死を纏う少年   作:立ち上る陽

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三枚目です。今回はfgoの中でも人気だろうあのひとが出てきます。誰でしょうね?


三枚目

西行寺家から出た後、幹也は橙子に電話をかけようとしていた。

 

プルルル

 

「私だ」

 

「あ、橙子さん。陽君についての能力、陽君の祖母から聞いてきました。どうやr」

 

どうやらと幹也は話を進めようとしたが遮られてしまう。

 

「いや、今はいい。明日か明後日に書類で渡してほしい。生憎だが今は忙しい。」

 

「わかりました、ではまた」

 

「ああ、すまないね」

 

今は忙しい、このフレーズは何度か聞いたことがあった。これを言うときは大抵、幹也が調べていることについて一人で行動したいときに言う。

 

(ここは、魔術のプロに任せよう。僕がでしゃばっちゃだめだ)

 

そう、心の中で思い幹也は観布子へ帰った。

 

 

その夜、陽はというとまた、冥界にお邪魔していた

 

陽は前回と同じ桜の下に行くとそこには2つの影があった。

 

あれ?一人増えてる?

 

「小次郎さん、今晩は」

 

小次郎は笑って手を上げ陽に手を振って返した

 

「おおう、陽よ。またあったのう」

 

もう一人の人が小次郎に聞く

 

「佐々木さん、この子は?」

 

「陽か?こやつはのう、それはそれは素晴らしい眼を持った小僧での。名を西行寺 陽という。」

 

多少、小次郎の紹介に疑問を持ったが陽はとりあえず自己紹介をした。

 

「西行寺 陽です、よろしくお願いします。」

 

ぱあっと明るい笑顔でもう一人の人が答える。彼女は金の髪を少し揺らして、健気に、引き込むように挨拶を返した。

 

「どうも!沖田 総司です、沖田さんかそうちゃんってよんでくださいね!」

 

か、可愛い

 

素直にそう思った陽。その気持ちを察したのか横で小次郎はフッと笑う

 

だが、陽の頭にふとよぎるものがあった。

 

沖田さんってあの沖田!?天才剣士の?

 

「あの、もしかして沖田さんってあの」

 

「そーですとも!よーくぞきいてくれましたぁ!陽君には特別に桜の花びらをあげましょう。」

 

陽は花びらを受けとる

 

「沖田さんは、新撰組一番隊隊長 沖田 総司なんです!どうですかー?どうですどうです?テンション上がります?」

 

騒がしい沖田さんだがそれよりも気になることがあった。

 

沖田さんって新撰組の人なのにテンションって言葉知ってるんだ

 

ものすごいしょうもないことだった。

 

 

それから、落ち着いた頃

 

さっきまではあんなワイワイしていたが今日の目的はそれじゃない

 

「あの、お二方に相談があるのですが。」

 

「なん(だ)(ですか)」

 

「僕に7月の下旬入り頃まで剣を教えてくれませんか?」

 

そう、陽は7月の24日に両儀家でヤクザ姫(陽命名)と会うそのときに備えて力をつけたいのだ

 

陽の願いに沖田は

 

「いいですけど沖田さんの剣は殺人剣ですよ、教えれるかどうか」

 

さらっと怖いこと言う沖田さん。でも、殺す気で行かなければやられるのは自分だろうと陽は考えた

 

「陽よ、ほんとによいのか?お主は恐らくわしらの剣を習得し、自らの剣を作るまでに至るだろう。」

 

だが、と小次郎は真剣な眼差しで言う

 

「だが、そうすればお主に剣で勝てるものは少なくなる、必ず。そうなれば殺人にころんで楽しんでしまうやも知れん。わしらはそれが心配なのだよ」

 

「そ、そそうなんです!心配です」

 

沖田さんはそう考えてなかったようだ。陽がいいですよと言ったら即刻始める予定だった様子。

 

陽は決意のある声で

 

「それでも、僕には必要なんです!」

 

「ほう、その心は」

 

「僕は、誰よりも臆病だから。」

 

陽の言葉に小次郎は先程と同じようにフッと笑って言った

 

「そうかそうか臆病か、臆病さは大事やろうての、臆病な者ほど生きる、昔も今も変わらん摂理じゃ。よかろう!ならばわが剣、そなたに教えよう!」

 

それに連なり沖田もよしと答える

 

「そうなれば、沖田さんもやっちゃいますよー!ビシバシ!いきますからね!覚悟してくださいよー」

 

これから、二人の剣士による、陽魔改造計画が始まる。桜の舞う死の国で。

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

陽はもっていた沖田さんの桜の花びらをポケットにいれ、自身の刀を取り出した。

 

「陽さん、その刀いいですね、洗練されてきれいです」

 

この刀は桜々子がくれたものだ。本人曰く、もう一本くれるらしいのだがそれは

 

『うーん、もう少ししたらあげるわ、それまでのお楽しみね♪キャピ』

 

と言われたので一本しかない。

 

「この刀はいつも僕が使ってるものですけど今夜は何故か門に置いてあったんです」

 

「それは、面妖なことだ」

 

ふう、と小次郎は息をつき

 

「では、始めようかの。だが、どう教えようか」

 

沖田が人差し指を上に向けて言う

 

「とりあえず戦ってみましょうよ。まず私が相手になりますね!」

 

「お願いします!」

 

「はい、いざ、」

 

ダンっとかけだす沖田。それにあわせて陽が構えようとすると

 

シュンッ ガキンッ

 

「あっぶない、瞬間移動!?」

 

一旦下がると沖田は感心する

 

(今のをよく、初見で凌ぎましたね。あれで終わらせる勢いでしたけど、さすが佐々木さんの言うとおりいい眼をしています)

 

「今のは縮地です。歩法、呼吸、死角、体捌きで相手との間合いを詰める技です。」

 

あれが縮地か始めてみた、あれが出来たら一歩進むかも

 

いや、陽が縮地でなんちゃって燕返しをすればとんでもないだろう。一歩どころか十歩進む

 

「行きますよ、今度はこっちの番です!」

 

さっきは唐突で分析できなかったけど、もう一回見れば

 

陽は刀を左手に持ち変え前へ走るがまた、沖田が縮地で間合いを詰める。

 

が、陽はタイミングを計り左足のかかとを軸にして体を左に反らし、のけぞった体を右足で支える

 

シュンッ ブンッ

 

「へっ!?」

 

沖田の一振りが陽に回避され空を切る

 

(ええ!?見切ったんですか!?)

 

「そこっ!」

 

その不意をつき、陽は持ち変えて左手に持った刀を横から沖田の背に当たるようにして振る

 

西行寺刀法 後火 (うしろび)

 

決まった、そう思った陽だが簡単にはやられてくれない

 

「甘いっ」

 

 キイイン

 

沖田は勘で刀を背に持っていき陽の剣を凌いだ。刀は弾かれがら空きになった陽に沖田の横一閃が。

 

 ヒュン

 

「おっと」

 

それを間一髪で下にしゃがみ回避してから蹴りを放つがそれも防がれた。両者一歩も譲らぬ攻防戦

 

「つ、強くないですか!?手加減してちゃ不味いです!」

 

沖田の言葉に陽はやっぱりと思う

 

「やっぱり、手加減してたんですか?と言うか沖田さんのほうがよっぽど強いじゃないですか」

 

さっきので縮地をだいたい覚えた。次からは効かないし僕も使える    はず いや、僕にならできる

 

陽の顔つきが変わる。それを沖田は剣気で感じとる

 

(剣気の流れが、無意識でしょうね)

 

思い出せ、さっきのを さっきの縮地、あの距離を移動するには必ず二歩目を踏まなきゃいけないはず、でも音はしなかった。

 

いや、二歩目は踏んでる。

 

さっき沖田さんは縮地ことを言ったなかに呼吸があった。

 

 

そうか、縮地ってもしかして

 

 

駆け出し、一歩目 飛ぶ

 

ダンッ

 

体を少し反らして視線から一瞬外れる

 

二歩目、相手の呼吸と呼吸の間に刷り込み、相手の無意識中に踏む

 

シュンッ

 

加速し、間合いを詰め、再び相手の視線に入る

 

「縮地ッ!?」

 

この一瞬にどうやって縮地を得たのか沖田は理解出来なかった。

 

沖田は陽に縮地を2回しかこれまでに見せていない、最初の不意討ちそして攻防戦の最初。

 

「こんどこそっ」

 

突き

 

「うおっとっと」

 

沖田は回避して後ろに下がる

 

(こんな簡単に縮地を覚えられるなんて沖田さん心が折れそうです(涙) )

 

そうは言ったものの、「かっこなみだ」なんて言ってるのだからまだ大丈夫なのだろう。

 

「こんな短時間で縮地を使うだなんて、どんな目してるんですか」

 

でもまあ、と続け

 

「でもまあ」

 

タンッ

 

沖田が消える。

 

「私が下がったからといって、油断しちゃダメですよ」

 

声が後ろから聞こえた

 

「は?」

 

ヒュンッ

 

ドンっ

 

「いってえ」

 




どうだったでしょうか?今回から徐々にチートになっていきます。(元々スペックは高かったのですが)縮地も燕返しも覚えてさあ大変、どうしましょうか、本気で悩みます


感想等を受け付けておりますのでそちらもどおぞ。

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