侵略!パンツァー娘   作:慶斗

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※形式の都合上、キャラの名前が一部略称になっています。


ミニイカ娘→ミニ娘


第4話・連れてきちゃっていなイカ?

ミニ娘「すぴー・・・・すぴー・・・・」

 

お昼下がりの相沢家。

栄子の部屋の窓際で、ミニイカ娘がひなたぼっこをしながら眠っている。

と__

 

ガチャッ

 

玄関でドアを開ける音がする。

 

ミニ娘「!」

 

その音に即座に反応したミニイカ娘が、窓辺から降りてドアに駆け寄っていく。

そしてミニイカ娘がドアの前につくと同時に、

 

ガチャッ

 

ドアが開き、栄子が部屋に帰ってきた。

 

ミニ娘「~♪」

 

栄子の帰宅にはしゃぐミニイカ娘。

すぐに栄子はミニイカ娘が出迎えてきたことに気が付き、笑顔で手を差し出す。

 

ミニ娘「ゲショッ!」

 

ぴょんっと手のひらに飛び乗り、上に持ち上げられる。

ふと、栄子の後ろに誰かいるのに気が付く。

 

ミニ娘「!」

 

最初は栄子の後ろにいたため気が付かなかったが、栄子と一緒に小梅が部屋に入って来ていたのである。

小梅は中腰になって手の上のイカ娘に顔を近づけ、にこっとほほ笑む。

初めて見る人物を警戒してか、ミニイカ娘は栄子の指にしがみついたまま動かない。

そんな様子のミニイカ娘に気が付いた栄子が、そっと手に乗せたまま小梅に差し出す。

 

ミニ娘「ゲショッ!?」

 

慌てて逃げようとするが、栄子は首を振り笑顔で小梅の方に行くように促す。

恐る恐る小梅を見るミニイカ娘。

小梅も栄子に促され、そっと再度手を差し出す。

 

ミニ娘「ゲソ~・・・・」

 

つんつんと触手で指をつつく。

 

しゅるっ

 

次ににゅっと触手を伸ばし、小梅の指の先に巻き付ける。

反撃がないのを確認すると、恐る恐る栄子の手のひらから小梅の手のひらに渡っていく。

やがて小梅の手のひらの上に乗り、小梅を見上げる。

小梅はミニイカ娘にいとおしさを感じ、表情をくずす。

しかしミニイカ娘は少し緊張気味で、まだ笑顔は見せていない。

 

栄子 「!」

 

ふと思いついた栄子が、小梅に何かを手渡す。

それを受け取った小梅が、もう片方の手をミニイカ娘に近づける。

 

ミニ娘「?・・・・ゲッソ~!」

 

小梅が差し出したのはいつもミニイカ娘がおやつに食べている乾燥桜エビ。

それをささっと触手で奪い取るように受け取り、夢中になって食べ始める。

 

ミニ娘「ゲッショ、ゲッショ、ゲッショ♪」

 

そして、出された桜エビを食べ終えると、満足げに横になる。

 

ミニ娘「ゲソ~♪」

 

顔にはもう全く警戒の色はなく、小梅の手の上でリラックスし始めている。

栄子と小梅はそんなミニイカ娘を見て苦笑するような笑顔を浮かべていた。

 

その後。

すっかり小梅を受け入れたミニイカ娘は、小梅の肩に乗ったり頭の上に登ったりと遊びまわっている。

小梅は戦車道関連の本を開き、栄子に色々と戦車について語っていた。

やがていい時間になり、小梅が帰る時間が来た。

時間に気が付き、荷物をまとめる小梅。

栄子は玄関まで送り、小梅は手を振って帰っていった。

部屋に戻り、ミニイカ娘をお風呂に入れようと呼ぶ栄子。

 

栄子 「?」

 

しかし、反応がない。

いつもは呼べばすぐに姿を現すはずのミニイカ娘の反応に違和感を覚え、もう一度呼ぶ。

が、ミニイカ娘は姿を現さない。

 

栄子 「・・・・?」

 

どこかで寝ているのかと部屋中探すが、どうにも見つからない。

いったいどこに行ってしまったのか、と頭をひねっていると__

 

栄子 「!!」

 

とある考えが栄子の頭の中に浮かび始めた。

 

小梅 「・・・・」

 

それからちょっと過ぎ。

黒森峰の学園艦に戻り、自室で荷物を開いた小梅は言葉を失った。

 

ミニ娘「すぴー・・・・すぴー・・・・」

 

バッグの中でミニイカ娘が眠りこけていたのである。

どうやら部屋にいるとき、ミニイカ娘が小梅のバッグに入り込んでしまったようだった。

 

プルルルルルル

 

栄子のケータイに着信。

ケータイ越しに平謝りする小梅。

栄子は気にしなくていいとたしなめる。

しかし日はすでに落ち、黒森峰寮の門限も近い。

ともかくこれからは間に合わないため、今夜一晩を小梅が預かることになった。

電話越しに一通りのミニイカ娘に関する説明を受け、小梅はケータイを切った。

 

ミニ娘「ゲショ・・・・?」

 

と、ミニイカ娘が目を覚ます。

周囲を見渡し、ここがいつもの部屋じゃないことに気が付き、戸惑い始める。

 

ミニ娘「ピィィ・・・・!」

 

不安からか、目に涙が浮かび始める。

 

小梅 「!」

 

慌ててミニイカ娘を持ち上げる小梅。

見知った人がいたことで不安が和らいだミニイカ娘は、何とか泣き出さずに済んだ。

ほっとする小梅。

 

コンコン

 

と、部屋のドアをノックする音。

振り返ると、入り口にエリカが立っている。

咄嗟にミニイカ娘を体で隠し返事する。

エリカはいぶかしげに思いつつも、これから会議があることを伝え去っていった。

ほっと胸をなでおろす小梅。

会議に出るためにパンツァージャケットに着替え、黒森峰印の軍帽を被る。

小梅はミニイカ娘に少し出かけてくるから、いい子で待っているように言づけて部屋を去ろうとした。

 

しゅるっ!

 

と、腕に何かが巻き付いてくる。

 

小梅 「?」

 

振り返ると、テーブルの上からミニイカ娘が触手を伸ばして引き留めている。

小梅は困ってたしなめようとするが、ミニイカ娘は涙ぐみながら首を振り言うことを聞かない。

困った小梅だったが、

 

小梅 「!」

 

ふと名案を思い付いた。

そして__黒森峰の戦車道チームが集まり、会議が始まった。

お堅い雰囲気が漂い、参加している全員が真剣な表情をしている。

まほが正面のホワイトボードを使い、戦略の説明と意見を次々と書き込んでいく。

やがてまほの説明が終わり、エリカが話す番になる。

エリカの説明が終わり、質問はないかと聞くために一同を見渡す。

その時__

 

エリカ「?」

 

目を留めた小梅の軍帽が、勝手にカタカタ揺れている。

 

エリカ(???)

 

何事かとじっと見ていると__

 

ひょこっ

 

軍帽の端を持ち上げて、中から外をうかがうミニイカ娘が姿を見せた。

 

エリカ「!?」

 

気が付いた小梅がさっと軍帽を下ろし、何事もなかった顔をする。

 

エリカ(!?!?!?)

 

今見たものの説明がつかず混乱するエリカ。

口をパクパクさせているエリカに気が付いたまほがどうしたのか、と声をかける。

エリカは何でもありませんと平静を装うが、まほにはそう見えない。

エリカを座らせ、代わりに自分が進行しようと再び前に立つまほ。

そして、小梅をちらっと見ると__

 

まほ 「!?」

 

小梅の軍帽を持ち上げ、頭の上に直立しているミニイカ娘と目が合った。

 

まほ (!?!?)

 

エリカと同じく口をぱくぱくさせるまほ。

小梅は自分を見て驚いていることに気が付き、慌てて頭のミニイカ娘を隠そうとする。

__が、時すでに遅し。

まほの目線に気が付いた隊員が多数、ミニイカ娘に気が付いてしまっていた__。

 

ミニ娘「ゲショ?」

 

小梅がミニイカ娘を連れてきたのがばれ、ミニイカ娘はみんなが囲む机の真ん中に置かれた。

周囲を見知らぬ人間に囲まれ、少し心細そうなミニイカ娘。

小梅がまほに事情を説明している間、みんなは興味津々でミニイカ娘を囲っている。

隊員の一人がおずおずと手を伸ばす。

 

しゅるっ!

 

ミニイカ娘は反射的にその指に触手を巻き付ける。

その反応が可愛かったのか、思わず抱き寄せて頬ずりする。

それを見た他の隊員たちも、私も私もとよってたかってミニイカ娘を奪い合う。

 

ミニ娘「ゲショッ!?ゲショ~ッ!?」

 

隊員たちにもみくちゃにされ、目が回り始めるミニイカ娘。

事態に気が付いた小梅が止めようとするが、テンションの上がった隊員たちに割り込めずにいる。

 

ミニ娘「ゲショ~・・・・」

 

段々とミニイカ娘の顔色が悪くなってくる。

と、その時。

 

ひょいっ

 

エリカがさっと隊員たちからミニイカ娘を取り上げる。

落ち着きなさい、とたしなめられ、熱が下がりはじめる。

エリカが相手ではでしゃばれず、おとなしくなる隊員たち。

ぐったりするミニイカ娘をつまみ上げながら、エリカは小梅にミニイカ娘を手渡した。

ぺこぺこと頭を下げる小梅。

意識がはっきりしてきたミニイカ娘は、目の前にいるのが小梅とわかり安心して飛びつき始めた。

 

ミニ娘「ゲッソ~♪」

 

その後、落ち着きを取り戻した隊員たちにミニイカ娘を紹介する。

ミニイカ娘も落ち着いた紹介をされ、和気あいあいとした雰囲気になっている。

まほはそんな和んだ雰囲気を遠めに見ながら穏やかな笑顔を浮かべている。

エリカも気にはなっているようだが、体裁を気にしてか混じれずにいる。

と、まほがエリカに加わってきたらどうだ、と提案する。

 

エリカ「!」

 

きっかけをもらったエリカは、おずおずとミニイカ娘たちに近づいていく。

小梅も近づいてくるエリカに気が付き、ミニイカ娘の正面にエリカを促す。

もじもじしながらミニイカ娘に近づき、おずおずと手を差し出す。

が__

 

ミニ娘「ゲショ・・・・」

 

ミニイカ娘は怯えた顔をしながら小梅の手に影に隠れる。

 

エリカ「!」

 

ショックを受けるエリカ。

ミニイカ娘をなだめてエリカの方に行くように促すが、ミニイカ娘はイヤイヤをして近づこうとしない。

エリカは嫌なら嫌でかまわない、といった顔ですまして去っていく。

そんなエリカを、まほはすれ違いざまにぽんぽんと頭を軽く叩いて慰めていた。

その後。

自室に戻った小梅は、連れてきてしまったことにお咎めがなかったことに安堵していた。

と、

 

コンコン

 

ドアをノックする音。

どうぞ、と促す小梅。

入ってきたのは二人の隊員。

二人とも何やら荷物を持っている。

 

小梅 「?」

 

一人が持ってきた荷物を開けると__中からミニイカ娘サイズの黒森峰のパンツァージャケットが出てきた。

 

小梅 「!」

 

慣れた手つきでミニイカ娘にパンツァージャケットを着せる。

 

ミニ娘「おぉ~・・・・。ゲショ!」

 

目新しい服にテンションの上がるミニイカ娘。

もう一人の隊員が持ってきた箱を開ける。

 

ミニ娘「ゲソッ!?」

 

中から出てきたのは小さなパンターのラジコン。

造りもしっかりしていて、縮小率もミニイカ娘にサイズがあっている。

ひょい、とミニイカ娘を持ち上げると、優しくキューポラに下半身を差し込む。

 

パンパカパーン!

 

そこには、まさに戦車道を行っている姿のミニイカ娘があった。

おもむろにコントローラーを手にする隊員。

 

キュイーン

カタカタカタ

 

ラジコン操作でミニイカ娘の乗ったパンターがゆっくり動き出す。

 

ミニ娘「ゲッショ~♪」

 

大はしゃぎのミニイカ娘。

隊員は慣れた手つきで操作し、パンターはイスやテーブルの間をすいすい縫うように走り続ける。

ミニイカ娘もご機嫌でいると、突如目前に同じサイズのエレファントが姿を現す。

 

ミニ娘「ゲショッ!?」

 

ポン!

 

エレファントの砲身から吸盤式の砲弾が発射され、パンターの車体にくっつく。

 

ミニ娘「ゲソ~!ゲショ~ッ!」

 

撃て!と言わんばかりのそぶりを見せるミニイカ娘。

 

ポン!

 

それに応えるようにパンターからも砲弾が発射され、エレファントに吸盤砲弾がくっつく。

さらに反撃しようとするエレファントの動きを察したミニイカ娘は、

 

ミニ娘「ゲソ!」

 

右方向を指さし行き先を指示する。

パンターはその通りに動き、エレファントの砲撃を回避した。

大きく迂回しながら狙いを定めるパンター、どっしり構えて迎え撃つエレファント。

そして、パンターの照準がエレファントに合わせられ__

 

ミニ娘「ゲショッ!」

 

ポン!

 

ミニイカ娘の指示に合わせ放たれる砲撃。

その砲弾は、見事エレファントの正面にくっついた。

そして__

 

シュポッ!

 

エレファントから白旗が上がった。

 

ミニ娘「ゲッソ~♪」

 

勝利にはしゃぐミニイカ娘に小梅たちは拍手を送った。

その後も戦車道遊びは続き、気が付けば日が落ちていた。

夕飯の時間になり、一同は食堂へ。

この日のおすすめはエビグラタンだった。

小梅は自分の分とミニイカ娘の分も頼み、ミニイカ娘の前にエビグラタンを置いた。

 

ミニ娘「ゲソ~♪」

 

目を輝かせてエビグラタンを食べるミニイカ娘。

特にエビを食べるときは至福の表情を浮かべる。

そんなミニイカ娘の様子を見ていた隊員たちが__

 

小梅 「!」

ミニ娘「ゲソ~~~!?」

 

次々とエビをミニイカ娘のグラタンに乗せていく。

結果、エビまみれになってグラタンの部分が見えないほどエビがこんもりとしていた。

キラキラした目でエビをほおばり続けるミニイカ娘。

そんな様子を見る隊員たちも幸せそうにしている。

 

まほ 「・・・・」

 

おずおずとまほも自分のエビを乗せようと近づくが__

 

ミニ娘「ゲッソ~~・・・・」

 

すでにミニイカ娘は満腹になってテーブルの上で寝転がっていた。

 

まほ 「・・・・」

 

まほは何も言わず、そのままグラタンを持って自分の席に戻っていった。

夕食がすんだあとは入浴。

小梅は桶に張ったお湯にミニイカ娘を入れ、優しく体を洗う。

 

ミニ娘「ゲッソ~♪」

 

気持ちよさそうに湯につかるミニイカ娘。小梅も体を洗い終え、ミニイカ娘の入った桶を持って湯船に入る。

すぐ近くに桶を置き、一緒に入浴しながらのんびりする小梅たち。

 

小梅 「~♪」

ミニ娘「~♪」

 

のんびりとした時間が続き、うとうととし始める小梅。

そんな小梅を見て、一緒に入ろうと思いついたミニイカ娘が、桶から這い出て湯船に近づく。

どこから入ろうか様子を伺い、湯船をのぞき込むと__

 

つるっ!

 

濡れた大理石の湯船に足を取られ__

 

ボチャン!

 

ミニイカ娘は湯船に落ちてしまった。

慌てて水をかくが足はつかず、溺れ始めるミニイカ娘。

 

ミニ娘「ゲショ!がぼっ!ぶくぶくぶく・・・・」

小梅 「!」

 

ザバッ!

 

沈みかけたミニイカ娘に気が付いた小梅が、間一髪で湯船からミニイカ娘を助け出した。

 

ミニ娘「ぴゅ~・・・・」

 

ミニイカ娘は口から水を吐いていたが、命に別条はないようでほっとする小梅だった。

その日の晩。

消灯の時間になり、小梅たちは寝間着に着替え、寝る準備を完了させる。

タオルをうまく使い、ベッドの脇にミニイカ娘用の布団一式を用意した小梅。

ミニイカ娘も気に入ったようで、ぴょんと飛び込み、さっと布団にもぐりこんだ。

 

ミニ娘「♪」

 

具合は悪くないのを確かめ、明日は栄子にちゃんと返さないと、と思いながら小梅は電気を消して眠りについた。

その晩。

 

 

 

ミニ娘「ピィ~~~~~~~~~~~~~ッ!」

 

 

 

突如部屋中にミニイカ娘の泣き声が響き渡る。

いきなりの事態に飛び起き、ミニイカ娘の様子を伺う小梅。

ミニイカ娘は布団の上で大泣きしている。

いったい何があったのかと色々語り掛けるが、泣くばかりで要領を得ない。

ルームメイトの子も跳ね起き何とかなだめようとするが、やはり泣いている原因がわからない。

 

ミニ娘「ピィ~~~~~~~~~~~~~ッ!」

 

ミニイカ娘の泣き声は勢いが衰えず、泣き声を聞きつけたまほたちが部屋へ駆け込んでくる。

まほたちに泣き出した原因がわからないと伝える小梅。

小梅が必死になだめる中、まほたちは対策を考える。

 

まほ 「!」

 

ふと、まほが一つ思いつく。

小梅に思い付きを説明し、小梅はケータイを取り出しとある人物の電話番号を打ち始めた。

 

プルルルルル

 

栄子 「?」

 

場所は変わり、相沢家の栄子の部屋。

着信が鳴り、栄子はケータイを取る。

着信内容は、小梅から着信だった。

 

ピッ

 

電話に出ると、慌てた様子の小梅の声。

周囲の音声も拾っており、ミニイカ娘の泣き声も遠巻きに聞こえてくる。

 

小梅 「かくかくしかじか」

 

と、寝ていたところいきなり大泣きし始めてしまい、どうにも納められないでいる、と説明する。

栄子は少しだけ考えたそぶりを見せ、閃いたという顔をする。

小梅に考えを伝え、一度ケータイを切った。

場所は戻り、学園領の小梅の部屋。

すぐ着信が栄子から帰ってくる。

着信の内容はテレビ通話。

通話状態にし、小梅はいまだに大泣きしているミニイカ娘に、ケータイの画面を向ける。

 

ミニ娘「ピィ~~~~・・・・、・・・・ゲショ!?」

 

ミニイカ娘の眼前、ケータイの画面には、画面いっぱいに栄子の顔が映し出されていた。

 

ミニ娘「ゲショ~!」

 

ケータイに飛びつくミニイカ娘。

画面越しなのでぬくもりはないが、ミニイカ娘の心はだいぶ落ち着いたようだった。

その後、栄子はしっかりと言い聞かせるように、今夜は小梅と一緒に寝ること、明日になったらちゃんと迎えに行く、とミニイカ娘に説明。

ミニイカ娘もしっかり理解できたようで、何度も頭を縦に振るのだった。

 

翌日。

栄子が待つ由比ガ浜港に向かう学園艦。

到着するまでの間、ミニイカ娘は小梅の膝に乗って本を読んでもらったり、触手を使ってエリカの指とボクシングをしたり、まほの頭の上に登ってごろごろしたりと思い思いの時間を過ごしていた。

やがて学園艦が港へ寄港し、港で待っていた栄子にミニイカ娘を手渡す小梅。

これまで以上の笑顔を浮かべ栄子に飛びつくミニイカ娘。

小梅たちはそれを見届けながら、ほっとしたような、ちょっと残念そうな複雑な心持をしていた。

そんな小梅たちに気が付いたミニイカ娘は、去り際に栄子の頭の上に乗り__

 

ミニ娘「ゲショッ!」

 

びしっと敬礼を決める。

 

小梅 「!」

 

そんなミニイカ娘に、小梅たちも笑顔で敬礼を返すのだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

海の家れもんにて。

 

しほ 「__という夢を見たのだけれど・・・・。私疲れてるのかしら?」

栄子 「さあ、私に聞かれましても・・・・」




イカ娘最大の癒しキャラ、ミニイカ娘。
出るたび夢落ちとなり、今回もそうしましたが、実際にはあのサイズのイカ娘一族は存在しないのでしょうか?(ファンブックのおまけ漫画では、ミニイカ娘を見たイカ娘は見たことがないといった様子をしていましたし)

アニメにおいてのミニイカ娘回はほぼセリフらしきセリフのないサイレント仕立てなのでそれに準じてみましたが・・・・難しいですね!
説明的な地の文ばかりになり、読みづらかったかもしれません。
ほんの少しでもミニイカ娘の姿が目に浮かべば幸いです。

ところで、来週はちょっとたてこんでしまうので、すいませんが次回の話は二週間後にさせていただきます。
申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

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