ、どうする?」

「くっ…!」

 

 

「《ホーリーエンジェル》でダイレクトアタック!」

突如としてそんな声が響き、侑哉は思わず声がした方向へと視線を移す。

そこにはデュエルに敗北し、倒れている人物と1人の少女の姿があった。

「ブルーエンジェル!?何でここに?」

「大丈夫?Phantom!」

「あぁ、大丈夫だけど…何でここに居るんだ?」

困惑した様子で侑哉は自分の恋人に問いかける。

「あなたを助けに来た…それ以外に理由があると思う?」

侑哉の質問にブルーエンジェルは悪戯っぽい笑みを浮かべながらそう答える。

「…はぁ、まったく…葵には敵わないな、わかった!そっちは任せるよ!」

「うん!任せて!」

そう言って、ブルーエンジェルは洗脳されたデュエリストに向かって行った。

「《デコード・トーカー》で攻撃!デコード・エンド!」

「この声は!?」

別の場所から聞き覚えのある声が聞こえ、その方向に視線を移す。

「playmaker!?お前まで…」

「Phantom…これはどういう状況だ?」

「詳しくは説明してる暇はないけど、今、俺が戦っているやつのせいで、他のデュエリストが洗脳されてるんだ!」

「洗脳だと?」

『えぇっ!?何それ怖い!それって俺達もヤバいんじゃ…』

「確かに、Aiの言う通りかもしれない…だけど、こいつさえ倒せば全員の洗脳が解けるはずだ!」

「…なるほど、わかった…ここは任せろ、お前はその男を倒すことに集中しろ」

侑哉の言葉にplaymakerはそう返事を返す。

「…ありがとう、playmaker!」

playmakerは気にするな、と一言言って洗脳されたデュエリストに向かっていった。

「…ありがとう、二人とも…さぁ、デュエルを続けるよ!ステージ2!ここで必ずお前を倒す!」

「ふふふ…だが、私がいる限り、いくらでもデュエリストを洗脳できる。果たして、あの2人はどれだけ持つか…。現れるがいい、神へ導く未来回路!アローヘッド確認。召喚条件はサイキック族モンスター2体以上。私は3体の《サイコロードトークン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。現れるがいい、ランク3。《サイコロード・ヴィム》」

真っ白な分厚いジャンバーのような服装をし、氷でできた手袋と仮面を身につけた超能力者がフィールドに現れる。

 

サイコロード・ヴィム リンク3 攻撃2100(EX2)

 

「《サイコロード・ヴィム》の効果。1ターンに1度、手札のサイキック族チューナーを私のフィールドに存在するサイコロード1体に装備できる。私は手札の《クレボンス》を《サイコロード・ヴィム》に装備する」

「サイキック族チューナーモンスターを装備…まさか!?」

《サイコロード・スワン》も《サイコロード・ウィルトシャー》も装備したサイキック族チューナーを引き金にして効果を発動している。

そう考えると、《サイコロード・ヴィム》も同じような効果を持っていたとしてもおかしくない。

「そうはいかない!罠発動!《シューティングスター》!このカードは《スターダスト》モンスターが存在する場合、フィールド上のカードを1枚破壊できる!俺は《サイコロード・ヴィム》を破壊する!」

「フッ…」

発動された《シューティング・スター》から発射される流星を受けた《サイコロード・ヴィム》が破壊されるが、ステージ2は笑みを浮かべる。

「やはりな…対応してきた。私は《サイコロード・ヴィム》の効果発動。リンク先にモンスターがいない状態でこのカードが相手によって破壊されたとき、相手フィールドに存在するモンスターの数と同じリンク数を持つサイコロードモンスター1体をリンク召喚扱いで特殊召喚できる」

「なるほどね…なら、先にこのカードを発動しておくよ!罠発動!《針虫の巣窟》!このカードの効果でデッキトップからカードを5枚墓地へ送る!」

《針虫の巣窟》の効果により、デッキからカードが墓地へ送られる。

 

デッキから墓地へ送られたカード

・SR三つ目のダイス

・超電磁タートル

・シャッフル・リボーン

・スタッグ・リバイバー

・幻影騎士団ドゥーム・シールド

 

(よし、落ちたカードは悪くない!)

侑哉は墓地へ送られたカードを見て満足そうな表情を浮かべた。

そして、それと同時に侑哉のデュエルディスクに連絡が入った。

『思ったより大変そうね、Phantom…私も協力してあげるわ』

「その声はゴーストガール!ログアウトしたんじゃ…」

『最初はそうしようかと思ったんだけど、どうせならあなたのデュエルを見ていこうと思ってね…まぁ、それは良いか…今の状況は少しでも人手が欲しいだろうし、私も協力するわ』

「本当か!助かるよ!…あぁ、でも報酬は用意できないんだけど、大丈夫か?」

『それは大丈夫よ、あなたに借しができる…今回はそれで充分よ』

「うっ…あんたに借しを作るとろくな事にならない気がするな…まぁ、今はそれどころじゃないか…頼んだよ!」

『任せて!』

ゴーストガールの返事を聞き、侑哉は通話を終了した。

「またザコが1人増えたか…。だが、これ以上はやらせん。《サイコロード・ヴィム》の効果により、エクストラデッキから《サイコロード・ゲラー》をリンク召喚」

《サイコロード・ヴィム》が3つの氷の塊となって、上空に再び出現したサーキットの中に吸収される。

そして、その中から曲がったスプーンを持つ黒い癖のある髪をした、銀色のローブ姿の青年が現れる。

 

サイコロード・ゲラー リンク1 攻撃1000(EX2)

 

「そして、《サイコロード・ゲラー》をリリースし、手札より《マックス・テレポーター》をアドバンス召喚」

 

マックス・テレポーター レベル6 攻撃2100(2)

 

「来たか…!」

姿を現した《マックス・テレポーター》に侑哉はそんな声を上げる。

「侑哉!お待たせ!」

「えっ!その声は花恋?お前まで来たのか!?」

侑哉がそんな声を上げながら、声のした方を見てみるとそこにはフードを深く被った花恋の姿があった。

「まぁね…やらなきゃいけないことがあるから…」

「やらなきゃいけないこと…?」

「うん、きっと侑哉の力になるわ!だから、侑哉はデュエルに集中して!」

「わかった…頼んだよ!」

侑哉は花恋にそう言葉を返し、ステージ2に視線を戻した。

「私はスキル、クレイジー・サイキックを発動。このターン、サイキック族もしくはサイキック族と記されている魔法・罠カードの発動に必要となるライフコストが0となる。更に、それらの効果の発動に対して相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できない。そして、《マックス・テレポーター》の効果発動。デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター2体を特殊召喚する。私はデッキから《サイコ・コマンダー》と《クレボンス》を特殊召喚」

 

サイコ・コマンダー レベル3 攻撃1400(チューナー)(1)

クレボンス レベル2 攻撃1200(チューナー)(3)

 

「現れるがいい、神へ導く未来回路。アローヘッド確認。召喚条件はサイキック族チューナー2体。私は《サイコ・コマンダー》と《クレボンス》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。現れろ、リンク2。《サイコロード・ウィルトシャー》」

 

サイコロード・ウィルトシャー リンク2 攻撃1900(EX2)

 

「《ウィルトシャー》の効果発動。素材となった2体のサイキック族チューナーモンスターをこのカードに装備する。そして、装備されている《クレボンス》をこのカードのリンク先に特殊召喚することで、効果発動。《クレボンス》と同じレベルの《ウィルトークン》1体を特殊召喚する」

 

クレボンス レベル2 攻撃1200(チューナー)(3)

ウィルトークン レベル2 攻撃0(チューナー)(1)

 

「この瞬間、手札から《スターダスト・オーバーライド》を発動!このカードは自分フィールドに《スターダスト》モンスターが居る時、手札から発動できる!このカードは自分フィールドのシンクロモンスター1体をリリースすることでそのシンクロモンスターの攻撃力以下のモンスターを全て破壊する!」

《スターダスト・ドラゴン》の体が星屑へと変わり、フィールド上に拡散する。

星屑を受けたモンスターたちは次々と消滅し、フィールド上がまっさらになる。

「私は墓地の《サイコロード・ゲラー》の効果発動。私のフィールドにモンスターが存在しないとき、1度だけ墓地からサイコロードモンスター1体をチューナーモンスター1体を特殊召喚することができる。ただし、この効果で特殊召喚されたモンスターは効果を無効化され、ターン終了時に除外される。特殊召喚されるモンスターはそのリンクの数値分のレベルの通常モンスターとして扱われる」

 

サイコロード・ウィルトシャー リンク3→レベル3 攻撃1900(1)

サイコ・コマンダー レベル3 攻撃1400(チューナー)(2)

 

サイコロード・ゲラー

リンク1 攻撃1000 リンク 風属性 サイキック族

【リンクマーカー:下】

サイキック族モンスター1体

このカードの(1)の効果はデュエル中1度しか発動できない。

(1):このカードが墓地に存在し、自分フィールドにモンスターが存在しないときに発動できる。自分の墓地に存在する「サイコロード」リンクモンスター1体とサイキック族チューナーモンスター1体を自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化され、ターン終了時に除外される。そして、この効果で特殊召喚されたリンクモンスターはそのリンクの数値分のレベルの通常モンスターとして扱う。

 

「リンクモンスターにレベルが!?」

「現れるがいい、神へ導く未来回路。アローヘッド確認。召喚条件はサイキック族チューナーモンスター1体。私は《サイコ・コマンダー》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。現れろ、リンク1。《サイコロード・スワン》」

このターン、《サイコロード・ヴィム》の効果も含めて通算4回目のリンク召喚が行われれ、フィールドに4体目のサイコロードが姿を現す。

 

サイコロード・スワン リンク1 攻撃500(EX2)

 

「《サイコロード・スワン》の効果発動。リンク素材となった《サイコ・コマンダー》を装備。そして、装備した《サイコ・コマンダー》を墓地へ送り、効果を発動。デッキの一番下のカードを墓地へ送る。墓地へ送られたカードは《ディストラクター》。よって、レベル4の《スワントークン》1体を特殊召喚」

 

スワントークン レベル4 攻撃0(チューナー)(2)

 

「そして、フィールドの《サイコロード・スワン》をリリースし、手札から魔法カード《サイコロードの温情》を発動。デッキからカードを2枚ドローする」

上向きのリンクマーカーしかない《サイコロード・スワン》が消滅し、ステージ2の手札が4枚に戻る。

これで彼はシンクロ召喚のスペースを確保したことになる。

 

サイコロードの温情

通常魔法カード

このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールドの「サイコロード」リンクモンスター1体をリリースすることで発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。

 

「レベル3となった《ウィルトシャー》にレベル4の《スワントークン》をチューニング。シンクロ召喚。レベル7、《サイコ・ヘルストランサー》」

 

サイコ・ヘルストランサー レベル7 攻撃2400(EX2)

 

「《サイコ・ヘルストランサー》の効果発動。1ターンに1度、墓地のサイキック族モンスター1体を除外し、ライフを1200回復する」

 

ステージ2

LP4000→5200

 

墓地から除外されたカード

・サイコ・コマンダー

 

「ふふふふ…私の洗脳した者たちが行ったデュエルはすべて記憶している。まさか異世界では禁忌の召喚法を使う人間がいるとはな…」

「禁忌…?」

「シンクロ、エクシーズ、融合、ペンデュラム…貴様ら人間ごときにそのような者は不釣り合いだ。神薙侑哉、その禁じられた力を振り回す愚か者が!」

「4つの召喚法が禁忌の召喚法…?何言ってるんだ?」

ステージ2の言葉に侑哉は疑問符を浮かべる。

(…でも、考えてみれば誠君はペンデュラム召喚を知らなかった…もしかしたら、あっちの世界では4つの召喚法は特別な召喚法なのか?)

侑哉はそう思考しながら、ステージ2に問いかける。

「4つの召喚法が禁忌の召喚法ってどういうことだ?俺は何の問題もなく使えてるぞ?」

「その召喚法は神が生み出したもの。それを人間が使うのは不敬なのだよ。その過ぎたる力がこの世界にもあふれているというのならば、我々が封印する!現れるがいい、神へ導く未来回路!アローヘッド確認、召喚条件はサイキック族シンクロモンスター1体」

「召喚したシンクロモンスターをリンク素材に!?」

「貴様らと同じ地平で戦ってやろう。私は《サイコ・ヘルストランサー》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚。現れろ、リンク1!《サイコロード・タメット》」

頭が機械でできたヘルメットに覆われ、白衣を模した貴族の衣装を身にまとった男がフィールドに現れる。

 

サイコロード・タメット リンク1 攻撃0(EX2)

 

「攻撃力が0…何かあるな」

侑哉は新たに召喚されたサイコロードに警戒を強めながら、ステージ2の行動に注目した。

「《サイコロード・タメット》の効果。1ターンに1度、墓地のサイキック族シンクロモンスター1体の攻撃力と効果を次の相手ターン終了時まで得る」

《サイコロード・タメット》の背後に《サイコ・ヘルストランサー》の幻影が出現する。

そして、その幻影を取り込んだ《サイコロード・タメット》が黒いオーラを纏う。

 

サイコロード・タメット リンク1 攻撃0→2400(EX2)

 

「そして、《タメット》が得た《サイコ・ヘルストランサー》の効果。墓地のサイキック族モンスター1体を除外し、ライフを1200回復する」

 

ステージ2

LP5200→6400

 

墓地から除外されたカード

・マックス・テレポーター

 

「更に、私は手札から魔法カード《サイコ・パス》を発動。ライフを800支払い、除外されているサイキック族モンスターを2体まで手札に加える。しかし、クレイジー・サイキックの効果により、ライフコストは無効となる」

除外されたばかりの《サイコ・コマンダー》と《マックス・テレポーター》が手札に戻る。

これでステージ2はいざというときには《サイコロード・タメット》をリリースして《マックス・テレポーター》を召喚、そしてその効果で再びサイキック族を展開することが可能となった。

「カードを2枚伏せ、バトル。《サイコロード・タメット》でダイレクトアタック」

《サイコロード・タメット》のヘルメットの回路が起動し、脳波が衝撃波に変換されて周囲に拡散する。

それは侑哉だけでなく、周囲のオブジェクトにも及んでいた。

「これは…?とにかく、攻撃を防ぐか!墓地の《超電磁タートル》の効果発動!このカードを除外し、バトルフェイズを終了させる!」

侑哉の墓地から機械の体を持った亀のモンスターが現れ、電磁波を発生させる。

その電磁波により、《サイコロード・タメット》の攻撃が掻き消された。

「だが、これで《超電磁タートル》は処理された…。私はこれでターンエンド」

「ターン終了時、《スターダスト・オーバーライド》の効果発動。リリースされた《スターダスト・ドラゴン》を攻撃力を0にして特殊召喚する!」

 

侑哉

手札1→0

LP4000

場 スターダスト・ドラゴン レベル7 攻撃0(5)

 

ステージ2

手札5→3(《クレボンス》《サイコ・コマンダー》《マックス・テレポーター》)

LP6400

場 サイコロード・タメット リンク1 攻撃2400(EX2)

  伏せカード2

 

スターダスト・オーバーライド

通常罠カード

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分のフィールドに存在するシンクロモンスター1体をリリースして発動できる。そのシンクロモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つモンスターを全て破壊する。

(2):このカードの効果を発動したターン終了時にこのカードの効果を発動するためにリリースされたシンクロモンスター1体を攻撃力を0にして特殊召喚する。

(3):自分のフィールドに「スターダスト」モンスターが存在する場合、このカードは手札から発動することもできる。

 

 

「侑哉君!!」

デュエルを行う侑哉の耳に誠の声が響く。

振り返ると、そこにはDボードに乗った、変身した状態の誠の姿があった。

「誠君!?なんで、LINKVRAINSに…!?」

「馬廻神社のお堂の鏡の力の前で願ったんだ。君を助けに行きたいって。気が付いたら、直葉と一緒に変身した状態でここにいて…」

「そっか…それで、直葉さんは!?」

「直葉は、ステージ2に洗脳された人達と戦いに行ったよ」

「そっか…ありがとう、助かるよ!」

侑哉は誠にそう感謝の言葉を口にする。

(これで、大分みんなの負担が減る…あと1人ぐらい来てくれればさらにありがたいんだけど…ま、そんな都合よくはいかないか)

「Phantom、私も手を借してやろうか?」

「え…!?」

どこからともなく聞こえてきた声に侑哉は驚きを隠せない。

その声には聞き覚えがあるが、まさか、ここでその声を聞くことになるとは思っていなかった。

「リボルバー…!まさかお前まで来るとは思ってなかったよ」

「フッ、LINK VRAINSが何やら妙な事態になっていたのでな…Phantom、どういう状況か説明してもらおうか」

「実は…」

そうして、侑哉はリボルバーに簡潔に今の状況をを伝えた。

「…なるほど、他人を洗脳する能力を持つ敵か…厄介だな、良いだろう…今回はお前達に協力しよう」

「本当か!お前が協力してくれるなら心強いよ!」

「…フッ、我々にとってもその男の能力は危険だからな…」

「それでも、ありがとう!協力してくれて」

侑哉がリボルバーにそう伝えると、リボルバーは少し笑みを浮かべて、洗脳されているデュエリストに向かっていった。

 

 

 

 

「お前はリボルバー!何故、ここに?」

「playmakerか…安心しろ、今回は私はお前達の味方だ」

「どういうことだ?」

「私とお前達の目的は同じということだ」

リボルバーの言葉を聞いたplaymakerはリボルバーが何故ここに来たのかを理解した。

「…なるほど、それなら話しは早い…洗脳されているデュエリスト達を解放するぞ」

「フッ、まさかこのような形で貴様と共闘することになろうとはな…だが、勘違いするな、今回は利害が一致したにすぎない…私と貴様が敵同士であることに変わりはない!」

「…あぁ、わかっている」

playmakerがそう言い終わると同時に二人は別々の方向へと進み始めた。

別々の道を行きながらも、同じ目的の為に。

 

「ふん…愚かな人間がどれだけ集まろうとも…。そして、感じるぞ。奴に植え付けられた絶望が。その身絶望は火種となり、近いうちに最悪な可能性を自ら…」

リボルバーの声を聞いたステージ2はニヤリと笑い、含みのある意味深な言葉を口にする。

だが、あくまで別世界でどうでもいいことだと考えたのか、誠に目を向ける。

「もう1人の裏切り者よ、生け捕りにして奪ったものを取り戻してやろう!」

ステージ2が左腕のデュエルディスクを操作する。

すると、誠のデュエルディスクが強制的に起動して、勝手に4枚のカードがドローされる。

更にステージ2のライフが4000回復し、更にもう1つのスキルが追加された。

「貴様ら両方と戦ってやろう。神の掟を破りし男、そして裏切者よ!」

「フッ…さっきから聞いていれば…ただの一精霊ごときが図に乗るな」

そう呟く侑哉の左目が金色に輝く。

「何!?もう1度言ってみろ!」

「図に乗るなと言ったんだ…貴様は所詮、ただの一精霊に過ぎない、精霊界から出てこれたのも人間の体に憑依したからだ…貴様自身には何の力もありはしない」

そう言って、侑哉は嘲るような笑みをステージ2に向ける。

「おのれ!言わせておけば!」

「事実だろう?現に貴様が能力を使ったところで、俺の仲間達がそれを阻止してくれている…貴様は所詮その程度の精霊だということだ…そんな貴様が人間を侮辱するなど、甚だおかしい…」

侑哉はステージ2に対する侮辱をやめない。

一つ一つの言葉に棘を混ぜながら、言葉を続ける。

「…ただの一精霊ごときが人の力を甘く見るな…!」

怒気にも似た侑哉の言葉が響き渡る。

先ほどからステージ2は人間を蔑むような言動を多くしていた。

それは、まるで自分の大切な人達を侮辱された気分だった…だからこそ侑哉は今ここで覇王の名を借りて宣言する。

「俺は今より覇王となる!俺達で貴様を完膚なきまでに叩き潰し、勝利する!…いくぞ、誠君!」

 

 

侑哉&誠

手札

侑哉0

誠4

LP4000

場 スターダスト・ドラゴン レベル7 攻撃0(3)

 

ステージ2

手札5→3(《クレボンス》《サイコ・コマンダー》《マックス・テレポーター》)

LP6400→10400

場 サイコロード・タメット リンク1 攻撃2400(EX2)

  伏せカード2

 

「侑哉君…」

金色の眼となり、誰かを楽しませるのを好む侑哉とは思えない言葉に誠は困惑する。

しかし、侑哉が許せないように、誠も直葉と《アカシック・マジシャン》を消滅させようとした彼が許せない。

「僕のターン、ドロー!!」

 

手札4→5

 

「僕は《C.C.イーゼル》を召喚」

 

C.C.イーゼル レベル3 攻撃1200(3)

 

「このカードの召喚・特殊召喚に成功したとき、相手フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在するとき、デッキからC.C.1体を手札に加える。僕は《C.C.オセロット》を手札に加える。更に、手札の《C.C.オセロット》を墓地へ送り、《C.C.バロール》を特殊召喚!」

 

C.C.バロール レベル5 攻撃1200(2)

 

「現れろ、星を繋ぐサーキット!」

右手に星屑が集まり、それを上空に向けて放つと、それがサーキットへと変化する。

「アローヘッド確認。召喚条件はC.C.モンスター2体。僕は《イーゼル》と《バロール》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、《C.C.ガンレオン》!」

 

C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000(EX2)

 

「《ガンレオン》…痛みに耐える忌まわしき獅子め…!」

侑哉の長髪がよほど効いているのか、それとも操っていた直葉と《アカシック・マジシャン》を止めた《C.C.ガンレオン・マグナ》のことがそれほど憎いのか、憎悪に満ちた瞳で見ている。

そこには先ほどまで人を見下し続けた彼の姿はなかった。

「僕は…《バロール》の効果発動。リンク素材になった《イーゼル》を手札に加える。更に、僕のフィールドにC.C.リンクモンスターが存在するとき、《C.C.オセロット》は墓地から特殊召喚できる!」

 

C.C.オセロット レベル2 攻撃400(3)

 

「再び現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はC.C.モンスター2体以上。僕は《ガンレオン》と《オセロット》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、《C.C.ジェニオン》!」

 

C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(EX1)

 

「更に、僕はカードを2枚伏せ、《スターダスト・ドラゴン》を守備表示に変更」

 

スターダスト・ドラゴン レベル7 攻撃0→守備2000(5)

 

「バトル!《ジェニオン》で《サイコロード・タメット》を攻撃。インパクト・ダガー!」

ダガーを抜いた《C.C.ジェニオン》が《サイコロード・タメット》をその刃で斬りつける。

しかし、斬りつけられたはずの《サイコロード・タメット》の傷は瞬時にふさがってしまう。

「《サイコロード・タメット》は破壊されるとき、代わりに手札のサイキック族モンスター1体を除外することができる」

 

手札から除外されたカード

・クレボンス

 

ステージ2

LP10400→10300

 

「僕はこれで、ターンエンド!」

「ターン終了と同時に、《タメット》の効果が消え、攻撃力は元に戻る」

 

 

侑哉&誠

手札

侑哉0

誠5→2

LP4000

場 C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(EX1)

  スターダスト・ドラゴン レベル7 守備2000(3)

  伏せカード1(2)

 

ステージ2

手札3→2(《サイコ・コマンダー》《マックス・テレポーター》)

LP10300

場 サイコロード・タメット リンク1 攻撃2400→0(EX2)

  伏せカード2(1)(3)

 

「これで終わりよ!」

ホーリーエンジェルの攻撃により、洗脳されたデュエリストが撃破される。

「ふぅ、本当にしつこいわね…ただ、1人1人は大して強くないわね…侑哉と連戦した時に比べればはるかに楽ね」

ブルーエンジェルからすれば、侑哉が基準になっているため、洗脳されているデュエリストの実力はそこまで高いとは思えなかった。

ただ、あまりにも数が多い…恐らく、playmakerとブルーエンジェルだけでは対処しきれなかっただろう。

「…まさか、ハノイの騎士のリーダーまで協力してくれるなんてね…」

そう呟き、リボルバーの方に視線を移すとちょうどリボルバーが洗脳されているデュエリストを倒したところだった。

「それに、知らない女の人まで…って、あの女の人は誰?いつの間にあんな女の人と知り合いに!?」

ゴーストガールの方を見たブルーエンジェルはそんな声を上げる。

(そういえば、データバンクに侵入した時にゴーストガールっていう人とデュエルしたって言ってたわね…じゃあ、あの人がゴーストガール?…女の人の知り合いが多すぎない?)

自分の恋人が色んな人達から好かれていることに悪い気はしないが、やはり少しばかり嫉妬してしまう。

「むぅ…相変わらず侑哉は…帰ったらきっちり問い詰めないと!…それで、その後に侑哉とデートして…侑哉を私の家に誘ったりして…」

ブルーエンジェルはそう呟きながら、思わず笑みを溢す。

「その為にも、まずは洗脳されているデュエリスト達を助けないと!」

ブルーエンジェルはそう更に決意を固めながら、別の洗脳されているデュエリストに向かっていった。

「《ブラック・マジシャン・ガール》でダイレクトアタック!黒・魔・導・爆・裂・破!」

《ブラック・マジシャン・ガール》の杖から放たれる衝撃波が洗脳されたデュエリストを吹き飛ばす。

侑哉を助けに向かった誠の援護のため、直葉は洗脳されたデュエリストと戦い続けていた。

「あれ…?あの人って、もしかして!」

LINKVRAINSが存在する平行世界で、もしかしたらいるかもしれないとは薄々感じていたものの、やはりブルーエンジェルの姿を実際に見るとびっくりしてしまう。

侑哉がいる世界に不思議な親近感を感じつつ、直葉はブルーエンジェルの元へ向かう。

「ねえ、ブルーエンジェル…だよね?」

「そうだけど…あなたは?」

「あ、ええっと…私はリーファ!よろしくね!」

とっさに、以前LINKVRAINSで使っていたアカウント名を名乗る。

「リーファね、よろしく!あなたも手を借してくれるの?」

「もちろん!」

直葉がそう言うと、何故かブルーエンジェルが直葉のことをまじまじと見つめてきた。

「えっと…私の顔に何かついてる?」

「あ、ごめんね…そういうわけじゃなくて…何で侑哉の知り合いは女の人が多いのかなって、思って…」

ブルーエンジェルは考える仕草をしながら、そう呟く。

「侑哉…?って、ええ!?もしかして、まさかこの世界のブルーエンジェルって、侑哉君の恋人!?」

別世界であるため、元の世界の彼女とは同一ではないことは分かっている。

しかし、アイドルを追いかける週刊誌などのメディアが喜んで飛びつきそうな事実に、侑哉のことが別世界の人としか分からない直葉は仰天していた。

「リーファ!声が大きい!」

「ご、ごめん…かなり衝撃的だったから…」

「まぁ、無理もないかもしれないけど…気をつけてね」

「う、うん…気をつけるね」

ブルーエンジェルが侑哉の恋人ということに未だに仰天しつつも、直葉はそう口にする。

「…こんなふうに正体を隠さないといけないから、LINK VRAINSでは侑哉となかなかデートもできなくて…」

「アイドルって大変なんだね…」

「うん…でも、リアルの方では侑哉とデートしたり、家に泊まったりしてるから楽しいけどね!」

ブルーエンジェルは少し照れくさそうな表情をしながらそう言った。

「でも、デートにお泊りかぁ…いいなぁ…」

直葉は小さいころ、誠の家に泊まった時のことを思い出す。

その時は小さかったため、一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たりしていた。

だが、成長するにつれてそういうことがなくなってしまった。

一緒にお風呂やベッドはできないけれど、いつかはお泊りもしたいと思った。

「あ…直葉、もしかして誠君のこと考えてたでしょ!」

「ア、《アカシック・マジシャン》!?」

直葉の型の上に小さくなった《アカシック・マジシャン》が出て来て、ニヤニヤ笑いながら言ってきたために直葉の顔が赤くなる。

完全に図星だとクスクス笑いながら、《アカシック・マジシャン》は煙のように消えた。

「急に赤くなってどうしたの?」

「な、何でもない!気にしないで!」

「…なるほどね、リーファにも大切な人が居るのね…私達、意外と似てるかもしれないわね」

ブルーエンジェルはそう言って、直葉に笑みを向ける。

「…うん、そうだね」

 

「クシュン…!」

「どうかしたのか?誠君」

「い、いや…ちょっと、くしゃみしちゃって…」

電脳空間でもくしゃみがあるのかはともかく、どうしてくしゃみをしてしまったのか、誠にはよくわからない。

誰かの噂か、それとも風邪をひいたのか。

「のんきにくしゃみしてんじゃねえ。あいつのターンだぞ!」

「ご、ごめん…」

「私のターン…ドロー」

 

ステージ2

手札2→3

 

「私は手札から魔法カード《サイコ・パッセージ》を発動。手札のサイキック族モンスター1枚を相手に見せることで、デッキから同名モンスター1体を除外し、デッキからカードを1枚ドローする」

ステージ2が《サイコ・パス》の効果で手札に戻ったばかりの《マックス・テレポーター》を見せると、デッキから自動排出された《マックス・テレポーター》が除外され、即座にカードをドローする。

 

サイコ・パッセージ

通常魔法カード

(1):自分の手札に存在するサイキック族モンスター1体を相手に見せることで発動できる。デッキから同名モンスターをゲームから除外し、デッキからカードを1枚ドローする。

 

「私は《サイコロード・タメット》の効果発動。墓地の《サイコ・ヘルストランサー》の効果を得る」

 

サイコロード・タメット リンク1 攻撃0→2400(EX2)

 

「そして、《サイコロード・タメット》の効果。墓地のサイキック族モンスター1体を除外し、ライフを1200回復」

 

ステージ2

LP10300→11500

 

墓地から除外されたカード

・クレボンス

 

「そして、私は手札から魔法カード《サイコ・フィール・ゾーン》を発動。除外されているサイキック族チューナーモンスター1体とチューナー以外のサイキック族モンスター1体を墓地へ戻し、エクストラデッキからサイキック族シンクロモンスター1体を守備表示で特殊召喚する」

「けど、《サイコロード・タメット》のリンクマーカーは上。もうエクストラデッキからモンスターは…」

「《サイコロード・タメット》の効果。エクストラデッキからサイキック族モンスターの特殊召喚を行う際、1度だけリンクマーカーを無視することができる」

「何!?」

「私は除外されている《マックス・テレポーター》と《クレボンス》を墓地へ戻し、《メンタルスフィア・デーモン》を特殊召喚」

 

メンタルスフィア・デーモン レベル8 守備2300(3)

 

サイコロード・タメット

リンク1 攻撃0 リンク 闇属性 サイキック族

【リンクマーカー:上】

サイキック族Sモンスター1体

(1):1ターンに1度、自分の墓地に存在するサイキック族Sモンスター1体を対象に発動できる。ターン終了時までそのモンスターの元々の攻撃力と効果を得る。

(2):このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、自分がEXデッキからサイキック族モンスターを特殊召喚するときに発動できる。リンクマーカーを無視して自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する。

(3):このカードが相手によって破壊され墓地へ送られるときに発動できる。代わりに手札のサイキック族モンスター1体をゲームから除外する。

 

「なるほど、やはりそういう効果を持っていたか…サイコロードリンクモンスターは総じて、そういう効果を持っていると考えていいかもしれないな」

「そうだね…」

侑哉の言葉に誠はさらに警戒を強める。

そんな誠の様子を見ながら、侑哉はステージ2について思考する。

(それにしても…さっき、ステージ2が追加した新しいスキル…あれは何なんだ?俺達二人を相手にするということで、もう一つスキルを追加したんだろうけど…)

「まぁ、警戒しておくに越したことはないな…さて、奴はどう出てくる?」

侑哉はステージ2が取るであろうあらゆる戦略を推測しながら、ステージ2の行動に注目した。

「更に私は永続罠《サイコ・チューン》を発動。墓地のサイキック族モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。私は墓地から《サイコロード・ヴィム》を特殊召喚」

 

サイコロード・ヴィム リンク3 攻撃2100(2)

 

「《サイコロード・ヴィム》の効果発動。1ターンに1度、手札のサイキック族チューナーモンスター1体を私のサイコロードモンスター1体に装備することができる。私は《サイコロード・ヴィム》に《サイコ・コマンダー》を装備。そして、《サイコロード・ヴィム》の効果。装備しているサイキック族モンスター1体を墓地へ送ることで、墓地からサイコロードモンスター1体をカード効果を無効にして特殊召喚できる。私は《サイコロード・ウィルトシャー》を特殊召喚」

 

サイコロード・ウィルトシャー リンク2 攻撃1900(1)

 

サイコロード・ヴィム

リンク3 攻撃2100 リンク 光属性 サイキック族

【リンクマーカー:上/下/左下】

サイキック族モンスター2体以上

このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):1ターンに1度、自分フィールドの「サイコロード」モンスター1体を対象に発動できる。手札のサイキック族チューナーモンスター1体をそのモンスターに装備カード扱いとして装備する。

(2):1ターンに1度、このカードに装備しているサイキック族モンスター1体を墓地へ送ることで発動できる。自分の墓地に存在する「サイコロード」モンスター1体を自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。

(3):リンク先にモンスターが存在しない状態でこのカードが相手によって破壊されたとき、自分のEXデッキに存在する相手フィールドのモンスターと同じ数のリンクを持つ「サイコロード」リンクモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターをリンク召喚する。

 

「そして、私はスキルマーカーズ・サーチを発動。お互いのエクストラモンスターゾーンにリンクモンスターが存在するとき、デッキからリンクマジックを1枚手札に加える。私はデッキから《神の裁き》を手札に加える」

「リンクマジック!?」

「そんなカード聞いたことねぇぞ!」

「リンクマジック…!なるほど、これがもう一つのスキルか…おもしろい、楽しませてもらおうか」

ステージ2の使用したスキルに誠達は驚きを露にし、侑哉は楽しげな表情を浮かべる。

覇王となっている状態でも、デュエルを楽しむという根本的な部分は変わっていないようで、その様子はいつもの侑哉を想起させる。

「…それにしても、リンクマジックか…一体どんな効果を持っているんだ?」

侑哉はそう呟きながら、リンクマジックという未知のカードに、警戒を強めた。

「私は手札からリンクマジック《神の裁き》を発動!発動条件として、私は《メンタルスフィア・デーモン》と《サイコロード・ウィルトシャー》をこのカードのリンクマーカーにセットする!」

召喚されたばかりの《メンタルスフィア・デーモン》と《サイコロード・ウィルトシャー》が《神の裁き》のリンクマーカーに変換され、吸収されていく。

発動と同時に、ステージ2の姿も変化していき、両肩に電球が装着され、背中には純白のマントが追加される。

「ふふふ…貴様ら人間が生み出した力をその身で受けるがいい!」

ステージ2の叫びとともに、彼の脳波が肉眼で見えるくらいに強大化して誠と侑哉を襲う。

しかし、脳波を正面から受けたにもかかわらず、2人の肉体には何も影響がなかった。

「なんともねえ…こけおどしか!?」

「貴様らや裏切り者が憑依した人間は何ともないかもしれないが…精霊の力を宿していない人間はどうなるかな?」

「…普通なら、その人間達は洗脳されるか脳に何かしらのダメージを受けるだろうな」

「そんな…!それじゃあみんなは!?」

「落ち着け、恐らく全員無事だ」

「え…?」

侑哉の言葉を聞いた誠は周囲を慌てて確認する。

すると、洗脳されているデュエリストと戦っている他のデュエリスト達は何事もなかったかのように戦っていた。

「どういうことだ!?何故、誰1人影響を受けていない!?」

「さっきも言っただろう?人の力を甘く見るな、と」

驚きを露にしているステージ2にそう返し、侑哉はある人物に連絡する。

「よくやってくれたな、花恋」

『えぇ、LINK VRAINS中にステージ2の力を無力化するフィールドを張ったわ!これで、ステージ2の力は私達に通用しないわ!』

「そうか、これで思う存分戦える…引き続き、フィールドの様子を見ておいてくれ」

『了解!ついでに色々とアップデートもしておくわ!それにしても侑哉…何か話し方が変わってない?』

「今の俺は覇王だからな、こういう話し方になってしまうんだ……許せ」

『おっふ…覇王状態の侑哉も良いわね…ボイスレコーダーに録っても良い?』

「止めろ…とにかく、そっちのことは任せた」

花恋の発言に呆れつつ、侑哉は通話を終了した。

「貴様…貴様は何者だ!?私の仕掛けをことごとく潰すとは!!」

おそらくこのリンクマジックによる能力強化が彼にとっての切り札だったのか、それを阻まれたことは完全に想定外だった。

この手回しの良さはとても人間のものとは思えなかった。

「…俺はただの人間だ、それ以上でもそれ以下でもない」

ステージ2の質問に侑哉はそう言い放つ。

「ならば、このデュエルでその正体を見つけるのみ。再び現れるがいい、神へ導く未来回路!アローヘッド確認。召喚条件はサイキック族モンスター2体以上。このカードのリンク召喚を行うとき、私のフィールドにリンクマジックが存在しなければならない。私は《サイコロード・ウィルトシャー》と《タメット》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。現れるがいい、リンク4。《サイコロード・ヨガ》」

これまでのサイコロードモンスターとは異なり、紫の装束を身にまとい、右腕が機械の義手となっている僧侶が現れる。

 

サイコロード・ヨガ リンク4 攻撃0(EX2)

 

「また、攻撃力が0のモンスター…」

「気をつけろ、誠君…攻撃力が0のモンスターは大抵強力な効果を持っていることが多いからな」

侑哉は誠に新しく出てきたモンスターに警戒するように促す。

(まぁ、あのリンクモンスターの効果はなんとなく想像がつくがな)

侑哉はそんな風に思いながら、ステージ2の行動に警戒した。

「《神の裁き》の効果。1ターンに1度、エクストラモンスターゾーンにリンクモンスターのリンク召喚に成功したとき、このカードのリンク先にそのモンスターよりもリンクの数値が低いリンクモンスター1体を特殊召喚できる。私は墓地から《サイコロード・タメット》を特殊召喚」

 

サイコロード・タメット リンク1 攻撃0(2)

 

神の裁き

永続魔法カード

【リンクマーカー:上/右上/左上】

このカードのカード名はルール上、「LM(リンクマジック)」と名のついたカードとしても扱う。

「LM」魔法カードは自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。

このカード名のカードの(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):このカードはモンスターを2体以上、リンク3のリンクモンスターをリンク召喚できるよう自分フィールドのモンスターを墓地へ送ることで、リンクモンスターのリンク先となる魔法・罠ゾーンに発動できる。

(2):エクストラモンスターゾーンに自分のリンクモンスターのリンク召喚に成功したときに発動できる。そのモンスターよりも低いリンクを持つリンクモンスター1体をこのカードのリンク先に特殊召喚する。

(3):このカードのリンク先にモンスターが存在し、このカードがフィールドから離れた場合、そのリンク先のモンスターは全て破壊される。

 

「そして、《サイコロード・タメット》の効果。墓地の《メンタルスフィア・デーモン》の攻撃力と効果を得る」

 

サイコロード・タメット リンク1 攻撃0→2800(2)

 

「そして、《サイコロード・ヨガ》の攻撃力はリンク先のモンスターの攻撃力の合計の半分になる」

 

サイコロード・ヨガ リンク4 攻撃0→1400(EX2)

 

「なるほど、あのリンクマジックというカード…なかなかおもしろいな」

侑哉はそう言って、笑みを浮かべる。

「更に、私は手札から《サイコ・コマンダー》を召喚」

 

サイコ・コマンダー レベル3 攻撃1400(チューナー)(3)

サイコロード・ヨガ リンク4 攻撃1400→2100(EX2)

 

「バトル。《サイコロード・タメット》で《C.C.ジェニオン》を攻撃」

《サイコロード・タメット》の右腕が《メンタルスフィア・デーモン》のものへ変化し、《C.C.ジェニオン》をつかむ。

つかまれた《C.C.ジェニオン》はそのまま握りつぶされる形で撃破された。

「《ジェニオン》!くぅ…!」

 

侑哉&誠

LP4000→3700

 

「《サイコロード・タメット》が得た《メンタルスフィア・デーモン》の効果。戦闘で破壊したモンスターの元々の攻撃力分ライフを回復する」

 

ステージ2

LP11500→14000

 

「更に、《サイコロード・ヨガ》で《スターダスト・ドラゴン》を攻撃」

《サイコロード・ヨガ》が右手を《スターダスト・ドラゴン》に向けると念仏を唱え始める。

すると、目の見えない質量弾が《スターダスト・ドラゴン》を貫き、破壊した。

「《サイコ・コマンダー》でダイレクトアタック」

追い討ちをかけるように、今度は《サイコ・コマンダー》の戦車から発射されるビームが誠を襲う。

「うわああ!!」

 

侑哉&誠

LP3700→2300

 

「ふん…助っ人としてきたようだが、結局は足を引っ張るだけ…何!?」

余裕でモンスターを全滅させ、なおかつ切り札であるリンクマジックと《サイコロード・ヨガ》を召喚したことでゆるぎないものを得たはずのステージ2が誠と侑哉のフィールドに発生する波紋に困惑する。

その波紋の中から破壊されたはずの《C.C.ジェニオン》と《スターダスト・ドラゴン》が戻ってくる。

 

C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(1)

スターダスト・ドラゴン レベル7 攻撃2500(3)

 

「貴様…何を!?」

「僕は罠カード《ミラージュ・ルーラー》を発動したんだ!」

「《ミラージュ・ルーラー》だと…!?」

「相手ターンのバトルフェイズ中に僕のモンスターが全滅した場合、そのバトルフェイズ終了時に発動できる。破壊されたすべてのモンスターを墓地から特殊召喚して、ライフをバトルフェイズ開始前の状態に戻す、その後で発動の代償としてライフを1000支払う」

 

侑哉&誠

LP2300→4000→3000

 

「…ごめん、ライフを1000も減らしちゃったよ…」

相手が14000ものライフを持っている現状では、こちらはわずかなライフも惜しい。

モンスターをすべて残すためとはいえ、ライフを1000も失ってしまったことを詫びる。

「いや、ありがとう…よくモンスターを残してくれた、これで可能性がつながった…安心しろ、この程度のライフ差、すぐに覆してやる」

侑哉はそう言って、誠に笑みを向ける。

「私はこれで、ターンエンド…」

 

侑哉&誠

手札

侑哉0

誠2

LP3000

場 C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(1)

  スターダスト・ドラゴン レベル7 攻撃2500(3)

 

ステージ2

手札3→1(《マックス・テレポーター》)

LP14000

場 サイコロード・タメット リンク1 攻撃2800(2)

  サイコ・コマンダー レベル3 攻撃1400(チューナー)(3)

  サイコロード・ヨガ リンク4 攻撃2100(リンク先:《サイコロード・タメット》、《サイコ・コマンダー》(EX2)

  サイコ・チューン(永続罠)(1)

  神の裁き(永続魔法)(2)

  伏せカード1(3)

 

「俺のターン、ドロー!…さて、あれをやるか」

 

侑哉

手札0→1

 

侑哉はそう呟いて、手をかざす。

「来い!データストーム!」

その言葉と共に、波のように巨大なデータストームが侑哉の元に現れる。

「こ、これは…!侑哉君の元にデータストームが集まってる?これって、もしかして…」

侑哉の前に現れたデータストームに誠は、あるスキルのことを思い浮かべる。

「ストームアクセス…?でも、あのスキルはライフが1000以下の時にしか発動できないはずじゃ…」

誠がそんなふうに疑問に思っていると、侑哉がデータストームへと突進していく。

そして、そのままデータストームの中へと入っていった。

 

 

 

「くっ、これは想像以上だな…だが、乗りこなせないわけではない」

侑哉はそう言って、バランスを整える。

『久しぶりだな、Phantom』

「あぁ、すまなかった…最近は、なかなかここに来る機会がなくてな」

侑哉はそう言って、いつも通りにデータストームの主と会話を交わす。

『貴様、しばらく見ない内に雰囲気が変わったか?』

「…まぁ、色々とあってな…だが、根本的な部分は何も変わっていないから安心してくれ」

『わかった…それでは今回は久しぶりに会った記念として、サービスをしてやろう』

「サービス…?」

侑哉が疑問符を浮かべていると、《スターダスト・ドラゴン》のカードが光り出し、2枚に分裂する。

そして、その内の1枚はデュエルディスクのフィールドへと戻り、もう1枚は空中に浮いている。

「これは…?」

『貴様のカードのバックアップをとらせてもらっただけだ…そして、これを!』

データストームの主の声が響き、スターダストのカードにデータストームが集結していく。

そして、スターダストのカードが光り輝き、そのまま侑哉の手元に飛んできた。

『さぁ、そろそろ行け…』

「…あぁ、礼を言う…今度来る機会があれば、あんたに土産話でも聞かせるよ」

『フッ、楽しみにしているとしよう…』

そんな会話を交わした後、侑哉はデータストームから抜け出した。

 

「データストーム…なるほど、サイバースなどという種族が生まれるわけだな」

データストームを見て、何かをつぶやいたステージ2はその中から出てきた侑哉に目を向ける。

「その風の中で我らの力を得ようとしたようだが、1つだけ言っておくぞ。《サイコロード・ヨガ》はリンク先にモンスターが存在するとき、戦闘・効果では破壊されず、その戦闘で発生する私へのダメージも0になる」

「なるほど、面倒な効果だ…だが、その程度ならいくらでも突破する方法はある!現れろ、絆を紡ぐサーキット!アローヘッド確認、召喚条件はスターダストシンクロモンスター含むエクストラデッキから特殊召喚されたモンスター2体!誠君、カードを借りるぞ」

侑哉はそう言って、誠に目を移す。

侑哉の言葉に誠は、肯定するように頷いた。

「俺は、《スターダスト・ドラゴン》とリンク3の《C.C.ジェニオン》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!勝利を導く星の竜よ、今、降臨せよ!リンク召喚!現れろ、リンク4!《リーディングスター・ドラゴン》!!」

フィールドに導きの竜が姿を現す。

その竜は、雄々しくも美しき蒼き翼を持ち、サファイアブルーの体には所々純白のラインが描かれている。

そして、その瞳は夜空のように黒い瞳だった。

 

リーディングスター・ドラゴン リンク4 攻撃3300(EX1)リンクマーカー(左上/左下/下/右下)

 

「《リーディングスター・ドラゴン》の効果発動!このカードがリンク召喚に成功した時、相手フィールド上の表側表示のカードの効果を全て無効にする!そして、この効果に対して相手は魔法、罠、モンスターカードの効果を発動できない!全てを無力化せよ!スターダスト・リローテッド!」

《リーディングスター・ドラゴン》が両翼を動かすとともに星屑のような輝きを放つ風が起こり、その風の中でステージ2のモンスターたちの力が封じられていく。

 

サイコロード・タメット リンク1 攻撃2800→0(2)

サイコロード・ヨガ リンク4 攻撃2100→0(EX2)

 

「我が切り札、《サイコロード・ヨガ》の力を封じるだと…!?」

データストームから生まれた新たなスターダストシンクロモンスターの力にステージ2は驚きを隠せない。

なぜ、彼のような男にデータストームは力を与えるのかも。

「さらに、手札から魔法カード、《マーカーズ・チャージ》を発動!このカードはEXモンスターゾーンに居る2体のリンクモンスターが同じリンクマーカーの数を持つ時に発動できる、デッキからカードを2枚ドローし、お互いに確認する」

 

引いたカード

星屑のきらめき

カップ・オブ・エース

 

マーカーズ・チャージ(アニメオリカ)

通常魔法カード

(1):EXモンスターゾーンのリンクモンスター2体が持つリンクマーカーの数が同じ場合に発動できる。自分はデッキからカードを2枚ドローし、お互いに確認する。このカードを発動したターン終了時、この効果で手札に加えたカードが手札に存在する場合、そのカードを除外する。

 

「そして、さらに魔法カード、《カップ・オブ・エース》を発動!効果は知っているだろうから省略するぞ…結果は……よし、表!この状態で引き当てられるかはわからなかったがとりあえずは安心だな」

 

侑哉

手札2→1→3

 

「そして、俺は手札から魔法カード、《星屑のきらめき》を発動!このカードは墓地のドラゴン族シンクロモンスター1体を対象に発動できる!そのシンクロモンスターと同じになるように墓地のカードを除外し、そのシンクロモンスターを復活させる!俺は墓地の《ジャンク・シンクロン》と《リンクスレイヤー》を除外…再び蘇れ!《スターダスト・ドラゴン》!」

 

スターダスト・ドラゴン レベル8 攻撃2500(2)

 

「そして、手札から《閃刀姫-レイ》を召喚!」

『ようやく出番ですね!待ちくたびれましたよ、マスター!』

 

閃刀姫-レイ レベル4 攻撃1500(3)

 

「すまなかった…なかなかお前が手札に来なかったものでな…力を借りるぞ?」

『もちろんです!というか、マスター…何か雰囲気が変わってませんか?』

「…お前までそう言うのか…そのことは今は気にするな」

『わかりました…それではいきましょうか!マスター!』

「あぁ、再び現れろ、絆を紡ぐサーキット!アローヘッド確認、召喚条件は風属性以外の閃刀姫モンスター1体!」

『換装!モード選択、疾風モード!』

そう言って、レイは風のような緑の装甲を装着していく。

「サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク1!《閃刀姫-ハヤテ》!」

『私の新しい力、お見せします!』

気合いの入った声でそう言いながら、レイはまるで銃と剣が合体したような武器をステージ2へと向けた。

 

閃刀姫-ハヤテ リンク1 攻撃1500(3)リンクマーカー左下

 

「カードを1枚伏せる…さぁ、いくぞ!バトルだ!まずは、《閃刀姫-ハヤテ》でダイレクトアタック!」

「何!?」

「《ハヤテ》は相手プレイヤーにダイレクトアタックができる効果を持っている!いけ!《閃刀姫-ハヤテ》!」

『お任せください!』

侑哉の言葉を受けたハヤテはステージ2に向けた武器にエネルギーを溜めていく。

『ターゲット、ロックオン!…発射!』

そして、限界まで蓄積したエネルギーをステージ2に向けて放った。

エネルギー弾を受けたステージ2はよろめきながらも、持ちこたえる。

 

ステージ2

LP14000→12500

 

「だが、私のライフはまだ12500。たとえモンスターが全滅したとしても…」

「さて、そう上手くいくかな?まずは《ハヤテ》の効果、このカードが戦闘を行った後、デッキから閃刀カードを1枚墓地へ送る」

 

墓地に送ったカード

閃刀起動-エンゲージ

 

「続けて、バトル!《リーディングスター・ドラゴン》で《サイコロード・ヨガ》に攻撃!シューティング・ノヴァ・ソニック!」

《リーディングスター・ドラゴン》から攻撃が放たれ、そのまま《サイコロード・ヨガ》に命中する。

そして、そのまま《サイコロード・ヨガ》は破壊された。

 

ステージ2

LP12500→9200

 

「さらに、もう1度《リーディング・スタードラゴン》で《サイコ・コマンダー》に攻撃!」

「何!?連続攻撃だと!?」

「その通りだ、《リーディングスター・ドラゴン》はリンク先のモンスターの数だけ追加で攻撃できる《!リーディングスター》のリンク先には、《スターダスト・ドラゴン》、《閃刀姫-ハヤテ》、そして、《サイコロード・タメット》が存在している…よって、《リーディングスター・ドラゴン》は4回攻撃することができる!」

 

「4回攻撃だと…!」

 

「撃ち抜け!シューティング・ノヴァ・ソニック」

 

ステージ2

LP9200→7300

 

「続けてもう1度、《リーディング・スター・ドラゴン》で…何??」

フィールドのモンスターを全滅させ、更に攻撃を加えようと攻撃宣言をしようとする侑哉だが、急に《リーディング・スター・ドラゴン》の動きが止まる。

「残念だが、貴様のバトルフェイズは終了している。私は罠カード《超能力者の駆け引き》を発動した。私のフィールドのサイキック族モンスターが戦闘で破壊された相手ターンのバトルフェイズ時、私のフィールドにモンスターが存在しない場合、このターンのバトルフェイズを終了させる」

「だが…《リーディングスター・ドラゴン》はこのカードのリンク先となる自分のモンスターをリリースすることで、相手のカード効果の発動を無効できる!」

「無駄なことだ。このカードの発動に対して、相手はカード効果を発動できない。そして、そのようなすさまじい効果を持つ《リーディングスター・ドラゴン》のことだ。その強すぎる力の代償があるのだろう?」

「…《リーディングスター・ドラゴン》がフィールドに存在するターン終了時、ゲームから除外される」

「《超能力者の駆け引き》の効果。このカードを発動した次のターンのスタンバイフェイズ時、墓地にサイコロードモンスターが6種類すべて存在するとき、墓地に存在するサイキックシンクロモンスター2体を召喚条件を無視して特殊召喚できる」

 

超能力者の駆け引き

通常罠カード

(1):自分フィールドに存在するサイキック族モンスターが戦闘によって破壊され、自分フィールドにモンスターが存在しない相手バトルフェイズ時に発動できる。バトルフェイズを終了する。この効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できない。

(2):このカードを発動した次の自分のスタンバイフェイズ時、自分の墓地に「サイコロード」モンスターが6種類存在するときにこのカードが墓地に存在する場合に発動する。自分の墓地に存在するサイキック族のSモンスター2体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

 

リーディングスター・ドラゴン

リンク4 攻撃3300 リンク 風属性 サイバース族

【リンクマーカー:左上/左下/下/右下】

スターダストSモンスターを含むEXデッキから特殊召喚されたモンスター2体

(1):このカードがリンク召喚に成功した時、相手フィールド上に表側表示で存在するカードの効果を全て無効にする。この効果の発動に対して相手は魔法、罠、モンスターカードの効果を発動できない。

(2):このカードはリンク先のモンスターの数だけ追加で攻撃できる。

(3):1ターンに1度、相手が魔法、罠、モンスターカードの効果を発動した時、このカードのリンク先となる自分のモンスター1体をリリースして発動する。その発動を無効にして破壊する。

(4):このカードがフィールドに存在する自分のターン終了時に発動する。このカードをゲームから除外する。この効果は無効化できない。

 

「なるほど、そんな効果まであるとはな…俺はこれでターンエンドだ」

 

 

侑哉&誠

LP3000

手札

侑哉0

誠2

場 スターダスト・ドラゴン レベル8 攻撃2500(2)

  閃刀姫-ハヤテ リンク1 攻撃1500(3)

  伏せカード1(2)

 

 

ステージ2

LP7300

手札1(《マックス・テレポーター》)

場 サイコ・チェーン(永続罠)(1)

  神の裁き(永続魔法)(2)

 

「私のターン、ドロー」

 

ステージ2

手札1→2

 

「《超能力者の駆け引き》の効果。墓地の《サイコ・ヘルストランサー》と《メンタルスフィア・デーモン》を特殊召喚する」

 

サイコ・ヘルストランサー レベル7 攻撃2400(1)

メンタルスフィア・デーモン レベル8 攻撃2700(2)

 

「さっそく、来たか…速攻魔法!《皆既日食の書》を発動!このカードの効果でフィールド上の全てのモンスターは裏側表示になる!」

フィールド上のモンスターのソリッドビジョンが裏向きのカードに変化し、フィールドが静まり返る。

これにより、2体のモンスターの攻撃は封じられた。

「私は《サイコ・チューン》を墓地へ送り、手札から魔法カード《マジック・プランター》を発動。デッキからカードを2枚ドローする」

「手札を補充したか…さぁ、どう出てくる?」

侑哉はそう呟きながら、ステージ2への警戒を強めた。

「そして、私は裏守備モンスター2体をリリースし、《マスター・ジーク》をアドバンス召喚」

黒い卵のような形の機械に身を包み、頭頂部に白い能面のような仮面がついているモンスターが現れる。

 

マスター・ジーク レベル8 攻撃2600(2)

 

「なるほど、そう出てくるか…」

まるで予測していた通りだと言わんばかりの様子で侑哉はそう呟く。

「侑哉君…まるで、ステージ2の戦略を全部予測してるみたいだ…」

「確かにな、ステージ2があいつの掌の上で踊らされてるみたいだぜ…」

侑哉の様子を見ながら、誠達はそう口にする。

「…とにかく、今はデュエルに集中しよう」

誠はそう呟きながら、ステージ2へと視線を移した。

「そして、現れるがいい。神へ導く未来回路。アローヘッド確認。召喚条件はレベル8以上のサイキック族モンスター1体。このカードをリンク召喚する場合、私のフィールドにリンクマジックが存在しなければならない。私は《マスター・ジーク》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン。リンク召喚。現れろ、リンク1。これが、これこそがサイコロードの頂点!《サイコロードマスター・バベル》」

黒い学生服姿をした黒髪の少年がフィールドに現れる。

彼は用心するように誠と侑哉をにらんだ。

 

サイコロードマスター・バベル リンク1 攻撃0(EX2)

 

「そして、手札から永続魔法《サイコロード・サークル》を発動。発動時、墓地に存在するサイコロードモンスターの種類の数だけサイコカウンターを乗せる」

真上に次元の狭間が開き、そこからさかさまのバベルの塔が出現し、その周囲に6つの光の球体が現れる。

 

サイコロード・サークル(永続魔法)サイコカウンター0→6(1)

 

「これは、バベルの塔か…?あのモンスターの名前もバベルだったな…何か関係でもあるのか?」

(まぁ、それはすぐにわかるか…)

侑哉はそう思考し、ステージ2の行動に目を移した。

「《サイコロード・サークル》は発動したターン終了時に墓地へ送られる。そして、私は《サイコロードマスター・バベル》の効果を発動。手札のサイキック族モンスター1枚を墓地へ送ることで、デッキからカードを1枚ドローする。私は《マックス・テレポーター》を墓地へ送る。そして、《サイコロード・サークル》の効果。サイコカウンターを1つ取り除くことで、墓地からリンクモンスター以外のサイキック族モンスター1体を特殊召喚できる。ただし、この効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃できず、フィールドから離れたとき除外される。私は《サイコ・ヘルストランサー》を特殊召喚」

 

サイコロード・サークル(永続魔法)サイコカウンター6→5(1)

サイコ・ヘルストランサー レベル7 攻撃2400(1)

 

「なるほど…あの魔法カードの効果はそういう効果か…厄介だな」

「更にカウンターを1つ取り除き、《クレボンス》を特殊召喚」

 

サイコロード・サークル(永続魔法)サイコカウンター5→4(1)

クレボンス レベル2 攻撃1200(チューナー(2)

 

「レベル7の《サイコ・ヘルストランサー》にレベル2の《クレボンス》をチューニング。シンクロ召喚。《ハイパーサイコガンナー》」

 

ハイパーサイコガンナー レベル9 攻撃3000(1)

 

「《サイコロードマスター・バベル》の効果。このカードが存在し、自分か相手がサイキック族のシンクロ召喚・リンク召喚に成功したとき、デッキからカードを1枚ドローする」

 

ステージ2

手札3→1→2

 

「なるほど、そんな効果があるのか…さて、そろそろあれを使うべきか?」

『あれ…?それは何ですか?マスター…』

侑哉の呟きにレイは侑哉にそう尋ねる。

「…お前達を守る力だ、まぁ、安心しておけ」

『何だかよくわかりませんが、私はマスターを信じます!』

レイはそう言いながら、ステージ2へと視線を戻した。

「そして、《サイコロード・サークル》の効果により、《サイコ・ヘルストランサー》と《クレボンス》は除外される。そして、私は手札から魔法カード《テイク・オーバー5》を発動。デッキの上から5枚のカードを墓地へ送る」

 

デッキから墓地へ送られたカード

・メンタルプロテクター

・サイコジャンパー

・ディストラクター

・サイ・ガール

・アポート

 

「そして、《サイコロード・サークル》の効果。サイコカウンターを2つ取り除き、《サイ・ガール》と《メンタルプロテクター》を特殊召喚」

 

サイコロード・サークル(永続魔法) サイコカウンター4→2(1)

サイ・ガール レベル2 攻撃500(チューナー)(2)

メンタルプロテクター レベル3 攻撃0(3)

 

「レベル3の《メンタルプロテクター》にレベル2の《サイ・ガール》をチューニング。シンクロ召喚。現れろ、《マジカル・アンドロイド》」

 

マジカル・アンドロイド レベル5 攻撃2400(3)

 

「そして、《サイコロードマスター・バベル》の効果により、デッキからカードを1枚ドローする。そして、《サイコロード・サークル》の効果。サイコカウンターを1つ取り除き、墓地から《サイコジャンパー》を特殊召喚」

 

サイコロード・サークル(永続魔法) サイコカウンター2→1(1)

サイコジャンパー レベル2 攻撃100(チューナー)(2)

 

『むぅ、ズルいですよ!あのカード!ターン1制限つけましょうよ!』

「まぁ、そう言うな…俺達も《リーディングスター》という強力なカードを使ったんだ、お互い様だろう」

ステージ2の使っているカードに異を唱えるレイに侑哉はそう返す。

(まぁ、俺達の場合はデメリットありきではあったが、それは向こうも似たようなものだしな…まぁ、それを差し引いても《リーディングスター》はかなり強力なカードだったがな)

「…それにしても、いつの間にこんなものが…」

侑哉は自身のデュエルディスクを見ながら、そう呟く。

そこには、侑哉がいつも使用しているスキルとはまるで違ったスキルが表示されていた。

「…今は相手の出方を伺うとしよう」

侑哉はそう言って、ステージ2へと視線を戻した。

「安心しろ。このカードが存在する限り、私はサイキック族以外の召喚・特殊召喚が禁じられる。私は《サイコジャンパー》の効果発動。ライフを1000支払うことで、《サイコジャンパー》以外のサイキック族モンスター1体と相手モンスター1体のコントロールを入れ替える」

「なるほど…では、ここで使うとしよう…スキル発動!絶対なる覇王の力!このスキルは自身のフィールドのカードが相手より下回っている時、デッキより覇王リンクマジックを自分のリンクモンスターのリンク先へと発動する!俺は、《ハヤテ》のリンク先にリンクマジック、《覇王の加護》を発動する!」

「何!?私のターンにスキルを発動するだと!?それに、リンクマジック!?」

ステージ2は驚愕のあまり、そんな声を上げる。

それも当然だろう、ステージ2にとってはリンクマジックは精霊界の力であり、侑哉がそれを持っているはずがないからだ。

「侑哉君もリンクマジックを!?でもどうして?」

ステージ2と同じく、誠も驚きの声を上げる。

「…悪いが、俺にもよくわからない…気づけばこのスキルに変わっていた」

「生かしてはおけん…。貴様だけは抹殺しなければならん!私はライフを1000支払い、《マジカル・アンドロイド》と《スターダスト・ドラゴン》のコントロールを入れ替える!(仮に《ミラーフォース》や《炸裂装甲》のような攻撃モンスターを破壊する効果があったとしても、奪った《スターダスト・ドラゴン》を身代わりにすればよい)」

「《スターダスト》のコントロールを奪うつもりか…そうはいかない、罠発動!《亜空間転移物質装置》!このカードの効果により、《スターダスト》をエンドフェイズまで除外する!」

上空に浮かぶ《亜空間物質転送装置》のソリッドビジョンから発射されるビームによって、《スターダスト・ドラゴン》が消える。

それを見た瞬間、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

ステージ2

LP7300→6300

 

「そうか…《亜空間物質転送装置》か…。これで気兼ねなく攻撃できる。私は手札から速攻魔法《トラップ・ブースター》を発動。手札1枚を墓地へ送り、手札から罠カード1枚を発動する。私は手札から《ギブ&テイク》を発動。相手フィールドに私の墓地のモンスター1体を守備表示で特殊召喚し、そのモンスターのレベル分、私のモンスター1体のレベルを上げる」

誠と侑哉のフィールドに《メンタルスフィア・デーモン》が守備表示で現れ、《マジカル・アンドロイド》のレベルが上昇する。

 

メンタルスフィア・デーモン レベル8 守備2300(3)

マジカル・アンドロイド レベル5→13 攻撃2400(3)

 

「…このタイミングでレベルを上げるとは…さて、何を狙っているのか…まぁ、警戒しておくに越したことはないな」

「バトルフェイズに移行する。《サイコロードマスター・バベル》で《メンタルスフィア・デーモン》を攻撃」

「…攻撃力が劣るモンスターで攻撃か…何かあるな」

「《サイコロードマスター・バベル》はリンクマジックが存在するとき、このカードは戦闘では破壊されず、戦闘で発生する私へのダメージも0となる。そして、攻撃した相手モンスターをダメージステップ終了時に破壊し、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える」

「なるほど…それなら、墓地の《三つ目のダイス》の効果発動!このカードを除外することで、攻撃を無効にする!」

《SR-三つ目のダイス》の幻影が《サイコロードマスター・バベル》の体から放たれる電撃から2人の盾となる。

電撃が収まると、その幻影は消滅するも、《サイコロードマスター・バベル》の体は炎に包まれていた。

「リンクマジックが存在するとき、このカードは私のフィールドのこのカード以外のサイキック族モンスターの数だけ攻撃できる」

「何!?それじゃあ…!」

無意味に思われた《ギブ&テイク》の目的は《サイコロードマスター・バベル》の効果を生かすためのものだったた。

再び《メンタルスフィア・デーモン》に電撃が襲い、そのモンスターが消滅すると、誠と侑哉に電撃が襲う。

「うわああああ!!」

「ぐおおお!!」

 

侑哉&誠

LP3000→300

 

「とどめだ…続けて《閃刀姫-ハヤテ》を攻撃」

続けて電撃がレイを襲う。

同時に、誠のデュエルディスクが青く光りはじめ、そこに周囲に突然発生した緑色の0と1の形をした数多くの光が押し寄せてくる。

「これは…!誠君のスキルか?」

「スキルStar Access!!」

「こいつがライフが0になるダメージを受けるとき、こいつのフィールドのカードをすべて破壊し、ライフを1残す!」

『誠さん…あとはお願いします!』

レイがフィールドから消え、集まった光が集結して1枚のカードに変貌していく。

「そして、LINKVRAINSからカードを1枚アクセスし…!?」

急に後ろからデータストームがやってきて、そこからも紫色のデータがあふれ出て変貌したカードに入っていく。

LINKVRAINSとデータストーム、2つのサイバー空間の力がそのカードを生み出していた。

 

侑哉&誠

LP300→1

 

「ぐうう…裏切者の協力者め、貴様まで私の計算を超えるか…!?」

「計算かなんて知らない。でも…あなたは直葉を、僕の大切な人を傷つけようとした。そのことが許せないんだ!」

「…《サイコロードマスター・バベル》が存在する限り、このカード以外の私のモンスターは攻撃できない。私はこれでターンエンド!《サイコロード・サークル》はターン終了と同時に消滅する」

「ターン終了と同時に、《スターダスト・ドラゴン》はフィールドに戻る!」

上空のさかさまのバベルの塔が役目を果たしたかのように姿を消し、入れ替わるように《スターダスト・ドラゴン》が異次元から帰還する。

「ふん…《マジカル・アンドロイド》の効果。ターン終了時、私のフィールドのサイキック族モンスター1体につき、ライフが600回復する」

 

侑哉&誠

LP1

手札

侑哉0

誠2

場 スターダスト・ドラゴン レベル8 攻撃2500(3)

 

 

ステージ2

LP6300→8700

手札2→0

場 サイコロードマスター・バベル(リンク先:《マジカル・アンドロイド》) リンク1 攻撃0

  ハイパーサイコガンナー レベル9 攻撃3000(1)

  サイコジャンパー レベル2 攻撃100(チューナー)(2)

  マジカル・アンドロイド レベル13→5 攻撃2400(3)

  神の裁き(永続魔法)(2)

 

サイコロード・サークル

永続魔法カード

このカード名のカードは自分フィールドに1枚しか存在できない。

(1):発動時、自分の墓地に存在する「サイコロード」モンスターの種類の数だけサイコカウンターを1つ乗せる。

(2):このカードの上に乗っているサイコカウンターを1つ取り除き、自分の墓地に存在するリンクモンスター以外のサイキック族モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃できず、フィールドから離れたときに除外される。

(3):このカードがフィールドに存在する限り、自分はサイキック族モンスター以外の召喚・特殊召喚を行えない。

(4):このカードは発動したターン終了時に発動する。このカードを墓地へ送る。この効果は無効化されない。

 

『…これで良いか?』

「あぁ…礼を言う」

『まさか、あのタイミングで再び私を呼ぶとはな』

「悪いな、色々と協力してもらって」

侑哉はデータストームの主とそんな会話を交わす。

誠のスキルが発動する瞬間、侑哉は即座にデータストームを呼んでいた。

(まぁ、まさかデータストームを自由に呼べるようになっているとは思わなかったがな)

『構わん、私もあの男は気に食わなかったからな…それでは、私はそろそろ戻るとしよう…』

「あぁ、わかった…これからも力を借りるだろうが、よろしく頼むぞ」

侑哉はそう言って、データストームの主との会話を終わらせた。

 

 

 

「侑哉君、大丈夫?」

「…あぁ、大丈夫だ…さぁ、デュエルを続行するぞ」

侑哉はそう言って、誠にターンを進めるように促した。

「僕のターン…ドロー!!」

 

手札2→3

 

「僕は手札から《C.C.ハウンドドッグ》を召喚!」

 

C.C.ハウンドドッグ レベル2 攻撃800(3)

 

「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はリンクモンスター以外のC.C.1体。僕は《ハウンドドッグ》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク1。《C.C.ジ・インサー》!」

 

C.C.ジ・インサー リンク1 攻撃0(EX1)

 

「《ジ・インサー》の効果。このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、墓地からC.C.1体をこのカードのリンク先に特殊召喚できる。僕は《ジェニオン》を特殊召喚!」

 

C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(1)

 

誠は改めてエクストラデッキを確認する。

もしかしたら、《C.C.ジェニオン・ガイ》があるかもしれないと思ったからだ。

しかし、やはりというべきか、エクストラデッキにはそのカードはなかった。

だが、Star Accessの効果で手に入ったカードがある。

「僕は手札から魔法カード《復活の祭壇》を発動。デッキの上から2枚のカードを除外し、墓地の魔法カード1枚を手札に加える。僕はリンクマジック《覇王の加護》を手札に加え、発動!」

再びフィールドに《覇王の加護》が発動され、メインモンスターゾーンにエクストラデッキからモンスターを好きに召喚できる状態となる。

 

デッキから除外されたカード

・C.C.インディア

・C.C.ブラスタ

 

復活の祭壇(アニメオリカ・調整)

通常魔法カード

このカード名のカードは1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のデッキの上から2枚のカードを除外して発動する。自分の墓地から「復活の祭壇」以外の魔法カードを1枚手札に戻す。発動後、このカードは墓地へ送らず、ゲームから除外する。

 

「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件は同じ種族のモンスター2体以上!」

召喚条件を宣言すると同時に、誠はStar Accessの効果で手に入れたカードを手に取る。

「僕は《ジェニオン》と《イーゼル》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク4!《D.C.サイバスター》!!」

サーキットにリンクマーカーが撃ち込まれ、それが水色の魔法陣に変化していく。

そして、その中から両肩と下腹部に緑色の球体を埋め込まれた、6枚羽根のバックパックをつけた、白い鎧の機械戦士がそこから姿を現した。

 

D.C.サイバスター リンク4 攻撃2800(2)

 

「貴様のスキルが生んだ…だが、D.C.…ディメンション・コマンダーだと!?」

「これは…平行世界で出会う可能性がなかった僕たちの力が生んだカードだ!更に、手札から魔法カード《貪欲な壺》を発動。墓地のモンスター5体をデッキに戻し、デッキからカードを2枚ドローする」

 

墓地からデッキに戻ったカード

・C.C.ハウンドドッグ

・ジャンク・シンクロン

・閃刀姫-レイ

・スタッグ・リバイバー

・C.C.ジ・インサー

 

「そして、僕は手札から魔法カード《死者蘇生》を発動!墓地から《ジェニオン》を特殊召喚」

 

C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(1)

 

「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はモンスター2体以上。僕は《ジェニオン》と《スターダスト・ドラゴン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚。現れろ、リンク3!《電影の騎士ガイアセイバー》!」

これまでのガイアシリーズのように、2本槍を持った騎士が颯爽とフィールドに現れる。

リンク召喚とサイバース族の影響を受けたのか、装備も馬も水色の混じった白と青いラインの入った黒をベースとした色合いに変化していた。

 

電影の騎士ガイアセイバー リンク3 攻撃2600(EX1)

 

「更に、《サイバスター》の効果発動。このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、リンク先にリンクモンスターが特殊召喚されたとき、《ハイファミリアトークン》を2体まで特殊召喚できる」

《D.C.サイバスター》が両手をかざし、2つの魔法陣を生み出すと、その中から銀色で緑色の眼をした猫のような小型飛行機が現れる。

 

ハイファミリアトークン×2 レベル4 攻撃1500(1)(3)

 

「《D.C.サイバスター》…良いカードだ、さぁ、魅せてもらうとしよう、誠君…いや、誠のデュエルを…!」

「現れろ、星を繋ぐサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はリンクモンスター以外のモンスター2体。僕は《ハイファミリアトークン》2体をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《オーガブレイダー》!」

真っ黒な分厚い刀身で、柄に鬼のどくろがついている無骨な大剣が現れ、その場でその姿を変形させ、黒いハゲワシへと変化した。

 

オーガブレイダー リンク2 攻撃1800(1)

 

「《オーガブレイダー》の効果。このカードはこのカードのリンク先のモンスターの装備カードにすることができ、装備モンスターの攻撃力を800アップさせる!」

《オーガブレイダー》が元の大剣に戻り、《D.C.サイバスター》に装備される。

初めて握る重量のある武器に《D.C.サイバスター》はよろめくものの、両足を広げ、ゆっくりとその大剣を構える。

 

D.C.サイバスター リンク4 攻撃2800→3600(2)

 

「そして、《オーガブレイダー》を装備した《サイバスター》は戦闘を行う相手モンスターの効果を無効にする!」

「何!?ということは…《バベル》の効果を!!」

「無効にするんだ!更に僕は手札から速攻魔法《リミッター解除》を発動!僕のフィールドの機械族モンスターの攻撃力を倍にする!」

 

D.C.サイバスター リンク4 攻撃3600→7200(2)

電影の騎士ガイアセイバー リンク3 攻撃2600→5200(EX1)

 

「こ、こ、攻撃力…7200と、5200だと…!?」

「いけ、《サイバスター》!《サイコロードマスター・バベル》を攻撃!!」

《D.C.サイバスター》が装備したばかりの《オーガブレイダー》を《サイコロードマスター・バベル》に向かって投げつける。

投げられたそれはハゲワシに変形し、《サイコロードマスター・バベル》に向けて口からビームを発射する。

ビームを受けた、伝説の塔の名を持つ超能力者は両腕でガードをするが、その隙に《D.C.サイバスター》が再び放った2体の《ハイファミリアトークン》から電撃のよう場ビームを背後から受ける形で撃破された。

 

ステージ2

LP8700→1500

 

「ば、馬鹿な!?なぜ私が…!?人間ごときにこの私は敗れる!?圧倒的に有利な状況だったのだぞ!?それなのに!?」

「《ガイアセイバー》で《ハイパーサイコガンナー》を攻撃!電影槍殺(ライトニング・シェイバー)!!」

《リミッター解除》によって高圧電流を流し始めた槍を手に、《電影の騎士ガイアセイバー》は走り、《ハイパーサイコガンナー》の胸部を貫いた。

貫かれると同時に10万ボルト以上の電撃がステージ2を襲う。

「ぐあああああああ!!!!!」

 

ステージ2

LP1500→0

 

サイコロード・ヨガ

リンク4 攻撃? リンク 闇属性 サイキック族

【リンクマーカー:下/左下/右下/右】

サイキック族モンスター2体以上

このカードをリンク召喚するとき、自分の魔法・罠ゾーンに「LM」魔法カードが存在しなければならない。

このカード名の(3)の効果はデュエル中1度だけ発動できる。

(1):このカードの元々の攻撃力はリンク先のモンスターの攻撃力の数値の合計を半分にした数値となる。

(2):このカードのリンク先にモンスターが存在するとき、このカードは戦闘・効果では破壊されず、その戦闘で発生する自分へのダメージも0となる。

(3):自分フィールドに「サイコロード」リンクモンスターが存在し、メインモンスターゾーンにモンスターが存在しないとき、このカードが墓地に存在する場合に発動できる。ゲームから除外されているサイキック族モンスター2体を特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分はサイキック族以外のモンスターの召喚・特殊召喚を行えない。

 

サイコロードマスター・バベル

リンク1 攻撃0 リンク 闇属性 サイキック族

【リンクマーカー:下】

レベル8のサイキック族モンスター1体

このカードをリンク召喚するとき、自分の魔法・罠ゾーンに「LM」魔法カードが存在しなければならない。

このカード名のモンスターは自分フィールドに1枚しか存在できない。

(1):このカードがフィールドに存在し、自分・相手がこのカード以外のサイキック族Sモンスター、リンクモンスターのS召喚・リンク召喚に存在するときに発動できる。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、自分はデッキから1枚ドローする。

(2):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り、このカード以外の自分のモンスターは攻撃できない。

(3):このカードは戦闘では破壊されず、戦闘で発生する自分へのダメージは0となる。

(4):自分の魔法・罠ゾーンに「LM」魔法カードが存在する場合、このカードは1度のバトルフェイズに自分フィールドのこのカード以外のサイキック族モンスターの数だけ攻撃することができ、相手モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。その相手モンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

(5):このカードがフィールドに存在し、自分フィールドにサイキック族Sモンスターが存在するとき、魔法・罠ゾーンに存在する「LM」魔法カードは効果では破壊されない。

 

オーガブレイダー

リンク2 攻撃1800 リンク 闇属性 機械族

【リンクマーカー:上/右】

リンクモンスター以外のモンスター2体

(1):このカードのリンク先に存在するモンスター1体を対象に発動できる。このカードを攻撃力800アップの装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。

(2):装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行うときに発動する。その相手モンスターの効果はバトルフェイズ終了時まで無効となる。

(3):装備モンスターが相手によって破壊されるときに発動できる。代わりにこのカードを破壊する。

 

「やったな…誠、俺達の勝利だ」

そう言って、侑哉は誠に拳を突きだす。

「え、あ…う、うん…」

どうして拳を突き出したのかわからなかった誠だが、理解すると笑みを浮かべ、コツンと拳を当てた。

ビルの屋上には、あおむけに倒れたステージ2の姿があった。

「この野郎、よくも俺らをコケにしてくらたよなぁ…ぶっ殺してや…」

「クククク…まさか、人間どもが私を倒すとはな…」

見下していた人間がデータストームと精霊の力を借りたとはいえ、精霊である自分の本気を上回ったという現実を受け止めきれないのか、狂ったように笑い始める。

誠の手には白紙のカードが生まれ、精霊世界に強制送還するため、誠はそのカードを投げつける。

「だが…気を付けるがいい。手に余る力はいずれ貴様ら自身を支配するのだから…な…」

精霊がカードに吸収され、その場には憑依されたと思われるオールバックで無精ひげを生やし、眼鏡とスーツ姿の男性が残った。

「《マックス・テレポーター》…」

倒した精霊の正体を口にし、誠はようやく勝利という実感を得た。

そして、先ほどスキルで手に入れた《D.C.サイバスター》のカードを見る。

「これって…ペンデュラムモンスター??」

 

D.C.(ディメンション・コマンダー)サイバスター

リンク4 攻撃2800 リンク 風属性 機械族

【Pスケール/青3/赤3】

このカード名の(1)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに存在する同じ種族のモンスター3体を墓地へ送ることで発動できる。Pゾーンに存在するこのカードをリンク召喚扱いで特殊召喚する。

【リンカマーカー:右/左/右上/左上】

同じ種族のモンスター2体以上

このカードはルール上、「C.C.」モンスターとしても扱う。

このカードはレベル7のモンスターのP召喚が可能な時、EXデッキの表側表示のこのカードはP召喚できる。

(1):このカードの召喚に成功したとき、その召喚手段によって以下の効果を得る。

●リンク召喚:このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、このカードのリンク先にリンクモンスターが特殊召喚されたときに発動できる。自分フィールドに「ハイファミリアトークン」を2体まで特殊召喚する。

●P召喚:このカードのP召喚に成功したとき、このカードのリンク先にモンスターが存在しない場合に発動できる。相手メインモンスターゾーンに存在するモンスターをすべて除外する。

(2):フィールドのこのカードが墓地へ送られるときに発動できる。自分Pゾーンに存在するカードをすべて破壊し、このカードをPゾーンに置く。

 

ハイファミリアトークン

レベル4 攻撃1500 守備1500 トークン 風属性 機械族

「D.C.サイバスター」の効果で特殊召喚される。

このカードはルール上、「C.C.」モンスターとしても扱う。

 

覇王の加護

永続魔法カード

リンクマーカー【左上/上/右上】

このカードはルール上、「LM」と名の付くカードとしても扱う。

「LM」魔法カードは自分フィールド上に1枚しか存在できない。

このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードはリンク先となっている魔法・罠ゾーンにのみ発動できる。

(2):このカードのリンク先に存在するモンスターは戦闘では破壊されず自分が受ける戦闘ダメージは0となる。

(3):自分のライフポイントが相手より下回っていて、このカードのリンク先に存在する「オッドアイズ」モンスターが相手モンスターを攻撃するときに発動できる。その相手モンスターの効果を無効化し、ダメージステップ終了時まで攻撃モンスターの攻撃力はその相手モンスターの攻撃力分アップする。

(4):このカードがフィールド上から離れた場合に発動する。このカードのリンク先のモンスターをすべて、デッキに戻す。この効果は無効化されない。

 

 

「ペンデュラムリンクモンスターだって!?こんなカード、初めて見たよ!」

誠の発言にいつも通りの口調に戻った侑哉は《D.C.サイバスター》のカードをまじまじと見つめる。

「すごいな…このカード、本当にペンデュラムモンスターとリンクモンスターの両方の性質があるんだな…」

「でも、僕のデッキはリンク召喚特化で、ペンデュラム召喚は使えないから…」

せっかく手に入ったカードで、このカードのおかげでこのデュエルに勝利することができた。

しかし、今の誠のデッキではこのカードを生かし切ることができず、特にペンデュラム召喚した際に発動できるこの効果は条件が厳しいものの、決まると流れをこちらに引き寄せることができる。

「なるほどな…うーん、できれば俺が欲しいくらいだけど、誠が手にいれたカードだしな…あ、そうだ!」

そう言って、侑哉はデュエルディスクを操作し、数枚のカードを手に取る。

「これは…?」

「俺が使っていないペンデュラムカードさ…まぁ、余り物で悪いけどさ、良ければ使ってくれよ」

「そ、そんな…!?いいの!?」

受け取ったカードはどれも見たことのないカードばかりで、そんな貴重なカードをもらっていいのかと考えてしまう。

「構わないよ。誠に使ってほしいんだ」

「それなら…ありがとう…」

「Phantom…!」

侑哉が誠と会話していると、ふと、ブルーエンジェルの声が響いた。

「ブルーエンジェル…お疲れ様、ありがとな、協力してくれて」

「良いわよ、気にしないで…私が好きでやったことなんだし」

そう言って、ブルーエンジェルは侑哉に笑みを向ける。

「…全く、一番の功労者である私には一言もないの?Phantom」

侑哉がブルーエンジェルと会話を交わしていると、今度はゴーストガールが不満げにそう口にする。

「ゴーストガール…確かに、今回はあんたにすごく世話になったな、ありがとう」

実際、今回はゴーストガールが協力してくれたおかげで現実の人々にはほとんど被害が及ばなかったため、侑哉は素直に感謝の気持ちを伝える。

「まぁ、良いわ…今回の事は借しにしておくから、あなたは最初に約束した報酬を渡してね」

「あぁ、わかってるよ」

「うふふ、それじゃあまたね!」

そう嬉しそうに口にしながら、ゴーストガールはログアウトした。

 

 

 

「どうやら終わったらしいな…」

「playmaker!ちょうど良いところに!お疲れ様…一緒に戦ってくれてありがとな」

「…気にするな」

侑哉の感謝の言葉にplaymakerはそう返す。

「そういえば、リボルバーは?」

「あいつは先にログアウトした…」

「そっか…リボルバーにもお礼を言いたかったんだけどな」

今回の戦いでリボルバーが協力してくれなければ、他の皆にもっと負担が掛かっていたかもしれない。

それに、何より敵であるはずの自分達にリボルバーが協力してくれたことが侑哉にとっては嬉しかった。

「…いつかはリボルバーと解りあえると良いんだけどな」

「フッ、そうだな…それじゃあ俺はそろそろ戻る、またな、Phantom…」

そう言って、playmakerの姿が消えていった。

 

 

 

『侑哉!私のこと忘れてない?』

「…忘れてないさ、ありがとな、花恋…お前のおかげで最悪の事態を避けられたよ」

突如として、デュエルディスクから響いた声に侑哉はそう返す。

『まぁね!…でも指揮したのは侑哉だし、私一人の力じゃないわよ』

「確かにそうかもしれないけど、ステージ2に対抗する手段を用意してくれたのは間違いなく花恋だからな…本当にありがとう」

『も、もう!そんな風に褒められたら、さすがに照れるわよ!本当に我が弟ながら、ズルいと思うわ…』

「…?何の話しだ?まぁ、良いか…とにかく、ありがとな花恋

『…ま、まぁ気にしないで!それじゃあ私もそろそろ戻るわね!』

そう言って、花恋は通話を終了した。

 

「誠君!」

「直葉…よかった、無事で」

遅れて誠の元へ戻ってきた直葉を見た誠は彼女の無事を知り、安どする。

直葉も誠の無事な姿を見たことで安心したのか、笑みを浮かべていた。

「ええっと、誠君の中にいるの…シャドー君、だっけ?誠君に力を貸してくれて、ありがとう」

「へっ…俺にとっては迷惑なだけだけどな」

「もう、素直にどういたしましても言えないの?誠君に憑依してもらってないと死んじゃうのに」

直葉の肩の上に現れたミニチュアサイズの《アカシック・マジシャン》がシャドーの恩知らずな発言を責めるが、シャドーは全く意に介していないのか、虫をした。

「ああ、そうだ。《アカシック・マジシャン》。君の名前を決めないと…。《アカシック・マジシャン》だと長いし」

「《アカシック・マジシャン》の名前か…」

誠の話を聞いていた侑哉はそう言いながら、思考する。

「…あ、そうだ!アカネとかどうだ?」

「アカネ…アカネかぁ…!アカネがいい!!」

気に入ったのか、何度も新しい自分の名前を嬉しそうに連呼する。

「じゃあ、これからよろしくね。アカネ」

「うん!直葉!」

「それにしても、これからどうやって帰れば…」

「確かに…そういえば、誠はどうやってこっちの世界に来たんだ?」

侑哉は自身が疑問に思っていたことについて、そう尋ねる。

「それは…侑哉君と初めて会ったお堂に行ったんだ。そうしたら、鏡が光って、この世界に…あ」

説明していると、《D.C.サイバスター》のカードから青色の光が発生し、その光が上空へ飛ぶ。

そして、サーキットの変化すると、その先には馬廻神社の景色が映った。

ステージ2となっていた男性の体が青い光に包まれ、そのままサーキットの向こう側へと飛んでいった。

「おぉ!これで元の世界に戻れるんじゃないか?」

「そうだね…これで侑哉君達ともお別れかな…」

「うん?何言ってるんだよ、まだやり残したことがあるだろ?」

侑哉は笑みを浮かべながら、少し間を置いてこう言った。

「皆でカラオケに行く約束しただろ?忘れたとは言わせないよ」

「覚えててくれた…じゃあ、行こ!!カラオケ!!」

肩の上のアカネが早くカラオケに行きたいのか、キョロキョロと周囲を見渡し、LINKVRAINSにもカラオケがないか探し始める。

「カラオケか…侑哉君、案内してくれるかな?」

「あぁ、任せてくれ…葵も一緒に行こう!」

「うん…!」

葵は嬉しそうな表情をしながら、そう言った。

「ちょーっと待った!私も一緒に行く!」

どこからともなく聞き覚えのある声が響き、そちらに視線を移す。

「花恋…!お前も一緒に行くのか?」

「もちろんよ!ところで、侑哉、葵ちゃん…まさかそのままの姿で行くつもり?」

「まぁ、一応……あっ、そうかさすがにこの姿のままじゃ不味いよな…」

花恋に指摘され、侑哉は自分のミスに気づいた。

侑哉と葵はLINK VRAINSでは有名なデュエリストであるため、そのままの姿でカラオケに行ってしまっては色々とややこしいことになってしまう。

「…仕方ないな、とりあえず姿を変えるか」

侑哉はそう言って、自らの姿を変化させる。

その姿は、フード付きのマントにまるでナスのような髪型をした少年の姿だった。

「これでよし…この姿での名前はユウトで良いかな…葵の方はどうだ?」

そう言って、侑哉が葵の方へと視線を移すと、そこには青いショートヘアーの髪型に、二つのハートがプリントされているボーイッシュな服装を着た葵の姿があった。

「どう…かな?」

「…あぁ、すごく似合ってるよ…いつもの葵も好きだけど、こっちの葵も可愛いよ!」

「…っ!あ、ありがとう…」

葵は少し照れたような表情をしながら、そう言った。

「はいはい、二人ともストップ!本当に、隙あらばイチャイチャしようとするんだから…」

花恋は呆れたような様子でそう呟いた。

「…と、とりあえずカラオケに行こう!さぁ、みんな俺に着いてきてきてくれ」

花恋に指摘されたのが恥ずかしかったのか、侑哉は無理やり話題を変えるようにそう言った。


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