フハハハハ!!外にいるものは大変だな!!
上海可愛い
[✕✕神社~上海side~]
あれからしばらく経った。
私(上海)、メリー、蓮子、教授、菫子、私に殴られた八雲紫等の愉快な仲間達は、夜の神社にて集まった。
八雲紫以外は神社の入口付近でポーズを決めて、横一列に立っている。
私はランスを構える格好。メリーはシュールストレミングを両手に持ってジョジョ立ち、蓮子は腕を組んで空を見上げる格好、教授はメガネクイッ!!の格好、菫子殿は荒ぶる鷹のポーズ。このポーズに意味は無いが、みんなやっているので私もやっている。
ちなみに八雲紫は近くの茂みでこちらを見ている。
みんなこのポーズで10分程止まっている。腕が痺れてきた。
ずっと黙っていると言う空気の中、10分ぶりに口を開いたのは蓮子だった。
「只今の時刻、10時59分55秒。...7秒、8秒、9秒、.....只今の時刻、11時。後1時間。」
「蓮子、今の何?」
「いや、カッコイイかなと思って...」
「ダサいからやめなよ、やるならせめて時計見てね。」
と、メリーの厳しいツッコミが入る。蓮子は涙目になっていた。私もダサいと思ったが言わないでおこう。
またしばらくの沈黙が始まるかと思ったが、すぐに教授が口を開いた。
「このポーズ誰が始めたの?」
私も気になってはいたが、聞けなかった疑問だ。
横を見ると、それぞれが顔を見合わせている。
「これ始めたのって教授でしょ?」
「メリー、冗談を言うのが上手くなったな。菫子さんだぞ?」
「えっ!?上海じゃないの!?」
「私じゃないさ、私が来た時は蓮子がやってたから私もやったんだ。」
そして皆で蓮子の顔を見る。すると蓮子は
「私はただ、星を見ていただけだけど?もしかしてそれをポーズと思ったの?」
と言い放った。すると次に皆は私の方を見た。なんだ、私が悪いってのか。って顔をする。
すると、この状況を作り出した本人。つまり教授が助け舟を出してくる。
「そんなことより、あと1時間だ。今から作戦を説明するからちゃんと聞いておいてくれ。」
「作戦って?私達何も聞いていないんだが?」
「だろうな、今初めて言うんだからな。良いか?耳かっぽじってよく聞けよ!!」
いきなり口調が変わった教授に若干引かながら、メリーがふざけた質問をする。
「教授~質問で~す。バナナはおやつに入りますか~?」
「バナナはおやつに入るわけないだろう!!持ってきていいのは.....」
と言いながら、教授が足元に置いてあるカバンに手を入れる。
そして秘密道具チックなSEを、口で言いながらレーダーの様なものを取り出した。明らかにカバンより大きいのは触れてはいけないのだろう。
「これは貴様ら人類がどれだけ研究しようとたどり着けない神の技術!!その薄汚い濁りきった目に、その姿を焼き付けろ!!これこそが私の障害2番目に素晴らしい発明品!!その名は歪み拡大増幅装置、長いから略して広げーるくんだァァァ!!!!」
「何今の!?無駄な演出があったような気がするけど!?」
[気のせいですよ]
(あるぇ!?何でこいつにも色ついてるの!?)
[最近の流行りですよ]
(とりあえず作者が調子に乗っているのは分かる。と言うか見にくい。)
的なメタい話を頭の中で繰り広げていると、教授がその何とかっていう装置を操作し始めた。
変形しないかな~...とか思いながら見ていると、
レーダーの先に付いてある丸い球体が巨大化し、レーダーを包み込んだ。
10秒ほど経つと、包み込んでいた物が液体になって消えた。
中から出てきたのは、全体はトランシーバー、アンテナの先っちょに丸い球体が付いていると言うマヌケっぽいものだった。
するとこちらの視線に気づいた教授が私に向かって、
「実は.....これにはあと2回変形を残しているのですよ。」
とドヤ顔で言ってきた。感想を言えば、反応に困る&ウザイだ。
いつまで経っても作戦の続きを話さない教授にうんざりした私は、私は八雲紫がいる茂みに入る。
茂みと言っても、草の壁の奥に空間があるだけだ。
そこに八雲紫はいた。私に殴られた跡は全くなかった。一度殺されたんだから、殴るのは仕方ないが罪悪感はある。
八雲紫は私の姿を見つけるとにこやかに笑い
「いらっしゃい、今日は良い夜ね。」
と話しかけてきた。
私は八雲紫の隣に行き、静かに空を見上げる。
雲一つない綺麗な夜空だった。
「良い夜ってのが私には分からないけど、星が綺麗ってのなら私にも分かる。」
「私は最初に月が目に入ったわ。やっぱりあなたは見ているものが違うのね。」
「やっぱり?やっぱりってなんだ?」
「遠い遠い昔の話よ。あなたによく似た人とこんな話をしたのよ。」
「へぇ.....私みたいに小さい人?それとも私みたいに迷惑な人?」
「残念ながら、そのどっちも当てはまるのよ」
「そいつぁあ良いや、そいつとはうまいオレンジジュースが飲めそうだ。」
「あの人もオレンジジュースが好きだったわ」
「うまく飲めそうなのはオレンジジュース、私が好きなのはイチゴオレだ。」
「へぇ、覚えておくわ」
その一言を言うと、八雲紫は目をつぶった。
すると私の前に、謎の空間が現れた。
「なんだこりゃ?」
「その中に手を入れてみて、いい物をあげるから」
そう言われ、私は謎の空間に手を入れる。すると、いくつかの小さい小瓶に手が当たる。
私はそれを掴み、引き抜く。
全て引き抜くと、全部で五つの小瓶を手に入れた。
「それは私の力を入れた物。赤いのが魔力、オレンジが神力、青いのが魔力、紫が妖力、そして黒いのが.....まぁ、どうしてもって時に開けてみて。」
説明を聞いた私は黒色以外の瓶の中身を、全て、1滴も残さずに飲み干した。
八雲紫はそれを見て最初は驚いていたが、飲み干した頃には穏やかな表情に戻っていた。
「そろそろ戻った方が良いわよ。時間で言うと今は11時45分くらいかしら。」
「んじゃ、そうするよ。ありがとな、私の話し相手になってくれて」
「私も暇だったから、いい暇つぶしになったわ、ありがとう」
そして私はみんなの所に戻った。
八雲紫は上海がいなくなったのを確認すると、ため息をつきながらまた空を見上げた。
その目には涙が浮かんでいた。
[後3話でこの長かった秘封倶楽部編も終了です!!!!皆さん長いことありがとうございます!!ちなみに上海人形家出録はまだ続きます!!そう言えば私の文字に色を付けてみたんですけど.....どうでしょうか?]