上海可愛い
[メリーの家~蓮子side~]
電話をして10分後、例の物が届く。さすがAmaz〇n、この時代でも早いね。
玄関口で荷物を受け取り部屋に戻る。2人とも私の持つ箱に興味津々のようだ。
「ねぇ蓮子、それなぁに?」「大したものじゃないよ、ただ...上海にとっては必要かも。」「それは興味深い...早く開けてみてくれ。」
上海に急かされ、箱を開ける。中にはさっきテレビショッピングの番組でやっていた[世話ーるくん]が入っていた。
「あ、さっきの高性能(笑)ロボット」「まさか私の代わりに.......こんなのに負けるのか.....」
落ち込む上海を他所に、強引に世話ーるくんの服を引きはがす。
「ブッ!! ちょっ!!蓮子!?人形の服を脱がしてハァハァする趣味あったの!?」
何か変な勘違いをされそうなので言っておこう。私はこの人形に全く興味は無い。興味があるのはこいつの服だ。
この服を上海に着させれば、ちょっと顔の違う世話ーるくんの出来上がりって訳。
と言うことで、剥いだ服を上海に渡す。破れないように丁寧に引き剥がしたから着れるだろう。
「え?なんだ?これを着ろって言うのか!?」「蓮子!!私があなたの人形になるから!!そんな人形に浮気しないで~!!」「それを着ればただの世話ーるくんになるから、外も普通に歩けるって事。」「なるほど.....それならば...」
と言い上海が着替えだす。途中でメリーがとんでもない変態発言をしたような気がするが...気にしないでおこう。
~~上海着替え中~~
「ど、どうだ?」
小さな執事服を着た上海が言う。メイド服Ver.もあったのだが、何故かちょっと高かったのでやめた。
「おぉ~!!結構似合ってるじゃん!!」「.........」
上海はそれを聞くと、照れくさそうに笑う。メリーはうるさいので気絶させておいた。仕方ないね。
「これで外への外出も大丈夫になったね。」「私は少し恥ずかしいのだけど.....」
とりあえず一枚写真を撮る。
それに気づいた上海は顔を赤くし、顔を手で覆う。
可愛い。執事服だけど可愛い。もうあれ、表現出来ないほど可愛い。
知らずの内ににやけていたらしく、いつの間にか起きていたメリーがこちらを蔑んだ目で見てくる。
「やっぱり蓮子は私より.....うぅ.....」
やめろ、泣く演技をするな。こっちをチラって見るな。
「わ、私のあの写真は消しておけよ!!と、とりあえずこの服を来た理由は分かった!そしてこの服も納得する!!で、でも.....」「「でも?」」「送り返すのだけはやめてくれ...」
上目遣いで頼んでくる。ちょっと涙目...顔も恥ずかしさで真っ赤.....執事服.....上目遣い.....涙目.....顔真っ赤.....執事服.....
興奮した私の頭の中で同じ言葉が繰り返される。あーやばい、鼻血出てきた.....しかも出てはいけない量出てる.....意識が遠のいていく.....
途切れる意識の中私は最後の力を振り絞り、一言呟いた。
「あぁ.....幸せだ.....」
ギリギリ毎日投稿間に合いましたね.....危なかった.....