咲ちゃんとか京ちゃんがグダグダするだけの話 作:枝豆豆腐
2017年 世はまさに大麻雀時代!
政治家は麻雀で政治を決し
「ライジングサン!」
「シベリアンエクスプレス!」
「点テポドンだ」
裏では人外達が凌ぎを削り
「御無礼」
「あンた、背中が煤けてるぜ」
「リーチだす!」
そして若者達の中ですら怪物が跋扈する
「麻雀って楽しいよね!一緒に楽しもうよ!」
「カウントダウン」
「普通の麻雀させてーな」
これは、そんな怪物達の溢れる世界観は特に関係ない少年少女達のぐだくだ青春的な何かっぽい物語。
ーーー
「ただいまー。」
「おかえり、咲。」
「おかえり、ご飯もう出来てるぞ。先に食べるか?」
「ちょっと汗かいちゃったし先にお風呂はい……ん?」
「じゃあ先に食べてるね。」
「いや、何してるのお姉ちゃん。」
「なんか近くで仕事があったから咲に会いに来たってさ。今日はお前が遅かったからわざわざ待っててくれてたんだぞ。そもそも今時姉妹揃って携帯も持ってないなんてのは…」
「いや、途中までお姉ちゃんと一緒だったんだけど、撮影。ついさっきまで会ってたじゃん。会いに来る必要ないじゃ「咲、ちょっとこっち来て」
「なんなのお姉ちゃん!どうせ京ちゃん目当てなんでしょ!妹の彼氏に、妹のいない時を狙って会いに来るなんてあり得ないと思うんですけど!」
「ただ妹に会いに来ただけの姉をそんな風に邪推するなんて……お姉ちゃんは悲しい。」
「ついさっきまで顔突き合わせてたでしょうが!」
「……今日見逃してくれたら来週の咲の遠征中に計画されてる京ちゃん襲撃計画について教えてあげよう。」
「あっさり主張を翻すのはどうかと思うの。っていうか何それ、和ちゃん?優希ちゃん?それとも部長?まさか衣ちゃんじゃないよね。」
「今日見逃すと約束してくれないと何も言わない。」
「くっ……」
「アレを見逃してしまえば京ちゃんはあんな事やこんな事をされて、胸の無い咲になんて興味が無くなってしまうかも……」
「それ(胸)はお姉ちゃんも大して変わらないでしょ。」
「……私だって咲よりは……あるし。」
「…お互い虚しくなるからこの話はやめよう……それはともかく、しょうがないから今日の事は見逃してあげる。京ちゃんにあんな事やこんな事をしようとしてる人とやらを教えて。」
「それは良かった。計画についてだけど、咲が遠征に行ってる間に偶然元清澄部員4人がこの近くに集まったことにして、彼の大学帰りに飲みに誘うらしい。日程は咲のナイター戦に合わせて、連絡の取れないところをなし崩しに。京ちゃんお酒に弱いし、無理矢理飲ませて自分達も酔ったフリをしてそのまま近くの優希ちゃんの家に…」
「4人って全員じゃない!っていうか和ちゃん達どころか染谷先輩まで混じってるなんてどういうこと!?」
「密かに想いを秘めていたけど咲と結ばれるのを見て人知れず失恋してたとかなんとか。今回は周りの雰囲気に押されて、自分もあの頃の想いを再燃させて参加を決心したらしい。」
「優希ちゃんも和ちゃんもわかりやすかったし部長もなんだかんだ周りにバレバレだったけど染谷先輩は全く知らなかったよ!あとなに人の恋人を集団で強姦する話で盛り上がってるの!?再燃させなくていいから!」
「まあまあ落ち着いて。とりあえず京ちゃんに少し気をつけるように言えば大丈夫でしょ。」
「和ちゃん達が祝福してるように見せかけて隠れて京ちゃんにアタックしまくってたのは知ってたけどもう堪忍袋の尾が切れたよ。全部ゴッ倒す……」
「行ってらっしゃい。」
「おーい咲、出かけるのか?飯は……行っちゃったか。照さん、どうしたんですかあいつ?」
「ちょっと用事を思い出したって。遅くなると思うからご飯は私たちで食べちゃおう。」
「なんだあいつ。すみません照さん、せっかく咲に会いに来てくれたのにあんな風で。」
「構わない、元からそのつもりだったから。」
「ん?なんて言いました?」
「いいや、何も。そういえばちょっと遅くなっちゃったからシャワー借りても良いかな?」
「ああ、構いませんよ。気にせず使って下さい。っていうか咲の家ですけどね、ここ。」
「(計画通り)」
ーカンッ!ー
咲ちゃん
プロ2年目・魔王属性・今年から一人暮らし
仕事で疲れて帰ってきて家ではぐーたらと京太郎に甘えている
京ちゃん
大学2年生
毎日のように咲の家に通ってはせっせと家事をする通い妻
宮永さんちのお姉さん
プロ4年目・注目の若手雀士
妹は嫁にやらん!と言って絡んでいたらいつの間にか京ちゃんは嫁にやらん!にシフトした挙句、京ちゃんが自分のお嫁さんになれば咲もお嫁にいかないね!と開き直った割と最低な姉