乗るしかないこのビッグウェーブに!!
という事で早速書きました。
蹴翠 雛兎様の[デート・ア・スペル~ジュエル・ハート~]もよろしくお願いします!!
上海可愛い
上海は眠っていた。
アイマスクを付けて眠っていた。
それと同時にあることも思い出していた。
少し前の話である。
簡単に説明すると、夢の中で1人の人物と戦い、負けたのだ。
それから上海は1週間に1日ほど、対その人物を想定した戦闘訓練をしている。
そして今日。その訓練の成果が出ることを上海は知らなかった。
目が覚めた。
周りが異様に寒い。
ゆっくりとアイマスクを外すと、森の中だった。
とりあえずそのアイマスクを地面に叩きつける。きっとこのアイマスクが悪いのだ。前もこのアイマスクだったし...
とりあえずそこら辺を歩き回ってみる。
やはり前に来た所で間違いないだろう。
しばらく歩いていると霧の湖の近くに出た。
そこで私は何を思ったか、地面に小さな穴を掘り出した。
数分経つと私がすっぽり入る位の穴ができた。そこに私は体育座りで入った。
その直後、森の中から人が出てきた。その人は暖かそうなマフラーと帽子をしていた。
そう、私が前回負けた[ミデン・チルド]なる妖精だ。
ミデン・チルドは私の入っている穴に気付かず、その上を通り過ぎた。パンツの色は.....言わないでおこう。
さてさて、彼女は今私に背中を向けている。この世界が私と戦った前の世界かどうかは知らないけど、私の中では少なからず恨みはある。
私はランスを握りしめ、穴から這い出る。フワフワと彼女の後頭部まで移動する。
そして力いっぱいランスを振り上げ....
「私の仇ィィ!!!!」の掛け声と共に振り下ろす。
が、当然の如く防がれる。しかも素手で。
「私の仇っておもしろい言葉ね、今度私も使ってみたいわね」
「久しぶりだな、ミデン・チルド.....どれだけこの瞬間を待ち望んだことか.....」
「あら、私も結構待っていたりしたわよ?この前傷の手当をしている途中に消えたんですもの。心配で夜しか眠れなかったわ。」
「ちゃんと眠れてるじゃないか.....」
「そんなことより景品はどうなかったのかしら?」
「景品?何の事だ?」
「あら、忘れられているのね。悲しいわ」
そんな会話をしながら周りの空気は二つの意味で凍りついていく。ついでにランスも凍りついていく。
「なにやってんの?」
そんな空気を壊して1人、圧倒的強者がやって来た。
その人物は日傘を差し、強者のオーラを放ちながらやって来た。
「あぁ、幽香。このちっちゃい娘の相手してあげて。」
「面倒だから嫌.....と言いたいけど、暇だから良いわよ」
幽香と呼ばれたその人物。幻想郷お馴染みの最強妖怪、風見幽香である。
風見幽香は傘を閉じ、肩に担ぐ。そして余裕の表情をしながら私に向かって挑発ポーズをとる。
「あなたからどうぞ?まぁ、痛くもないだろうけど」
「幽香~、余裕だからって気を抜いちゃだめだよー」
などと2人は談笑している。対する私は風見幽香との戦い方を考えていた。
まともに戦っても勝てない。というかどう戦っても勝てない。
ならば私のすることはただ一つ。
「逃ぃぃぃぃげるんだよぉぉぉぉ!!!!」
「あ、逃げた」
「追わないの?」
「先制攻撃を譲ったから私からは行かないわよ。そんなことより里にお団子でも食べに行きましょ」
「幽香の奢りね」
「は?」
「は?」
私は必死に走った。後ろから追ってきている感じはしなかった。恐る恐る後ろを振り返ると誰も居なかった。
ゆっくりと来た道を戻ってみると、さっきまで居たところで風見幽香とミデン・チルドが弾幕勝負をしていた。
私は草むらからその様子を見ておくことにした。
「なんで私が奢るのよ!!」
地面を弾幕がえぐる。
「普通言い出しっぺでしょう!?」
レーザーが霧の湖の上を通り、紅魔館に穴を空ける。
「どこの常識よ!!私は奢らないわよ!!」
小さな弾幕が私の横にあった木を消し飛ばす。
「私がこの前までいた所の常識よ!!」
大弾が紅魔館を爆破する。
そして弾幕を避け、風見幽香が私の目の前に来る。
「そこの人形と一緒に沈みなさい!!」
ミデン・チルドが放ったレーザーがこちらに飛んでくる。
風見幽香は素早く避け、私は目の前に迫ってくるレーザーを避けることなく、その小さな体に受けた。
そこで目が覚めた。
「また夢か.....」
私は小さくため息をつきながら立ち上がった。
すると、床に水滴がポタリと落ちた。
恐る恐る顔を触ってみると.......そこには私の顔を覆うように氷が付いていた。
そして上海の戦闘訓練の日は増えたのであった。
その目標は最強の妖精と最強の妖怪だった。
ちなみにこの後の決着は皆さんの想像にお任せ致します。
楽しんでいただけたでしょうか?
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