上海可愛い
そして久しぶり!!
[✕✕神社・箱の中]
私の名前は上海、私は暗い箱の中にいます。
何故かは知りませんが、閉じ込められています。
昔むかしのそのまた昔...幻想郷という所の妖怪の山と言う山で、事件が起こりました。それに巻き込まれた私は、その騒動を潰そうと四苦八苦していました。
だけど悪い人形に捕まってしまい、ここに閉じ込められました。
長い長い時を経て、今日がやって来ました。大体外の様子が分からないので、1日が分かりませんが...
今日もいつものようにただ暗い中で、ランスを触ったり、1人で喋ったり、アリス様を助けられなかった自分の弱さを嘆いたりしていました。
その時外から発砲音が聞こえました。昔聞いたスナイパーライフルの発砲音に似ていたので、すぐに何かの銃だってことが分かりました。
この生活からも抜けられるかもしれない、と私は思いました。
そして大声を出したり、暴れてみたりしたのです。するとこちらに向かってくる足音が聞こえました。
すると外から叫び声のような物が聞こえ、動きを止めました。殺人犯か何かと思い、ランスを構えながら外の様子を伺いました。
すると外から、箱を持ち上げられました。ここから出れると思い、力を溜め、全力の一撃を蓋に放ちました。
すると箱は地面に置かれ、箱の上のテープのような何かを剥がされる音が聞こえました。
そこを見計らって、私は蓋に突撃しました。
辺りを見回すと、腰を抜かした少女1人とそれに駆け寄るもう1人の少女。と言うか少女よりお姉さん。
まぁ、気にせずに箱から出たら言おうと思っていた言葉を言う。
「ひっさしぶりのシャバの空気だぜ.....」
って言ったけど、空気は古い木の匂いと獣の臭い.....ん?獣?
「あばばばばばば.....」「シャァベッタァァァァァァァ!!!」
2人が声を上げる。
「やかましい!!」「「ハイ!!すいません!!」」
一声怒鳴ると、2人揃って同時に謝る。相当仲はいいようだ。
「それよりここはどこだ?」
質問しても驚きからか、答えは返ってこない。なのでさっきより語勢を強くして尋ねる。
「おい!!白っぽいの!!ここはどこだ!!」「の、呪わないでください!!」「呪わないよ!!ていうか呪えないよ!!」
これはとても会話になりそうにない。そう判断した私は、溜息をつき外に出ようとする。すると、黒っぽい方がこんなことを言ってくる。
「あ、あの!!外には熊が居るので、出ない方が...」「へぇ~、熊か...リハビリには丁度いい。」
そう言いながら扉を開ける。
すると目の前には、両目が潰れた熊が目の前に立っていた。
「離れて!!」
そう言って、黒っぽいのが猟銃を構える。さっきの銃声はこれだったようだ。
「なぁに、心配には及ばんよ。」
そう言って小さな拳を、まっすぐ後ろに引く。
熊が飛びかかってくるが、それに怯まず拳を強く突き出す。いわゆる正拳突きと言う物だ。
それが熊の頭に当たった瞬間、熊が後ろに吹き飛ぶ。
この体感年数、数百年間。何もしていなかった訳では無い。殆どの時間を筋トレ(効果あるかは不明)や、武術の修行などに費やしていた。その結果、自分でも信じられないくらい強くなっているのが分かった。熊なんかにはやられはせんよ。
「え、ばばば...」「一撃で.....夢に違いないわね...」
2人とも何か言っているが、毎日コツコツしていたらこれくらい誰でも出来る。
「グ、ガァァ.....」
熊が低い唸り声を上げる。それはどこか苦しそうな声だった。それを聞いて思い出す...あの椛とか言う白狼天狗、それも同じような声だった。
熊はさっきの一撃で頭蓋骨が砕けているはずなのに、すぐに立ち上がる。生物的に無理な話だが、別に気にする必要は無い。
「おい、黒いの。」「ひゃい!!」「最後は任せる。」「え?それって...」「その猟銃は何のためにある?」「うぅ...分かりました...」
そう言いながら彼女は猟銃を構え、トリガーを引いた。
パァァァン!!
高らかに発砲音が鳴り響く。弾丸はまっすぐと熊の脳天に吸い込まれ、熊は血しぶきをあげ倒れる。
「今日の晩飯は熊料理だな。」
熊の死体を見ながら、そう呟く。
ちなみに武術の修行は、普通の人形時代にアリス様に教えてもらったらしいです。
上海...いつの間にかたくましくなったな.....