上海可愛い
[✕✕神社跡~上海side~]
色々と考えたが手紙の内容を思い出すことが出来ないで、しばらく経った。
私とメリーは飽きてしまい、メリーの持ってきたシュールストレミングを供え物に見立てて遊んだり...私の持っていた命綱でハンモックを作ったり...地面に落書きしたり.......とりあえず遊んでいた。
真面目に考えて上を向いている蓮子には悪いが、思い出せないのなら諦めたらいいのに.....でも秘封倶楽部のプライドもあるのかな?
な~んて考えていたら、メリーがまたカバンから紐を持ってきた。どっちかと言うとロープだ。
どうやら綱引きをやりたいようだ。こいつは子供か?
しかも神社の跡を間に挟んでやるらしい。少し本気を出してやろう。
赤い石を付け、ロープの端を握りしめる。こっちの姿の方が力は強い。
もう片方のロープの端から、メリー叫ぶ。
「それじゃやるよ~!!」
「準備オッケ~!!」
「「せ~の!!!!」」
「メリー!!上海!!1時だ!!!!」
蓮子がいきなり叫ぶと同時に、持っていたロープが抵抗もなくこちらに飛んでくる。
私達は抵抗が無かったため勢いよく後ろに吹き飛ぶ。
どこかで聞いた話だが、綱引きのロープを両方から全力で引っ張っている途中にロープが千切れると、行き場を失くした力が戻ってきて腕が吹き飛ぶらしい。
私達はお互い力様子見をするべく力を込めていなかったのか、腕が吹き飛ぶという残酷なことは起きなかった。
私はロープの抵抗が無くなったことを不思議に思い、尻餅をつきながらロープを目でたどる。
ロープの先はメリー.....ではなく、切れ味の良い刃物で切られたようなロープが落ちていた。
そしてその先には.....さっきまで無かった木の壁ががあった。それが神社の壁だということに気づくのに時間はかからなかった。まるで最初から何事も無かったかのように神社があるのだ。
「メリ~!!上海~!!とりあえずこっち来て~!!」
神社の向こうから蓮子の声が聞こえてくる。神社の上に飛んでその声の方に見ると、神社の入口あたりで蓮子が立っていた。その足元には消えたはずの教授が横たわっていた。腕もちゃんと付いていた。
蓮子の近くに降りてくると、メリーも石段を登ってきた。どうやらメリーは後ろに吹き飛び、石段を少し転げ落ちたようだ。
「蓮子、何があったんだ?」
「なんで私は階段から落ちなきゃいけなかったの?」
「何が起きたかは分からない。が、1時ちょうどにこの神社と教授が現れたのは事実。ここから推測するに、0時から1時にかけてこの神社は消える。そして1時ちょうどに戻ってくる。何故教授の腕が浮いていたり、神社と一緒に戻ってきたかは謎だ.....」
「ま.....待って.....」
倒れていた教授が声を出す。どうやら生きているようだ、しぶとい奴め.....
「私は.......あちらの世界を.....見た.....」
「あちらの世界.....?」
「......やめろ...来るな!!.....助けてくれ!!.....うぁぁぁぁぁぁぁ.........」
教授は錯乱した様子で力なく叫び気絶する。
「これは一筋縄じゃ解けない謎ね.....」
蓮子がポツリと呟く.....
わ~い!!教授が帰ってきた~!!って様子がおかしい.....あ、いつもの事か。(納得)
あ、今日中には七夕の話でも出そうかな?