天界の展開を考える.....いや、聞かなかったことにしてください。
上海可愛い
八十体目 上海、天界に行く
[時空の歪みの中]
私は今も暗い空間にいた。
またか、と思うが今回は違う。
なんと言うか、横に落ちているのだ。何言ってやがんだって思うが、横に落ちている。
「へいサタン、私は今どういう状態だ?」
[横に落ちてますね]
「それだけ?後何分で幻想郷に着くとか無いの?」
[私にも分かりませんよ。3秒後か、はたまた何百年後か.....]
「また何百年も暇しないとダメなのか?話し相手がいるだけマシだけど」
[どうやらその必要は無くなったようですね]
「え?何言ってんだ?」
[出口ですよ]
どこが前かは分からないが前を向くと、眩しい光が見えた。
[謎の場所]
勢い余って顔からヘッドスライディングをかます。
少し顔で滑った所で勢いが失われ、止まる。
顔は痛いし服は泥まみれ、ついでに目の前には1本の木。もう少し勢い良く突っ込んでいたら、私の顔が悲惨な事になっていただろう。
悪運と言うべきか、幸運と言うべきか.....
とりあえず立ち上がり、辺りを見渡す。
どうやら土があるのはここだけで、他の所の地面は綿あめの様なもので出来ている。
恐る恐る綿あめの様なものを触ると、ふわふわとした手触りだった。
[これ、雲じゃないですか?]
「雲?何で雲があるんだ?」
[ここは噂に聞く、天界じゃないですか?]
「天界?やばい奴らの巣窟の?」
[何ですか、そのイメージ.....]
天界と言われてピンと来るはずが無い。そんな所来たことも無いもの。
だが周りを見ても雲(仮定)ばかり。
これは天界と信じるべきか.....
と悩んでいると、後ろから不意に声をかけられる。
「そこのちっちゃいの!!私の木の近くで何をしている!!」
突然声をかけられ驚き、後ろに振り向く。
すると偉そうに腰に片手を当ててふんぞり返りながら、もう片方の手で桃を齧っている青い変な人がいた。
白いフリフリ付いたの青いスカート、白い服が首元にある赤いリボンを目立たせている。
青く長い髪は、風も吹いていないのに後ろになびいている。
極めつけは頭に被っている帽子。齧っている桃と同じ桃を帽子に2個乗せている。何の意味があるのだろう.....
すると、ふんぞり返ったまま喋り出す。
「さっきから1人でブツブツと、MGMG...怪しいぞ!!!!MGMG...あれか!!お前はあれか!!MGMG...地上から天界を奪おうとやって来た奴らの仲間か!!MGMG...この比那名居天子が、MGMG...成敗してくれる!!ゴックン。」
「.....桃美味しいですか?」
「うん!!」
天使のような笑顔で頷く。さすが天界、略してさす天。
と言うか自分から名前を言っていくんだな。
「って桃の話じゃない!!何勝手に私の土地に入ってるのよ!!」
どうやらこの一部分だけ土のある所は、この比那名居天子とやらの土地らしい。
「お前の名前はなんて言うんだ!!」
「何も考えずに人に名前を教えるなって...」
「なら私の名前を教えてやる!!高貴で美しき私名前を覚えて、地獄に落ちろ!!私の名前は比那名居天子!!さぁこれで満足か!!」
やっぱり先に名乗ったのは自覚が無かったようだ。こいつはメリー以上の馬鹿だな。
[馬鹿とは失礼でしょう!!せめてアホと言うべきです!!]
そう言えばこいつ頭の中でも会話できるんだった。
「どうした?いきなり黙り出して、腹でも痛いのか!?桃の食べすぎか!?ふっふっふ...やはりここの桃の木に成っている桃を食べすぎたのだな?まぁ、食べすぎても仕方ないわね!!何たってこの私が育てた桃ですもの!!やっぱり分かるか~...なんたらかんたら.........
10分後(この間は全て自画自賛)
.....だから、この桃は美味しいのよ!!どう?私に感謝した!?(迫真のドヤ顔)」
「Zzz.....ハッ!寝ていた...」
とふざけて返してみると、急に泣きながら走り出してしまった。
「うわぁぁぁぁぁん!!!!衣玖に言いつけてやるぅぅぅ!!!!」
遠くの方に走り去って行った比那名居天子を見送る。
桃の木とか何とか言っていたことを思い出し、木を見上げる。そこには美味しそうな桃がいくつも実っていた。
そういうのは本でしか読んでいなかったので、細かくは言えないが、ここまで育てるのは結構大変なはず.....
あの子も頑張ったんだなぁ.....それを適当に返してしまったのか...
まぁ、話が長いかったから良いか。
[主人公はどこに行ってもトラブルに巻き込まれる。そんな才能を持っている人だけがなれる素敵な職業何ですね.....私はなりたくないですけどね。]