DMMのアカウント作ったし、せっかくだから艦これ始めます 作:ほったいもいづんな
許してくれますか?
如月「私に指輪くれるなら」
え、それは……
鹿屋鎮守府の提督、本日はアサギではなく神姫projectをプレイしている。 神姫projectはアサギやグラブルと同じDMMのゲームの一つである。 よく広告に出たりするので知っている人は多いだろう。 提督はアサギがニッチ過ぎるので正統派っぽい神姫を始めたのだ。 始めたのだが……
「うーん……」
マウスをカチカチさせながら難色を示す。 別にゲームが悪い訳ではない。 キャラが悪い訳ではない。 ただこのなんとも言い難い不満を漏らしながらスタミナを消費していく。
「……あの、提督」
そんな提督にいよいよ我慢の限界が来た本日の秘書艦、山城が声を上げる。
「いい加減やめてもらえますか? ただでさえ駆逐艦の子達が嫌がっているというのに……」
「うん? だーじょうぶだって。 神姫君はアサギと違って露骨じゃないし、そういうシーンになったら分かりやすく画面切り替わるから安心しろよなぁ〜」
「違います! ……はぁ、どうして私が秘書艦の時に限って新しいのを……不幸だわ」
山城お決まりの文句である『不幸』を言わせる提督。 うーん、実に畜生である。 だがそんな山城の様子など日常茶飯事のように適当にあしらい、現在進行形でプレイしているゲームの感想を山城に伝える。
「お前が不幸なのは今に始まった事じゃないだルルォ? そんな事より聞いてよ山P〜」
「私はアイドルじゃありません。 ……何ですかもう」
「これさぁ……」
提督はディスプレイに表示されているゲーム画面を指差す。
「グラブルとおんなじ……っつうかよぉ……一緒過ぎて草も生えない」
「そう」(無関心)
「しかも戦闘はグラブルの方がインターフェース改善されてるからクッソやっててイライラすんのよね」
「そう……」(無関心)
提督のクッソどうでもいい感想をクッソ適当に受け流す。 大事なのはスルースキル、ストレスの溜まる上司の話は適当に聞いて流すのが一番である。 だがこの提督相手には少し物足りない。
「しかもさぁ……」
「……ん?」
提督は画面をクリックして、ピンク色の画面を開く。 そして……
「ここの序盤の調教っつうかくっ殺シーンさぁ、中○しするシーンしかなくてなんか物足りないのよね」
「ああああああ!? 何してんのよあんた!?」
この提督、艦娘相手に容赦なくHシーンを垂れ流す所業。 それは健全なBLに興味ある少女に『淫夢』を見せつけるのも同然の精神汚染。 容赦ないどころかセクハラである。
「最低っ! 最低っ! 女性にこんなもの見せるなんて……っ!!」
「アサギの見過ぎかもしれないんだけどさぁ……心を折るのにただブッ刺すだけなのは私ちょっとなぁ……もっとクリムゾンみたいにーーーー」
「主砲、てぇーっ!!」
「アミバァ!?」(大破)
41㎝連装砲が提督を襲う。 まぁ同然大破轟沈……という訳ではないが、少しは懲りただろう。 因みに提督はよく艦娘に砲撃される。 無事なのかと心配される事はよくあるが、提督は特別な訓練を受けているから大丈夫……という訳でもなく。 ただ単純に提督は特別な性癖の持ち主ばかりなのでギャグ補正がかかり轟沈する事がないだけである。 普通の変態は死ぬ状況でもマニアックは性癖を持っている提督は無事である。 無事(黒焦げ)だが。
「…………はぁ、不幸だわ」
山城は本日何度目か分からないくらいため息を吐いた。 今日一日中ため息を吐く羽目になると考え、また一つため息の数を増やした。
本日の食堂。 食堂では食事だけを利用する場ではなく、出撃前だったり演習の休憩だったり出撃のない艦娘達の憩いの場となっている。 本日の午前の演習は終わり、参加していた艦の一人である瑞鶴はたまたま見つけた阿武隈と共に休憩していた。
「はぁ〜阿武隈はいいわよねぇ……レベル17で改造できるから」
「あはは、確かに私は他の軽巡よりもちょっと早いですからね。 でも瑞鶴さんも25で改造できるじゃないですか」
「まぁそうなんだけどさぁ〜……それでも他の駆逐艦の子達が20で改造してるのを見ると早くしたくなるのよ」
「あぁ……確かに瑞鶴さんは旗艦には配属されませんもんねぇ……」
二人はパフェをつつきながら雑談に興じる。 話の口火を切るのは瑞鶴でそれを聞くのは阿武隈の役目。 意外と波長が合っているのか、二人はよく会話をする事が多い。 やはり他の艦に因縁があったりすると共感を覚えるのだろうか。
「大体提督もボーキがないってボヤいて空母のレベリングを後回しにし過ぎなのよ。 だったら大型建造を控えなさいよ全くー……」
「あぁ〜確かに一時期の提督はちょっと建造し過ぎでしたもんねぇ」
「だからレベリングが優先されるのはボーキを全然消費しない艦娘ばっかだし……むうぅ〜」
瑞鶴は顔を尖らせ提督への不満を放出する。 それを聞かされた阿武隈はすでに改になっているのでちょっと複雑だが、それでも提督が現在瑞鶴のレベリングを行なっているのを知っているので少しだけフォローを入れる。
「まぁまぁ、瑞鶴さんだってもう少しで改造可能なレベルになりますし。 提督も瑞鶴さんを出撃させる事が出来て嬉しいってこの間言ってましたよ?」
「それほんと? 阿武隈の優しい嘘だったりしない?」
「ほ、ほんとぉですよ」
「ふーん……」
瑞鶴はスプーンを咥え上下に動かし少しだけ考える。 提督が、あの変態クソ提督が自分を出撃させる事が出来て喜んでいる姿はなかなか想像できない。 だが初めて出会った時の提督は途轍もなく喜んでいた事を思い出し、もしかしたら嘘ではないのかもしれないと考える。 そこまで考え、スプーンを手で持ち、満更でもなさそうに提督の事を褒める。
「ま、まぁこの五航戦である瑞鶴が出撃するんですもの。 飛び上がるくらい喜んでも……まぁ同然よね!」
「そうですよ」
少し調子が良くなる瑞鶴を見て嬉しくなる阿武隈。 実際に聞いた事なので嘘ではないと言い切れるが、それでもそれを信じてくれる瑞鶴の姿が少しだけ愛らしく見える。 だがそんな瑞鶴に一石投じる者が。
「あら大変、七面鳥がパフェをつついているわ」
「あぁん?」
七面鳥という単語に反応し、ガラ悪く声を上げながら瑞鶴が振り返る。 そこには同然というべきか、正規空母である加賀が立っていた。
「誰が七面鳥ですか!」
「あら失敬、七面鳥から転生した五航戦の瑞鶴じゃない。 うっかりしてたわ」
「いつ私がそんななろうでも題材にならない転生をしたんですか! 加賀さん! いつも言ってますよね、七面鳥はやめてくださいって!」
「失礼、確かに七面鳥に対して失礼でした」
「何ですって!?」
「あらぁ……どうしよう」
出会ってコンマ1秒で喧嘩を始める二人に困る阿武隈。 さっきまでの表情はどこへやら、瑞鶴は眉間にシワを寄せながら涼しげな加賀と口喧嘩を続ける。
「私は貴女と違って燃費が極端に悪い事はないんですぅ!」
「……あら、火力は私の方が上よ?」
「そうですねぇ〜その分ボーキサイトは赤城さんよりも消費しますけどねぇ〜。 あ、もしかして太りました?」
「……頭にきました。 そこに直りなさい七面鳥……」
「嫌ですぅ! 私は七面鳥じゃありませんので〜」
「七面鳥のスタンドを持っている七面鳥、そこに直りなさい」
「七面鳥のスタンドを持ってる七面鳥!? それただの守護霊じゃない!?」
「因みに私には赤城さんというスタンドがついてるわ」
「結局ボーキの消費が増えてるだけじゃん! そんなら七面鳥の方がマシよ!」
「え……あの、なんの話ですかこれ……」
途中から意味不明な中学生の会話みたくなる。 この二人、出会わなければ見た目相応の女性だが、スタンド使いのように惹かれあっており、出会ってしまえば中学生レベルの争いが起こる。 つまりどちらも駆逐艦よりも子どもだという事だ。
「あぁあの……二人ともそこら辺で〜……」
「ーーコラ! 何を騒いどる!」
そこに一人の救世主が、睨み合う二人に割って入る。 この勇気ある艦娘は駆逐艦であった。
「あ、浦風ちゃん」
「加賀! お主は午前中に出撃しておったんだからしっかりと休憩せい! 瑞鶴! 午後もうちらと演習があるのじゃから無駄な体力を使うでない!」
「うっ……」
「……仕方ありません」
強い語気で二人の熱を鎮火させる。 流石に空母である二人が駆逐艦である浦風相手に窘められるのは流石に気が引けるようだ。
「ありがとう浦風ちゃん〜!」
「全く、阿武隈も偶にはガツンと言ってやらねばならんぞ?」
「うぅ〜善処しますぅ〜」
駆逐艦とは思えぬ姉御肌、流石は陽炎型と言ったところか。 胸部装甲も見事なものである。
「……あれ? 浦風ちゃんまだ改造してないの? もう20レベ以上だよね?」
ここで阿武隈、少しでも話題を晒す為に浦風に質問をする。 まぁこれは単純に気になっていた事でもあるが。
「あ〜実はのぉ……」
少し困った顔をする浦風。 それを見て察した加賀と瑞鶴が代わりに説明をする。
「阿武隈、貴女と同じで他の艦娘と違うレベルで改造できるようになるの」
「ふぇ? そうだったんですか?」
「そ。 例えば私と阿武隈は他のより早く改造できるでしょ? 浦風は鈴谷とか熊野達と同じレベル35から改造可能になるのよ」
「はぇ〜それは知りませんでした。 駆逐艦なのに珍しいですね」
「あはは〜……提督には少し迷惑をかけとるがの……」
浦風は通常の駆逐艦達と違うので、必要な育成期間が多い。 ここの提督は改造してから出撃させるので演習は常に改造を控えている艦ばかりである。 もちろん改済みの艦娘もたまにいるが、それでも基本は未改造のみ。 必要なレベルが高い浦風は他の艦娘よりも長く演習を行っているのだ。 浦風はそこに少し引け目を感じている。
「うちが演習枠を一つ潰してあるからなぁ……」
「そんな事で提督は迷惑だなんて思ってませんよ!」
「そうよ、あの提督がその程度の事で困るとでも?」
「二人とも……すまんのぉ」
二人の励ましで少し気を持ち直す。 浦風は真面目で優しい性格、自分に必要なレベリングの時間が提督の時間を潰してしまっていると考えていた。 だが次の瑞鶴の言葉でその考えは完全に払拭される。
「提督さんならむしろ、浦風のあられもない姿を長く見れて嬉しいと思うわよ」
「んなっ!? それは〜……」
「確かに貴女は見事な体型をしているわ。 自信を持って」
「それはどういう応援じゃ!?」
浦風はその見た目からすぐに大きいと判断できる。 加賀も胸当てで抑えているだけで実際はスゴい。 流石空母だと言える。 二人並べば大艦巨砲主義にも目覚める。
「……浦風ちゃんって駆逐艦ですよね」
「……そうね」
「……私達と何が違うんですかね……」
「……やっぱ改造に必要なレベルじゃない? 私なんて空母だってのに……」
「……おかしいなぁ……大井さんとか天龍さんとかは大きいのになぁ……」
自分の胸を触りながら二人を恨めしそうに見る貧乳コンビ。 まぁ阿武隈は軽巡なので仕方ないとは思うが、瑞鶴は空母である。 小さい、それは中破絵で確認できるので誤魔化しは効かない。
「ま、まぁいいし? 提督さんはそういうのは気にしなさそうだし?」(負け惜しみ)
「そ、そうよ! 提督は変態さんだから大丈夫なはず!」(圧倒的負け惜しみ)
涙目で負け惜しみを叫ぶ。 それを目の前で見た加賀は哀れそうに瑞鶴を見る。 浦風は、「そんなに羨むほどのものじゃ……」と小さな声で呟く。 もしこれを聞こえるくらいの声で言えば間違いなく二人からバッシングされるので英断である。
だがここで新たな乱入者が。
「そんなコトありまセーン!」
「あぁ……誰じゃもう……」
浦風が頭痛そうしながら声の主を確認すると、そこには金剛型の一番艦の金剛が立っていた。
「金剛……頼むから話をややこしくせんでくれ……」
「ノンノンノン! これは割りかし重要な話デース!」
金剛は人差し指を左右に振りながら騒ぎ立てる。 いつもの事なので少々慣れてきたが。
「この間ワタシ知りました! 何と提督は大きい胸がスキという情報を!」
『な、何だってー!?』
本当かキバヤシ!? と、聞きたくなる事ではある。 だが意外と冷静な加賀がそれが本当かどうか質問をする。 因みに隣では浦風が両手で胸をガードしている。
「……それはどこ情報かしら? まさか提督がそんな事を艦娘に言うとは思え……るけども。 それでも真偽は怪しいわ」
「Ah〜これは青葉から聞きました」
「……いつもなら一蹴する所ですけど、このパターンなら逆に信憑性がありますね」
重巡洋艦の青葉型一番艦、青葉は二次創作界隈で盗聴や監視カメラ等でネタを提供する便利キャラである。 ここの青葉がそうであるかは分からないが、それでも新聞記者なので取材は欠かさない。 普段はゴシップネタばかりを取り上げる青葉であるが、提督の性癖というある意味でゴシップネタになる情報が偽物とは考えにくい。
「この間足柄と川内がやきう拳をした時に提督は川内の胸をガン見してたそうデース……」
「ふーん……」(貧乳1)
「へぇ……」(貧乳2)
「ワタシがナイスバディなのは提督も知ってマスが、それでも胸は加賀や浦風の方がBigデース……これは由々しき事態デース!!」
貧乳1(瑞鶴)と貧乳2(阿武隈)は金剛の胸を見てどす黒い視線を放っているが金剛はそれを気にせずに話を続ける。 妬みの視線に気付かないのは大した胆力と言うべきか、それともただのアホと言うべきか。
「……んじゃが、それでも青葉の奴の情報じゃろ? ちょっとこじつけがあるかもしれんぞ?」
「それは確カニそうデスね」
「……それなら確かめに行くしかないでしょ!」
「そうですよ!」
「ず、瑞鶴に阿武隈、そんなしょうもない事で熱くならんでも……」
先ほどまで嗜める役であった阿武隈だったが、そのポジションを浦風にバトンタッチし、謎の熱気を瑞鶴と出す。 因みに加賀は涼しげな顔でそれを見ている。
「さぁ行くわよあんた達!」
「いざ提督のいる執務室へ!」
「……これうちも行かんといけんのか?」
「もちろんデース!! Let's Go!! 陰陽師!!」
「私も行ってあげるから、諦めなさい」
かくして貧乳貧乳巨乳巨乳美乳の五人組が提督のいる執務室へと向かうのであった。 それをたまたま見ていた龍驤は悪態を吐くようにポツリと言う。
「ウチを差し置いて胸談議とはいい度胸やな……こちとらこれだけの為にワザワザ台詞あるっちゅうのに!!」
忘れてはいけない。 もっともフラットな彼女がいる事を……
「出番これだけとか意味分からんわ!!」
提督は執務室でそこそこ大事な話をしていた。 そこにいるのは秘書艦の山城に駆逐艦の吹雪、そしてこの間のイベントでドロップした潜水空母の伊13、ヒトミである。 今回集まったのは海外艦を手に入れる任務の為の会議であった。
「最終的に旗艦のレベルが60いるんでしょ? そうなると最後までブッキーには頑張ってもらう事になるからなぁ……」
「しかも48時間の遠征を合計4回……提督がもう少しレベルを平均的に行っていれば余裕だったんじゃないの?」
「そうは言うがよ山城、まさか60レベを要求されるとは俺も思ってなかったんだぜ? 精々50あればいいと考えてたからなぁ……」
「あと……最後は合計レベルが200必要みたい……です。 私や……ゴーヤちゃんはいいけど……」
「イクさんやイムヤさんはレベル低いですからね……どうします提督?」
「ふむ……それなら……」
想像以上に真面目な話をしていた。 それもそのはず、吹雪は初期艦、山城も初期組、ヒトミは真面目、会議が滞る訳がないのだ。 もしここに金剛や阿武隈がいたら提督がふざけだすだろう。
「山城のレベルは50いってるだろ? ブッキーと足して110ってことはあと潜水艦達で90は必要なわけか」
「う〜ん、遠征する前にレベル上げをしておきますか?」
「……でも48時間を4回だぞ? 先に済ませておきたいよなぁ」
「それならーー」
と、ここまで真面目に会議をしていたが、ここで金剛達が入ってくる。 ノックはしていない。
「Hey! 提督ー! お邪魔するネー!」
「提督、少しお時間貰いますね」
「ファッ!?」
金剛達がぞろぞろガーデン並みにぞろぞろしながら執務室に入ってくる。 因みに加賀や浦風は申し訳なさそうな顔をしている。 後は鼻息を荒くしているが。
「何だお前ら、集団ストーカーか?(?)」
「ストーカーなのは金剛と五航戦だけです」
「貴女だって二次界隈だとむっつりスケベの変態でしょ!?」
「瑞鶴さん、それだと自分も変態だって言ってますよ……」
「う……い、いいのよ! 艦娘なんてみんな年中発情期みたいなものでしょ!!(問題発言)」
「あ、おい待つんじゃ!(浦風の真似)) 申し訳ないが全員をスケベにするのはNG」
むたしても二人が喧嘩を始める。 だがここには駆逐艦である吹雪とおとなし目なヒトミがいる。 瑞鶴の発言を抑えるために山城がとんでもない顔で「黙れや猿ゥ!」と41㎝連装砲を瑞鶴に向ける。 流石に戦艦の主砲を向けられては瑞鶴も「はい……(白目)」と大人しくなるしかない。 因みに隣にいる加賀はとばっちりが飛んでこないように綺麗な姿勢で真っ直ぐに立っていた。
落ち着いた所で事情を提督に伝える。
「はぁ? 俺がおっぱい星人かどうか確かめにきたぁ?」
「イエ〜ス!」
「イエスじゃねぇよアホ共。 こっちは真面目に会議してたってのによぉ……オォン?」
クッソどうでもいい理由に流石の提督も頭痛で頭が痛くなる。 つまり死ぬほどどうでもいいのだ。 だが意外と山城や吹雪もそれが気になる様子。
「……だから提督は扶桑お姉様を大破させて……」
「いやいや! あれはあいつが勝手に大破するだけだから!」
「……そう言えばこの間秋雲ちゃんが大破した時、胸元に視線がいってましたね……」
「あ、あれは秋雲の胸が想像よりもデカくてちょっとビックリしただけだし!」
次々と浮上する提督の行い。 いやまぁ提督はみんな変態だから多少はね?
「提督……エッチ……」
「ひ、ヒトミまで何言ってんだ! 俺はお前らで抜いたことはない!(突然の下事情)」
「ほーん……提督さん……」
「提督ー、ホントーですかぁ……?」
「な、何だよ瑞鶴……金剛」
瑞鶴と金剛がいやらしい笑顔で提督に一突き。
「提督さんのウェブの検索で「P」って入力してエッチな検索候補が出なかったら許してあげるけど?」
「検索履歴から「◯VIDEOS」でナニを検索したのかチェックしてもいいんですヨー?」
「まじサーセンした。 私はおっぱいが大好きなど変態であります!」(土下座)
素早い土下座、一矢乱れぬその動きは……ただただキモかった。 山城から侮蔑の目を向けられているが知ったことではなかった。 土下座をすれば許される、提督はゴリゴリと床に頭を押し付ける。
「ぜ、全力スギィ……」
「提督……えぇ……」
流石に艦娘達にドン引きされる。 そらそうよ。
「て、提督……頭……上げて……」
「いいんだヒトミ……男はこうしなければならない時がある!」
「それ……今じゃなくていい……よね……?」
流石に上官に土下座させるのは忍びなかったのか、やめるように言われる。 ちなみに提督が額を付けていた所は少し窪んでいる。 全力故の破損であろう。
「…………それじゃあ提督ー?」
「どした金剛」
「この中のメンバーでぇ、一番好きなバストの持ち主は誰ですカ?」
『ファッ!?』
「あ、それ結局聞くんですね」
デカイ加賀と浦風、綺麗な金剛、残念な瑞鶴と阿武隈、あと秘書官である山城と遠征の打ち合わせをしていた吹雪とヒトミ。 この中から好みの胸の持ち主を告白するというトンデモナイ嫌がらせを受けている訳だが……提督は即答する。
「ヒトミに決まってるじゃんアゼルバイジャン?」
『…………え?』
「わ、私……ですか……あう……」
予想外の選出に皆が素っ頓狂な声を出す。 言われたヒトミは恥ずかしそうに顔を赤らめる。
そんなのを気にせずに提督はヒトミの胸の素晴らしさを熱弁する。
「いやホントマジ、ヒトミのちょっど手のひらに収まるくらいのシンデレラバストを中破絵で見たときはマジ心と身体のち○こが勃起したわ。 もうホント普段は水着で抑えられてるからかは知らんけど、あの撫でたい舐めたい擦り付けたい欲望を一気に満たしてくれるヒトミの胸がいっちばーん! な訳よ」
唐突な性癖どころか欲望を垂れ流す提督の姿は、それはそれはキモかったそうな。 故に、皆から殺意を向けられるのも仕方なし。
「……ヒトミさんは私とこっちに避難しておきましょうね」
『…………』
「……って、どうしたお前ら。 ちゃんと答えたゾ?」
『この……変態クソ提督!!』(艦隊一斉斉射)
「ゲージ破壊!?」(大破轟沈)
山城、加賀、瑞鶴、金剛、浦風、阿武隈による一斉斉射は見事提督を大破轟沈させる。 ちなみにヒトミは吹雪が避難させていたので無事だ。
皆黒焦げとなった提督を蔑む目で見ている。
「提督ったら最低のHentaiヤローデース」
「ほー……んと、デリカシーのかけらもないわね」
「……この変態!」
「さて、これから間宮さんの所でスイーツでも食べないかしら? そこちょうど財布が転がっているわけだし」
「賛成じゃ、ほらヒトミと吹雪も一緒に行くぞ」
「え、あ、でも……」
「さっきまで会議してましたし、甘いものが欲しくなりますよね? と言うわけで行きましょう」
「あ、あう……提督、失礼します……」
「あ、私はこのクソの後始末をするからいいわ。 いってらっしゃい」
執務室に提督と山城を残し、提督の懐から抜き出した財布を手に間宮の元へ向かう。 財布が戻ってくればすっからかんなのは目に見えている。 加賀も居るわけだし。
「……提督、何か言うことはありますか?」
「……ヒトミは腹もイイ!」
「死ね」
再び執務室で鳴り響く轟音。 またしても山城の主砲が放たれたのであった。 目の前で真っ黒焦げで転がる提督を見て、山城の今日のため息がまた一つ増えたのであった。
「はぁ……不幸だわ」
山城は初の戦艦なので伊勢型よりもレベルは高いです。
でも一番レベル高いのは初期艦の吹雪です。
次回は駆逐艦メインにしようかな。
今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。