少女達の真影、正義の味方の証明   作:健氏朗

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皆さま、ご無沙汰です。…おかしいな、長くなりすぎないように分けて書いたはずなのに文字数が全く変わらない。おまけに二つに分けるつもりが三つになっている……なんで?( ;´Д`) 長くなりそうですがどうかお付き合い下さいm(_ _)m


想いはあの頃から…中編

所変わって、ここは半蔵学院の隠し部屋。 今日も元気よく修行に励む少女達に思わぬ来客が…。

 

「うぉ〜い、飛鳥 頑張っとるか?」

 

「え? じっちゃん!?」

 

前触れなく隠し扉から入ってきたのは忍であれば知らないものはいないとうたわれる服部半蔵その人だ。ただ、そのような偉人みたいな風格や雰囲気を出さずに陽気に笑っている。

 

「ご無沙汰しております、半蔵様。此度はお出迎え出来ずに…」

 

「あ〜、良い良い。霧夜よ 毎度そういうことはせんでいいと言っとるじゃろ」

 

かしこまる霧夜に半蔵は苦笑いで返す。しかし、それも無理からぬこと。忍界において半蔵という名は最強にして最高のビッグネーム。若かりし頃にも様々な伝説を残し、老いてもなおその名と実力を轟かせる人物なのだ。

 

「それでじっちゃん、今日はどうしたの?」

 

「なに、ちょいとみんなに差し入れでもしてやろうと思ってな」

 

そう言いながら半蔵は背中に背負っている風呂敷をちゃぶ台に広げてみせる。

 

「お前さん達昼飯はまだじゃろう? 良ければ食ってくれ」

 

中から出てきたのは飛鳥の大好物…太巻きだ。それも大量に用意してあるため、全員に行き渡るには十分。

 

「おお! 美味そうだ」

 

「この酢飯のツンとした香りがまたいいですね」

 

配られるご馳走に少女達の顔が綻ぶ。いざ実食とかぶりつくと皆一様にその美味さの虜となっていく。巻かれた具、酢飯の風味、そして海苔の香ばしさが一体となって見事にまとめられた一品。幼い頃からこれを食べている飛鳥は幸せ者だろう。

 

「おいしい〜♪」

 

「…はむ…はむ…」

 

対称的な反応でありながらも美味そうに柳生と雲雀が食べる中、飛鳥もにこやかに太巻きを頬張っていた。

 

食事がひと段落してみんなで食後のお茶でも入れようかとしたところで半蔵がもう一つ差し入れを引っ張り出す。

 

「まだ腹に余裕があるならデザートでもどうじゃ? と言っても和菓子じゃが」

 

「和菓子!? 食べます!」

 

メンバーの中でも大の甘いもの好きである雲雀がいの一番に反応する。スイーツであれば和菓子も洋菓子も問わないようだ。「遠慮せず食ってくれい」と出されたのは皿の上に乗せられた羊羹。しかしその羊羹を見た瞬間、少女達は皆言葉を失う…いや、見入ったと言った方が正しい。なぜならば…。

 

「キレイ…」

 

「コレは本当に菓子なのか?」

 

差し出されたのは小豆あんで作られた黒色ではなく澄んだ水色に彩られた羊羹だった。それだけでなく細かな細工技術で白いわた模様が施されておりまるで空に浮かぶ入道雲のよう。その芸術品とも言える和菓子はただ、ただ美しいの一言に尽きる。

 

「はっはっは、見てばかりじゃもったいないじゃろう。さあさあ、食ってみるといい」

 

なかなか手をつけない少女達に半蔵は催促する。躊躇気味にノロノロと手を伸ばすなか、飛鳥は意を決して竹串を手にする。

 

「じ、じゃあ…いただきます!」

 

緊張した面持ちで羊羹を切り分ける。分かたれた一切れは青空色から無色透明に近い色合いになり、見た目でも楽しめるようだ。…そしていよいよ菓子を口にする。

 

「…あむ!……っ!」

 

口の中に広がるのは優しくて、それでいてしつこくない甘み。その甘さは身体中にじわりじわりと広がっていくようで驚くほどに満足感がある。後味もスッキリしたもので不思議な暖かみを感じる。

 

「おいしいよ、じっちゃん! いつの間にこんなの作ったの?」

 

「いやいや、ワシでもこんな繊細なものは作れんよ。ソレを作ったのは士郎じゃよ」

 

「え? 士郎くんが!?」

 

長年士郎と過ごしてきた飛鳥は彼の料理の腕をよく知っている。和食、洋食、中華、お菓子という具合にリパートリーが豊富な上に味も一級品ばかり。ただ、一般的に家で作られる和菓子と言ったらどら焼きや団子、もう少し手の込んだものなら大福もあったりするが今食べてるものは専門店でしか売られてなさそうの一品だ。

 

「何でもとある特集で取り上げられたものを参考にできないかと言って作ってみたらしい」

 

「そうなんだ…」

 

作ったのが士郎と分かって飛鳥は胸に感じた暖かみに合点がいく。料理は愛情とよく言われるが飛鳥はいつも士郎の料理の暖かさに触れてきたのだ。もう一切れ食べた飛鳥はその顔を幸せそうに綻ばせた。

 

「(ニヤニヤ)」

 

「…な、なに?」

 

「いやはや、士郎も大したものじゃと思うてな。せっかくじゃからワシも腕によりを掛けて好物を用意したのだが…、やはり士郎の作ったものの方に軍配があがるか」

 

「そ、そんなことないよ! どっちも同じくらい好きだよ!!」

 

「はっはっは! まあ、そういうことにしてやろう」

 

意地悪そうに言う半蔵に飛鳥は「もう!」と不貞腐れる。だが愉快な御老はまだ追撃をやめない。

 

「うむ、しかしながら見事なものだ。うちもこう言ったものを取り入れるのも良いかもしれんな…」

 

顎髭をさすりながらまじまじと羊羹を見る半蔵。しばしして妙案が思いついたかのように手をポンと叩く。……本当に今思いついたのか怪しいものだが。

 

「そうじゃ!…飛鳥、士郎を婿に迎えてみるか?」

 

「え?…」

 

突然何を言われたのか理解できずにフリーズ状態に陥る。そんな状況が10秒ほど続いた後に再起動を果たす。飛鳥の顔は瞬時に真っ赤に染まり頭から湯気が登る勢いだ。

 

「じ、じじじじ、じっちゃん!? 何言ってるの!!? そんなこと……そん…な…の」

 

反論するも徐々に勢いが弱まっていく。現在飛鳥の脳内では士郎が服部一家に迎えられ、共に実家の寿司屋で働いてる姿が描かれる。

 

______祖父は引退して父が寿司屋を継ぎ、脇板としてサポートする士郎。母と自分は女将とその見習いとして共に店を切り盛りして日々を過ごす。

 

「……あ…ぅ……」

 

多少壊れながらも自らの脳内妄想に満更でもない顔の飛鳥。その要因となった翁はと言うと孫娘の羞恥様に笑いを堪えている。

 

ちなみにその様子を見ていた4人娘たちはと言うと…

 

「(…んー)」

 

「(…何ででしょう?)」

 

「(…理由はよく分からないが)」

 

「(なんだか…)」

 

「「「「(…おもしろくない…)」」」」

 

 

閑話休題…

 

「全くもう! じっちゃんってば」

 

「ははっ! スマンスマン」

 

デザートは無事完食し、まったりとお茶を啜る一同。祖父の揶揄いに拗ねた飛鳥はむくれつつも茶を味わう。

 

「所で飛鳥や…」

 

「なに?」

 

「最近とある男子に告白されたらしいな」

 

「え? どうしてそれを…」

 

言葉を途中で止める飛鳥。よく考えなくても自分も祖父も忍、諜報活動を主な任務とする彼らにとって情報収集など造作もない。それこそ身近なものの出来事も同様。

 

「それで? どうするつもりなんじゃ?」

 

オブラートに包むこともなく結果を聞いてくる祖父に飛鳥は若干辟易する。第一、飛鳥の答えなど分かっているものだからタチが悪い。

 

 

「告白なら断ってきたよ…」

 

そう、昨日飛鳥が裏山で鍛錬していた時に件の男子、鈴木と偶然会ったのだ。最初は尾けられたかと警戒した飛鳥だが何があったのか鈴木は相当慌てた様子で謝ってきたものだから彼女の方が唖然としてしまった。

 

鍛錬内容まで見られていなかったことにほっとしつつも飛鳥は気になっていた事を聞いた。そもそも何故彼は自分に告白したのか…、彼とは面識はないし知り合いでもない。それどころか同じクラスでさえない…、どう考えても告白される理由に心当たりがないのだ。

 

しかし出てきた言葉は飛鳥にとってあまりにも意外なものだった。

 

_____「一目惚れしたんだ!」

 

一目惚れ…、つまり彼は飛鳥を一目見た瞬間から好きになったのだ。…飛鳥からしてみれば自分はそこまで整った容姿なのかと疑問を抱いたが。(あなた十分美少女でしょうに…)

 

ともかく、ひとしきり話を聞いてから鈴木は告白の返事を貰えないかと促した。いよいよである…、飛鳥は戸惑いながらもあの日から考えてきた。もちろん、答えは決まっている…ただ鈴木の想いも真剣であるからには自分も真面目に考えたかった。

 

飛鳥と鈴木はとてもよく似ている。もちろん容姿がではなく、本質がだ。自分が祖父に憧れ、立派な忍になるため努力を欠かさないのと同じように、鈴木も相当な努力家だ。泥だらけのユニフォーム、地面に残った練習の跡、顔中に浮かぶ汗、どれも生半可な練習でできるものじゃない。

 

彼もまた野球に並ならぬ情熱があり、その道を走り続けるために頑張っている。そして、彼はそれが苦ではないかのように笑っている。当然だ、彼はその道を目指すと自分で決めて歩んでいるからだ。辛い時こそ笑って乗り越える、それは何よりも自身の力になるものだ。

 

______「あの…」

 

いい人だとは思う、ひたむきで、一生懸命で、自分の境遇が違えばもしかしたら付き合っていたかもしれない。…それでも。

 

「おれは…正義の味方になるのが夢なんだ」

 

…あの言葉を紡いだ人への想いは揺らがない。

 

______「ごめんなさい! 鈴木くんとは付き合えません…」

 

勢いよく頭を下げて断りの返事を返す。彼を傷つけてしまったかもしれないと恐る恐る顔を上げてみると…。

 

______「…そっか、……ありがとう 真剣に考えてくれて」

 

当の鈴木は怒るでもなく、悲しむでもなく、辛そうな表情を覗かせながらも笑って受け止めた。

 

______「…ごめんね、鈴木くんのこと嫌いな訳じゃなくて…」

 

______「いいんだ、…好きな人がいるんだよね?」

 

遮る鈴木の言葉に飛鳥は酷く驚いた。当然その事を教えた覚えはない、なら他の人から聞いたのかと問い質したところ…どちらでもない。彼曰く、なんと飛鳥が士郎との写真を見ているところを偶然目撃してしまったらしい。

 

______「誰が写ってるのかは流石に分からなかったけど…、その写真を見てる時の顔がすごく嬉しそうに見えてさ」

 

その時の飛鳥の顔を見た瞬間、彼はなんとなしに自分の恋は終わったのだと悟った。ただ、結果が分かっていても返事をきっちり受け止めるあたり彼も律儀と見える。

 

その事実を聞いた飛鳥の方はというと、割と恥ずかしい所を見られてしまったことに悶えそうになったがなんとか耐えた。

 

こうして告白の件は落着し、鈴木と飛鳥はお互いの自主練が終わった瞬間を機にそれぞれの家へと帰っていった。

 

______「飛鳥さん!」

 

______「…?」

 

お別れの際に一度裏山を去ろうとした飛鳥を鈴木は呼び止め、

 

______「…ありがとうごさいました!!」

 

試合でもするようにきっちりとした礼と声の張った感謝を述べる。すぐさまに走り去っていく彼を見て飛鳥は本当に気持ちのいい少年だとつくづく思ったのである。

 

 

「…って事があったんだ」

 

「ふむ…、そうか」

 

結果を聞かされた半蔵は驚くこともなくただ聞き入る。幼い頃から孫の恋心を知っていた彼にとって分かりきっていた結末なのだろう。ただ、今もなお想いが変わらない知った半蔵は一つ気掛かりがある。

 

「飛鳥や…、士郎の側にいたいと思っているか?」

 

「な、なに? 急に…」

 

まだからかうつもりなのかも身構える飛鳥だったが問いかけてくる半蔵の顔はいつものおちゃらけたものではなく静かながらも真剣そのもの。曖昧に答えるべきではないと悟った飛鳥は…。

 

「…うん、居たいよ。…わたしは、士郎くんの側に居たい」

 

「…そうか、ならばよく聞きなさい」

 

飛鳥の本気を感じ取った半蔵は一度眉を閉じて、再び孫娘を見据える。

 

「もし士郎と居たいと、支えたいと思っておるなら…()()を決めておくんじゃ」

 

「覚悟? それは忍のことを隠し通せってこと?」

 

半蔵の言葉に理解が及ばず聞き返す。将来のことを考えるなら隠すよりは話したほうがいいと思っていただけに飛鳥は困惑を隠せない。しかし問いかけた半蔵は急かすこともなく、

 

「いやなに、あ奴はあれで危なっかしい所もあってな…。時には無茶をせんよう、引き止めるものは必要じゃろう」

 

目を伏せ、お茶を啜る半蔵。祖父の言葉に何か隠されたものを飛鳥は感じたがそれが何かまでは分からず、押し黙ってしまう。そんな孫娘の様子に半蔵はニカッといつもの陽気な笑みを取り戻し…。

 

「まあ、今はワシが言ったことを覚えていてくれれば良い。いずれ分かるじゃろうからな」

 

結果として話題が有耶無耶になってしまい、釈然としない飛鳥。聞き出そうにもこれ以上の事は話してくれそうにない様子にひとまずは諦める。

 

「(じっちゃんが言った通り、いつか話してくれるよね…)」

 

 

__________________

 

 

半蔵side

 

ひとまず真面目な話は打ち切って、再びまったりと寛ぐ。些か納得のいかない顔をした孫がいるが追求してこないところを見ると納めてはくれたようだ。

 

「(この世界に身を置く以上、士郎の本質をその目で見ることになろう…)」

 

自らの親友、雷画が初めて士郎を連れてきた日を思い出す。相変わらずよく似合う和服と虎柄の上着、老いても衰えるこのない眼光。そんな見た目からも雰囲気からもカタギとは言えない気配を放つ我が友のとなりに並び立つ赤毛の少年。

 

______「久しいな、半蔵。それと今日は話のついでにこの子を紹介しようと思ってな…士郎」

 

______「初めまして、半蔵様。衛宮士郎と言います」

 

孫娘と同じくらいの年でありながら流暢な自己紹介と洗練された丁寧礼に驚かされたものだ。年齢に似合わず礼儀正しい、身もふたもない言い方をすれば背伸びがちな少年くらいにしか思っていなかったが、士郎が中学に上がったある日をきっかけに半蔵は士郎という人間を垣間見た。

 

______「俺を…雇って頂けませんか?」

 

言葉だけ聞けばワシは寿司屋での雇い話と受け取っただろう。しかし、裏の…忍の稼業のことであるといやでも分かってしまった。何故そのような経緯に至ったのか、それ以前にどうやって知ったのか、聞きたいことは山ほどあったがそれ以上に問いたいことがあった。

 

______「…士郎や、仮に雇ったとしてこれからお前さんが何をするのか"()()"しているのか?」

 

何を理解するのかは問う必要はない。長年裏社会に身を置き、あらゆる人間を見てきた半蔵の勘が告げている……目の前にいる少年は世界の裏側を見たものの目をしていると。

 

______「勿論、理解して(分かって)いるつもりです。…ですが、例えこの手が血に塗れたとしても……何も守れずにただ失うことだけはしたくない」

 

______「…お主が守るべきものとは?」

 

半蔵の問いに士郎は目を閉じる。士郎が守ろうとするものは今も昔も変わらない。冬木に居た時も、カルデアで過ごしていた頃も、そしてこの世界で(今を)生きているこの瞬間も…。

 

______「……俺の…"日常"です」

 

決意を秘めた確かな力を持った目。その中から見出したもの…それは狂人のいきとも言える信念。そしてその勘は後に確信に変わった。士郎の人を救い、守らんとする正義。他者の犠牲を許さず、自身の犠牲を厭わない狂気。

 

敵の罠に嵌った味方を救出する任務を依頼した時、士郎は救出にこそ成功したものの一歩間違えれば致命に至る重傷を負った。後に部下から聞いたところ、あの時の救出任務は敵方がこちらを誘い込むために人質を利用した罠だと知った。術中にはまった士郎はその際に傷を負いながらも突破に成功し、部下を無事に送り届けるに至った。

 

自分を真っ先に切り捨てる士郎に半蔵は日々心配を募らせる。

 

______「(このまま行けば士郎はどこまでも一人で進んで、一人で死んでしまうじゃろう)」

 

それだけは避けねばならない…、あの子は飛鳥の想い人だけでなくワシら一家にとっても近しい家族も同然。それに飛鳥たちがこの先強くなるためにも士郎の協力は必要不可欠。

 

______「(願わくば、飛鳥があやつを繋ぎ止める存在になってくれれば或いは…)」

 

 

 

 

………ふむ、しかし楔が一つだけでは足りぬやもしれぬな。ここは念を押しておこう…、まずは彼と連絡を取らねばな(ニヤリ)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまでご愛読ありがとうございます、監禁室と思しき部屋で縛られている健氏朗です。最初は鈴木君の告白事件、次に飛鳥の独白と返事、残るは彼女とのファーストコンタクトです。なんとまあ、飛鳥のお話だけ随分と内容を詰めてしまいました。やはりこの世界は飛鳥の背中を押してるのかな?( ;´Д`) とにかく、飛鳥編完結まであと一息です、どうか皆さん気長にお待ちください。

おっと、どうやら彼女達がもどってきたようですね。


ガチャっ…

「「「………」」」

無駄ですよお三方、何をされようと吐く気はないぞ…夜這い三人衆!!

静謐「いえ、尋問してるわけではありませんので…吐くも何も」

いやぁ、前々から言ってみたかったセリフなものでつい…。

清姫「ですが、今回投稿されたお話について色々聞かねばならないようですね」

頼光「ええ、その辺りの事を詳しく聞かせていただきますよ、作者さん?」

は、はははは…、とりあえず何でも話しますんで命だけは何卒。( ;´Д`)

清姫「では、早速……何なのですか? あの飛鳥という泥棒猫は…」

泥棒猫って…、たしかに総合的な順番で言えば清姫さんの後に知り合った形になりますけど士郎が転生した後ですから。

清姫「旦那様は私の夫であり、私は旦那様の妻です。 愛し合う二人が再び結ばれるために転生なされた旦那様を横から掠め取るような輩は十分泥棒猫でしょう?」

いや、そもそもあなたと結ばれるためなら世界を渡ってないでしょう。

頼光「作者さん? 私の方からも申させていただきますが…」

アッハイ…

頼光「百歩譲って、相手があの虫でないのはいいです…。ですが! 母の許しなく交際など認めません!!」

いやいや! 転生したとはいえ、今の士郎は男子高校生何ですから女の子と付き合ったりするのは別にいけないことではないでしょう? それにほら、飛鳥みたいなコなら問題はないでしょ?

頼光「確かにあの飛鳥という娘は真っ直ぐな良い子です…。ですが! 我が子である士郎と交際するとなると話は別です!! せめて私に一太刀浴びせるだけの力量があって初めて一考の余地があるのです!!」

武力前提かい!! そして何という超絶ハードモード!!? なんつー無茶を言うんだ、この平安最強さん。

頼光「とにかく駄目です! 駄目なんですぅぅぅ〜〜〜!!」(びぃ〜!)

あ〜! 泣かないで下さい、もう…。こうなると静謐さんもですか?

静謐「いえ…、少し寂しくはありますが私のことを忘れずに触れていただけるのでしたら…構いません」

あらま、寛大ですね。まあそういうことでしたら心配ないでしょう(実際カルデアでは召喚したサーヴァントみんなに分け隔てなく接してるから大丈夫だろうなぁ…)

ちなみに自分はどうやってここまで拉致られたのですか?

静謐「私の毒を気絶する程度に抑えて、風に乗せました…。あとは三人でここまで運びました」

………そうですか。


………………ちなみに今はおさえていますか?(耳、鼻、目から血がダラダラ)

静謐「………あっ」(作者との距離ほんの1メートル)

…アアあアアぁ〜…、ドシャっ……


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