侵略!パンツァー娘   作:慶斗

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第3話・追いかけなイカ?

由比ヶ浜上空。

その空を駆ける一台のヘリがあった。

そのヘリの窓からは、しほが眼下を見下ろしている。

 

しほ 「由比ヶ浜・・・・久しいわね」

 

そう呟き、しほは目線を前に戻した。

ヘリはそのまま倉鎌市のヘリポートへ降り立つ。

 

蛍子 「西住しほ様ですね!お待ちしておりました!私は、古川巡査であります!本日は、私がぐいっとご案内させていただきます!」

 

ヘリポートで出迎えた蛍子がしほを出迎える。

しほの元へ駆け寄り、敬礼をする。

 

しほ 「畏まった儀礼は不要よ。早速案内してもらえるかしら」

蛍子 「は、はい!こちらへ!っ、きゃあ!」

 

慌てて身をひるがえした蛍子は自分の足に引っかかって盛大にすッ転んだ。

 

しほ (大丈夫かしら・・・・色々と)

 

時同じくして、海の家れもんにて。

 

千鶴 「えっ、しほさん・・・・まほさんのお母様がこちらへ来ているの?」

まほ 「はい。どうやら多様な要件がこちらで発生しているそうで、それらを同時に解決するために今ここへ出向いたそうです。私たちも、後で合流する予定です」

栄子 「西住流の家元・・・・ってことは、日本で一番戦車道が強い人、ってことか?」

エリカ「間違いなくそうと言えるでしょう」

まほ 「身内のことなので客観的に語るには難しいが・・・・それでも五本指には間違いなく入るだろう」

栄子 「はー・・・・。どれほどなのか、想像もできないな」

 

栄子はちらり、と外に停めてあるチャーチルに目を向ける。

 

栄子 「とりあえず、西住さんのお母さんがこっちに来てるってことは、あいつには黙ってた方がいいな」

千鶴 「どうして?」

栄子 「あいつ向こう見ずにも程があるからな。話を聞いたら、『勝負でゲソ!』って絶対言い出しちまう。付き合いきれるかっての」

まほ 「私的には、彼女とお母様の試合も見てみたい気も正直無いわけではないが」

栄子 「勘弁してくれ」

 

しばらくのち、倉鎌署にて。

署には大勢のマスコミと、それを上回る大人数の人々が集まっていた。

何やら警察関係者も整列し、ただ事ではない雰囲気を醸し出す。

 

蛍子 「お待たせしました!では、署長、どうぞ!」

 

世代なファンファーレと共に、署内からしほが姿を表した。

いつものスーツ姿に、何やらたすきをかけている。

そのたすきには、『一日警察署長』と書かれていた。

沸くギャラリー、連写する取材陣。

しほは警察関係者の横列中心に位置取り、さっと敬礼を行った。

 

しほ 「一日警察署長を拝命しました、西住しほです。皆さん、本日は宜しくお願い致します」

蛍子 「ではまず、最初に十分ほど質問の時間を設けます。何かお聞きになりたいことは__」

しほ 「・・・・あら?最初は啓発とデモンストレーションからではなかったかしら?」

蛍子 「あっ!」

 

早速手順を間違え青くなる蛍子。

 

しほ 「__まあいいわ、先に質問から受け付けましょう」

記者達「はいはいはいはいはい!」

 

一斉に手を挙げる記者一団。

 

蛍子 「は、はい、ではどうぞ」

記者A「えー、西住さんは、娘さんらの活躍をどうお考えですか?毎年高い順位を維持するまほさんと、さらにそのまほさんをも凌駕する才能をお持ちのみほさん。家元として、娘さんがたの今後の身の振り方も__」

しほ 「申し訳ありませんが、ここは公的な場なので。プライベートに関しての質問は一切お答え致しかねます」

記者B「はい!では、先日の大学選抜チームと大洗女子のエキシビション、あれは文科省の役人へ直談判した西住さんの強行だったという噂が立っていますが__」

しほ 「事実と異なる質問に関しても、答える義務はありません」

記者C「はい、では!」

 

質問というよりは記者会見のように矢継ぎ早にしほに食いかかる記者たちを、しほは涼しい顔であしらっていった。

 

蛍子 「では、質問の時間を終了とさせていただきます。じゃあ、次は、えっと__」

 

最初から手順を間違えたため、次に何をするべきか混乱している蛍子。

 

しほ 「次は全国規模、近辺でも多発しているあの事件についてお話させていただきます」

蛍子 「あ・・・・はい!ではよろしくお願いします!」

 

おほん、と軽く息をつく。

 

しほ 「皆さんもご存じかと思われますが、ここ最近各地で戦車の盗難が多発しています」

 

さすがにマスコミは知っているのか、全員が真面目な顔になる。

 

しほ 「第六十三回全国戦車道大会の盛り上がりの影響もあり、全国で再び戦車道が日を浴びる兆しにあります。ですが、始めたばかりの初心者の方々の油断に付け入り、戦車を窃盗、詐取などにより奪われる事件が多発しております。我々戦車道連盟各位と警察の方々との連携により、大規模な組織犯罪によるものであると調査報告が出ています」

 

ざわざわ・・・・とざわつく。

 

しほ 「戦車道を嗜み、己を高めようとする少女たちを食い物にする外道たちを、到底看過するわけにはいきません。今後とも、お互いの連携を密にして事態の解決に邁進致します。戦車道を嗜む方々も、解決まで十分な注意と警戒をお願いします」

記者B「ですが、戦車ほど大きな物であれば、盗難にあえばすぐに発覚し、確保に至れるのでは?」

 

しほは、さっと左手を挙げる。

と__

 

ガガガガ・・・・

キュラキュラ・・・・

 

しほの両脇に、まほの乗ったティーガーⅠと、エリカの乗ったティーガーⅡがゆっくりと姿を表した。

その二両の迫力に記者がたじろぐ。

 

しほ 「ご覧の通り、戦車は大きく重量も尋常ではありません。もしこれが戦車道を志さぬ者の手に渡り、ましてや悪用されたとなれば、その被害は計り知れません。そもなれば、戦車道はかつて以上に日陰を歩むことになるでしょう」

 

しほの鬼気迫るほどの迫力と演説に、黙って危機続ける取材陣。

 

しほ 「我が国の伝統ある文化を守るため、未来ある少女たちにため、今以上のご理解とご協力をお願い致します」

 

かくして、しほの一日警察署長は終わった。

 

蛍子 「しほさん、お疲れさまでした!完璧な署長ぶりでした!」

しほ 「お疲れ様。貴女はもうちょっと、落ち着きと段取りの要領を得たほうがいいわね」

蛍子 「うう、すみません……」

しほ 「まあ、精進なさい」

蛍子 「はっ、はい!」

まほ 「お母様、この後時間はありますでしょうか」

しほ 「そうね、この後は宿に戻るだけだけど……何かあるのかしら」

まほ 「はい。お母様にご紹介したい方々がおりまして」

しほ 「ああ、そういえばこっちのほうに戦車道繋がりで知り合った子が出来たって言っていたわね。いいわよ、では今から__」

警官A「あっ、西住さん、今いいですか。実は、書類の署名に漏れがありまして、立ち会っていただきたく・・・・」

しほ 「・・・・わかりました、行きましょう。まほ、先に行っていなさい。時間があれば、そちらに向かいます」

まほ 「__はい、わかりました」

 

少し寂しそうな顔をしたが、すぐに表情を戻しまほとエリカは去っていった。

二時間後。

 

イカ娘「今日もいい天気でゲソ!」

 

イカ娘は砂浜沿いの道路を散歩していた。

そこへ__

 

タタタタタタタタ

 

しほ 「あなた!」

イカ娘「うわっ!?」

 

血相を変えたしほが走ったままの勢いでイカ娘に食って掛かるように話しかける。

 

イカ娘「な、何でゲソ・・・・?」

しほ 「う、海の家れもんって、どこかしら・・・・!?」

イカ娘「れもんなら、そこを降りてちょっと行った先でゲソ」

しほ 「そう、ありがとう」

 

そう言ってしほは走り去っていった。

 

イカ娘「何だったのでゲソ、今のは・・・・」

 

れもんにて。

ティーガーIとティーガーIIを店先に止め、まほたちがしほを待っていた。

 

千鶴 「しほさん、来られないわね」

まほ 「仕方ありません、母は忙しい身ですから」

エリカ「隊長・・・・」

 

エリカがどう声をかけようかと悩んでいると__

 

しほ 「待たせたわね」

 

涼しい顔をしたしほが現れた。

 

まほ 「お母様!」

しほ 「時間があれば向かうと言ったでしょう」

 

息が切れるのを隠しながられもんに入るしほに、千鶴がタオルを渡す。

 

千鶴 「今日は暑いですから。タオル使ってください」

しほ 「・・・・感謝するわ」

イカ娘「おお、ちゃんとたどり着けたでゲソか」

 

イカ娘もれもんに戻ってきた。

 

しほ 「ああ、あなた。さっきはお世話になったわね」

栄子 「ん?何かあったのか?」

イカ娘「うむ、さっき大急ぎでれも__」

 

言いかけて、しほの『それは口外しないように』という威圧のオーラを感じ、口をつぐむ。

その後、談笑する一同。

 

イカ娘「ふむ、西住さんたちに戦車道を教えたのは、西住さんたちの母ちゃんだったのでゲソか」

エリカ「私もそうよ。私も西住流なんだから」

イカ娘「ふーん」

エリカ「アンタ!今鼻であしらったでしょ!」

しほ 「それにしても、まだここで海の家をしていたとは思わなかったわ」

千鶴 「うふふ、天職ですので」

栄子 「あれっ、二人とも面識あったの?」

千鶴 「ええ。前に、しほさんがわざわざスカウトに来てくれたことがあったの」

エリカ「スカウト!?家元が直々に!?」

しほ 「あっさりと断られたわ。今は海の家に専念したいって」

千鶴  「お申し出は嬉しかったんですけどね」

しほ 「でもまだ諦めはしないわ。貴女が師範代の座についてくれるまで、何度でも伺うわ」

エリカ(只者ではないと思ってたけど・・・・一体何者なの、この人!?)

 

すると__

 

男A 「あのー」

 

数人の男たちが話しかけてきた。

 

男A 「もしかして、西住まほさんでしょうか?」

まほ 「え?はい、そうですが」

男A 「やっぱり!俺たち大ファンなんですよ、会えて感激です!」

まほ 「ありがとうございます」

男A 「それで、出来たら一緒に記念撮影お願いできませんか!?」

まほ 「お母様、いいでしょうか」

しほ 「ええ、いいでしょう」

まほ 「大丈夫です。では、どこで__」

男A 「じゃあ、せっかくだから、戦車の前で!」

 

そして戦車の前に立つまほたち。

 

男B 「あ、出来ればチームの皆さん全員でお願いできますか?」

隊員A「えっ、私たちもですか?」

男A 「ええ。皆さんあってのチームじゃないですか。西住さんと共に戦うあなたたちとにも一緒に写ってほしいんですよ」

隊員B「いやー、それほどでも・・・・」

隊員C「そ、それじゃあ、一枚だけ」

 

男たちに褒めちぎられ浮かれてた隊員たちも戦車から降りてくる。

最後に操縦主がエンジンを切り、少し遅れて戦車の前に並ぶ。

 

男A 「それじゃあみなさんが前でお願いします」

まほ 「こう、でいいでしょうか」

男B 「ええ、そうそう。やっぱりまほさんは中心でなくちゃ!」

イカ娘「それじゃあ撮るでゲソよー」

 

そしてイカ娘がシャッターを切ろうとした瞬間__

 

ドゥルルルル・・・・

 

背後のティーガーⅠのエンジンが入った(・・・・・・・・)

 

まほ 「えっ・・・・?」

 

いち早く音に気が付いたまほが振り返ろうとすると__

 

男B 「今だっ!」

 

ドンッ!

 

隊員A「きゃあっ!?」

 

突然男Bが隊員Aを勢いよくまほの方へ突き飛ばした。

 

まほ 「っ!?」

 

突如解き飛ばされてきた隊員Aを反射的に受け止めるまほ。

しかし、無理な体制で受け止めたため、右足を大きくひねる。

 

まほ 「くっ・・・・!?」

 

バランスを崩し、隊員Aと一緒に砂浜に倒れこむ。

 

隊員A「きゃあっ!」

隊員B「な、何!?」

男C 「乗れっ!」

 

いつの間にかティーガーⅠのキューポラに収まっていた男Cが叫び、次の瞬間男AとBがティーガーⅠに飛び乗る。

 

男A 「いいぞ、出せ!」

 

ギュラギュラギュラギュラ!

 

ティーガーⅠはそのまま車体を反転させ、全速力で男たちを乗せたまま逃げ始める。

 

隊員C 「ど、どういうこと?!」

 

未だに事態が把握できない隊員たちは茫然としている。

その中で、

 

まほ 「くっ、__待てっ!」

 

誰よりも早く理解したまほがティーガーⅠを追いかけようと駆けだそうとするが、

 

ズキィッ!

 

まほ 「うっ!」

 

激しい足の痛みに顔をゆがませ、足を抑えながらその場に倒れ込む。

 

イカ娘「西住さん!大丈夫でゲソか!?」

隊員A「隊長!」

まほ 「大丈夫、足を少し、捻っただけだ・・・・」

 

痛みでまほの額に脂汗がにじむ。

イカ娘がまほを構っているうちに、ティーガーⅠは車道に乗り上げ、そのまま姿を消した。

 

イカ娘「いったい、どうなってるのでゲソ・・・・」

栄子 「おい!どうした!?」

エリカ「隊長!?どうされたんですか!?」

千鶴 「まほちゃん!大丈夫!?」

 

事態に気が付いた栄子たちが駆けつけてくる。

 

まほ 「大丈夫、です・・・・」

 

足を抑えながらも気丈に応える。

 

エリカ「イカスミ流、一体何があったの!?隊長に何があったの!?ティーガーⅠはどこへやったのよ!?」

イカ娘「私にもさっぱりわからないでゲソ!記念撮影してたら、戦車が動き出して、まほたちが転んで・・・・」

隊員A「私、突き飛ばされました・・・・あの男の人に」

栄子 「何だって!?」

隊員A「それで倒れそうになった私をかばって、隊長が足を・・・・。ごめんなさい・・・・!」

 

隊員Aの目に大粒の涙が浮かぶ。

 

まほ 「お前のせいじゃない。何も謝ることはないさ」

隊員A「でも・・・・!」

隊員B「でも何であの人たち、私たちの戦車を・・・・?」

隊員C「これってまさか、警察署で家元たちが仰ってた__」

エリカ「戦車泥棒・・・・!」

 

ようやく事態を把握し、自分たちが戦車を盗まれたという事実を認識して青ざめる。

 

隊員B[どどどうしよう、まずは一一○番・・・・!?」

隊員C「それより戦車を取り返さないと!」

隊員A「どうやって!?もう持ってかれちゃったんだよ!?」

隊員C「ええと、ええと・・・・!」

 

パニックになっている隊員たち。

よろよろと、まほが立ち上がる。

そのまま足を引きずるように、前へ歩き出す。

 

隊員A「隊長、何を!?」

まほ 「戦車を取り返す・・・・。あの大きさだ、動ける場所は限られるはずだ・・・・!」

エリカ「その足じゃ無理ですよ!」

まほ 「戦車を奪われたのは私の失態だ、私が取り戻さねば・・・・うっ!」

 

しかし痛みは激しく、足を取られ転びそうになる。

 

フワッ

 

そんな倒れかけたまほを、しほがしっかりと抱きとめる。

 

まほ 「お母、様・・・・!?」

しほ 「・・・・」

 

しほは何も言わずまほを見つめている。

 

まほ 「取り返しのつかない失態、申し訳ありません・・・・!必ず、私の手で、挽、回・・・・!西住流の、名に懸けて・・・・」

 

気丈に振る舞い、しほの手から逃れようとするまほを、しほはさらに強く掴む。

 

まほ 「お母様・・・・?」

しほ 「逸見さん、まほを」

エリカ「はっ、はい!」

 

呼ばれ、慌てて駆け寄ったエリカに、しほはまほをエリカに託す。

 

まほ 「お母様・・・・?」

しほ 「あのティーガーⅠは黒森峰保管の、ひいては西住流の所有物。おいそれと部外者に託していいものではありません」

まほ 「申し訳ございません・・・・」

 

自分が叱責されているのだと思い、再び謝罪を口にするまほ。

 

しほ 「それを強奪しようなどと・・・・。つまり、それは西住流への宣戦布告(・・・・)、ということになるわね」

エリカ「家元・・・・?」

しほ 「貴女たち。__要望があります」

 

くるりとイカ娘たちの方に振り向くしほ。

 

イカ娘「ひいっ!?」

 

瞬間、イカ娘は縮みあがった。

外見上、しほは平静を装っているように見えるが__背中から、とてつもない憤怒のオーラが噴き出しているのが見えた。

 

しばらく後。

盗んだティーガーⅠに乗る男たちは隠れることもせず、堂々と路上を走っていた。

 

男A 「ははっ、ちょろいもんだぜ!」

男C 「いくら全国レベルの戦車女子ったって、所詮は女だぜ!」

男B 「結局は男には適わねえってことよ!」

男A 「その通り!しかし大収穫だったぜ」

男C 「ああ、なんせあの黒森峰の隊長車だぜ?こりゃプレミアつくってもんよ!」

男B 「これで当分遊んで暮らせるぜ」

男D 「!おい!」

 

ふと、操縦を担当していた男Dが声を上げる。

 

男A 「あん?何だよ」

男D 「前見ろ!」

蛍子 「そこの戦車!今すぐ止まりなさい!」

 

ティーガーⅠの行く先に、パトカーが何台かと複数の警察官で検問が作られていた。

 

男B 「警察じゃねえか!もう嗅ぎつけやがったか!」

男C 「おい、どうする!?」

男A 「構うこたあねえ!こっちは戦車だぜ!?踏みつぶしてやんな!」

男D 「おうよ!」

 

ティーガーⅠは勢いを落とさずそのまま通せんぼをしているパトカーへ突っ込む。

警官A「止まれー!止ま・・・・うわああああ!」

 

ギャギャギャ!

バキバキバキ!

 

パトカーを踏みつぶしながら、そのままティーガーⅠは真っすぐ検問を突破した。

 

男A 「ははは!あばよー!」

 

間一髪、蛍子たちはうまく避けたため無事だった。

 

蛍子 「すごい迫力・・・・!まるで東部警察のワンシーンですね!」

警官A「言ってる場合か!」

 

警官が無線機を取り出す。

 

警官A『こちらポイントG、目標は検問を強行突破!東から西方面、134号線を坂ノ上方面へ向かっています!』

 

しほの手に持った無線機から、警官からの報告が入る。

 

しほ 「報告ありがとうございます。__やはりあちらへ逃げるのね。大方予想通りだわ」

 

そう言って、まほはきっと西をにらんだ。

再び、ティーガーⅠに乗る男たちは。

 

男B 「いやー、しかしパトカーすら蹴散らすとはな、俺ら最強じゃね?」

男C 「俺らに勝てるのは、もはや戦車以外にはあり得ねえんじゃね?」

男A 「バーカ、例え戦車ったってこいつは最強のティーガーⅠだぜ?こんな化け物に勝てるのは、それこそ化け物中の化け物しか__」

男D 「おい!」

 

運転席の男がバックミラーを見て叫ぶ。

 

男A 「あん?何だよ」

男D 「う、後ろからなんか来てねえか!?」

男A 「後ろ?どうせほかのパトか何かだろ、気にするこた__」

 

そこまで言って男は絶句した。

はるか後方から__戦車が一両、こちらへ向かって迫ってきているのだ。

 

男B 「せ、戦車だ・・・・戦車が追っかけてきやがった!」

 

後方から、イカ娘たちのチャーチルが追いかけてきた。

しかも、キューポラから身を乗り出しているのは__

 

男C 「おい、あれ__に、ににに、西住しほだ、西住流家元の西住しほだ!」

男A 「何いいいいいいい!?」

 

しほはチャーチルに乗り込み、ティーガーⅠを追いかけてきたのだ。

 

しほ 「ティーガーⅠを目視、道路沿いに西方面へ進行中。この速度を保ちつつ、追跡の手を緩めないように」

栄子 「りょ、了解!」

しほ 「市街地での砲撃は極力避けなさい。今回一帯への通達はまだ完了していません。無関係の人たちを巻き込むのは、許されないことよ」

イカ娘「分かったでゲソ!」

 

~~回想~~

 

栄子 「私たちのチャーチルでティーガーⅠを追いかけるだって!?」

しほ 「ええ。ティーガーⅠの重量を考えると、パトカーでは到底止められない。止めるには戦車しかないけれど、ティーガーⅡでは今から追いかけても差は縮まらない。それに__まあ、今はいいわ。とにかく、総合的に考えれば、貴女たちのチャーチルで追いかけるのが最適なのよ」

栄子 「でもなあ・・・・今は私とイカ娘しかいないし、砲手とか装填手が__」

しほ 「イカ娘さん。貴女、一人で様々な役職を担えるそうね?」

イカ娘「うむ!」

しほ 「その才覚を、是非私に貸してはもらえないかしら」

イカ娘「他でもない西住さんたちの母ちゃんのお願いでゲソ、力を貸そうじゃなイカ!」

しほ 「・・・・ありがとう。それじゃあ、早速準備にとりかかりましょう。__それと、千鶴さん」

千鶴 「はい」

しほ 「そちらも『準備』を宜しくお願いするわ」

千鶴 「ええ、任せてください」

栄子 「しゃーない、やってやるか!」

イカ娘「やってやるでゲソ!」

 

かくして、しほは車長、イカ娘は装填手と砲手、栄子は操縦主としてチャーチルに乗り込むこととなった。

しほはキューポラから身を乗り出し、大きく息を吸い込んだ。

 

しほ 「パンツァー・フォー!」

 

~~回想終了~~

 

男C 「冗談じゃねえぞ!西住しほに戦車で追いかけられて無事で済むはずがねえ!」

男A 「慌てるんじゃねえ!向こうの立場を利用するんだよ!」

男B 「どういうことだ?」

男A 「向こうは戦車道の家元、こんな町の往来で突然ドンパチやってみろ、西住流の名は地に落ちる。それを考えたら、向こうはヘタにこっちに手を出せないって訳よ」

男B 「お前頭いいな!」

男A 「住宅地に向かえ!そうすりゃ家を気にして一発も撃てなくなる!」

男D 「おう!」

 

しほから逃れるために、ティーガーⅠは住宅地へと入り込んだ。

 

イカ娘「奴ら、曲がったでゲソ」

栄子 「くそっ、住宅地に逃げ込みやがったか、考えたな。西住さん、こっちも後を追うか?」

しほ 「後ろに張り付てもきりが無いし、砲撃が飛んでくる可能性もあるわ。__二つ先を右へ曲がってくれるかしら。その後は、私の指示通りに進んでちょうだい」

栄子 「二つ右?__了解!」

 

ティーガーⅠを直接追わず、別の交差点を曲がるチャーチル。

 

男C 「おっ?追ってこなくなったぞ?」

男B 「やっぱ所詮は戦車道、面子やルールを飛び越えた動きは出来ねえって訳だ!」

男A 「よし、このまま住宅地を突っ切って回収ポイントまで行くぞ!」

 

住宅地を縫うように進むティーガーⅠ。

すると、ある十字路に差し掛かった時__

 

男D 「げえっ!?」

 

男Dは叫び声をあげた。

目の前の十字路から、チャーチルが姿を現したのだ。

 

男A 「バカな!?どうしてこんな正確に回り込めたんだ!?」

栄子 「すげえ、本当に目の前に回り込めちゃったよ」

イカ娘「まるで完璧にこの辺りの地図が分かっているようでゲソ」

しほ 「当然でしょう」

イカ娘「えっ?」

しほ 「戦車道を志す者、訪れる街と道、立地と関係をすべて頭に入れておくのは基本中の基本。道と場所を知れば、全てが勝利に通じるのよ」

栄子 「てことは、一日警察署長としてここに来る前に、ここら一帯の地図は全部頭に叩き込んであるってことか・・・・」

イカ娘「ハンパないでゲソ」

しほ 「これくらい出来て当然なのだけれど・・・・彼らは、その当然すら知らなかったようね」

男A 「くそっ!右だ、右に行けっ!」

 

チャーチルに回り込まれ、慌てて隙間を縫い右へ逃げ込む。

 

栄子 「追っかけるか?」

しほ 「いいえ、左へ」

栄子 「了解!」

 

今回も追いかけることはせず、また道を変える。

 

男A 「くそっ、ふざけやがって!おい、砲座に座れ!次姿が見えたら構うこたあねえ、ぶっ放してやれ!」

男C 「おうよ!」

 

装填も終え、砲塔を回して周囲を警戒するも、チャーチルの姿は見当たらない。

 

男C 「畜生、どこ行きやがった!」

 

なおも進むティーガーⅠ。

そんな向こうの事情を全て見通しているしほ。

 

しほ 「栄子さん、次の十字路、半身だけ乗り出して直後全速後退」

栄子 「えっ?あ、はいはい」

 

指示通り、次の十字路で半身を乗り出すと__

 

男A 「!いたぞ!左の十字路だ!」

 

もう一つ右の区画、同時に十字路から身を乗り出したティーガーⅠと、お互いの側面が見える。

 

男A 「撃て!今だ!」

しほ 「全速後退!」

 

ギュオオオオ!

ドオオン!

 

砲撃より一瞬早くチャーチルは全速力でバックし、角に姿を消す。

ティーガーⅠの砲弾は当たらず、道路に着弾した。

 

男A 「今だ、行け、逃げろ!」

 

そのまままっすぐ進むティーガーⅠ。

そしてそれに少しずらすように、真横に並ばない様に並行して追いかけるチャーチル。

 

男A 「くそっ、ふざけやがって!」

 

全てしほの手の上で踊らされているようで、イライラが溜まる。

 

しほ 「・・・・そろそろね」

 

表情を変えずにしほが呟く。

 

しほ 「栄子さん、三つ先の十字路を右へ」

栄子 「あいよ!」

しほ 「イカ娘さん、右折と同時にティーガーⅠに向かって右側へ機銃射撃。被弾を避けて左に曲がるように狙って頂戴」

イカ娘「了解でゲソ!」

 

果たして、指示通りに三つ目の十字路を右に曲がると__

 

男B 「うおっ!?正面だと!?」

 

ティーガーⅠが左折し、正面をこちらに向けていた。

不意をつかれたため、砲口はチャーチルの方を向いていない。

 

しほ 「斉射!」

 

ババババババ

 

機銃がティーガーⅠの左装甲に火花を散らす。

 

男A 「くそっ!おい、右折だ!そこの道へ逃げるぞ!」

 

そして狙い通りの道へ誘導される。

 

しほ 「__入ったわね」

 

しほはおもむろに無線機を取り出す。

 

しほ 「そろそろ定位置に着くわ。そちらの準備は万全かしら」

 

無線機の会話先__海の家れもんにて。

 

千鶴 「ええ。もちろん万全です」

 

千鶴はにっこりと答えた。

そして、再び住宅地へ。

 

男D 「くそっ、誘いこまれた!ここは行き止まりじゃねえか!」

 

機銃掃射の誘導による奔走の末、ティーガーⅠは袋小路になっている空き地に誘い込まれていた。

 

男A 「落ち着け!確かにヤベえかもしれねえが、向こうも角を曲がらねえとこっちに来れねえんだ!しびれを切らして乗り込んできたときに砲撃をお見舞いしてやれ!」

男B 「おう!」

 

空地への唯一の入り口であるT字路に砲口を向け待ち構えるティーガーⅠ。

男たちにとって、警察の追手がどうとかもはや眼中になく、とにかくしほの追撃さえまけばあとは万事うまく行くと思い込んでいた。

 

男B (さあ来いさあ来い、突っ込んできやがれ・・・・!)

 

そんな迎撃のために静止しているティーガーⅠを、角から手鏡を使ってバレないように巧みに覗き見るしほ。

 

しほ 「思った通り、こちらに砲を向けて待ち構えているわ」

イカ娘「じゃあ、このまま正面突破で勝負をかけるでゲソ!」

栄子 「アホか!チャーチルがティーガーⅠに真っ向から勝負を挑んで勝てるとでも思ってんのか!」

イカ娘「無理なのでゲソか」

しほ 「まず装甲の厚さから言って違うわね。そして砲。こちらが75mmに対し、あちらは88mm。打ち合えば負ける確率は極めて高いわ」

イカ娘「じゃあ、そもそも勝ち目が無いのに追いかけていたのでゲソ?」

しほ 「勝ち目はもちろんあるわ。西住流たるもの、勝敗を運に任せることはあり得ない」

 

しほは無線機を取り出し、チャンネルを合わせる。

 

しほ 「彼らのしているのはただの『戦車の悪用』。そして、私たちがしているのは『戦車道』よ」

 

そして、通信機に何やら語りかける。

 

しほ 「__町二丁目、四番地の空き地、中央より南に二、西に三。車体と砲口は水平にこちらを向き静止中」

通信機「(ボソッ)了解」

 

通信機から、極力声を押さえた返事が返る。

 

イカ娘「今のは、誰からでゲソ?作戦会議でゲソか?」

しほ 「いいえ。作戦完了の合図よ」

栄子 「へ?」

男A 「くそっ、まだ来ねえのか!さっさと突っ込んできやがれ!」

 

ふと、焦れている男Aの耳に、何やら音が聞こえてきた。

 

男A 「ん?何か音が聞こえねえか?」

男B 「音?何の?」

男A 「いや、なんつうか、キーンというかヒューンというか……」

 

ヒュオオオオオ……

 

男A 「ほら、この音」

男B 「確かに、何か聞こえるな。一体な__」

 

ドオオオオン!

 

途端、ティーガーⅠの右側面に大きな衝撃が走った。

 

男A 「んなああああ!?」

男B 「何だああああ!?」

 

あまりの衝撃に男たちの意識が飛びかける。

 

男D 「何だ!?おい!何があった!?」

男A 「俺にわかるワケが__」

 

言いかけて、正面を見た男Aが固まる。

 

キュラキュラキュラ……

 

T字路から姿を見せたチャーチルが、ゆっくりとティーガーⅠに向けて近づいてきている。

 

男A 「来た……来たぞ!やつらが来た」

 

チャーチルは、真正面から悠然とためらいもなく前進している。

 

男A 「バカめ、今がチャンスと乗り込んできたつもりか?浅はかな奴め!今だ!撃てーッ!」

 

しーん。

 

絶好のチャンスと砲撃指令を出すが、砲弾は放たれない。

 

男A 「おい!何やってんだ!撃てよ!」

男D 「た、弾が、弾が撃てねえんだ!」

 

男Dは必死に引き金を引くが、カチカチ言うだけで何も出ない。

 

男A 「チクショウ、一体何がどうなって__」

 

事態を把握しようと周囲を見回した男Aが見たものは、目の前に真っ直ぐそびえ立つ白い旗。

いくら道に外れた男でも、それを意味することは知っている。

 

ティーガーⅠは、撃破されていた。

 

男A (は!?撃破!?いつ!?今!?あの爆発一回でやられちまったのか!?誰に!?)

千鶴 「ふふっ」

エリカ「・・・・(あんぐり)」

 

その時海の家れもんには、砲から煙の立ち上るティーガーⅡの砲座に座り微笑む千鶴と、信じられないものを見たという表情で固まっているエリカがいた。

 

男A (くそっ、戦車道仕様の戦車って所を付かれちまったのか!こうなったら、戦車を捨てて__)

 

パニックになり、逃げ出す算段をつけようとする男。

やがて__

 

ガキンッ

 

目の前で止まったチャーチルが、砲口を男の真正面に合わせた。

 

男A 「はは、あははは、はは……」

 

男は、愛想笑いのような、全てを諦めた表情で、両手を上げた。

 

しほ 「これが__『戦車道』よ」

 

しほは、最後まで表情を崩さず言い放った。

 

蛍子 「犯人逮捕にご協力、ありがとうございました!」

 

その後。

すぐあとに駆けつけた警察によって、男たちは緊急逮捕された。

 

蛍子 「戦車道を極めるどころか、戦車道の敵をも捕まえるなんて、すごすぎです!」

しほ 「戦車道を志す者として当然のことです」

 

どんな称賛にも表情を変えないしほ。

 

しほ 「二人とも、助力に感謝します」

イカ娘「こちらこそ、凄いものを見せてもらったでゲソ!」

栄子 「なー。私たちもまだまだだわ」

 

その後、しほは事情聴取のため、倉鎌署へ同行することとなった。

 

その後、海の家れもんにて。

 

蛍子 「犯人たちの供述によって、戦車窃盗グループの壊滅が叶いそうです」

千鶴 「まあ、よかったわ。これでまた、みんなが安心して戦車道をできるのね」

イカ娘「そういえば、黒森峰の西住さんは大丈夫だったのでゲソ?」

まほ 「ああ、大丈夫だ」

イカ娘「!」

 

振り返ると、まほとエリカ、そしてしほが立っていた。

まほの足には湿布が張ってあるが、きちんと自分の足で立っている。

 

栄子 「西住さん!」

イカ娘「もう足は大丈夫でゲソ?」

まほ 「ああ。皆さんには迷惑をかけた」

しほ 「ご協力、ありがとうございました」

千鶴 「本当、大事にならなくてよかったわ」

エリカ「隊長のティーガーⅠを盗むだなんて、アハトアハトの直撃でも足りないくらいの愚行です!」

まほ 「落ち着けエリカ、犯人はもう捕まったんだ」

 

激昂するエリカをなだめ、テーブルを囲んで談笑する一同。

 

栄子 「しかし西住さんのお母さん、やっぱりタダモンじゃないな。ちょっとの間だったけど、一緒に乗ってあまりの無駄の無さに脱帽したよ」

イカ娘「それに、犯人を倒した最後の一撃・・・・あれは、千鶴だったのでゲソね」

千鶴 「ええ」

しほ 「犯人たちの性質を考えて、追い立てれば住宅地に逃げ込むのは見えていたわ。だから、それを利用して千鶴さんに仕留めてもらうつもりだったのよ」

エリカ「ですが家元、あれは犯人たちがたまたま空き地に入り込んだせいで__」

しほ 「戦車道にまぐれなし。いつもそう言っているでしょう」

エリカ「えっ?」

しほ 「奴らを追い始めるとき。勿論その時にはもう私たちの中では作戦は決まっていたわ」

エリカ「私__『たち?』・・・・まさか!?」

 

ぎょっとしてエリカは千鶴を振り返る。

 

千鶴 「しほさんが彼らを追いかけ、彼らは住宅地に逃げ込み、空き地に誘い込み、私がティーガーⅡで狙撃する。それが、私たちの作戦だったの」

イカ娘「そんな作戦、一言も言ってなかったでゲソ!」

千鶴 「あら、一連の流れを見ればすぐ分かると思ったけど」

しほ 「ええ」

イカ娘「全然わからないでゲソ!」

栄子 「次元が違いすぎるっつの!」

エリカ(簡単に言うけれど、住宅地の立地を把握し、空き地への距離を完璧に掴んだ上で、口伝だけで微調整を行い、相手が見えない状態でアハトアハトを住宅地に撃ち込み、一発で当て撃破するなんて・・・・)

 

思い返すほど、千鶴の人間離れした腕前に戦慄するエリカ。

 

千鶴 「?」

 

千鶴はただ微笑みを返した。

 

千鶴 「さあ、それじゃ事件解決のお祝いに、乾杯しましょう!」

しほ 「ええ、そうね」

栄子 「乾杯だ!」

イカ娘「そして、私の新たな目標にも!」

エリカ「新たな目標?何よそれ」

イカ娘「うむ!千鶴と西住さんの母ちゃんを見て、私もまだまだ上を目指せると確信したのでゲソ!」

しほ 「あら、大きく出たわね」

イカ娘「うむ!」

栄子 「まーた根拠もなく大口叩きやがって」

イカ娘「大口じゃないでゲソ!私は確固足る確信をもったのでゲソ!」

まほ 「その確信とは?」

イカ娘「うむ!それは、『人間じゃなければ戦車道はもっとうまくなれる』でゲソ!」

栄子 「・・・・は?」

 

場が凍りつく。

 

栄子 「イカ娘、お前何言って・・・・」

イカ娘「西住さんの母ちゃんも千鶴も人間じゃないでゲソ。そして戦車道がすごく上手い!ならば、同じく人間ではないイカの私も、同じくらい強くなれるはずでゲソ!」

エリカ「何よその理屈!?大体家元は・・・・はっ!?」

 

異様なオーラにすくむエリカ。

背後では、やたらと笑みを浮かべたしほと千鶴が立ちあがっていた。

そして__

 

ガッ!

 

しほと千鶴がそれぞれイカ娘の腕を一本ずつ掴み、店の奥へ引きずり出した。

 

千鶴 「イカ娘ちゃん、ちょっと今から私たちと戦車道の特別練習をしましょう」

しほ 「そうね。貴女には、教えたいことが山ほどあるわ」

イカ娘「おお、それは楽しみでゲソ!・・・・ところで、何で二人とも私の腕を掴んでいるのでゲソか?」

 

そして__イカ娘たちは店の奥に消えていった。




合掌。

しほは大洗にも所縁のある人物ですが、今回は黒森峰の話で出てもらいました。

劇場版では娘がらみになると平静を装いながら大義名分を振り回し、娘のために全力な姿は、不器用ながらいいお母さんだなあ、と思いました。

かつてのしほと千鶴の出会いはどうだったのか、いつか機会があったら書いてみたいですね。

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