侵略!パンツァー娘   作:慶斗

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※形式の都合上、キャラの名前が一部略称になっています。


ナカジマ→ナカ

ダージリン→ダー
オレンジペコ→ペコ
アッサム→アッサ

カチューシャ→カチュ
クラーラ→クラ

黒森峰戦車隊員A・B・C・・・・→黒森A・B・C・・・・

シンディー→シン


Chapter16:江の島争奪決戦です!

ギャリギャリギャリ

ガラガラガラガラ

 

突破口を開いたTー28重戦車とオイが連れ立って江の島仲見世商店街を登っていく。

何だかよく見ると、T-28は上部の装備を取っ払っているようでやたらと平坦なイメージがつく。

 

バリバリバリー

 

清美 「わわわ、お店壊しながら登っちゃってるよ」

綾乃 「大丈夫ですよ部長、試合が終わったら全部直してもらえますから」

知美 「それをふまえても、見慣れた場所がこうなるのは見てて複雑ー」

 

先行するTー28の横幅が広すぎるせいで、通り過ぎる店の軒先をことごとく削り落としながら坂を上がる。

歩みは止めないにしても、やはり登るスピードは早くはない。

 

まほ 「来客は確実に登ってきている。連絡を密にし、正確な行動を心がけるように」

無線 『了解!』

 

商店街に面した店の裏には、小梅をはじめとした黒森味戦車隊が複数待ち受けていた。

商店街の店と店の間、僅かに開いた隙間を凝視して清美たちが来るのを待ち受ける。

 

ギャリギャリギャリ

 

戦車の履帯の音がどんどん高くなる。

 

小梅 (もう少し、もう少し・・・・)

 

そして、一番上の位置にスタンバイしていた小梅の目の前にTー28の履帯が姿を晒す。

 

小梅 「今です!」

 

バアン!バアン!

ドオン!ドオン!

 

小梅の合図に合わせ、一斉にTー28とオイの履帯を狙って一斉射撃が行われた。

境内で待機しているまほの目に、商店街から登る煙が映る。

 

まほ 「小梅、首尾はどうだ」

 

しばしの沈黙のあと・・・・

小梅から折り返しの連絡が入る。

 

小梅 「・・・・申し訳ありません」

 

気落ちしたトーンの小梅の声が届く。

 

ギャリギャリギャリ

ガラガラガラガラ

 

何発もの横撃を受けたにも関わらず、T-28とオイは素知らぬ態で歩みを続けている。

煙が晴れ姿がはっきりと見えるようになると、二両の様子がはっきりと確認できる。

 

小梅 「重戦車二両はどちらも重厚な履帯の保護装甲をつけています。今回の砲撃ではダメージは与えられなかったようです・・・・」

 

T-28もオイも、履帯部分に過剰なほどの履帯ガードを付けていた。

そのあまりの厚みに、小梅のパンターによる至近距離の砲撃すら耐え凌いでいる。

 

まほ 「そうか。・・・・まあ、予想はしていた。あちらにはああいうえぐい手に通じる者がいるからな。恐らく彼女の入れ知恵だろう」

 

弁天大橋を挟んだ倉鎌側。

 

ペコ 「先行車二両、待ち伏せによる横撃により被弾。ですが履帯に一切の被害は認められないそうです」

ダー 「上々ね」

 

満足そうな体のダージリン。

 

アッサ「門番のポルシェティーガーは未だ沈黙、待ち伏せ部隊の位置も捕捉完了。乗り込むなら今かと」

ダー 「だそうですわ、大隊長」

イカ娘「うむ!では第二部隊、進行でゲソ!」

 

隣に位置した五式の上から、戦況を把握したイカ娘が指示を送る。

 

ギャラギャラギャラ

 

もはや障害のなくなった弁天大橋の上をダージリンのチャーチルを先頭に、愛里寿のセンチュリオン、西らのチハ戦車隊に、シャーマンチームたちも加わり次々と進行していく。

それらの侵攻を少しでも食い止めようと黒森峰の戦車が林から顔を覗かせれば_____

 

ドオン!

シュンッ

 

すんでの位置を砲弾が掠め、慌ててバックして姿を消すしかなかった。

 

ナオミ「・・・・」

 

倉鎌側ではナオミが微動だにせず照準器を覗き続け、さながら獲物を待ち続けるスナイパーのようにファイアフライが江の島側へとにらみを利かせ続けている。

 

クラ 「その獲物を待ち続ける姿勢、さながら『白い死神』ですね」

アリサ「それってロシアンジョークのつもり?」

 

そんなアリサのツッコミに、肩をすくめてみせるクラーラ。

少しムッとした顔を見せるが、再び双眼鏡を手に江の島の監視を続けた。

同じく双眼鏡を覗くまほ。

その視界の先には、続々と江の島上陸を果たそうとする戦車隊が目に入る。

眼下では隊員たちの抵抗を押しのけ、速度は落ちながらも確実に周囲を粉砕し続けながら近づいてくる重戦車たち。

さてどうしたものかと思案していると____

 

みほ 『お姉さま!』

 

みほから無線が入った。

 

みほ 「お姉さま、ご無事ですか!?」

 

事態を察し一目散に駆けつけたみほは、江の島入り具に付近にまで来ていた。

が____

 

バアン!

ガキイン!

 

みほが駆けつけることを予測していたダージリンらの威嚇砲撃に近づけないでいる。

 

みほ 「今江の島入り口まで辿り着いたのですが、敵の威嚇が激しくて近づけません!」

 

民家の塀に車体を隠しながら隙を伺うが、その行動も読まれているかのように威嚇が飛び交いうかつに確認も取れずにいる。

 

みほ 「まさか、江の島に総力を結集して取り返しに来るなんて・・・・すいません、予想外でした」

まほ 「戦車道というのは生き物だ。どう転ぶかわからないんだ、お前が気に病むことじゃない」

みほ 「・・・・」

 

目前で姉がピンチなのに、助けに向かえない現状に険しい表情をするみほ。

 

みほ 「・・・・お姉さま、『あれ』を使います」

まほ 「!・・・・」

みほ 「幸いにも、ここには相手のほぼ全勢力が集結しています。相手の主力が滑柄江ノ島に乗り込んだ時、そこを一気に叩けば勝負は見えるはずです」

まほ 「・・・・」

 

みほとまほが無線で会話している間、江の島へ進行していく第二部隊はもう半分は渡り切ろうかというところまで来ていた。

 

イカ娘「急ぐでゲソ!早く渡り切らないとあのとんでもない砲撃がまた飛んできて、今度こそ全滅しちゃうでゲソ!」

 

固まって進行している状況こそ一番危ないと危惧するイカ娘だが、

 

ダー 『大丈夫ですわ』

 

みほらを食い止めているダージリンが声をかける。

 

ダー 「ご心配なさらなくても、そちらにはあの砲撃は参りませんわ。____絶対に」

イカ娘「?」

 

そうきっぱりと断言するダージリンにイカ娘は不思議な顔をするのだった。

 

みほ 「砲撃を・・・・認めない!?」

まほ 『そうだ』

 

みほはまほからの提案に声を荒げていた。

 

みほ 「なぜですかお姉さま!向こうが一塊になっている今こそ絶好のチャンスなんです!それに今進行を食い止めなければ、もし江の島を取り返されたら薬庫が、それにお姉さまだって____」

まほ 『みほ。西住流のモットーとはどんなものか、言ってみてくれ』

みほ 「えっ、ええっ!?・・・・う、『撃てば必中、守りは固く、進む姿は乱れなし。鉄の掟・鋼の心』____」

まほ 『そうだ。西住流は戦車道のあらゆる場面において最適・かつ模範であらねばいけない。そしてお前は今師範代候補にの立場にある。一挙一動が西住流のなんたるかを体現しているということになる』

みほ 「・・・・」

 

反論せず、まほの言葉を静かに聞き続ける。

 

まほ 「その戦車道の頂点たる流派を体現する者が、『予想だにしなかった事態を一掃するために巨砲を打ち込み解決を図る』・・・・。果たしてそれは西住流として正しい答えと呼べるのか?」

みほ 「!!」

 

まほの指摘に言葉を失う。

 

まほ 「この試合の行く末はお母様も見守っている。勝ちを急ぐあまりあるべき姿を見失うな」

みほ 「・・・・申し訳ありません」

 

まほの意図が伝わったみほは、うなだれるように言葉を返す。

そんなみほに、まほはふっと笑みを浮かべる。

 

まほ 「そう落ち込むな。まだ取り返されると決まったわけではないし、私とてやられるつもりは毛頭ない」

みほ 「・・・・はい!」

 

そして二人の無線通信は終了した。

 

まほ 「お膳立ては済んだ。後はいかに自然に振る舞うか、だな」

 

会話が終了したとき、丁度IS-2が江の島上陸を果たしていた。

 

ナカ 「ありゃりゃ、団体さんが来ちゃったよ」

スズキ「そろそろ私たちも動いたほうがよくないか?」

ツチヤ「うーん、でも・・・・」

 

ギュラギュラギュラ

 

未だ店に突っ込んだまま動かずにいるレオポンを、横目に流しながらノンナの乗ったIS-2が通り過ぎて行く。

 

ホシノ「今動いたらそれこそハチの巣だ。じっとしておこう」

スズキ「そうだね。戦略的沈黙沈黙っと」

 

そして次々と上陸を続ける大学・れもん連合チーム。

商店街中央だけでなく脇道にも逸れはじめ、各々が接敵した小梅の小隊と交戦を始めていた。

もちろん小梅たちも黒森峰の代表を務める身、そう簡単に引けは取らない。

が____

 

バアン!

ガギイン!

 

攻めて来ているほうもプラウダのエースや聖グロの隊長・ましてや島田愛里寿も加わったドリームチーム状態。

小梅たちが劣勢になるのも無理はない。

結果、商店街から追い払われるように撤退せざるをえなくなる小梅隊。

背後を突かれないようバックしつつじりじりと神社方面へ下がっていく。

と、そこで小梅がふと気づく。

 

小梅 (あれ?あの戦車、追いかけてこない・・・・?)

 

ゆっくりとしたスピードで撤退せざるを得ない状況のため、やろうと思えば追撃で小梅を討ち取ることも可能なはずだった。

しかし商店街から小梅を追い払ったシャーマンは追いかけてこず、小梅が引いていく様を見届けるようにその場から動かないでいる。

小梅自信もし追撃されたら最悪相打ちを狙っていたのだが、その様子に安堵より疑問が先立っていた。

それは他の車両でも同じで、他の車両も追い込まれながらも一定以上の位置からは追いかけてこない、そんな状況であることが次々と報告に入る。

 

小梅 「どういうことだろう・・・・?撃破が目的ではなく、私たちをここから追い払うのが目的だったの?でもなんでそんなこと・・・・」

 

小梅の脳裏に嫌な予感が立ち込めた直後____

 

ヴィイイイイイイイン!

 

遠くからけたたましいエンジン音が聞こえ始めた。

しかもそれは一つ二つではなく、明らかに小隊である。

 

西  「今こそ好機!各員奮励努力せよ!」

知波単「了解!」

イカ娘「行くでゲソ!」

 

坂の下から派手に音を立てて迫ってくるのは、西をはじめとした知波単戦車隊、そしてそれに続くイカ娘の五式だった。

日本戦車たちは路頭を組み、障害のなくなった(・・・・・・・・)商店街を全速力で駆け上っていく。

それを目視する小梅。

 

小梅 「あれは・・・・まさか!?」

 

日本戦車たちの向かう先は、江島神社へ向かう階段が伸びる大鳥居。

しかしそこには正面突破を防ぐため幾両もの戦車たちが待ち構え、右から大回りできる道も厳重に塞がれている。

普通に考えれば突破などできるものではなかった。

そんな敵の真っただ中に____

 

ギャリギャリギャリ

 

ついにT-28とオイの重戦車コンビが到着する。

 

黒森A「撃て!」

 

バアン!

ドオン!

 

合図とともに無数の砲弾がT-28とおに襲い掛かる。

が、それすらも重装甲は耐え、更に進行し____

 

メギャメギャメギャ!

 

大鳥居をなぎ倒し、乗り上げるようにして停車した。

その位置は階段上で、T-28は車体が持ち上がり三十度ほど上を向いてしまっている。

そんな不安定な状況を狙ったかのようなT-28。

清美のオイは脇に逸れ、T-28が受ける砲撃を素押しでも食い止めようと砲撃で威嚇する。

 

福田 「西隊長殿!二十八番殿が配置完了とのご報告です!」

西  「応!」

 

福田の連絡を受け、戦車たちは限界まで速度を上げ坂を上り続ける。

そして____大鳥居のある場所まであと僅かまで来た。

 

西  「いざ、吶喊!」

 

そして一切速度を落とさず乗り上げたT-28に向かって突っ込むオイたち。

そして____

 

ギャリンッ!

 

火花を立てながら勢いよくT-28に乗り上げ、

 

西  「行けえええっ!」

黒森A「んなぁーーーっ!?」

 

そのままT-28をジャンプ台に見立て大きく飛び出した。

異様なその光景に居合わせた全員が目を奪われていると、西のチハは弧を描きながら宙を舞い____

 

ボザンッ!

 

そのまま上にある江島神社の敷地の林につっこんでいった。

 

細身 「西隊長に続けーっ!」

玉田 「粉骨砕身ッ!」

寺本 「玉砕覚悟ー!」

福田 「く、砕けてはなりませんー!」

 

続いて細身らのチハたちも続き、次々とショートカットして江島神社へ乗り込んでいく。

そして____

 

イカ娘「私たちも行くでゲソ!」

 

最後尾の五式も続いてT-28の上を駆け上がりジャンプするが____

 

グラッ

 

栄子 「やべっ!」

 

僅かに角度がずれたのか、体勢が崩れジャンプに勢いが足りない状態で宙に飛び出してしまう。

その瞬間、

 

ドオオン!

 

踏み台をしていたT-28が火を噴き、五式の背面装甲に砲弾を食らわせた。

 

グワアッ

 

空中で強力な衝撃を受けた五式はさらなる推進力を受け、誰よりも大きく飛んで行いく。

 

イカ娘「かたじけないでゲソーーッ!」

 

宙を舞いながら、後押しをしてくれたT-28にイカ娘は手を振り、五式は林すら飛び越えてそのまま境内へ飛び込んでいった。

 

ズザザザザザザザザ!

 

飛び込んだ時の勢いを殺しきれないままドリフトで境内を滑る五式。

やっとのことで止まり、顔を上げたイカ娘の目の前には____

 

まほ 「・・・・」

 

目が点になっているまほら黒森峰の戦車団がいた。

 

イカ娘「あ・・・・」

まほ 「・・・・」

 

二人の目が合う。

 

イカ娘「て・・・・」

まほ 「て・・・・」

 

二人が同時に口を開く。

 

まほ 「敵襲ーーーッ!」

イカ娘「転進でゲソーッ!」

 

バアン!

ドオン!

ドカアン!

 

まほの一声で正気を取り戻した黒森峰戦車隊が一斉に砲撃を開始する。

 

ギャギャギャギャ!

 

それと同時に五式は身をひるがえすように勢いよく旋回、すんでのところで砲撃を回避する。

狭い境内の中を器用にかわし逃げる五式。

急発進、急停止、急旋回と巧みな動きで被弾を許さない。

 

黒森B「な、なにあの動き!?生き物みたいで気持ち悪い!」

 

戦車の枠を超えたような、思考を直結させたような動きに隊員が悲鳴を上げる。

 

まほ 「あれは・・・・」

 

冷静に五式を観察するまほ。

キューポラから覗かせるイカ娘の上半身。

それを見ているうち、ふとしたことに気づく。

 

まほ 「触手が・・・・」

 

イカ娘はこれまで戦車道をしているときは触手はほとんど使っていなかった。

いつも手持ちぶたさのように外に垂らしているのに、今回に限っては全て車内に収めているようだった。

 

ドオン!

 

再び五式に向かって砲撃が飛ぶ。

それを目視するイカ娘。

直後、五式は急旋回により砲弾を躱す。

先ほどからその動きを見せていた。

 

隊員C「もう!どうしてあの距離で当たらないのよ!」

隊員D「指示も飛ばしていないのにあの動き、まるで思考を戦車に直結させたみたいだわ」

まほ 「直結・・・・。なるほど、そうか」

隊員B「隊長?」

 

隊員たちの言葉に察したまほ。

そしてまた放たれる砲弾。

目視するイカ娘。

その時、車内には____イカ娘の触手を体に巻き付けられた状態の栄子たちがいた。

砲撃をイカ娘が目視すると、その刹那栄子の体に巻かれた触手が合図を送る。

そしていち早く反応した栄子が指示に合わせ操縦桿を切る。

 

ギャギャギャ!

ドオン!

 

その早すぎる伝達により、口で指示を飛ばすより断然早く五式は行動に移せていた。

更に巻き付けていない触手は装填するための次の砲弾を担ぎやすいように支えたり、車体が揺れて読みにくい地図を読みやすく吊るしたりなど多種多様に役立っていた。

 

まほ 「みほから話は聞いていたが、まさかこれほどとは・・・・。まさに人馬一体____いや、この場合はイカ車一体、か?」

 

などと考えている間にも戦闘は続いていく。

 

渚  「うまく躱せているようですね」

シン 「夏のころ西住さんたちと最後にやりあったフォーメーションのグレードアップバジョンね。あの時も思ったけど、今回はそれに輪をかけて安定感がすごいわ」

鮎美 「やっぱりイカ娘さんの触手さばきは人間離れしていますね!」

栄子 「まあ、イカだからね」

 

イカ娘の触手により五式と一体になった栄子たち各々の役割を最大限に発揮している。

しかし、そんな中・・・・

 

ウネウネウネ・・・・

ニョロニョロニョロ・・・・

 

車内を行き場を失ったかのように二本の触手が行ったり来たりしている。

 

栄子 「あーもううっとうしい!何なんだよその触手!」

イカ娘「触手が余ってしまうのでゲソ」

渚  「確かに、もう触手で補える部分はありそうにないですね」

栄子 「いや、もう少し使いどころはあるだろ」

イカ娘「いや、見つからないのでゲソ。昨日練習したときも、みんなで乗り合わせした時も、どうしても二本余るのでゲソ(・・・・・・・・・・・・・)

シン 「でも内部はけっこうカスタマイズされてて、まさに触手で動かすのに適した構造になってたわよ?・・・・はっ!?まさか八本足の宇宙人専用!?」

栄子 「いやそれはない。・・・・でも、言われてみればイカ娘に合うようにカスタムされてるのに、触手が二本余る・・・・てことは・・・・」

 

栄子の脳裏に一人の少女が浮かびあがる。

 

栄子 「いやいや、まさかな」

 

栄子はすぐ頭を振ってその考えをなかったことしにた。

 

黒森B「落ち着いて狙って!一度に放てば全部よけるのは難しいはずよ!」

黒森C「フラッグ車を仕留めれば勝ちは目前!ここで勝負をかける!」

 

段々とイカ娘の戦法に慣れてきたのか、一斉に砲口を五式に向ける隊員たち。

 

イカ娘「・・・・!」

 

身構えるイカ娘。

と____

 

西  「突撃ーッ!」

 

ヴォオオオオン!

 

今までどこにいたのか、林の中から知波単戦車団が飛び出してきた。

 

ギャギャギャギャ

バアン!

ガッキーン!

 

目の前に割り込んできたり砲撃を食らわせたり体当たりをかましたりなど、一気に現場を大混乱に巻き込んだ。

 

イカ娘「西よ、遅かったじゃなイカ!」

西  「申し訳ありません、先ほど飛び込んだ際に福田が木に引っかかってしまいまして!」

福田 「め、面目ございませんー!」

 

西たちが飛び込んだ林の一本の木の上には、取れなかった福田のヘルメットがひっかかったままだった。

ただでさえ狭い境内を所狭しと走り回るチハたち。

またしても訥々な事態に混乱の渦に叩き込まれる黒森峰戦車団。

しかしそんな状況においても冷静に注意を払う人物が一人。

 

まほ 「・・・・」

 

まほだった。

まほだけはカオスな戦場において一人だけ冷静に、フラッグ車であるイカ娘を見据えている。

同時に、イカ娘もまほがこちらを見ていることに気づく。

 

西  「イカ娘殿!」

 

戦闘の最中声を上げる西。

 

西  「ここは我らにお任せを!」

細身 「大隊長殿はご自分の戦いを!」

福田 「ご武運をお祈りします!」

 

次々と寄せられる声援。

そして____

 

ギャギャギャギャギャ・・・・

 

これまで微動だにしなかったまほのティーガーⅠが、ゆっくりと動き出す。

にじり寄るかのように近づくティーガーⅠに対し、じりじりと後退する五式。

直後。

 

バゴオン!

ドゴオン!

 

ティーガーⅠの56口径が火を噴き、五式は済んでのところで躱す。

その勢いのまま転進、猛スピードで神社から離脱し始めた。

 

まほ 「追うぞ」

 

大混乱の境内をそのままに、まほはティーガーⅠ単騎で五式を追い始めるのだった。

 

境内に残された西のチハに無線が入る。

 

ダー 『首尾はいかがかしら』

西  「はっ、事は計画通りに運んでおります!イカ娘殿の五式は上層へ、西住まほ殿も後を追われていきました!」

ダ- 『そう。ではあとは彼女らに任せましょう。そちらもいい塩梅でお戻りになって』

西  「はっ!・・・・ですが、大丈夫なのでしょうか?イカ娘殿はもちろん手練れ、ですが相手はあの西住まほ殿です。果たして五体満足に終えられますかどうか・・・・」

ダー 『心配いりませんわ』

西  「えっ?」

 

断言するダージリンに驚く西。

 

ダー 『この展開は____「彼女」が望んだものだからですわ』

西  「『彼女』____?」

 

西には、ダージリンの言うその『彼女』が誰かなのか即座に理解することはできなかった。

 

バアン!

ドオン!

 

江の島の上層、江の島シーキャンドルのある広場に向かう道を進み続ける五式と、それを追うティーガーⅠ。

操縦を一つでも誤れば転落しかねない岩壁沿いの道を速度を上げ突き進んでいく。

さしもの超人的伝達速度の触手指示があろうとも、狭い道の上では回避もままならない。

 

栄子 「やっぱり向こうのほうが腕は上だ!いずれ追いつかれるぞ!」

 

戦慄する栄子が叫ぶ。

 

イカ娘「むむむ・・・・この段階で使いたくはなかったのでゲソが」

 

イカ娘はキューポラから大きく身を乗り出し、体をティーガーⅠに向ける。

 

まほ 「ん?何をするつもりだ」

 

そして何から口をモニョモニョし始めたかと思うと____

 

イカ娘「ブーーーーーーッ!」

 

イカ娘は大量のイカスミをティーガーⅠに浴びせかけ始めた。

イカスミは次々とティーガーⅠに降りかかり、車体を黒く染めていく。

 

黒森E「うわわわわ!?」

 

イカスミは運転席の覗き窓も真っ黒に染め上げ、操縦主はたまらず急ブレーキをかける。

 

イカ娘「今でゲソ!」

 

その隙をついて、五式は一気に距離を離すことに成功した。

一方停車を余儀なくされたティガーⅠ側。

とっさにキューポラの蓋を持ち上げイカスミの直撃をしのいだまほだったが、ほんの僅かながらイカスミが頬についていた。

親指で拭い、ぺろりと舐めとる。

 

まほ 「ふむ、悪くない」

 

楽しそうな表情で呟くのだった。

 

ギャギャギャギャ

 

イカスミをぬぐい終え、後を追って上層へたどり着いたティーガーⅠ。

目前には江の島シーキャンドルがそびえ立っている。

と、そのふもとから五式がゆっくりと姿を現す。

 

まほ 「当分の間、どちらの援軍もここへ来ることはできない。ここで私たちと君ら、一対一の勝負だ」

イカ娘「・・・・望むところでゲソ」

 

決意に満ちた目がまほを捉える。

 

まほ (あの目・・・・)

 

その目は、まほには見覚えがあった。

ついこの間、とある大会の決勝戦で向けられた、覚悟と決意に満ちたあの目。

 

まほ (やはり、似ている)

 

俯いたまほの口元が、イカ娘に悟られないよう僅かに緩む。

そして____

直後に顔を上げたまほの顔は、威圧感と決意に満ちていた。

 

ドゴオン!

 

直後、何の前触れもなく56口径が火を噴いた。

 

ギャリンッ!

バゴオオン!

 

突然の奇襲も、他と同じようにひらりと躱す。

そして旋回しつつ砲口をティーガⅠにばっちり合わせる。

 

バアン!

ヒュンッ

 

カウンターで放たれた五式の75mm砲弾も、まほの采配により難なく躱す。

その回避行動のスピードそのままに駆け出す両車。

先ほどの江島神社と打って変わり、開けた広場の多いエリアを所狭しと駆け巡る。

 

バアン!

 

広場を挟みお互いの姿を晒しながら撃ち合い、

 

ドオン!

 

時に木々に紛れ奇襲を仕掛け、

 

ガギイン!

 

生い茂る観葉植物の陰から突撃を敢行したり、

 

ガシャアアン!

 

店の中に身を潜め体当たりをしたりもした。

そんな激戦を繰り広げていたが____

 

バギンッ!

 

ついに五式の前面装甲を砲撃が大きく削り取る。

 

イカ娘「あっちの砲撃、どんどん当たりやすくなってきてなイカ!?」

渚  「気のせいじゃありません、時間がたつたびどんどん精度が上がってきてます」

シン 「こっちの砲撃は全然当たらないって言うのに、どういうことよ!?」

 

まほの砲撃が放たれる瞬間、確かにイカ娘は触手の伝達によりはるかに早く指示を栄子に送れている。

しかし、まほとてそれを理解している。

 

ドオン!

ガギンッ!

 

砲撃が来る瞬間、イカ娘がどちらに避ける指示を送っているか、癖や傾向をまほは掴み始めていた。

ゆえに砲撃を放つ直前に再度指示を送り、五式が避けるであろう方向に修正を加え偏差射撃を放っていたのである。

 

バゴオン!

ギャリンッ!

 

今までで一番大きく装甲を削られる。

 

栄子 「西住さん、この戦いの中で成長し続けてる!?」

シン 「この適応力と柔軟性・・・・さすがだわ」

イカ娘「これが・・・・黒森峰の西住さんの実力でゲソか・・・・!」

 

一対一が始まった直後は勝つ自信に満ち溢れていたイカ娘の顔に焦りの色が浮かび始める。

他の隊員とは一味も二味も違うまほの実力の深さに戦慄するイカ娘たち。

 

イカ娘(このまま戦い続けても、対応され続けていずれはやられてしまうでゲソ!何か新しい手をぶつけないと・・・・)

 

瞬間、イカ娘の脳裏にひらめきが走った。

 

ヴォンッ!

 

直後に五式が反転、江の島のさらなる奥へと全速力で駆け出した。

それに気づき、追いかけるまほ。

 

ドオン!

 

追いかけながら放ってくるティーガーⅠの砲撃をいなしつつ、どんどん奥へ向かう五式。

追いかけっこは続き、ついに二両は江の島の先端エリアにまで足を踏み入れた。

 

まほ (・・・・妙だな。彼女のこれまでの意気込みを見るに、不利だからと脇目も降らず逃げ出すとは思えない。わざわざここへ誘い込んだということか?ならば狙いは)

 

まほがイカ娘の真意を探っていると、先を行く五式がやたらと蛇行して進んでいるのが目についた。

砲撃の狙いをつけにくくするため、と思えなくもないが、このエリアに来てからし始めたことにまほは何かしらの意図を感じていた。

と____

 

ガクンッ!

 

まほ 「!?」

 

突如ティーガーⅠの車体が右に大きく傾き、動きが封じられる。

 

まほ 「どうした、状況を報告しろ」

黒森F「あ、穴です!大きな穴が空いています!」

まほ 「穴だと?」

 

よく見ると、右側の履帯の先がぽっかり空いた穴にはまっている。

その穴のせいで若干つんのめってしまった体制になり、身動き取れなくなってしまっている。

まほは、これがイカ娘の狙っていた策なのかと悟った。

 

まほ 「しかし、ここに落とし穴を仕掛ける余地などなかったはず・・・・。いつの間に____」

 

と、まほははっとした。

 

渚  「成功です、穴にはまってます!」

 

状況を目視した渚が声を上げる。

 

イカ娘「よし!作戦は成功でゲソ!」

 

得意満面の笑みを浮かべる。

 

 

~~遡ること一週間前~~

 

 

撮影に参加したイカ娘らが江の島に向かっているときのこと。

 

栄子 『はあ?落とし穴を仕込む?』

イカ娘『うむ!落とし穴をいくつも作って、そこに逃げ込んだと見せかけて追いかけてきた相手を落とすのでゲソ。これなら砲撃できなくても勝てるでゲソ?』

渚  『確かに、走行不能になれば撃破と同じ判定にはなりますが・・・・』

イカ娘『砲撃でなければ相手を倒せない、その固まった思考を突くのでゲソ。以上が私の立案した作戦でゲソ!』

栄子 『・・・・』

渚  『・・・・』

イカ娘『ふっふっふ、完璧な計画の前にぐうの音も出ないようじゃなイカ!』

栄子 『いや、予想の斜め上過ぎて呆れてんだよ。近代戦車道のこの時代にこんな手を使う奴なんざお前しかいないぞ』

イカ娘『仕方ないじゃなイカ!これ以上にいい作戦は思いついたのでゲソ?』

栄子 『いや、無いけどさあ・・・・』

イカ娘『心配するなでゲソ!計画は完璧でゲソ!』

 

 

~~現在に戻る~~

 

 

栄子 「ほんとに決まっちゃったよ、落とし穴・・・・」

 

信じられないものを見る目で呟く栄子。

だが____

 

ギュイイイイイン

 

ティーガーⅠの履帯が大きく回り始める。

最初は空回りし土をかくだけだったが、履帯の回転数や方向を適度に切り替えていくことで車体が元に持ち上がり始めている。

 

イカ娘「あっ!抜け出すでゲソ!」

 

バアン!

 

それを見て慌ててシンディーが砲撃するが、僅かに逸れ命中には至らない。

そうしている間にティーガⅠは安全に穴から脱出を果たしてしまった。

 

イカ娘「逃げるでゲソ!」

 

それを見るや否や一目散に転身していく五式。

即座にティーガーⅠも追いかける。

 

ドオン!

バアン!

 

お互い砲撃の応酬を見舞うが、決定打には至らない。

直後。

 

ズボンッ!

 

再びティーガーⅠが落とし穴にはまる。

しかも今度は隠し方も巧妙で、さらに穴が大きかったため前面の両履帯がすっぽり穴にはまってしまった。

 

イカ娘「やったでゲソ!読み通り、私の機略に引っかかったでゲソ!」

栄子 「まさかこんな罠が二つもあるなんて思わねえだろ!」

 

今度こそ、と砲口を向ける五式。

 

イカ娘「撃つでゲソ!」

 

イカ娘の指示により五式から砲弾が放たれる直前____

 

ドオン!

 

前面が埋まっていたティーガーⅠが穴に向かって砲撃を放つ。

 

ギュオンッ!

 

その反動と急バックが合わさり、またしてもティーガーⅠは穴から脱出を果たす。

そしてタイミングを逃した五式の砲弾は穴に着弾するだけとなった。

 

イカ娘「またすぐ抜け出されたでゲソ!?」

栄子 「だーもう、格が違いすぎる!」

 

またしても一気に距離をとる五式。

ティーガーⅠも追うが、もはや残りの落とし穴には引っかからない。

僅かに様子の違う地面を見分けt、的確にかわし追い続ける。

そうしている間に、いよいよ端っこに追い詰められてきたイカ娘たち。

奇しくもそこは一週間前チャーチルが落下したあの崖の砲口である。

それに気づいたイカ娘が表情を硬くする。

 

イカ娘「・・・・もはや、あれしか手は残されていないでゲソ」

 

内部を覗き込むイカ娘。

視線が合った車内の全員は、皆決意に満ちた目でイカ娘を見つめ返す。

栄子たちの決意を受け止めたイカ娘は前方を見据える。

 

バササササ

 

追いかけてきたティーガーⅠがこれでもかというほどに距離を詰めてくる。

そして____

 

イカ娘「ブーーーッ!」

 

イカ娘が再びイカスミを噴き放つ。

今度は予想していたまほが、顔をかばい腕でイカスミをガードする。

それにより視界が五式から妨げられたその一瞬。

 

まほ 「!?」

 

五式の車体は崖に吸い込まれるように落ちていった。

予想だにしなかった事態に呆然とするまほ。

ゆっくりと崖に近づいていくティーガーⅠ。

 

隊員G「が、崖に落ちちゃいましたよ!?」

隊員H「う、運営本部に連絡!いや、この場合救急要請!?」

 

パニックになる隊員たち。

しかし____

 

まほ (落ちる直前に見せた、彼女の顔・・・・)

 

イカスミをガードし、前を見据えなおした直後崖に落ちていく五式。

そのわずかな瞬間、まほとイカ娘は目が合っていた。

 

まほ (あの落ちていく瞬間____『彼女』の目は何も諦めてはいなかった。・・・・むしろ、最後の一手を仕掛けるときの、『あの子』の目をしていた)

 

これで終わりのはずがない、と考えたまほが周囲を見渡す。

と、そこには変なものが見えた。

 

まほ 「あれは・・・・ロープか?」

 

少し離れたところの太い木に、青いロープのようなものが巻き付けられていた。

そしてそれは崖に伸びている。

反対側を見ると、反対側にも同じものがある。

 

まほ 「あれは、まさか・・・・」

 

ィィィィィイイイン・・・・

 

と、どこかからエンジン音が響いてくる。

その音がどこから聞こえてくるのか、まほは周囲を見渡すがどこにも他に車両は見当たらない。

思いつくとすれば____

 

まほ 「まさか____」

イカ娘「ゲッソーーーーッ!」

 

ヴィイイイイイン!

 

その音は、今まさに崖を走る五式のものだった。

何本にも絡め強度を増した触手を二本に分けて木に結び、残りを五式にがっちり巻き付けている。

それにより振り子のように真横に進む推進力を得た五式は、まるで忍者の壁走りのように切り立った壁を猛スピードで駆けていく。

 

イカ娘「・・・・!」

 

ふと視点を落とすと、そこは未だ引き上げられないチャーチルが眠っている場所だった。

一瞬のためらいを振り切るように前を見直すイカ娘。

 

イカ娘「決めるでゲソ!」

栄子 「おっしゃあああああ!」

 

ヴォオオオオオン!

 

栄子が目一杯にアクセルをふかし、五式は振り子運動のエネルギーも加え猛スピードで崖を駆け上がっていく。

そして、

 

ヴィンッ!

 

五式が崖の頂点から垂直に飛び上がり、ティーガーⅠの真横に姿を現した。

 

まほ 「!?」

 

それに気づいたまほがそちらを見た時には____宙に舞い出た五式の砲口は完ぺきにティーガーⅠを捉えていた。

それを見るイカ娘の姿に、まほは一瞬目を奪われる。

そして、おもむろに無線を開く。

 

まほ 「・・・・みほ」

みほ 「お姉さま?」

まほ 「すまんな、後を任せる」

みほ 「えっ!?」

 

ドオン!

バアン!

シュポッ

 

狙いすました五式の一撃は____ついにティーガーⅠを沈黙せしめるのだった。

 

 

~~由比ガ浜・戦車道特別観客席~~

 

 

真理 『ティ・・・・ティーガーⅠ、撃破!』

観客 「うおおおおおおお!?」

 

ヘリから江の島の戦いを見ていた真理が声を荒げ、ギャラリーの割れんばかりの歓声が響く。

 

真理 『信じられません!あの高校生戦車道において敵なしとまで言われたほどの西住まほ選手が、大学・れもんチームのフラッグ車との一騎打ちに敗れました!私自身、今も目の前の光景が信じられません!まさに大金星です!』

 

会場のモニターには上空から映し出される先ほどまでの戦いが映し出されている。

 

しほ 「・・・・」

 

そしてそれを静かに見つめるしほ。

 

吾郎母「あらあー、まほちゃんやられちゃったわね!でもどっちもすごい戦いだったわあー、私じゃああはいかないわ!」

千代 「そうね。あの戦い、どちらが勝つか最後まで分からなかったわ」

 

若干フォローを入れつつ、しほの様子を伺う千代。

しほの目はモニターに向けられたままで、表情から心境を伺うことはできなかった。

モニターには、沈黙したティーガーⅠと、その場から動かないでいる五式が映し出されている。

直後。

 

バゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

 

その映像は、巨大な爆音とすさまじい勢いで広がる爆炎と煙に一瞬で包まれるのだった。




もはや日程を気にするより、クオリティと確実に投稿することを重視すべきかもしれません。
とにかく歩みだけは止めないよう心がけます・・・・。

11月に入って、風の冷たさが秋から冬にものに入れ替わってきているように感じます。
これまで以上に、体に気を付けてお過ごしください。

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