ク、クマー...
上海可愛い
俺の名前は[森野 熊]って言うんだ。今回の主人公だ。
まぁ、これを見てくれていると言うことは俺の話に興味があるんだろう。つまらない話だが聞いてもらえれば嬉しいな。
まずは...そうだな...俺の名前の由来から教えよう。って言っても、その名の通り俺は熊なんだ。何の変哲もない熊だ。
生まれは幻想郷だ。そう、あの幻想郷だ。お陰で小さい頃は、小さい妖怪に襲われたり、腹ペコの巫女に追われたりしたよ...懐かしいな...
まぁ、そんなこともあったりしながら俺は育った。親も友人も居ない、元からいなかった。ただ俺は1人で気ままに生きてきた。そのツケがあの時来たんだろうな.....
俺はあの時森の中で最強だった。誰も俺を襲おうとしないし、俺を見りゃ食べ物を置いていって逃げた。それに調子に乗った俺は、手を出しちゃ行けないやつに手を出した。妖怪だ。
まぁ、その時の話をしよう。ゆっくり聞いて言ってくれ。
[幻想郷の森の中・過去]
俺はその時自分の力が知りたくてうずうずしていた。その時は誰も戦ってくれなかった。
「誰か強いやついねぇかな...」
何て熊語で言いながら森の中を歩き回っていたな...
しばらく歩いていると森の小さな広場に出た。真ん中には切り株があり、そこに女の子が腰掛けていた。
その女の子は黒い服に身を包み、頭には赤いリボンを付けていた。
そしてそのちょっと後ろには、こちらを見て驚いている人形がいた。動く人形何てよく見るから驚かなかった。
だが興味を引く物はあった。その人形が背負っていたランスだった。
ランスを背負っている→戦える→襲えば応戦する→俺の力が分かる。と言うアホみたいな考えに陥った訳だ。
そういう事でその人形に襲いかかろうとしたんだが.....今までに感じたことのないほど強い殺気を感じたんだ。その殺気の発せられた所を見ると、その人形の後ろ、つまりあの小さな女の子だった。
何故あんな小さな女の子が...とか思いながら、威嚇程度に飛びかかってみると
「今は機嫌が悪いんだよ...」
そんな決め台詞のような事を言いながら、どこからともなく木の棒を取り出した。
そしてその棒を素早く横に振る。普通なら当たらない距離なのだが、その棒は違った。長かったのだ。3mはあるんじゃないかという長さだった。
ふり抜かれた木の棒を俺は避けられず、脳天に直撃し吹き飛ばされる。
驚いたのはその腕力や木の棒の耐久性では無く、その女の子の悲しそうな顔だった。まるで親でも死んだかのような顔をしていた。
俺はその顔に見入ってしまった。その隙もあって、あの棒に当たってしまったのだ。
その時俺の心臓は、ドキドキとなっていた。何かよく分からない感情が頭の中に渦巻いていた。そんな訳の分からない感情に怯えていると
「邪魔だ.....失せな.....」
と言いながらその少女が棒を地面に叩きつけた。
俺は言葉は分かるくらいの賢さだったので、すぐにその少女の見えないと場所まで走って行った。
俺は走った。全力で走った。この胸のモヤモヤを取り払うために、走り続けた。
崖から落ちようが、気の根っこにつまずいたりしても走った。
すれ違った動物達には怯えられ、道を開けられた。そりゃ森の中最強がすごい形相で迫ってきてるんだから、道を開けるしかないよな.....
ずっと走っていると急に空気が変わった。少し空気が汚れた感じがした。
周りを見ると見覚えが全く無い森の中だった。その時直感で分かったことがあった。
「ここは.....幻想郷じゃねぇ.....」
そうして俺は幻想郷から出ちまったんだ。まぁ、まだ話したい事はあるんだが.....まぁ、また今度な。
ありがとよ、こんな俺の長い話を聞いてもらってよ。また聞きに来てくれよ。
白藍ハートネット様から支援イラストを貰いました!!ありがとうございます!!白藍ハートネット様の[始まりのサイヤ人が幻想入り]もよろしくお願いします!!
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次回は本編ですかね...この番外編の続きはいつか気が向いたら作ります。