上海人形家出禄   作:ルシャルシャ@黒P

53 / 117
今回は前回の後書きの通り、番外編です!!
ク、クマー...

上海可愛い


番外編5 森のくまさん その1

俺の名前は[森野 熊]って言うんだ。今回の主人公だ。

まぁ、これを見てくれていると言うことは俺の話に興味があるんだろう。つまらない話だが聞いてもらえれば嬉しいな。

まずは...そうだな...俺の名前の由来から教えよう。って言っても、その名の通り俺は熊なんだ。何の変哲もない熊だ。

生まれは幻想郷だ。そう、あの幻想郷だ。お陰で小さい頃は、小さい妖怪に襲われたり、腹ペコの巫女に追われたりしたよ...懐かしいな...

まぁ、そんなこともあったりしながら俺は育った。親も友人も居ない、元からいなかった。ただ俺は1人で気ままに生きてきた。そのツケがあの時来たんだろうな.....

俺はあの時森の中で最強だった。誰も俺を襲おうとしないし、俺を見りゃ食べ物を置いていって逃げた。それに調子に乗った俺は、手を出しちゃ行けないやつに手を出した。妖怪だ。

まぁ、その時の話をしよう。ゆっくり聞いて言ってくれ。

 

[幻想郷の森の中・過去]

俺はその時自分の力が知りたくてうずうずしていた。その時は誰も戦ってくれなかった。

「誰か強いやついねぇかな...」

何て熊語で言いながら森の中を歩き回っていたな...

しばらく歩いていると森の小さな広場に出た。真ん中には切り株があり、そこに女の子が腰掛けていた。

その女の子は黒い服に身を包み、頭には赤いリボンを付けていた。

そしてそのちょっと後ろには、こちらを見て驚いている人形がいた。動く人形何てよく見るから驚かなかった。

だが興味を引く物はあった。その人形が背負っていたランスだった。

ランスを背負っている→戦える→襲えば応戦する→俺の力が分かる。と言うアホみたいな考えに陥った訳だ。

 

そういう事でその人形に襲いかかろうとしたんだが.....今までに感じたことのないほど強い殺気を感じたんだ。その殺気の発せられた所を見ると、その人形の後ろ、つまりあの小さな女の子だった。

何故あんな小さな女の子が...とか思いながら、威嚇程度に飛びかかってみると

「今は機嫌が悪いんだよ...」

そんな決め台詞のような事を言いながら、どこからともなく木の棒を取り出した。

そしてその棒を素早く横に振る。普通なら当たらない距離なのだが、その棒は違った。長かったのだ。3mはあるんじゃないかという長さだった。

ふり抜かれた木の棒を俺は避けられず、脳天に直撃し吹き飛ばされる。

驚いたのはその腕力や木の棒の耐久性では無く、その女の子の悲しそうな顔だった。まるで親でも死んだかのような顔をしていた。

俺はその顔に見入ってしまった。その隙もあって、あの棒に当たってしまったのだ。

その時俺の心臓は、ドキドキとなっていた。何かよく分からない感情が頭の中に渦巻いていた。そんな訳の分からない感情に怯えていると

「邪魔だ.....失せな.....」

と言いながらその少女が棒を地面に叩きつけた。

俺は言葉は分かるくらいの賢さだったので、すぐにその少女の見えないと場所まで走って行った。

俺は走った。全力で走った。この胸のモヤモヤを取り払うために、走り続けた。

崖から落ちようが、気の根っこにつまずいたりしても走った。

すれ違った動物達には怯えられ、道を開けられた。そりゃ森の中最強がすごい形相で迫ってきてるんだから、道を開けるしかないよな.....

ずっと走っていると急に空気が変わった。少し空気が汚れた感じがした。

周りを見ると見覚えが全く無い森の中だった。その時直感で分かったことがあった。

「ここは.....幻想郷じゃねぇ.....」

 

 

 

そうして俺は幻想郷から出ちまったんだ。まぁ、まだ話したい事はあるんだが.....まぁ、また今度な。

ありがとよ、こんな俺の長い話を聞いてもらってよ。また聞きに来てくれよ。




白藍ハートネット様から支援イラストを貰いました!!ありがとうございます!!白藍ハートネット様の[始まりのサイヤ人が幻想入り]もよろしくお願いします!!


【挿絵表示】


次回は本編ですかね...この番外編の続きはいつか気が向いたら作ります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。