上海可愛い
[✕✕神社前~上海side~]
教授は狂ったように笑い、装置をめちゃくちゃに動かす。
その動きに合わせて時空の歪みは、広がったり縮んだりする。
「ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!これが私の科学力ゥ!!!!猿共とは訳が違うんだよォ!!!!!!」
教授を正気に戻そうと近寄ると、装置から電撃が飛んでくる。
間一髪でそれを避けたが、近寄るのは難しそうだ。
装置が動いているお陰で時空の歪みは開いているが、いつ閉じてどこに飛ばされるかも分からない。
自体は一刻を争う事となる。
すると八雲紫のいる茂みから、
「蓮子ォ!!メリーの目を塞げェ!!!!」
と声が聞こえてくる。
蓮子は言われるがままメリーの目を塞ぐ。
すると八雲紫が私の前までやって来る。
「いい案でも浮かんだか?」
「残念ながら。全員でハッピーエンドは無理ね。でも.....」
八雲紫は言葉を切り、私の方を向き、笑う。
「ハッピーエンドに犠牲は付き物でしょう?」
その一言を言い終えると、教授に向かって突進する。
いくつもの電撃が八雲紫の体を貫く。が、八雲紫は突進をやめない。
八雲紫は電撃に撃たれながら教授に頭突きを食らわす。
教授は後ろに吹き飛び気絶する。
八雲紫はその場に転げ落ちる。
装置は空中に放り投げられた。
装置が空中を舞い、地面に落ちる.....
その刹那、菫子殿がヘッドスライディングで装置を受け止める。
「取ったは良いけど、どこに行き先書いてあるの!?」
と、菫子殿が困惑の叫びをあげる。
すると倒れている八雲紫が起き上がり、私に呼びかけてきた。
「上海!!今よ!!私が能力その他を使って行き先を幻想郷に固定した!!今の内に飛び込め!!!!」
「分かった!!ありがとう!!」
私は時空の歪みに飛び込んだ.....が、装置の電撃が飛んでくる。
当たりはしなかったが、体制を崩してしまい他の電撃に当たりそうになる。
「いってこぉぉぉい!!!!」
と、蓮子の方から声が聞こえてくる。
蓮子の方を見ると、私に向かって飛んでくるシュールストレミングと、それを投げたメリーが見えた。
シュールストレミングの缶が私の体に直撃し、時空の歪みに押し込まれる。
私がこの思い出深き土地で最後に見た光景は、
こちらに親指を立て、笑っているメリー。
そのメリーの目を手で塞いでいる蓮子。
地面に倒れたままの教授。
装置を持ちながらこちらを心配そうに見ている菫子殿。
そして、ボロボロになりながらもこちらに笑いかけてくれている八雲紫。
この世界で私を助けてくれた人達が見えた。
そして時空の歪みは閉じた。
私は暗い空間を少しの時間漂うことになった。
[ついに終わるんですね.....長かったですね.....でも!!上海の冒険はまだ続きます!!]