上海人形家出禄   作:ルシャルシャ@黒P

46 / 117
さぁ、次の編への繋ぎどうすっかな.....

上海可愛い


四十一体目 上海と人形

[妖怪の山]

「.....これなんて化け物っすか...」「私にもわからないけど...戦う以外道は無いわね...」

上海達の前には、怪物となった犬走椛がこちらを見下ろしていた。

体は異様に大きくなり、歯はおかしいくらいに伸びて顔は犬らしい顔つきになっていた。

もう既に正気では無いらしく、目は赤一色で息も凄く荒い。

周りは炎に囲まれており、逃げ道はない。こんなゴリゴリマッチョと真正面から戦うとなると、勝機はほぼ無いと思う。

「先手必勝!!」

と言いながらとりあえず相手の懐に飛び込み、腹部をランスで貫く。

勢いよく突いたが皮膚が無駄に硬く、深くまで刺さらなかった。

犬走椛の方は、全く気にせずに周りを見渡している。何かを探しているのか?

「アォォォォォォォン!!!!」

いきなり犬走椛が、大きな声で鳴く。

一瞬ひるんだ隙に犬走椛は器用に足でランスと私を引っこ抜き、まだ燃えてない木に投げつける。

叩きつけられた私に、犬走椛は素早く近づき3発蹴りを放つ。

そしてもう1発放とうとしたところで動きが止まる。

アリス様が人形数体に攻撃させたのだ。

「上海!!今のうちに逃げなさい!!この化け物は私がやるから!!さぁ、こっちに来なさい!!」

アリス様はそう叫びながら、更に数体に攻撃させる。だがそんな物は鬱陶しいハエ程度にしか思っていないのか、手で適当に払い叩き落としていく。

「上海達!!蓬莱達!!突撃!!目標はあの化け物の目よ!!」

どんどんと人形達が攻撃しに行き、どんどんと落とされてゆく。

ある人形は目の周りで自爆し、ある人形は何も出来ずに死んでゆく。自分もあの中にいる可能性があった事を考え、恐怖し心の中で人形達に謝罪する。

(あの中に自分がいたと思うと...助かったと思ってしまう...あんな感じで自爆していく可能性もあった...そう考えると自分の身がまだあるという事が、あの人形達から見れば.....すまない...)

「キャぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アリス様の悲鳴が聞こえ顔を上げる。

アリス様は犬走に握られ今にも潰されそうになっていた。握る手を上海人形達が攻撃しているが、ビクともしない。

「...アが...上海.....逃げて.....」「アリス様...」

こんな状態でも私の心配をしてくれている.....

「.....逃げれるわけ...ないじゃないですか...」「何言ってるの...早く...」「自分の生みの親を捨てて生きろって言うんですか!!そんなの嫌です!!私は...私はアリス様を助けて!!それから一緒に逃げましょう!!」「上海.....」

犬走椛の首元に突進し、ランスを突き刺す。首元は結構なダメージになったらしく、アリス様をあっさり離し私を掴んでくる。

「私からのプレゼントは気に入ったか?」

言葉が理解出来ているかは分からないが、掴む腕に力が入る。

こんな感じで掴まれるのは、地霊殿以降だな.....

下を見るとアリス様が気絶している。アリス様を守るために私は自分に元から付いている自爆装置のスイッチを入れる。アリス様を守るためならばこの命なんて安いもんさ。

私と一緒にランスも爆発する仕組みなので、奴は首の後ろを爆破されることになる。爆破に成功すれば、奴は出血多量で死んでくれるだろう。

「貴様も共に死んでもらうぞ!!犬走椛ぃぃ!!!!」

体の中から暖かい衝撃が伝わってくる。

 

これが自爆か.....




次回は妖怪の山編最終回(予定)!!
自爆する上海の運命はいかに!!

ていうかタイトル.....(もうちょっとましなタイトルは)ないです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。