上海人形家出禄   作:ルシャルシャ@黒P

80 / 117
学ぶことが多すぎて頭が痛くなる.......でもこれが学生の運命なのね.....

上海可愛い


七十一体目 上海とサタン

[???]

目が覚めると、私は暗い空間にいた。

周りを見ても闇、自分の体も闇。

.....もしや目を瞑っているのでは?と錯覚してしまいそうだ.....

にしてもこんな気持ちは久しぶりだな.....あの箱の中にいた時ぶりか?

試しに手を伸ばしてみるが、何も触れない。と言うか伸ばせているかも分からない。

...こんなことを言うのもアレだが.....こんな状況はちょっと前に本で読んだな.....どうやって抜け出ていたっけ?

 

「.....歩かないの?」

 

どこからか声が聞こえてくる。そうだったな、あの本でも歩いていたな。まぁ、どこかわからない所を馬鹿みたいに歩く訳ないがな。

 

「え?.....その反応はちょっと予想外.....」

 

どうやら相手は私の心が読めるようだ。さとり妖怪みたいだな。さとり様元気かな.....

 

「えっと.....思い出に浸る前に私とこの空間について疑問を抱いてください!!」

 

だが断る。だいたいその疑問はついさっき考えるのをやめたばかりだ。

 

「柱の男みたいなこと言わないでください....」

 

柱の男?なんだそれは?そんなことよりお前は誰だ?

 

「考えるのをやめたんじゃないんですか!?」

 

それはこの空間の話だ。ちなみに喋らなければお前を探し出してボコボコにする。

 

「ちょっ!!やめてください!!話しますから!!えっと...ここはあなたの精神世界みたいなものです。そして私は.....まぁ、秘密です。」

 

名乗らないのならお前を殺す。後ここ地味に寒いからとっととここから出してくれない?寒いのは嫌いなんでな。

 

「性格変わってません?」

 

寒いからイライラしているんだよ。それよりお前の名前をまだ聞いていないんだが?

 

「あ、忘れてた。私の.....って秘密って言ったじゃないですか!!」

 

んじゃ簡単な呼び方くらい教えてくれ。ボコす時に不便だからな。

 

「殴られるの前提ですか.....んじゃそうですねでも...ぱっと浮かんだので、[サポーター]でどうでしょうか?」

 

んじゃ縮めて.....[サタン]で決定。

 

「え!?私は悪魔かなんかですか!?」

 

んじゃ、サタン。とっととここから出せ。3秒以内にな。

 

「え!?え!?なんで!?3秒以内とか酷すぎやしませんか!?」

 

はい、3秒たった。つまり死刑確定ですよ?

 

「出口教えるから殺さないでください!!」

 

出口なんてあるのか?便利だな。んで、出口どこ?

 

「....下です。」

 

え?また落ちるのか?あの箱の時みたいに.....

 

 

 

 

 

[蓮子の実家~上海side~]

 

「んにゃ?知らない天井.....いや、ここは菫子殿の家の寝室か.....」

 

体を起こして周りを見渡すと.....誰もいない。でも外は明るい。さっきみたいな暗闇じゃなくて良かった。

 

「サタン~.......まぁ居ないか。」

 

小声で呼んでみるが、返事は無い。夢だったのかな?

 

「上海~.....おかゆが出来たよ~.....って起きてる。」

 

「んあ?蓮子じゃないか、おかゆとはありがたい。」

 

エプロンを付けた蓮子が部屋に入ってくる。ちなみにエプロンには金色の熊が描かれていた.....どこかで見たことあるな.....

 

「そう言えば今は何時だ?外は.....結構明るいけど」

 

「今は.....朝の10時くらいかな?おかゆ作ってたからそれくらいだと思うけど」

 

と言いながらおかゆをスプーンに掬い、私に食べさせてくれる。美味しい。

 

「MGMG.....なるほど...MGMG.....つまり私は...MGMG.....タイムリミットまで...MGMG.....14時間って所か...MGMG.....」

 

「とりあえず食べ終わってから喋ろうか?.....って人形なのに食べていいの?」

 

「MGMGMGMGMGMG.....ゴクンッ.....人形だったのは昔の事。今の私は1人の上海と言う生き物だ。ただし体は人形ままである。」

 

自分で言っておきながらあれだが、色々とおかしいな。

それに蓮子は興味なさそうに「ふ~ん」と言うと、続けて

 

「そう言えばあの首だけが裏の山で待ってるって言ってたよ。」

 

「よし行こう。こうなった原因はアイツにあるからやり返さなくちゃな。」

 

蓮子は空になったおかゆの皿を台所に持っていこうと立ち上がる。

私も立ち上がりながら蓮子に一つ質問する。

 

「八雲紫は山のどこら辺で待ってるの?」

 

「.......知らない。」

 

知らないなら仕方ない.......なんて考えると思ったか馬鹿め!!!!

あの首だけ野郎...って野郎では無いな。あの首だけ妖怪、詳しい場所を言わなかったのか!?馬鹿じゃないか!?

 

「はぁ.....探すしかないか...」

 

「どうせ神社じゃないの?そこくらいしか行くとこ無いでしょ?」

 

「なるほど.....行ってみよう。あ、そうそう。おかゆありがとう、美味しかったよ。」

 

「また言ったら作るわよ。」

 

そう言いながら蓮子は台所へと消えていった。

 

さてと、私も行動開始とするかな。

 




これ書き終わったらまた勉強か.....頑張りまっしょい!!!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。