上海人形家出禄   作:ルシャルシャ@黒P

4 / 117
これが投稿されたのが夜中の0時を回っていたらまた1話追加で投稿します。
アイデアは尽きずに体力が尽きる。

上海可愛い


四体目 言葉と上海

「ほい!!」目の前に美味しそうな鮭と味噌汁が出される。

手を合わせて「シャンハーイ!!」と元気よく言うと「いただきます」と慧音さんも返す。あの後(前回)料理を作り終えた慧音さんが助けてくれてなければ、私は潰れていただろう。

慧音&上海食事中.....

 

食べ終えた皿などを片付け洗い物の手伝いをしていた時、こんなことを聞いてきた。

「これからどうするつもりなんだ?」「シャンハーイ...」

まずは言葉を学ぶつもり、と紙に素早く書きそれを見せる。

そうか…、と呟くと何かを考え込み始めた。一体何を考えているのやら...

「それじゃあ何か喋ってみなよ」口の動きは覚えたがまだ喋れる段階ではないような気がするのだが…

「今日覗いてたから喋れるよな?」ガッツリバレてた...まぁ、物は試しだ。

「ワ.......タジノ...名マエは...シャンハーイ...」やべえ、何故かすっごい恥ずかしい...

「よし決めた!!今日だけで上海が喋れるようにしてやろう!!」「シャンハーイ?」「何て言ってるか分からんがもちろんだ!!」

この人は勢いだけで生きているような気がしてきた...

「よし!!早速やるぞ!!」まぁ、こう言ってくれているのだ。ここはご好意に甘えた方がいいだろう。

 

上海勉強中.....

 

「なんてこった...たったの6時間で喋れるようになるとは..さすが教師と言ったところか…」「意外に声は変わらないんだな。1回上海って言ってくれないか?」「シャンハーイ」「この時だけ棒読みになるのは直せなかったから、ほっておくか。」「え、酷い...」

 

こうして私は言葉を手に入れたのだが...

「これじゃ読者に上海って分かりにくいな…」「読者って?」「いや、上海には多分関係の無い話だから。」気になる...「いや、上海って言うところはカタカナだから大丈夫か...」「シャンハーイがどうしたって?」「いや、何でもない。うん。」どうやら私が触れてはいけない部分なのだろう。うん。

「それじゃあそろそろ寺子屋に行かなくては」「え?一睡もしていないのに?」「先生の朝は早いのだよ。」

働きすぎで倒れそうな気がしてきたよ...大丈夫かこの人...

「あ、そうそう。今日も手伝って貰うから」

満面の笑みでサラッと言われたがまたあれくらいの資料を運べと言う事だろう。逃げ出してやろうかな...ため息混じりに小さく「シャンハーイ...」と呟く。今日も上海は重労働だったとさ。

 

 

 

「上海~!!そろそろ帰ってきて~!!」ところ変わってここはアリス亭近くの森の中。「まさか...動物とかにやられてたり...いや、上海は強いからそんなことは無いはず...上海~!!」アリスは今人形総動員で、完全自立型上海を探している。「シャンハーイ?」「ホラーイ?」ここら辺の森の中は三歩歩けば必ず人形に出会うくらいの勢いで捜索が進んでいる。「上海~!!私が悪かったから出てきて~!!」昨日から寝ずに探していることから彼女の必死さが分かるだろう。だが上海はそこにはいないことをアリスは知らない。いつになったら会えるのだか.....「上海~!!」




多分投稿間に合ってるはず。
今回は上海が喋れるようにようになった記念すべき回ですね。でも普通の人と違いが分かりにくくなってしまいました…それと今回はアリス視点も少し入れてみました。アリス視点が好評だったら回数が増えるかも.....
それではまた明日...

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。