上海人形家出禄   作:ルシャルシャ@黒P

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ありがたい事に蹴翠 雛兎様からまたまたコラボのお話が!!
乗るしかないこのビッグウェーブに!!

という事で早速書きました。
蹴翠 雛兎様の[デート・ア・スペル~ジュエル・ハート~]もよろしくお願いします!!

上海可愛い


番外編11 Re:最強の妖精(コラボ)

上海は眠っていた。

アイマスクを付けて眠っていた。

 

 

 

 

それと同時にあることも思い出していた。

少し前の話である。

簡単に説明すると、夢の中で1人の人物と戦い、負けたのだ。

それから上海は1週間に1日ほど、対その人物を想定した戦闘訓練をしている。

 

 

そして今日。その訓練の成果が出ることを上海は知らなかった。

 

 

 

 

目が覚めた。

周りが異様に寒い。

ゆっくりとアイマスクを外すと、森の中だった。

 

とりあえずそのアイマスクを地面に叩きつける。きっとこのアイマスクが悪いのだ。前もこのアイマスクだったし...

 

とりあえずそこら辺を歩き回ってみる。

やはり前に来た所で間違いないだろう。

 

 

 

しばらく歩いていると霧の湖の近くに出た。

 

そこで私は何を思ったか、地面に小さな穴を掘り出した。

数分経つと私がすっぽり入る位の穴ができた。そこに私は体育座りで入った。

その直後、森の中から人が出てきた。その人は暖かそうなマフラーと帽子をしていた。

そう、私が前回負けた[ミデン・チルド]なる妖精だ。

 

ミデン・チルドは私の入っている穴に気付かず、その上を通り過ぎた。パンツの色は.....言わないでおこう。

さてさて、彼女は今私に背中を向けている。この世界が私と戦った前の世界かどうかは知らないけど、私の中では少なからず恨みはある。

 

私はランスを握りしめ、穴から這い出る。フワフワと彼女の後頭部まで移動する。

そして力いっぱいランスを振り上げ....

「私の仇ィィ!!!!」の掛け声と共に振り下ろす。

が、当然の如く防がれる。しかも素手で。

 

「私の仇っておもしろい言葉ね、今度私も使ってみたいわね」

「久しぶりだな、ミデン・チルド.....どれだけこの瞬間を待ち望んだことか.....」

「あら、私も結構待っていたりしたわよ?この前傷の手当をしている途中に消えたんですもの。心配で夜しか眠れなかったわ。」

「ちゃんと眠れてるじゃないか.....」

「そんなことより景品はどうなかったのかしら?」

「景品?何の事だ?」

「あら、忘れられているのね。悲しいわ」

 

そんな会話をしながら周りの空気は二つの意味で凍りついていく。ついでにランスも凍りついていく。

 

「なにやってんの?」

 

そんな空気を壊して1人、圧倒的強者がやって来た。

その人物は日傘を差し、強者のオーラを放ちながらやって来た。

 

「あぁ、幽香。このちっちゃい娘の相手してあげて。」

「面倒だから嫌.....と言いたいけど、暇だから良いわよ」

 

幽香と呼ばれたその人物。幻想郷お馴染みの最強妖怪、風見幽香である。

 

風見幽香は傘を閉じ、肩に担ぐ。そして余裕の表情をしながら私に向かって挑発ポーズをとる。

 

「あなたからどうぞ?まぁ、痛くもないだろうけど」

「幽香~、余裕だからって気を抜いちゃだめだよー」

 

などと2人は談笑している。対する私は風見幽香との戦い方を考えていた。

まともに戦っても勝てない。というかどう戦っても勝てない。

ならば私のすることはただ一つ。

 

「逃ぃぃぃぃげるんだよぉぉぉぉ!!!!」

「あ、逃げた」

「追わないの?」

「先制攻撃を譲ったから私からは行かないわよ。そんなことより里にお団子でも食べに行きましょ」

「幽香の奢りね」

「は?」

「は?」

 

 

 

 

 

私は必死に走った。後ろから追ってきている感じはしなかった。恐る恐る後ろを振り返ると誰も居なかった。

 

ゆっくりと来た道を戻ってみると、さっきまで居たところで風見幽香とミデン・チルドが弾幕勝負をしていた。

私は草むらからその様子を見ておくことにした。

 

「なんで私が奢るのよ!!」

 

地面を弾幕がえぐる。

 

「普通言い出しっぺでしょう!?」

 

レーザーが霧の湖の上を通り、紅魔館に穴を空ける。

 

「どこの常識よ!!私は奢らないわよ!!」

 

小さな弾幕が私の横にあった木を消し飛ばす。

 

「私がこの前までいた所の常識よ!!」

 

大弾が紅魔館を爆破する。

そして弾幕を避け、風見幽香が私の目の前に来る。

 

「そこの人形と一緒に沈みなさい!!」

 

ミデン・チルドが放ったレーザーがこちらに飛んでくる。

風見幽香は素早く避け、私は目の前に迫ってくるレーザーを避けることなく、その小さな体に受けた。

 

 

 

 

 

そこで目が覚めた。

 

「また夢か.....」

 

私は小さくため息をつきながら立ち上がった。

すると、床に水滴がポタリと落ちた。

恐る恐る顔を触ってみると.......そこには私の顔を覆うように氷が付いていた。

 

 

 

そして上海の戦闘訓練の日は増えたのであった。

その目標は最強の妖精と最強の妖怪だった。




ちなみにこの後の決着は皆さんの想像にお任せ致します。

楽しんでいただけたでしょうか?
よろしければ蹴翠 雛兎様の作品も見ていただけると嬉しいです!!
コラボなどの話もどんどんどうぞ!!

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