VRAINSが進まないと更新できないと言ったな?
あれは嘘だ。
転生して、周りに木々が生い茂る公園のベンチで目が覚めた俺は、すぐさまバッグを調べた。そこに広がるのは、遊戯王のカード。
どうやら、神様は適当にカードをバッグに積めたようで、様々なカードとデッキがゴチャゴチャになっていた。
「あ~あ、これ整理すんの面倒だなぁ・・・、あの駄女神、一回ぶん殴りてぇ・・・」
『オオォォォォンンッ!』
意訳:もし出来る時は協力するぞ?
あぁ、後、神様の送って来た手紙を読むに、赤き竜はどうやら俺の精霊。守護者?とかいう奴らしい。何でも、転生して来た俺の体は、本来なら異物として世界に消されるらしいのだが、赤き竜がいる限りはその必要も無いらしい。
つまりは、俺の命=赤き竜と言うことなのだが、正直言うと、地縛神とかでも来ない限りこのタクシーは死なない気がする。
『オオォォォン』
意訳:タクシーでは無いんだが
それ今までの自分の活躍と効果見て言えるか?
あ、そういえば、赤き竜は俺の脳内に直接話し掛けられるらしい。見えるのも話せるのも俺一人。
「ふぅ、先ずは自分の家にでも向かいますか。」
そう言って有馬は手紙に書かれていた場所へと向かうのだった。
1時間後
「可笑しいな。こんな場所に出るなんて書かれて無いんだけど・・・」
『オォォン・・・』
意訳:迷ったな、コレは・・・
転生して1時間、有馬迷う。
まさかの出来事に赤き竜も困惑している。
え、迷う?公園から遠いけどちゃんと見えてたよね?そんな感じである。
「う~ん何かいい方法は・・・あ」
『ォォン?』
意訳:何か思い付いたのか?
突然だが、道に迷って焦った事は無いだろうか?
有馬は中学生の頃に土砂降りの雨の中、夜に傘無しで帰るはめになり、迷った事がある。
その時に呟いた言葉が、誰か車に乗せて家まで運んでくれないかなぁ、である。
当然そんな事は無く、何とか家に辿り着いたのだが。
ここには、
「運んで」
『オオォォォォンンッ!』
意訳:ふざけるなぁぁ!
うん、まぁ、だよね。
『オオォォォォンンッ!』
意訳:分かっているなら、その期待の籠もった目を向けるなぁ!
いやー、だってさぁ?目の前にタクシーがあるんだよ?
しかも無料だし。
はいそうですかって、引き下がれないでしょ?
まぁ、最悪決闘でもすれば良い。ラスボスやった事のある奴となんか、あまりしたくないけど・・・
ま、最初の決闘が神とか流石に無いと思うけど・・・
『ンンンッ・・・』
意訳:ふむ、ここで一度決闘して、お前がどの位の腕か知っておくのも悪くない・・・
え、マジで・・・?
もしかして俺、何かフラグとかどっかで建ててた?
え?全然覚えないんだけど・・・
『オオオォォォン』
意訳:良し、今からお前の技量を計る為に決闘を始める。
場所はここでは迷惑になる可能性がある。まだこの世界の決闘がどのような物か分からんからな。 故に、我が神殿、アステカの遺跡にて行う。良いな?
え、アステカ?アステカって、あの?
『オォン』
意訳:そうだ。かつて熱き魂を持つ男が、我が敵、地縛神の力を吸収し、己の力に変えた場所だ。
・・・・・・この世界にあんのかよ、それ
『オオォォォォンンッ』
意訳:この世界には無い。が、この世界にはだ。
おい、その言い方、まさか・・・
『オオオオオォォォォンンンッッ』
意訳:察しが良いな。そうだ、これより、世界を移動する。
そういうと赤き竜は突如として俺に襲いかかり、そしてそのまま口を広げ・・・
「うわぁぁぁ?!」
『オオォォォォンンッ!』
飲み込まれた。
こんなタクシー・・・、誰が乗るかぁぁ!
・・・・・・・・・・・・静寂
ただひたすらに静かだった。
俺は赤き竜に食われて、そのまま世界を移動した。
そして、目の前には闇、闇、闇
周りには誰も居ない。赤き竜の声も聞こえない。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い
突如として体が闇に飲まれる。
嫌だ嫌だ嫌だ、体が飲まれて行く感触にただひたすらに恐怖を感じる。
誰か・・・誰か助けて・・・!
――一緒に遊ぼう!――
『オオォォォォンンッ』
「っ!?」
ガバッと体を起こす。目の前には赤き竜が居る。どうやらもう神殿に着いたようだ。
・・・・・・酷い汗だ。
『オォン?』
意訳:どうした?
「・・・わからない。怖い、怖い夢を見た。・・・少し待っててくれ・・・」
『ォン』
意訳:急ぐ必要は無い。万全の体制で挑め。
「・・・ありがとう」
俺は赤き竜の言葉に感謝し、しばしの休息を取った。
アステカの遺跡と赤き竜について、間違っていたらすみません!