死を纏う少年   作:立ち上る陽

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どうも、立ち上る陽です。今回はあのbbあじゃなくてあのお姉さんが出てきます。あと、更新遅くてごめんなさい 


二枚目

昼、両儀家に一本の電話が入った。

 

「は?小学生のガキと決闘?めんどくさい、却下だ」

 

「頼むよ、あの子の力を見たいんだ」

 

「また、トーコに頼まれたんだろ。っち分かったよ言っても聞かないだろ」

 

そう言い電話を切ろうとしたが、少し気になったことがあった。

 

「幹也、そいつ強いのか?小学生だぞ?まあ手加減はするが怪我するかもな」

 

式がそういうと電話の相手は少し笑った

 

「あはは、そんなこといってると足元すくわれるかもね。あの子結構強いよ、なんでも、西行寺の剣術を全てマスターしてるらしいし。じゃあ切るよまた」

 

「ああ」

 

 

電話を切ると式は少し疑問に思うことがあった。それは、なぜトーコがそこまでしてそいつと私を戦わせたがるのかと言うところだ。だが、終わったことだしいっかと最後に式は思った。

 

「ったくどっちの味方なんだか」

 

 

一方、幹也は

 

「あ、相手はお兄さんの子供って言うの忘れてた。ま、式なら大丈夫か。たぶん」

 

幹也は携帯電話をポケットにしまい、橙子に頼まれていた資料を探るべく、新幹線に乗った。

 

頼まれていた資料の内容は西行寺家についてだった。西行寺の力は橙子自信も知っていたが両親は何の能力も持たないのに何故、陽に力が顕になったのかそれを調べるよう幹也に頼んでいた

 

「陽君、小学生にしてはやけに大人びた感じだったなあ。最近の小学生ってよくわからないや」

 

そう考えていると目的地についた。この駅からバスでいき、しばらく歩くと西行寺の本家に行ける。幹也が駅についた頃はもう、夕方だったので駅の近くのホテルで一泊した。

 

 

次の日の昼、幹也は西行寺の本家に来ていた。

 

「すいませーん、どなたかご在宅でしょうか?」

 

すると、中から若い女性が出てきた。桃色の浴衣を着ている

 

「はい、どなたでしょうか?」

 

「あの、西行寺 陽君のことでお話が」

 

幹也がそう聞くと女性は少し驚いた様子だった

 

「あら、陽の知り合いですか?どうも、陽の祖母の西行寺 桜々子といいます。孫がお世話になってます」

 

キャピと幹也へスマイルをおくる桜々子、幹也はとても信じられない様子だった。

 

「え、陽君のおばあちゃんなんですか!?てっきり姉かと」

 

幹也の言葉を聞き、口を片手で隠して桜々子は笑った。

 

「フフ♪よく言われます。さあ、中へどうぞ。陽の力のことで話があるんでしょ?」

 

(何もかもお見通しですか。この家は皆鋭いのかな・・・)

 

陽あり、桜々子あり、だ

 

「あ、あははおじゃまします。」

 

西行寺家の客室、左には庭に桜の木があり右には桜の模様が入った障子がある

 

「さあ、何が聞きたいの?」

 

と言われ幹也は最初に気になったことから聞いた

 

「この家には随分と桜の装飾や木があるみたいですけど何か縁が?」

 

幹也の問いにうんうんとうなずく

 

「うん、そうね。この家と桜は斬っても斬れない縁があるわ。」

 

「昔ねここの4代目の当主が歌の名人だったのよ。その人が人生最後に歌った歌がね、この家の春に咲いた桜の下で死にたいっていう歌だったの。」

 

「そしたら、4代目がいなくなってから家の桜で自殺する人が増えて、その桜はどんどん死を取り込んだの。」

 

「そしてその桜が次の年に満開になった頃たくさんの人が桜の死の力に当てられて自殺したくなってしまったのよ。」

 

(自殺にはしりたくなる、それってまさか)

 

幹也には思い当たる節がある、だが自分が感じたものは不確かで、言っても今の話を曲げてしまうだろう。なので、幹也はまだ、言わず飲み込んだ

 

「死の力、ですか」

 

「ええ、それを止めるために、5代目の命と引き換えに桜を封印したって言う話。」

 

桜々子の顔に力が入る。

 

「さて、本題ね。貴方、陽と話したことがあるならわかるはずよ。貴方、陽と話していてさっきの桜と同じようになった。そうね」

 

ここも桜々子はお見通しだった。おそらく、幹也は最初から最後まで見きられている。

 

「はい。」

 

「よろしい、よく生きてられたわね。貴方、今の人生よっぽどいいのね」

 

桜々子は笑ったが笑ってないそんな表情を幹也に向けた

 

「もうわかってると思うけど、陽の力は5代目と同じ、死に誘う力よ。桜の事件の封印も5代目と桜の相性がよかったから成功したのかもね」

 

やっぱり、幹也はそう思ったそれと同時にあの子供にそんな力は重いとも思った。

 

死に誘うなんて必要がない。すると、そういえばと幹也はきりだした

 

「そういえば、その桜って今どこに?」

 

と言うと力が入った顔から最初の感じに戻った。幹也はそれをみて謎の安心感と安泰に包まれる。

 

「うーん、それがないのよねー。正確な場所はわかるんだけどもねー無いのよどこにも。話では冥界にあるらしいわ」

 

そう言って話が終った。帰りの玄関で挨拶をすると桜々子が一つ箱を持ってきた。

 

「ありがとうございました、では僕はこれで。」

 

「あ、少し待ってくれる?陽に渡したいものがあるから渡してほしいの。」

 

「はい、いいですよ」

 

そう言って幹也が預かったのは縦長の20センチ位の竹箱。随分と古い、少し重みがある

 

(これ重さ的にも持ったことある感じだなあ。まさか、ね)

 

「中身はわからないわ、でも陽にならその箱を開けれるかも」

 

幹也が尋ねた

 

「誰にも開けられないんですか?」

 

「ええ、開かないわ。五代目だけ開けれるみたい」

 

「わかりました、ちゃんと届けます。ありがとうございました」

 

幹也が去った後、桜々子は縁側にいた。

 

「いつ、目覚めるかと思ってたけど少し、私の対応が遅かった見たいね。」

 

虚空に向かってしゃべるがそこには誰もいず、独り言だと思うが、その時、空間が開いた。

 

「そんなことないわよ、あなたはよくやってる」

 

裂けた空間から出てきたのは金髪で紫色のドレスをきた妖艶な女性だった

 

「紫、陽はだいじょうぶかしら」

 

紫と呼ばれたその女性は桜々子に微笑むと励ました

 

「大丈夫よ、だってあの子は私の親友の先祖帰りですもの。きっと上手く扱ってくれる」

 

紫は先程とは違う、強い意思を持った顔になったが自分らしくないと思ったのか、すぐに元に戻した。

 

「あの子のことをこんなに思っていてくれるなんて祖母として嬉しいわ」

 

そういえば、と桜々子が切り出す

 

「陽は幻想に招かれるのかしら?」

 

紫は桜々子の問いにフッと笑う

 

「幻想郷はすべてを受け入れるわ。でも、もしかしたら、フフッそうね。彼次第じゃないかしら。」

 

「そうよね。頑張りなさい、陽。おばあちゃん応援してるわ」

 




どうだったでしょうか、何か意見がありましたら感想で受け付けておりますのでどぞ

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