地獄!
小鬼!
バギー強奪!
上海かわいい
ここは地獄の最重要施設のうちの一つ。
その門番をしている鬼が二人。そう。この俺だ。
俺の名は《
いつも二人で門番をしている。門番と言えど一日に二、三度来る小鬼バギーを通すくらいの仕事だ。
侵入者は来ない。まず地獄に侵入できないからだ。盗人もいない。それどころか生者もいない。
と思っていたら。
「どうやら侵入者が来たようだな...」
「なんでぇこんな時に...」
「だが、どこから入ったのか...」
「ほんまやで...地上への入口も...」
そんな会話をしていると、バギーが一台。岩の陰からやって来た。
門の前でバギーを止めさせ、バギーの荷物を確認する。
バギーには小鬼が二人。麻袋が一つ。
「ん...?小鬼、なんやお前...小さくねぇか...?」
「え.....」
「お前...さては...」
「せやな...恐らく...」
「「新入りやな」だな」
「え...あ、はい!ソーナンデス!シンイリナンデス!」
「やはりか。にしてもこんなに小さいのに...大変だな。」
そう言いながら扉を開ける。
バギーをゆっくりと進める二人の小鬼。
それを
「あ、待ち待ち。侵入者がおるってのは小鬼でも知ってるよな?んでもこれ秘密なんやけど...そいつ殺ったらなんと賞金が出るらしいねんて!頑張りや!」
小鬼二人は俺達二人に手を振りながら扉をくぐって行った。
俺達二人は扉を閉め、前に向き直る。
「なぁ...あれって...」
「まぁな。」
これから忙しくなりそうだ。
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「なぁルーミア...」
「.....もはや賞金首...」
そう言いながら私達はバギーから降りた。
バギーには決まった停車位置があるらしく、探すのに苦労した。
麻袋を下ろし、ルーミアが肩に担ぐ。停車位置を聞いた際にこれは最上階に運べと言われたので、渋々運ぶことにした。
駐車場の鉄の扉を開け、メインフロアらしき所に出る。フロアの中央は吹き抜けになっており、最上階である4階まで続いていた。
鬼達は忙しそうに書類を持って駆け回っていたり、耳に手を当て何かを喋っていたり、フロアの端で書類を書いていたりしていた。
私達は階段を見つけ、それを登った。小鬼もいるようで、私達は上手く溶け込めていた。
1階は受付のような雰囲気だったが、2階はいくつかの部屋で区切られたガラス張りの会議室のようだった。中では鬼達が何かを話し合っている。壁にはでかでかと何かの設計図が貼られている。
「なぁ...あれってなんだろ」
「.....拷問器具?...」
「うっへぇ...」
そう言いながら階段を見つけ、3階へと登った。
3階はこれまでとは打って変わって物静かだった。鬼もほとんど見えない。下の階からの喧騒は吹き抜けを通り聞こえてくる。吹き抜けへの落下を防ぐ手すりから下を見る。こうして見ると鬼も人間と大して代わりがない。まぁ私は人形なのだが。
最上階である4階。そこには大きな扉が一つ。
豪華な装飾が施され、いかにも重要な部屋である事を強調していた。
「ここ...?」
「.....恐らく...」
扉を開け、中に入る。
部屋の中は大きな机が置いてある、執務室のようだった。
その机には真っ黒い大鬼が座って、何か書類のようなものを読み漁っていた。
黒い大鬼は顔を上げ、こちらを凝視すると大声を張り上げた。
「何者だ!小鬼風情が!この私が《閻魔大王》と知ってのことか!?」
閻魔大王はこちらに近寄り、私を掴みあげた。
「ちょっと待ちな!」
部屋のどこかから、女性の声が聞こえてきた。その声に反応し、閻魔大王は動きを止める。額には脂汗が滲み出て、手汗がゆっくりと湧き出てきた。ぬるぬるして気持ち悪い。
「
「その...お声は...」
その声は、麻袋の中から聞こえていた。
ルーミアは麻袋を地面に置いた。すると中から全裸の女性がのっそりと出てきた。
「
はろはろー。サタンだよ〜。地獄だって〜。...サタンって言う名前の私に出番はないのかな〜...そーいえば閻魔大王出てきたね〜。次回も出てくるからよろしくだよ〜