名前:小原 節子(おはら せつこ)
性別:女
年齢:21
誕生日:9月25日
CV(イメージ):高口幸子
国籍:日本
身分:霧山城学園大学 経済学部
趣味:スイーツ巡り
家族構成:両親
好きなデュエリスト:なし
性格:引っ込み思案で気が弱いものの、周囲への配慮がしっかりできる。しかし、酒飲むと暴走する。
好きなお酒:ビール
最近の悩み:酒を飲んだ時に自分が何をしているのか全く覚えていないこと
「あ、あ、あー…。こちら誠。所定ポジションにつきました。遊作君はどうなってますか?どうぞ」
Den City中心部にある高層マンションの葵が住んでいる部屋の1つ下の階についた誠が耳に入れている小型の通信機を起動して連絡する。
マンション付近の路上に止めたトレーラーで待機している草薙はモニターから2人の配置を確認する。
遊作を示すマークが葵の部屋がある階の廊下に到着した。
なお、この高層マンションはセキュリティの都合上、カードキーを持っている人だけしか直接あけることができない。
あとは部屋から操作して開けてもらう必要がある。
2人の場合は、草薙と遊作が作った偽装のカードキーを使って侵入した。
ちなみに、Aiはスピーカーをオフにしているため、しゃべれなくなっている。
「こちら草薙。遊作もポジションについた。2人とも、周囲に異常はないか?どうぞ」
「異常はない」
「こちら誠、僕の周囲に異常はありません、どうぞ」
「よし、相手は誠君の言う通りなら、常識が通用しない。やろうと思えば、力技で入ってくる可能性もある。誠君、必要なら変身して彼を止めるんだ。どうぞ」
「こちら誠…わかりました。どうぞ」
変身については、作戦を開始する前に2人に実際に見てもらっている。
意識を取り戻してから、シャドーの声が聞こえなかったため、できるかどうかは不安だったが、どうやら変身の主導権が誠にあるためか、『変身』というだけで変身することができた。
シャドーのことが心配だが、葵や直葉のことがあり、今は考えないことにした。
(見た限りだと、あのステージ2は空を飛ぶことができる。そうなると…)
問題は相手が直接窓を突き破る形で葵の部屋に突入してくる場合だ。
2人が集めた情報が正しければ、今は彼女の兄である晃は不在で、いるのは葵と彼女の部屋のお手伝いロボットのみ。
ドアや窓には鍵をかけていると思われるが、窓を突き破って入ってきた場合、彼女になすすべはない。
2人には、彼女のいる部屋のドアを開けるための偽装カードキーも持っており、場合によってはそれで開けて中に入ることもできる。
だが、あくまでそれは最終手段であり、仮に葵に見られたら怪しまれ、遊作の正体がばれてしまう恐れがある。
「誠君、遊作の1つ上の階へ行ってくれるか?念のため、そちらのチェックもしてほしい」
「こちら誠、すぐに行きます。どうぞ」
階段を上る誠はあちらこちらに設置されている監視カメラを見る。
本来なら、この監視カメラの情報が警備会社に送られ、不審者である誠や遊作が彼らに連行される可能性があるのだが、今はすべて草薙によってハッキングされている。
警備会社にはダミー映像を送信しているため、ハッキングがばれない限りは彼らからばれることはない。
あとは帰ってくる、もしくは出ていく住民と鉢合わせすることがないように草薙の誘導に従って移動をすればいい。
(それにしても、こんな形で高層マンションに入ることになるなんて…)
誠にとって、このような高層マンションはアニメやドラマの世界での話で、中に入ることも外から見ることもないと思っていた。
彼はまだ将来の進路については何も決めていないものの、少なくとも都会に出るつもりはない。
それが、何の因果か都会であるDen Cityの高層マンションの中にいる。
「うう…」
「誠君、どうした!?」
階段を上る誠は頭痛を覚え、同時に夜空を飛ぶステージ2の姿が目に浮かぶ。
「草薙さん…空から、空からくる…!」
「本当か!?こちらにとって最悪な手段で来たか。誠君、高度と場所は分かるか!?」
ステージ2の高度と場所さえわかれば、あとは高層マンションの構造を元にどこから侵入してくるかを特定することができる。
誠は手すりにつかまって階段をゆっくり上り続け、見えてくる光景から考えようとするが、見えるのは夜空とそこで飛ぶステージ2のみで、高度や場所については分かるはずがない。
「駄目です…。見えてくる光景からは…何も…」
「そうか…。わかった…」
ここまで詳しいことを知ることはできないだろうと薄々わかっていた草薙はどうやって特定するか考え始める。
街中の監視カメラをハッキングしたとしても、そのカメラでは路上を見ることができても上空を見るように調整するのは難しい。
草薙は近くにある段ボールの中にあるカメラ付きのドローンを取り出す。
これは監視カメラがなく、自分たちが立ち入ることができないような場所で上空から現場を視認できるようにするため、もしくはトレーラーからハッキングする際の中継地点として使用するために草薙と遊作の2人で作ったものだ。
操縦自体はトレーラー内にあるパソコン、もしくはノートパソコンからやることができるのだが、問題は操縦できる範囲だ。
まだテストをしたことがなく、役立つかどうかも不透明だが、あのステージ2の高度などを特定するにはこれしか手段が思いつかない。
草薙はトレーラーの天井にある小さなドアを開け、そこからドローンを飛ばした。
上下2台設置されているカメラのおかげで、そのドローンは全方位の状況を見ることができる。
一番可能性が高い、葵のいる部屋の窓がある方角を調べ始める。
「見つけた!高度は…財前葵の部屋へ直進だ!!」
ドローンが特定したステージ2の高度とマンションの構造を比較し、草薙は2人に通信する。
一番近くにいる遊作が偽装カードキーを手にして葵の部屋へ向かう。
カードキーを差し込み、ドアを開くと同時に窓ガラスが割れる音が聞こえた。
「へへへ…ブルーエンジェル、財前葵…すっげー美人だろーなー…」
葵の容姿を想像し、笑みを浮かべるステージ2は部屋の中を見る。
しかし、部屋にはお手伝いロボットを含めて誰もおらず、玄関に遊作の姿を見て、驚きを見せる。
なお、遊作の顔は電気が消えているのと、草薙がどこで用意したのか、黒いマスクで隠されていて、よく見えない。
「な…!?なんでほかの奴がここに!?」
「出て行ってもらうぞ!!」
遊作はステージ2に向けて体当たりし、ベランダへ突き飛ばす。
少し遅れて到着した誠はステージ2の姿を見た瞬間、変身して部屋に入る。
「ゲゲッ!?」
「どいて!!」
遊作がどくと同時に、誠がステージ2に向けて直進し、彼の体を両腕で抑えた状態でベランダから飛び降りる。
「て、てめえ!?」
「さあ…LINKVRAINSへ来るんだ!このまま落ちて死にたくないなら…!!」
翼を動かせないステージ2は飛んで逃げることができない。
精霊に憑依され、身体能力が高まっているとはいえ、このまま地表に落下したらただでは済まない。
おまけに、彼も地表に落ちることは承知の上なのか、腕の力を緩める気配がない。
下手をしたら死んでしまうにもかかわらず。
「誠!!」
落ちていく2人を見た遊作もベランダから飛び降りる。
「遊作!誠君!」
ドローンからその光景を見た草薙が叫ぶ。
「くっそおお!!Into The VRAINS!!」
「「Into The VRAINS!!」」
3人は叫ぶと同時にデュエルディスクから発生する光に包み込まれ、地表ギリギリのところで姿を消した。
「今の音は何!?」
遊作が飛び降りた数秒後、バスタオルで身を包んだ茶色いボブヘアーの少女が居間に走ってくる。
髪が濡れていて、体から湯気が出ていることから、入浴中だったことがわかる。
彼女があのステージ2が狙っていた財前葵だ。
しかし、来たときにはガラスが砕けているだけで、だれもいなくなっていた。
「何が…起こったの??」
なぜこのようなことが起こったのか、理解できない葵は頭を傾げることしかできなかった。
「はあ、はあ…」
LINKVRAINSのスラム街上空に3人が現れ、ジェミニとプレイメーカーが下に現れたDボードの上に乗る。
「てめえら…よくも俺様の邪魔をしてくれたなぁ!!」
翼を動かし、上空を逃げるように飛ぶステージ2は叫ぶ。
新しいコレクションをあと少しで手に入れることができたのに、邪魔をされてしまったことが腹立たしい様だ。
デュエルディスクを展開し、ギロリと2人を見る。
「こうなったら、てめえらを俺様、ジャックドーの奴隷にしてやる!!プレイメーカー、ジェミニぃ!」
「ジャックドー…烏か」
「プレイメーカー…いいの?これはたぶん、ハノイの騎士とは…」
ジェミニの知っているプレイメーカーはハノイの騎士と関係しないデュエルには積極的にかかわらない。
彼の知り合いである葵を助けた時点で、プレイメーカーには戦う理由がない。
しかし、プレイメーカーはデュエルディスクを展開し、すぐにデュエルができる状態を整える。
「乗り掛かった船だ。付き合ってやる」
「なーに、ヒーロー気取りなことを言ってやがんだ…!!あー、だったらいっぺんに相手になってやる!ただし、てめえらはフィールドを共有し、俺はライフ8000から!!おまけに俺様は2種類のスキルをそれぞれ1回ずつ使用できる。それでいいな!」
「かまわない。…待っていて、リーファ…」
彼のデータバンクの中に眠っていると思われるリーファの身を案じながら、ジェミニはデュエルディスクを展開する。
「「デュエル!!」」
プレイメーカー&ジェミニ
手札
プレイメーカー4
ジェミニ4
LP4000
ジャックドー
手札4
LP4000
「先攻は俺がもらう!」
「お、初めてかもな!プレイメーカー様が先攻を取るの!」
「俺は手札から《ドラコネット》を召喚」
水色のドラゴンを模したチェスの駒と思わせるような、手足のない2枚羽根のモンスターが現れる。
ドラコネット レベル3 攻撃1400(1)
「このカードの召喚に成功したとき、手札・デッキからレベル2以下の通常モンスター1体を特殊召喚できる。俺はデッキから《ビットロン》を特殊召喚」
ビットロン レベル2 守備2000(2)
「更に俺は手札から魔法カード《ポーティング》を発動。手札のサイバース族モンスター1体を除外し、デッキからカードを2枚ドローする。俺は手札の《ドットスケーパー》を除外し、カードを2枚ドローする。そして、除外された《ドットスケーパー》の効果発動!このカードが除外されたとき、1度だけこのカードを特殊召喚できる」
ドットスケーパー レベル1 守備2100(3)
ポーティング
通常魔法カード
(1):手札のサイバース族モンスター1体を除外して発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。
「現れろ、未来を導くサーキット!」
サイバース族モンスター3体をフィールドにそろえたプレイメーカーがサーキットを生み出し、モンスターが飛び込んでいく。
「アローヘッド確認!召喚条件はサイバース族モンスター2体。俺は《ビットロン》と《ドラコネット》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《ハニーボット》!」
ハニーボット リンク2 攻撃1900(EX1)
「再び現れろ、未来を導くサーキット!アローヘッド確認!召喚条件は効果モンスター2体以上。俺は《ハニーボット》、《ドットスケーパー》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク3!《デコード・トーカー》!」
サーキットが光り、その中から《デコード・トーカー》が出現した。
デコード・トーカー リンク3 攻撃2300(EX1)
「へっ…せっかく特殊召喚したリンクモンスターが攻撃力たかが2300…。俺を舐めてんのか?」
「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
プレイメーカー&ジェミニ
手札
プレイメーカー4→1
ジェミニ4
LP4000
場 デコード・トーカー リンク3 攻撃2300(EX1)
伏せカード2(2)(3)
ジャックドー
手札4
LP4000
場 なし
「無視しやがって…この俺様をバカにしてんのか、あぁ!?」
ギョロリと目を大きく開き、プレイメーカーを見る。
しかし、そんなことを意に介する様子を見せないプレイメーカーはじっとフィールドを見続けていた。
「ああ、いいぜ…。だったら、たっぷりと思い知らせてやるからよぉ!!俺様のターン!!」
ジャックドー
手札4→5
「俺は手札から《BF-上弦のピナーカ》を召喚」
BF-上弦のピナーカ レベル3 攻撃1200(チューナー)(1)
「チューナーモンスター…」
チューナーモンスターを召喚したということは、リボルバーとのデュエルで見せたシンクロ召喚を行う可能性があるうえに、展開によってはリンク召喚する可能性もある。
現在、ジャックドーのフィールドでエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できる場所は《デコード・トーカー》のリンク先である(3)ともう一つのエクストラモンスターゾーン。
リンクモンスターを介さなくても、最低2体のシンクロモンスターを召喚できる余裕がある。
「そして、このカードは俺様のフィールドにBFがいるとき、手札から特殊召喚できる。《BF-白夜のグラディウス》と《黒槍のブラスト》を特殊召喚!」
BF-白夜のグラディウス レベル3 攻撃800(3)
BF-黒槍のブラスト レベル4 攻撃1700(2)
「見せてやるぜぇ…俺様だけの力をなぁ!!俺はレベル3の《白夜のグラディウス》にレベル3の《上弦のピナーカ》をチューニング!!」
「来るか…」
シンクロモンスターの登場を予測し、プレイメーカーとジェミニは身構える。
彼のデュエルで登場したシンクロモンスターはレベル7の《BF-アーマード・ウィング》1体のみ。
レベル6のシンクロモンスターに何があるのか、今の2人には想像できない。
「シンクロ召喚!《BF-星影のノートゥング》ぅぅぅ!!」
BF-星影のノートゥング レベル6 攻撃2400
「《ノートゥング》の効果発動ぉ!こいつの特殊召喚に成功したとき、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を800ダウンさせ、相手に800ダメージを与える!さあ、もだえ苦しむ姿を見せてくれよなぁ!!」
《BF-星影のノートゥング》が剣を《デコード・トーカー》に向けて投げつける。
《デコード・トーカー》は両手で握っているプリズム状の刀身の大剣を構え、投げられた剣を受け止める。
しかし、その隙に《BF-黒槍のブラスト》が回転しながら突撃してくる。
両手がふさがった《デコード・トーカー》はやむなく足で蹴り飛ばしてしのぐが、わずかに両手の力が緩んだのをみこした《BF-星影のノートゥング》が投げた剣を手に取り力任せに振り下ろした。
剣を落とし、胴体にダメージを負った《デコード・トーカー》は手で体を抑える中、《BF-星影のノートゥング》はプレイメーカーを切りつけた。
「く…!!」
プレイメーカー&ジェミニ
LP4000→3200
デコード・トーカー リンク3 攻撃2300→1500(EX1)
「アハハハ!!エースモンスターに傷をつけてやったぜぇ!!」
「俺は永続罠《エクストラ・リコード》を発動!俺のフィールドにコード・トーカーが存在し、相手がエクストラデッキからモンスターの特殊召喚に成功したとき、このカードにリコードカウンターを1つ置く」
プレイメーカーのそばにノートパソコンが現れ、ディスプレイに1の数字が大きく表示される。
エクストラ・リコード(永続罠) リコードカウンター0→1(3)
「はぁ?リコードカウンター?そんなモン、知らねーよー。《星影のノートゥング》の効果発動ぉ!こいつが存在する限り、俺は通常召喚に加えて、もう1度だけ手札からBFを召喚できる!《隠れ蓑のスチーム》を召喚!」
BF-隠れ蓑のスチーム レベル3 攻撃800(チューナー)(1)
「俺はレベル4の《黒槍のブラスト》にレベル3の《隠れ蓑のスチーム》をチューニングぅぅぅぅ!!シンクロ召喚!《ABF-驟雨のライキリ》ぃぃぃぃ!!!」
ABF-驟雨のライキリ レベル7 攻撃2600(チューナー)(EX2)
「またシンクロモンスターが…!それに、《アーマード・ウィング》じゃない…!」
「うろたえるな。俺は《エクストラ・リコード》の効果発動。リコードカウンターを1つ置く」
エクストラ・リコード(永続罠) リコードカウンター1→2(3)
「更に、《隠れ蓑のスチーム》の効果発動ぉぉぉ!!表側表示のコイツがフィールドを離れたとき、《スチームトークン》1体を特殊召喚できる!!」
スチームトークン レベル1 守備100(2)
「そしてぇぇ…《驟雨のライキリ》の効果発動ぉぉ!!1ターンに1度、俺様のフィールドに存在するこいつ以外のBFの数だけ、相手フィールドのカードを破壊するぅ!俺様の場所をくれてありがとなぁ…《デコード・トーカー》ぁ!!」
上空に発生した雷雲から落ちてきた雷を刀で受け止めた《ABF-驟雨のライキリ》がそれを横薙ぎに振るい、《デコード・トーカー》を真っ二つに切り裂く。
切り裂かれた《デコード・トーカー》は消滅し、発生した突風がプレイメーカーとジェミニを襲う。
「うわあああ…くぅ…」
「…」
突風を両腕を使って防御するジェミニに対して、プレイメーカーは何も動きを見せなかった。
「ちっ…エースモンスターをぶっ倒してやったってのに、スカした顔を見せやがって…。俺のフィールドには攻撃力2400の《月影のノートゥング》と攻撃力2600の《驟雨のライキリ》がいるんだぜ?このまま1ターンキルして、お前らは終わりだ。あ…まさか、もう負けるってわかってて放心状態か!?ダァ、ハハハハハハ!!!」
腹を抱えて爆笑するジャックドー。
まるで自分がもう勝ちが決まったと思っているかのような態度だ。
「御託は言い。さっさとターンを進めろ」
「おいおい!せっかく召喚した《デコード・トーカー》が破壊されたじゃねえか!!このまま1ターンキルかよぉ!?」
Aiが体を出し、両手で頬を抑えながら焦りを見せる。
せっかく召喚した《デコード・トーカー》を失い、相手フィールドには2体のシンクロモンスター。
このままダイレクトアタックを受けたら、敗北してしまう。
「へいへい。だったら、そうさせていただきますよぉ!!カードを1枚伏せて、バトルぅ!《驟雨のライキリ》でダイレクトアタックぅぅぅ!!」
《ABF-驟雨のライキリ》が電気のない刀を手に、2人に向けて突撃する。
「俺は罠カード《リコーテッド・アライブ》を発動。俺のフィールド・墓地に存在するリンク3のサイバース族リンクモンスター1体を除外し、エクストラデッキからコード・トーカー1体を特殊召喚できる。俺は《デコード・トーカー》を除外!現れろ、リンク3!《エンコード・トーカー》!!」
《デコード・トーカー》と似た構造で、青白い色彩の鎧を身にまとい、右手に同じ色彩の盾を装備した戦士が現れ、刀を受け止める。
エンコード・トーカー リンク3 攻撃2300(EX1)
「なーにが《エンコード・トーカー》だぁ!攻撃力2300程度が、《ライキリ》の敵じゃあねえんだよぉ!」
「更に俺は《エクストラ・リコード》の効果発動!俺のフィールドにコード・トーカーが特殊召喚されたとき、このカードを墓地へ送ることで、乗っているリコードカウンターと同じ数のリンク数を持つサイバース族リンクモンスター1体をリンク召喚扱いで特殊召喚できる。現れろ、リンク2!《フレイム・アドミニスター》!」
《エクストラ・リコード》が炎に包まれ、その中から名前の通り炎をモチーフとしたライオンのような爪と飾りを持つおもちゃのような人型ロボットが現れる。
フレイム・アドミニスター リンク2 攻撃1000(1)
エクストラ・リコード
永続罠カード
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):「エクストラ・リコード」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
(2):自分フィールドに「コード・トーカー」モンスターが存在し、相手がEXデッキからモンスターの特殊召喚に成功したとき、このカードの上にリコードカウンターを1つ置く。(最大3つまで)
(3):自分フィールドに「コード・トーカー」モンスターが特殊召喚されたとき、フィールドに存在するこのカードを墓地へ送り、EXデッキに存在するこのカードの上に置かれたリコードカウンターの数と同じリンク数のサイバース族リンクモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを自分フィールドにリンク召喚扱いで特殊召喚できる。
「《フレイム・アドミニスター》の効果発動!このカードが存在する限り、自分フィールドのリンクモンスターの攻撃力は800アップする」
フレイム・アドミニスター リンク2 攻撃1000→1800(1)
エンコード・トーカー リンク3 攻撃2300→3100(EX1)
「くっそぉ!!だったら、《フレイム・アドミニスター》を攻撃だぁ!!」
《エンコード・トーカー》の盾の前には攻撃は無力と知った《ABF-驟雨のライキリ》は新たに出現した《フレイム・アドミニスター》を刀で突き刺そうとする。
しかし、そのモンスターの前に瞬間移動した《エンコード・トーカー》が盾で再び攻撃を受け止める。
「何!?」
「《エンコード・トーカー》の効果。1ターンに1度、このカードのリンク先の自分のモンスターが自身よりも攻撃力の高いモンスターと戦闘を行うとき、そのモンスターは戦闘では破壊されず、その戦闘で発生する俺へのダメージが0となる」
《ABF-驟雨のライキリ》がジャックドーの元へ戻り、《エンコード・トーカー》によって守られた《フレイム・アドミニスター》が青白いオーラを纏う。
「更に、戦闘を行った相手モンスターの攻撃力をターン終了時まで、このカードかリンク先のモンスターに加える」
フレイム・アドミニスター リンク2 攻撃1800→4400(1)
「ちっくしょお!!これじゃあ攻撃できねーじゃねえか!!!ふざけやがってぇぇぇ!!俺はこれで、ターンエンドだぁ!!《ピナーカ》の効果で、俺はデッキから《疾風のゲイル》を手札に加える!!」
プレイメーカー&ジェミニ
手札
プレイメーカー1
ジェミニ4
LP3200
場 エンコード・トーカー リンク3 攻撃3100(EX1)(《フレイム・アドミニスター》、《BF-月影のノートゥング》とリンク)
フレイム・アドミニスター リンク2 攻撃4400→1800(1)
ジャックドー
手札4→1(《BF-疾風のゲイル》)
LP4000
場 ABF-驟雨のライキリ レベル7 攻撃2600(EX2)
スチームトークン レベル1 守備100(1)
BF-月影のノートゥング レベル6 攻撃2400(3)
伏せカード1(2)
(すごい…2体のシンクロモンスターの攻撃をしのいだだけじゃなくて、2体のリンクモンスターを召喚した)
ジャックドーの《ABF-驟雨のライキリ》の効果の選択ミスの影響があったとはいえ、リンク先のモンスターを守り、強化する効果のある《エンコード・トーカー》とリンクモンスターをパワーアップする《フレイム・アドミニスター》を残したジェミニにターンを回したプレイメーカーの動きに舌を巻く。
次は此方がプレイメーカーのデュエルに応える番だ。
「僕のターン、ドロー!」
ジェミニ
手札4→5
「僕はカードを1枚伏せて、手札から《C.C.ハウンドドッグ》を召喚!」
C.C.ハウンドドッグ レベル2 攻撃800(2)
「更に、このカードは僕のフィールド上にC.C.が存在するとき、手札から特殊召喚できる。《C.C.リザード》を特殊召喚!」
C.C.リザード レベル1 攻撃300(3)
「そして、現れろ。星を繋ぐサーキット!」
ジェミニの目の前にサーキットが出現し、その中へ先ほど召喚した2体のモンスターが飛び込んでいく。
「アローヘッド確認。召喚条件はC.C.1体以上。僕は《ハウンドドッグ》と《リザード》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《C.C.ガンレオン》!」
C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000(2)
「《フレイム・アドミニスター》の効果で、《ガンレオン》の攻撃力はアップ!」
C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000→2800(2)
「更に、《リザード》の効果発動!このカードをC.C.リンクモンスターの素材として墓地へ送ったとき、相手フィールド上に《リザードテイルトークン》1体を守備表示で特殊召喚する!」
リザードテイルトークン レベル1 守備2000(2)
「バトル!僕は《ガンレオン》で《驟雨のライキリ》を攻撃!レンチ・スマッシュ!!」
《C.C.ガンレオン》が巨大なレンチを砲丸投げのように《ABF-驟雨のライキリ》に向けて投げつける。
巨大な質量の物体が飛んできて、刀ではしのげないと考えたのか、上昇して回避したが、それを見計らっていたのか、《C.C.ガンレオン》も上昇し、彼に肉薄する。
そして、赤く発光した右ストレートを顔面にさく裂させる形で撃破した。
「ウオオオオ!?」
ジャックドー
LP4000→3800
「更に、《ガンレオン》の効果発動!このカードが特殊召喚された相手モンスターを戦闘で破壊したとき、墓地のC.C.1体を特殊召喚できる。僕は《C.C.リザード》を特殊召喚!フレイムレペア!」
墓地からサルベージされた残骸を《C.C.ガンレオン》がスパナを使って修理をはじめ、《C.C.リザード》に戻した。
C.C.リザード レベル1 守備200(3)
「そして、《フレイム・アドミニスター》で《月影のノートゥング》を攻撃!同時に、《エンコード・トーカー》の効果発動!その戦闘による破壊から《フレイム・アドミニスター》を守り、戦闘ダメージを0にする!」
《フレイム・アドミニスター》の頭部から火炎が発射され、それを受けた《BF-月影のノートゥング》が怒りを覚えたのか、彼に向けて剣を投げつける。
その剣を《エンコード・トーカー》が盾で受け止めると、盾から剣が飛び出す。
「そして、《エンコード・トーカー》の攻撃力を相手モンスターの攻撃力分アップさせる!」
エンコード・トーカー リンク3 攻撃3100→5500
「《エンコード・トーカー》で《月影のノートゥング》を攻撃!ファイナルエンコード!!」
ジャックドーを倒せるだけの攻撃力を手に入れた《エンコード・トーカー》が剣で《BF-月影のノートゥング》を真っ二つに切り裂く。
切り裂かれたモンスターは爆発し、爆風はジャックドーを包もうとする。
「これで…!!」
「甘えんだよぉぉぉ!!俺様はスキル、BFフェイクダメージを発動!!俺様がBFとの戦闘でダメージを受けるとき、そのダメージを0にし、俺様のフィールドに存在するBF以外のモンスターをすべて破壊する!!」
爆風が彼の周囲に発生した黒い風によって吹き飛ばされ、同時に2体のトークンも消滅する。
「更に!!俺が受けるはずだったダメージ以下の攻撃力を持つBFシンクロモンスター1体をメインモンスターゾーンにシンクロ召喚できる!!俺様が召喚するのはぁ…《BFT-漆黒のホーク・ジョー》!!」
黒い風が集まっていき、その姿が《BFT-漆黒のホーク・ジョー》へと変わっていった。
BFT-漆黒のホーク・ジョー レベル7 攻撃2600(3)
「うげげ!?あいつ、そんなスキルを持ってたのか!?」
「アハハハハハ!!!こいつの召喚を助けてくれてありがとうなぁ…間抜け野郎!!」
「僕はこれで…ターンエンド。《エンコード・トーカー》の効果は終了するよ」
本来なら、《C.C.ガンレオン》と《C.C.リザード》で《C.C.ジェニオン》をリンク召喚するはずだった。
だが、メインフェイズ2のないスピードデュエルでは不可能だった。
プレイメーカー&ジェミニ
手札
プレイメーカー1
ジェミニ5→2
LP3200
場 エンコード・トーカー リンク3 攻撃5500→3100(EX1)(《フレイム・アドミニスター》、《C.C.ガンレオン》、《BFT-漆黒のホーク・ジョー》とリンク)
フレイム・アドミニスター リンク2 攻撃1800(1)
C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2800(2)
C.C.リザード レベル1 守備200(3)
伏せカード1(2)
ジャックドー
手札1(《BF-疾風のゲイル》)
LP3800
場 リザードテイルトークン レベル1 守備2000(1)
BFT-漆黒のホーク・ジョー レベル7 攻撃2600(3)
伏せカード1(2)
「俺の…ターーーーン!!!」
ジャックドー
手札1→2
「俺のエースモンスターを出してくれたお礼をしてやるぜ!俺はもう1つのスキル、コピー・フェザーを発動!!」
ジャックドーの黒羽が舞い散り、それが4人のハノイの騎士へと姿を変えていく。
黒いオーラを纏い、4人はジェミニとプレイメーカーを囲むように布陣する。
「これは…!?」
「こいつは俺が吸収したデュエリストをこうして召喚して、味方としてデュエルに参戦させることができるってわけだぁ。ま、本当はもっとたくさんいるけどなぁー…」
召喚された4人を見たプレイメーカーは舌打ちする。
ハノイの騎士とは何度もデュエルをしてきて、倒してきたが、4人いっぺんに、おまけにジャックドー共々相手をすることになると、さすがの彼でも分が悪い。
「さあ…奴隷ども、俺様のために働…」
「奴らの相手は私がやる!!」
「何!?その声は…!」
声が聞こえた後方に目を向ける。
後方から、Dボードに乗ったリボルバーが猛スピードで此方に接近してきて、4人のハノイの騎士がリボルバーの元へ集まっていく。
「な…てめえら!?何離れてんだ!?戻ってきやがれ!!」
「デコイに反応している…。どうやら、操られているわけではなく、AIにデータをコピーしているだけか」
「リボルバー…何をしに来た?」
リボルバーをにらむように見ながら、プレイメーカーは詰問する。
デュエルディスクを展開したリボルバーに彼を見て、数秒間隔を置いてから話し始める。
「プレイメーカー、貴様はわれらハノイの騎士の敵だ。だが、今の奴は貴様よりも脅威だと判断した。今回だけは貴様に塩を送ってやる」
そう言い残すと、リボルバーは高度を上げ、別の場所へと飛んでいく。
そんな彼に釣られるように、ハノイの騎士たちもついていってしまった。
「あーあ、せっかく召喚した味方が行っちゃった行っちゃった!ほーら、ほら!どうすんの?寂しがりやさーん!」
お尻を振り、馬鹿にするように笑いながらジャックドーを見る。
ジャックドーも先ほどのことが計算外でショックだったのか、沈黙していた。
「ちっ…ペチャクチャペチャクチャ変な声が聞こえて、寝れねーぜ…」
「その声は…シャドー?」
頭に響く、不快感を全開に引き出した声にジェミニは驚く。
変身できることと、自分が生きていることから、シャドーがいなくなったわけではないということは分かっているが、それでも声を聞くことができなかったことから、少し心配していた。
だから、驚きの後から安心も感じ始めていた。
「ああ、そうだよ!!何うるさい奴と一緒にいやがる!俺は回復のために寝てたんだぞ!?」
「悪かったよ…だけど、うれしいよ」
「うれしい…だと??」
互いに命を保つために、やむなく憑依し、憑依されているだけで信頼関係がないと思っていたシャドーはジェミニの言葉に戸惑いを覚えた。
「だって…いなくなったわけじゃないってことだよね?それがうれしくて…」
「…ちっ、だったらさっさとこのデュエルを終わらせて休ませろ」
「うん…」
ジェミニもこのデュエルを長続きさせるつもりはない。
早く勝利し、直葉と共に現実世界へ帰らなければならない。
しかし、ジャックドーはデッキトップに指をかけることなく、ブツブツと何かをしゃべっている。
「うわあ、あいつブツブツブツブツ何か言ってるー。もしかして、スキルが不発したから気が狂ったとかー?」
「ありえるな」
「え…!?初めてプレイメーカー様が俺の言葉に賛成してくれたー!!」
普段なら黙っていろ、というような否定的な言動を見せるプレイメーカーが自分に賛同してくれたのが珍しく、そのことがうれしいのか、Aiは嬉しそうになる。
「リボルバーって人のデュエルをしたときも、同じような状態になってたよ。もしかしたら…」
「俺の…ターン…」
ジャックドー
手札1→2
ドローしたカードをギョロリと目玉を動かしながら見たジャックドーは体を震わせ始める。
「…ヘ、ヘヘヘ、へ…」
低く、不気味な笑い声が聞こえ、ジェミニたちの背筋が寒く感じ始める。
「こいつ、よっぽど憑依されている精霊に好かれてるみたいだぜ。ビンビンにプレッシャーが伝わってくる」
「プレッシャー…??」
「てめえも感じてるじゃねえか。手を見ろ」
シャドーの言葉に従うように、ジェミニは自分の左手を見る。
彼の言う通り、無意識に感じ取っているせいか、震えていた。
「へへへ…大丈夫。こんなの、俺様に取っちゃあピンチでもなんでもねーぜぇ…へへへ…ギャハハハ!!」
急に大笑いを始めるジャックドーは後ろを向き、《BFT-漆黒のホーク・ジョー》を見る。
「俺様は《漆黒のホーク・ジョー》の効果発動!1ターンに1度、墓地からレベル5以上の鳥獣族モンスター1体を特殊召喚できるぅ!俺様は墓地から《ABF-驟雨のライキリ》を特殊召喚んん!!」
《BFT-漆黒のホーク・ジョー》が右手を天に掲げる。
底から発生するブラックホールから、《ABF-驟雨のライキリ》が舞い降りてきた。
ABF-驟雨のライキリ レベル7 攻撃2600(2)
「更にぃ、墓地の《隠れ蓑のスチーム》の効果発動ぉ!こいつは自分フィールドのモンスター1体をリリースすることで、1度だけ復活できる!」
《リザードテイルトークン》が水蒸気に包まれていき、その中から《BF-隠れ蓑のスチーム》が飛び出した。
BF-隠れ蓑のスチーム レベル3 攻撃800(チューナー)(1)
「フィールドに《驟雨のライキリ》が戻り、それ以外のBFが2体…。ということは!!」
「はい!大正解ーー!!《驟雨のライキリ》の効果発動ぉぉ!!《エンコード・トーカー》と《フレイム・アドミニスター》を破壊だぁーー!!」
《ABF-驟雨のライキリ》が刀を天に掲げ、雷雲を召喚する。
真っ黒な雷雲から次々と雷が落ちてきて、雷を受けた《エンコード・トーカー》と《フレイム・アドミニスター》が消滅する。
それだけでは飽き足らないのか、雷雲は存在し続け、不規則に雷を落とし続ける。
「ああーーー!!うるせえ!!俺を眠らせないつもりか!?この馬鹿野郎はぁ!」
安眠妨害の雷に腹を立てるシャドーだが、唯一その声を聞くことができるジェミニにそれを聞く余裕はない。
ゆっくりと唾をのみ、心の中の恐怖を押しとどめる。
「《フレイム・アドミニスター》がいなくなったことで、《ガンレオン》の攻撃力が下がる」
C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2800→2000(2)
「まーだまだ、終わらねーぜー。現れろぉ…俺様を導くサーキットォ!!」
雷を気にせずに、ジャックドーは右手に召喚した黒羽根を正面に向けて投げつける。
羽根に雷が落ちると、それがサーキットに変化する。
「アローヘッド確認!召喚条件はBFシンクロモンスター2体。俺様は《漆黒のホーク・ジョー》と《驟雨のライキリ》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!!リンク召喚!!現れろぉ…漆黒の翼を翻し、馬鹿どもを奈落へ落とす大砲!!リンク2!《LBF-アームストロング・ウィング》ぅ!」
2体のシンクロモンスターが飛び込んだサーキットが黒羽根に包み込まれ、その中から体の8割以上が機械化した、両腕が大砲、義足となっている右足にガトリングガンを内蔵し、両足にミサイルランチャーを装備したフルアーマーのBFが現れる。
LBF-アームストロング・ウィング リンク2 攻撃2600(EX1)
「シンクロモンスターを素材としたリンクモンスター…」
「うげえ、リンクが低い癖に攻撃力が高いぜー…」
やはり、強力なシンクロモンスターを素材として要求するだけあって、ステータスが高く設定されているが、それだけならよかったと思える事態になっていくのがお約束だ。
「《アームストロング・ウィング》の効果発動ぉ!俺様のフィールドにBFチューナーが存在するとき、墓地のBF1体を特殊召喚できる。俺様が特殊召喚するのは、《BF-黒槍のブラスト》ぉ!!」
右腕の大砲から黒い弾丸が発射され、それが爆発すると、中から《BF-黒槍のブラスト》が飛び出す。
BF-黒槍のブラスト レベル4 攻撃1700(2)
「そしてぇ、特殊召喚したモンスターと俺のフィールドのBFチューナーを素材にシンクロ召喚を行う!!俺様はレベル4の《黒槍のブラスト》にレベル3の《隠れ蓑のスチーム》をチューニングぅ!!さあ、てめえら…。俺様だけの特別カードを見ろぉ!!シンクロ召喚!《ABF-涙雨のチドリ》!!」
ABF-涙雨のチドリ レベル7 攻撃2600(チューナー)(2)
「また新たなシンクロモンスターを…」
攻撃力とレベルは先ほどの《ABF-驟雨のライキリ》と同じだが、問題はモンスター効果だ。
《ABF-驟雨のライキリ》ですら、プレイメーカーの2体のリンクモンスターを破壊するほどの効果を持っていた。
それと同等のレベルの効果を持っていても、不思議ではない。
「こいつの攻撃力は…俺様の墓地のBFの数×300アップする。俺の墓地のBFは7体!!」
ABF-涙雨のチドリ レベル7 攻撃2600→4700(チューナー)(2)
「攻撃力4700!?」
「まーだ驚くのは早いぜー?こいつは俺のフィールド上にBFが存在するとき、手札から特殊召喚できる。俺は《BF-疾風のゲイル》を特殊召喚!!」
BF-疾風のゲイル レベル3 攻撃1300(1)(チューナー)
「《疾風のゲイル》の効果発動ぉ!!1ターンに1度、相手モンスター1体の攻撃力・守備力を半分にできる!!」
《BF-疾風のゲイル》の両翼から発生する強風によって、《C.C.ガンレオン》は体勢を崩してしまう。
C.C.ガンレオン リンク2 攻撃2000→1000(2)
「更にぃ、《アームストロング・ウィング》の効果発動ぉ!1ターンに1度、俺のフィールド上にBFチューナーの召喚・特殊召喚に成功したとき、相手フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を破壊するぅ!!」
右腕の大砲がリロード中なのか、《LBF-アームストロング・ウィング》のもう片方の腕から今度は黒い散弾が発射される。
散弾で穴だらけになった伏せカードは消滅しようとする。
「罠発動!《ダメージ・ダイエット》!!このターン、僕たちが受けるダメージを半分にする!」
「クハハハハ!!これで、安心してとどめを刺せる!!華麗な逆転ができる俺ってすげー…ギャハハハハハ!!!」
「うう…」
ジェミニは墓地にある《リコーデッド・アライブ》を見る。
このカードを除外することで、除外されている《デコード・トーカー》を特殊召喚することができる。
しかし、《BF-疾風のゲイル》の効果で攻撃力が半分になった《C.C.ガンレオン》では《ABF-涙雨のチドリ》の一撃を受けただけで1850のダメージを受けることになる。
おまけに、《BF-疾風のゲイル》と《LBF-ターレット・ウィング》の攻撃もあり、そのうちの《LBF-ターレット・ウィング》の攻撃力は《デコード・トーカー》を上回っている。
プレイメーカーの手札が1枚。
たとえ、このターンを生き延びたとしても、少なくともモンスターを1体でも残さなければどうにもならない。
「それじゃあ、確実にとどめをさせるようにしねーとなー…。魔法カード《死者蘇生》を発動!!墓地から《BF-月影のノートゥング》を特殊召喚!!」
BF-月影のノートゥング レベル6 攻撃2400(3)
ABF-涙雨のチドリ レベル7 攻撃4700→4400(2)
「さあ、もういっぺん受けろぉ!!《ノートゥング》の効果をぉ!!」
《BF-月影のノートゥング》が剣をブーメランのように投げつける。
それがジェミニを切り裂いたあと、今度は《C.C.ガンレオン》を切り裂いていった。
「うわああ!!《ダメージ・ダイエット》の効果で、ダメージが半分に…!」
プレイメーカー&ジェミニ
LP3200→2800
C.C.ガンレオン リンク2 攻撃1000→200(2)
「さーーあ、どんな悲鳴を上げてくれますかねぇー?バトルぅ!《ABF-涙雨のチドリ》で《ガンレオン》を攻撃ぃ!!」
《ABF-涙雨のチドリ》が弱り切った《C.C.ガンレオン》を一撃で真っ二つにする。
《C.C.ガンレオン》が大爆発を起こし、爆風がジェミニを襲う。
「うわああああ!!!」
プレイメーカー&ジェミニ
LP2800→700
「更に、《疾風のゲイル》で《C.C.リザード》を攻撃ぃ!!」
《BF-疾風のゲイル》が風を起こし、風を受けた《C.C.リザード》が吹き飛ばされ、消滅する。
「さあ、こいつでとどめだぁ!!《月影のノートゥング》でダイレクトアタックぅ!!」
《BF-月影のノートゥング》が剣を再びジェミニに向かって投げつける。
剣が彼に接触した瞬間、その場で爆発が起こった。
「ギャハハハハハ!!俺の勝ちだぁー!!」
爆発を見たジャックドーは勝ち誇ったように高笑いを始める。
だが、その高笑いはすぐに収まった。
「おいおい、何だよ…?もうデュエルは終わっただろ?なんでモンスターが消えねーんだ…?」
「はあ、はあ…悪いけど、デュエルはまだ…終わってないよ…」
「はぁ!?」
爆煙の中からプレイメーカーとジェミニが飛び出してくる。
剣を受け、体が若干ふらついているジェミニだが、どうにか落ちずに済んでいた。
プレイメーカー&ジェミニ
LP700→1
「はぁ!?なんでライフが1残るんだよ!?《月影のノートゥング》のダイレクトアタックによる1200のダメージで終わっただろ!?」
「僕のスキル…Star Access…。相手によってライフが0になるダメージを受けるとき、1度だけライフが1残る…。そして、LINKVRAINSからカードを1枚アクセスする…。その代り、僕のフィールドのカードは全滅するけど…もう、カードがないから、関係ない…よね…?」
爆煙の中、手の中に現れたカードを見ながらつぶやく。
「な、な、何だぁ!?そのインチキスキルはぁ!?」
「そのインチキスキルを最初に使ったお前のセリフとは思えないな。さあ、まだデュエルは続いているぞ」
「くそぉ…だったら、こいつで終わりにしてやる!!《アームストロング・ウィング》でダイレクトアタック!!」
手札に加わったカードが何かは分からないが、まだ《LBF-アームストロング・ウィング》の攻撃が残っており、2人のフィールドにはカードがない。
この攻撃が決まれば、どのみちこちらの勝利で終わる。
《LBF-アームストロング・ウィング》の両腕の大砲から黒い徹甲弾が発射される。
「今だ、ジェミニ!!」
「うん、僕は手札から罠カード《CC:テレポート》を発動!!特殊召喚された相手モンスターの攻撃力が僕のライフを上回っている状態でダイレクトアタックをするとき、僕のフィールドにカードがない場合にこのカードは手札から発動できる。その攻撃を無効にする!」
ジェミニとプレイメーカーがジャックドーの前へ瞬間移動をし、徹甲弾による攻撃を回避する。
「何ぃぃ!?」
「更に、エクストラデッキから《C.C.ジェニオン》をリンク召喚できる!」
C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(EX3)
CC:テレポート
通常罠カード
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):特殊召喚された相手モンスターの直接攻撃宣言時、そのモンスターの攻撃力が自分のLP以上の場合に発動できる。その攻撃を無効にする。その後、EXデッキから「C.C.ジェニオン」1体をリンク召喚扱いで特殊召喚できる。
(2):自分フィールドにカードがない場合、このカードは手札から発動できる。
「ぐうう…。てめえら、ふざけるんじゃねえええ!!俺はこれで、ターンエンドだぁ!!!」
プレイメーカー&ジェミニ
手札
プレイメーカー1
ジェミニ2
LP1
場 C.C.ジェニオン リンク3 攻撃2500(《ABF-涙雨のチドリ》とリンク)(EX2)
ジャックドー
手札2→0
LP3800
場 LBF-アームストロング・ウィング リンク2 攻撃2600(《ABF-涙雨のチドリ》とリンク)(EX1)
BF-疾風のゲイル レベル3 攻撃1400(チューナー)(1)
ABF-涙雨のチドリ レベル7 攻撃4100(チューナー)(2)
BF-月影のノートゥング レベル6 攻撃2400(3)
伏せカード1(2)
「俺のターン!!」
プレイメーカー
手札1→2
ドローし終えると同時に、2人の前にデータストームが発生する。
「おお、今回は特大なのが来たぞ!!」
「これは…!!」
データストームが起こす強風に耐えるジェミニは不思議なものを目にしていた。
データストームの中に潜む、見たことのないモンスターたちの姿だ。
「《ヴァレルロード・ドラゴン》でダイレクトアタック!天雷のヴァレル・カノン!!」
《ヴァレルロード・ドラゴン》の口から弾丸が発射され、最後の1人となったハノイの騎士を貫き、消滅させた。
ハノイの騎士
LP2500→0
「よし…これで奴が生み出したまがい物は一掃した」
Dボードを降り、ビルの屋上に着地したリボルバーは遠くで発生するデータストームを見る。
「プレイメーカー…。このようなことは1度だけだ」
その中へ、プレイメーカーは飛び込んでいく。
プレイメーカーはデータストームの中で右手をかざすと、データの欠片が集まってくる。
「風をつかめ、プレイメーカー!!」
「Storm Access!!」
欠片がどんどん集まり、1枚のカードへ変化する。
カードを手にしたプレイメーカーはデータストームから飛び出した。
「一体、どんなカードを…!?」
「俺は手札から、《サイバース・ガジェット》を召喚!」
サイバース・ガジェット レベル4 攻撃1400(1)
「このカードの召喚に成功したとき、自分の墓地に存在するレベル2以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚できる。俺は《ドットスケーパー》を特殊召喚」
ドットスケーパー レベル1 守備2100(2)
「現れろ、未来を導くサーキット!!」
即座にサーキットを生み出すプレイメーカー。
彼の脳裏には勝利の方程式が組み立てられつつあった。
「アローヘッド確認。召喚条件はモンスター2体。俺は《ドットスケーパー》と《サイバース・ガジェット》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《セキュリティ・ドラゴン》!」
サーキットの中へ2体のサイバース族モンスターが飛び込み、そこから《ファイアウォール・ドラゴン》を小さくデフォルメしたかのようなドラゴンが出てくる。
頭上にある飾りは円盤ではなく、U字型の物体になっている。
セキュリティ・ドラゴン リンク2 攻撃1000(3)(《C.C.ジェニオン》と相互リンク 《BF-疾風のゲイル》とリンク)
「《サイバース・ガジェット》と《ドットスケーパー》のモンスター効果。《サイバース・ガジェット》はフィールドから離れたとき、俺のフィールドに《ガジェットトークン》1体を特殊召喚できる。そして、《ドットスケーパー》は墓地へ送られた場合、俺のフィールド上に特殊召喚できる」
ドットスケーパー レベル1 守備2100(1)
ガジェットトークン レベル2 守備0(2)
「そして、《セキュリティ・ドラゴン》の効果発動。このカードがフィールドに表側表示で存在限り1度だけ、相互リンク状態の時、相手フィールドに存在するカード1枚を手札に戻すことができる。俺は《LBF-アームストロング・ウィング》を手札へ戻す」
「何!?そんな攻撃力1000の雑魚リンクモンスターで…!?」
《セキュリティ・ドラゴン》の口からデータのブレスが放たれ、それを受けた《LBF-アームストロング・ウィング》が吹き飛ばされるように退場していく。
LBF-アームストロング・ウィング
リンク2 攻撃2600 闇属性 鳥獣族
【リンクマーカー:左下:右】
「BF」Sモンスター2体
(1):1ターンに1度、自分フィールドに「BF」チューナーが存在するとき、自分の墓地に存在する「BF」1体を対象に発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。その後、特殊召喚したモンスターと「BF」チューナーを素材にシンクロ召喚を行う。
(2):1ターンに1度、自分フィールドに「BF」チューナーの召喚・特殊召喚に成功したとき、相手魔法・罠ゾーンに存在するカード1枚を対象に発動できる。そのカードを破壊する。
(3):このカードが破壊され墓地へ送られたとき、自分の墓地・EXデッキに存在するリンク2以下の「BF」モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
「再び現れろ、未来を導くサーキット!!アローヘッド確認。召喚条件はモンスター2体以上。俺は《セキュリティ・ドラゴン》と《ドットスケーパー》、《ガジェットトークン》をリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク4!《ファイアウォール・ドラゴン》!!」
ファイアウォール・ドラゴン リンク4 攻撃2500(3)(《C.C.ジェニオン》と相互リンク)
「更に俺は手札から魔法カード《貪欲な壺》を発動。墓地に存在するモンスター5体をデッキにも戻し、デッキからカードを2枚ドローする」
墓地からデッキに戻ったカード
・ビットロン
・ドラコネット
・サイバース・ガジェット
・C.C.リザード
・C.C.ハウンドドッグ
「そして、俺は手札から《バックアップ・セクレタリー》を特殊召喚。自分フィールドにサイバース族モンスターが存在するとき、このカードは手札から特殊召喚できる」
右手に大きなタブレット端末を持ち、青いミディアムショートで両目をバイザーで隠した美少女が現れる。
バックアップ・セクレタリー レベル3 攻撃1200(2)
「現れろ、未来を導くサーキット!アローヘッド確認。召喚条件はモンスター2体。俺は《ジェニオン》と《バックアップ・セクレタリー》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!!」
「リンク4のリンクモンスターを…!?」
ジェミニが知る、プレイメーカーが持つリンク4のリンクモンスターは《ファイアウォール・ドラゴン》1枚のみ。
つまり、これからリンク召喚されるモンスターはおそらく、Storm Accessで手に入れた未知のモンスターだ。
「リンク召喚!現れろ、リンク4!《セキュリティ・クロス・ドラゴン》!」
銀河を連想させるような光の渦を宿した黒い肉体を持ち、剣とクロスボウという、これまでのサイバース族リンクモンスターと比較すると原始的な装備をした、青白い瞳のドラゴンが現れる。
セキュリティ・クロス・ドラゴン リンク4 攻撃2400(2)(《ファイアウォール・ドラゴン》と相互リンク)
「更に、俺は墓地の《リコーデッド・アライブ》の効果発動!エクストラモンスターゾーンに自分のモンスターが存在しないとき、墓地のこのカードを除外することで、除外されているコード・トーカーモンスター1体を特殊召喚できる。俺が特殊召喚するのは《デコード・トーカー》!」
デコード・トーカー リンク3 攻撃2300(1)
「更に、手札の《01チェンジャー》の効果を発動。手札のこのカードを墓地へ送ることで、サイバース族リンクモンスター1体をメインモンスターゾーンからエクストラモンスターゾーンへ移動させることができる。俺は《デコード・トーカー》をエクストラモンスターゾーンへ移動させる。
デコード・トーカー リンク3 攻撃2300(1→EX2)(《セキュリティ・クロス・ドラゴン》と相互リンク 《BF-疾風のゲイル》とリンク)
01(ゼロワン)チェンジャー
レベル1 攻撃500 守備500 効果 地属性 サイバース族
(1):手札のこのカードを墓地へ送り、自分フィールドに存在するサイバース族リンクモンスター1体を対象に発動できる。その効果はそのモンスターが存在するフィールドの種類によって決まる。
●メインモンスターゾーン:そのモンスターを空いているEXモンスターゾーンへ移動させる。
●EXモンスターゾーン:そのモンスターを空いている自分メインモンスターゾーンへ移動させる。
「《デコード・トーカー》の効果。このカードの攻撃力はリンク先に存在するモンスターの数×500アップする」
デコード・トーカー リンク3 攻撃2300→3300(EX2)(《セキュリティ・クロス・ドラゴン》と相互リンク 《BF-疾風のゲイル》とリンク)
「更に、《セキュリティ・クロス・ドラゴン》の効果発動!俺のフィールドに存在するモンスターが存在する限り1度だけ、サイバース族モンスターのみの場合に墓地のリンクモンスター2体を素材にサイバース族リンクモンスターをリンク召喚できる!」
「何ぃ!?」
「現れろ、未来を導くサーキット!!」
このターン4回目のリンク召喚が行われようとしていた。
《セキュリティ・クロス・ドラゴン》の咆哮と共に、青いワームホールが出現し、そこから《リンク・スパイダー》と《セキュリティ・ドラゴン》が飛び出す。
「アローヘッド確認。召喚条件はサイバース族効果モンスタ2体以上。俺は墓地の《リンク・スパイダー》と《セキュリティ・ドラゴン》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク3!《サイバース・ユニコーン》!」
サイバース・ユニコーン リンク3 攻撃2100(EX1)(《セキュリティ・クロス・ドラゴン》と相互リンク 《デコード・トーカー》とリンク)
「な、な、ちょっと待てよ!?なんでお前、もう片方のエクストラモンスターゾーンまで使ってるわけ!?ま…まさか!?」
「そ、エクストラリンクが完成しちゃったってワケ。さあさあ、覚悟しなさーい」
「《サイバース・ユニコーン》の効果。このカードがエクストラモンスターゾーンに存在する場合、もう片方のエクストラモンスターゾーンに存在するモンスターをこのカードのリンク先として扱うことができる。よって、このカードのリンク先のリンクモンスターは2体。俺は《サイバース・ユニコーン》の1つ目の効果を発動!自分フィールドのサイバース族リンクモンスター1体の攻撃力を次の自分のターンのスタンバイフェイズまで1000アップさせる」
サイバース・ユニコーン リンク3 攻撃2100→3100(EX1)(《セキュリティ・クロス・ドラゴン》と相互リンク 《デコード・トーカー》とリンク)
「更に、《ファイアウォール・ドラゴン》の効果発動!このカードが存在する限り1度だけ、自分または相手フィールド・墓地に存在するモンスターをこのカードと相互リンクしているモンスターの数だけ手札に戻す。俺が手札に戻すのは《ABF-涙雨のチドリ》!エマージェンシー・エスケイプ!!」
《ファイアウォール・ドラゴン》の頭部の円盤から電撃が発生し、電撃を受けた《ABF-涙雨のチドリ》が消滅する。
「ま…まだだ!俺にはまだ、この伏せカードが…!」
自分に言い聞かせるように小声でつぶやきながら、ジャックドーは伏せカードを見る。
「バトルだ!《ファイアウォール・ドラゴン》で《疾風のゲイル》を攻撃!テンペストアタック!」
《ファイアウォール・ドラゴン》の口からデータのブレスが放たれる。
それを見たジャックドーは笑みを浮かべる。
「ブァカめぇぇぇ!俺様は罠カード《ブラック・ソニック》を発動!!相手モンスターが俺様のBFを攻撃するとき、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターをすべて除外する!これで俺様の勝ちだぁぁぁ!!」
「《セキュリティ・クロス・ドラゴン》の効果!このカードと、このカードのリンク先に存在するサイバース族モンスターの攻撃宣言時、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない」
「な…何ぃ!?
発動しようとしていた《ブラック・ソニック》が《セキュリティ・クロス・ドラゴン》の咆哮によって動きを止める。
そして、データのブレスを受けた《BF-疾風のゲイル》が消滅する。
「うわあああ!!」
ジャックドー
LP3800→2600
デコード・トーカー リンク3 攻撃3300→2800(EX2)(《セキュリティ・クロス・ドラゴン》と相互リンク)
セキュリティ・クロス・ドラゴン
リンク4 攻撃2400 闇属性 サイバース族
【リンクマーカー:左上:左:右上:右】
モンスター2体
(1):このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、自分フィールドに存在するモンスターがサイバース族モンスターのみの場合にEXデッキに存在するサイバース族リンクモンスター1体を対象に発動できる。自分の墓地に存在するリンクモンスター2体をそのモンスターの召喚条件に合うように除外し、そのモンスターをリンク召喚扱いで特殊召喚する。
(2):このカードとこのカードのリンク先に存在するモンスターが攻撃するとき、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
「更に、《サイバース・ユニコーン》で《BF-月影のノートゥング》を攻撃!」
《サイバース・ユニコーン》のプリズム状の角が輝き、そのまま《BF-月影のノートゥング》に突撃する。
角で腹部を貫かれた《BF-月影のノートゥング》は消滅する。
「ば、馬鹿な…馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な!?!?俺様が…シンクロ召喚って力を手に入れた俺様が…負ける!?」
ジャックドー
LP2600→1900
「さあ、やっちまえー!プレイメーカー様ぁ!」
ボクシングのストレートをしながら、Aiがプレイメーカーを急かす。
「《デコード・トーカー》でダイレクトアタック!デコード・エンド!!」
《デコード・トーカー》が大剣を構え、上空へ高く飛ぶと、落下しながらジャックドーを一撃で切り裂いた。
「ギャアアアアア!!!!」
ジャックドー
LP1900→0