遊戯王ってバーチャルだね!   作:ROXAS²

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タクシーは現実世界では見えません。
ただし現実じゃなければ・・・

ただいま通算UA1万突破した際のオリジナルの話を作成中。すんごいカオスです。特に遊作が。

今回は普段と比べると異常な程長く書けました。
それでは、どうぞ。

7/12 Q行き先は?A異世界で の内容を少し弄りました。


バーサーカー葵

『ハノイの騎士が現れた!』

 

俺が教室に入り、最後の授業を受けようとした時に、アイは焦ったような大きな声で俺へとハノイの出現を知らせた。それを聞いた俺は教室に入って来た先生に、気分が悪いので抜けます。と言い、その場を抜け出した。

目指す場所は決闘部。今は人も居ない為、安心してLinkVrainsへとログイン出来る。俺は決闘部へと全力で走り、遂に室内に辿り着いた。

 

『急げ遊作!』

「分かっている!デッキセット!In to the Vrains!」

 

俺は有馬から渡されたカードを入れ、LinkVrainsへとログインした。アイに言われた通り、ハノイの居場所へと向かった俺は、目の前に立っている人物にとても驚いた。

 

「!?ブルーエンジェル・・・!?」

「来たわね!Playmaker!さぁ決闘よ!」

 

全く意味が分からない。アイの示すハノイの座標は確かにブルーエンジェルを指している。

 

「おい、どうなってる?何故ハノイの騎士では無く、ブルーエンジェルがここにいる!?」

『いるだろ?お前の目の前に?』

 

特におちょくった様子も無く答えるアイの言葉に、俺は慌ててブルーエンジェルを見る。前のハノイとの決闘の時と姿や喋り方は変わっていない。ハノイの騎士が偽装している可能性も無くはないが、それならハノイの騎士だと気付かせないように、何かしらの工夫をしてくる筈だ。

つまり、このブルーエンジェルは高確率で本人、財前葵だろう。

 

「っ!早くして、貴方が私を呼んだんでしょう!?」

「俺が・・・お前を呼んだ・・・?」

 

駄目だ・・・全く分からない。ここは考えるよりも一度決闘をした方が良いか。

そう思ったその時、アイが俺に忠告をしてきた。

 

『気を付けろよ遊作。僅かだが、ブルーエンジェル、財前葵のデッキからハノイの臭いがする。きっとハノイの仕掛けた、お前を釣る為の餌だろうな。』

「さぁ!デッキを構えなさい!スピード決闘よ!」

 

ブルーエンジェルがそう言うと、LinkVrainsにデータストームが発生する。GO鬼塚の時は最終的に決闘して良かったと思えた。だが、今回の決闘では、そんな事は絶対に思えないだろう。こんな、俺を釣る為だけに利用されたブルーエンジェルとの決闘など、気持ちの良い物では無い。

・・・俺のせいで、ハノイの犠牲者が出た・・・

 

「さぁ、始めましょう!」

「・・・あぁ・・・!いくぞ!」

「「スピード決闘ッッ!!」」

 

ブルーエンジェル

LP4000

手札4

 

「私の先行!私は手札から、トリックスター・キャンディナを召喚!召喚時の効果で!デッキからトリックスター・マンジュシカを手札に!まだまだ終わらないわよー!手札のマンジュシカの効果発動!フィールドのトリックスターを手札に戻し、このカードを特殊召喚!おいで!トリックスター・マンジュシカ!」

 

ブルーエンジェルの声に答えるように、マンジュシカは元気に笑みをする。

 

「更にぃ~!手札から魔法カード、二重召喚を発動!これで手札のキャンディナをもう一度召喚!」

 

もう一度現れた黄色の天使。召喚された直後に笑いながら空中を飛び回った。

 

「そして効果発動!デッキからトリックスター・リンカーネイションを手札に加える!そして手札からフィールド魔法、トリックスター・ライトステージを発動するよ~!発動処理時に、デッキからトリックスター・マンジュシカを手札に加える!カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

ブルーエンジェル

LP4000

手札2(キャンディナ)

フィールド:トリックスター・マンジュシカ

      トリックスター・キャンディナ

 

 

「俺のターンドロー!」

 

Playmaker

LP4000

手札5

 

「この時!フィールドのマンジュシカの効果発動!相手の手札にカードが加わった時、その数×200ポイントのダメージを与える!行って!マンジュシカ!」

「何!?」

 

マンジュシカは手札が増えたのを確認すると、持っていた杖の先端をPlaymakerに向ける。するとそこから、光弾がもの凄いスピードで発射された。

 

Playmaker

LP4000ー200×1

=3800

 

「そして、ライトステージの効果発動!トリックスターモンスターの戦闘、効果で相手がダメージを受けた時、相手に200ダメージを与える!」

 

ダメージを与えたマンジュシカは、どこから出てるのか分からないスポットライトを浴びて、持っていた杖をもう一度振るう。するともう一度、杖の先端部分から光弾が発射された。

 

Playmaker

LP3800ー200

=3600

 

「更に!罠発動!トリックスター・リンカーネイション!効果で相手の手札を全て除外し、その枚数分相手はデッキからカードをドローする!そしてこの効果にチェーンして、手札のマンジュシカの効果発動!キャンディナを戻して特殊召喚!」

「く・・・手札のカードを全て除外し、5枚ドローする・・・。」

 

またもや発射される2つの光弾。2体のマンジュシカの効果によって、強い風が発生し、スポットライトを浴びたマンジュシカ達は、もう一度その杖を振るう。

 

Playmaker

LP3600ー(200×5)+(200×5)+300×2

=1000

 

ライフが1000以下になったPlaymakerはデータストームを確認するが、近くにはデータストームが見つからない。遠くに見えるのが1つ。後2ターンぐらいで辿り着けそうだ。

 

「!デッキが残り10枚・・・。俺は手札からドラコネットを召喚!効果により、デッキからビットロンを特殊召喚!」

 

青い色をした小さな竜が、Playmakerの窮地を救う為に頑張って電子の翼を羽ばたかす。

 

「行かせてもらう!現れよ、未来を導くサーキット!」

 

今までと同じように、天に穴が開き、そこへモンスターを連れたPlaymakerが向かう。

 

「アローヘッドを確認。召喚条件は通常モンスター1体。俺はビットロンをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!」

 

機械の蜘蛛が、窮地を逃れる為に現れる。青い光は、黒い体から漏れ出すように発せられている。

 

「リンク召喚!リンク1、リンク・スパイダー!」

「早速現れたわね!でもそのモンスターじゃ、次のターンは凌げないわよ?」

「そんな事は分かっている。リンク・スパイダーの効果発動。手札からデジトロンを特殊召喚!」

 

ビットロンによく似たモンスターが現れる。ビットロンとは違い、声は少し強気だ。

 

「今一度現れよ、未来を導くサーキット!」

「またっ!?」

 

流石に1ターンに2回もリンク召喚するPlaymakerに対して、ブルーエンジェルはGO鬼塚と同じように驚いた。何回もリンク召喚するような者をブルーエンジェルは知らないからだ。

 

「召喚条件はサイバース族2体。俺はドラコネットとデジトロンをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク2、リンク・バンパー!」

「そのモンスターはGO鬼塚とやった時の・・・!」

「更に、召喚条件は効果モンスター2体以上。俺はリンク・バンパーとリンク・スパイダーをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク3、デコード・トーカー!」

 

Playmakerを勝利へと導いて来たモンスターが現れる。デコード・トーカーはいつも道理、持っている剣を振り回す。

 

「カードを2枚伏せ、バトルだ。デコード・トーカーで、マンジュシカを攻撃!デコード・エンド!」

「ぐ・・・ぅぅ・・・」

 

ブルーエンジェル

LP4000ー(2300ー1600)

=3300

 

「ターンエンド」

「私のターン、ドロー!・・・え?」

 

ブルーエンジェル

LP3300

手札3(キャンディナ)

フィールド:トリックスター・マンジュシカ

魔法罠:トリックスター・ライトステージ

 

『あ!あれだ!』

「ハノイのカードか!」

 

ドローしたブルーエンジェルの様子が可笑しい事に気付いたPlaymakerとアイは、引いたカードをハノイのカードだと考えた。その考えは正しく、引いたカード、ダーク・エンジェルのカードをブルーエンジェルはじっと見る。

 

「私、こんなカード入れた覚えが・・・それに何?今の・・・。駄目、集中しないと・・・、私はトリックスター・ライトステージの効果発動。あなたの右側のカードを選択。そのカードはエンドフェイズまで発動できず、エンドフェイズに墓地に送られる。」

「俺はその効果にチェーンして、対象とされた王宮の鉄壁を発動する。このカードがある限り、お互いにカードを除外出来ない。」

 

有馬に渡されたカードの1枚、王宮の鉄壁。この効果でリンカーネイションによるバーンとデッキアウトは無くなった。もし入れて無かったら負けていたかもしれない。それだけに、ブルーエンジェルは強い。

 

「これじゃあ墓地のリンカーネイションの効果が・・・、なら、手札からキャンディナを召喚!効果発動!デッキからリリーベルを手札に。そしてリリーベルの効果発動!このカードを特殊召喚!」

 

フィールドに3体のトリックスターが揃う。これにより、ブルーエンジェルはエースモンスターを呼び出す。

 

「さぁ行くわよ!夢と希望のサーキット!」

 

ブルーエンジェルの手から光が発生し、空に穴を開ける。ブルーエンジェルは3体の天使を連れて穴へ飛び込む。

 

「アローヘッドを確認!召喚条件は『トリックスター』モンスター2体!私はキャンディナとマンジュシカをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク2、トリックスター・ホーリーエンジェル!」

 

2体の天使を使って現れたのは、今までよりも巨大な、トリックスターのボスのようなモンスター。大天使と言った所だろう。

 

「そして私は、手札から死者蘇生を発動!この効果で、私の墓地のキャンディナを特殊召喚!」

 

そして私のスキル!と、スキル、トリックスター・フロードを発動しようとしたが、それを遮るようにPlaymakerが、有馬から貰ったモンスターの効果を発動する。

 

「俺は手札のエクストラ・ヴェーラーの効果発動。相手がモンスターを特殊召喚した時、このカードを特殊召喚できる。来い、エクストラ・ヴェーラー!」

 

エクストラ・ヴェーラーは持っている赤い布を前に出し、Playmakerを守るように、デコード・トーカーの左斜め後ろに現れる。

 

「このカードが自身の効果で特殊召喚されたターン、俺が受ける効果ダメージはお前が受ける!」

「ぐ・・・ぅぅぅ」

 

妨害を受けたブルーエンジェルは、ハノイのカードから溢れ出る邪悪なオーラに包まれ、とても安全とは言えない程に荒々しく絶叫を始めた。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」

『不味いぞ!ハノイのカードに汚染され始めた!』

「くそ!あの状態で決闘が続行できるのか!?」

 

このままではブルーエンジェルが壊れてしまう。

そんな時だった。

 

「オォォォォォォォォォォォォォンンンン!!」

『な!何だよアレッ!?』

 

耳が張り裂けるような大音響。声のした頭上の空を見上げると、そこには大きな赤い竜がまるで泳ぐかのように飛んでいた。よく見れば竜の頭に黒いコートを着た人物がいる。

赤い竜はその実体の無さそうな体で、俺とブルーエンジェルのコースの前に移動し、こちらを向く。

 

「ハノイか!」

 

咄嗟にそう思ったのは仕方無かっただろう。つい最近、頭の上に乗って頭上を飛んで行ったハノイのボスもいたのだから。だが、今回は違う。

 

「あ~違う違う。俺はあの子が心配だからちょっと見に来ただけ。あ、邪魔だった?悪いな決闘の途中で・・・」

 

妙に高い声で話掛けて来る黒コートは、どうやらボイスチェンジャーを使用していると見える。しかも所々にラグが見えることから、違法な方法を使って来ていると見える。

 

「お前はアレをどうにか出来るのか・・・!?」

「んー微妙だな。ある程度ブルーエンジェルのターンは時間が経てば制限時間によって強制的にお前に変わると思うが・・・・・・まぁ俺もよく分からん。その前にブルーエンジェルが壊れてしまうかもしれんし・・・時間を掛けられ無いとなると・・・そうだな、お前の次のターンまでか?どうなのタクシー?」

「オォォォン!!」

 

赤い竜は先程より短く、大きな声で吠えた。黒コートを見ると、どうやらOKらしい。

 

「頼んだ。俺はアイツに勝つ。」

「あぁ。頼んだぞ、Playmaker様?」

 

どこかおちょくるような態度に若干イラッとくるが、今は一々怒っている暇は無い。

 

「オォォォンン!」

「ぐ・・・ぅぅぅ・・・苦・・・しぃ・・・ターン・・・エンド・・・うぅ・・・あ゛ぁ゛ぁ・・・」

 

赤い竜が体中から赤いオーラを発すると、ブルーエンジェルから発生している黒いオーラが争うように空気中に集まる。オーラが空気中に集まれば集まる程、ブルーエンジェルに理性が戻っていっている様に見える。

 

「俺のターン!ドロー!行くぞ!」

『風を掴め!Playmaker!』

 

遠くにあったデータストームも、いつの間にか近くにまで来ている。このデータストームに全てが掛かっている。

 

「ストームアクセス!・・・来た!俺は伏せていた大欲な壺を発動!除外されているドラコネット、リンク・スレイヤー、サイバース・マジシャンをデッキに戻し、カードを1枚ドローする!」

 

有馬に貰った最後のカード、それは、Playmakerに希望を、勝利をもたらした。

 

「俺は手札からドラコネットを召喚!効果でビットロンを特殊召喚!召喚条件はサイバース族モンスター2体以上!俺はデコード・トーカーとビットロン、ドラコネットをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク3、エンコード・トーカー!」

 

デコード・トーカーとは違い、白い鎧に盾を持つモンスターが、この決闘を終わらせる為に現れる。

 

「更に手札から装備魔法、巨大化を発動!これにより、エンコード・トーカーの攻撃力は2倍になる!更に、手札から一騎当千を発動!エンコード・トーカーの攻撃力を1500ポイントアップする!バトルだ!エンコード・トーカーで、マンジュシカを攻撃!」

「私は・・・手札の・・・う・・・ぅぅぅ!ダーク・エンジェルの効果を・・・発動するぅ!」

 

再び可笑しくなるブルーエンジェル。それを見たPlaymakerは決闘を終わらせる為、最後の札を切る。

 

「マンジュシカをリリースし、ホーリーエンジェルにマンジュシカの攻撃力を加算して攻撃対象を移し変える!負けるかぁ!」

「俺はその発動に対して、手札から速攻魔法、収縮を発動する!この効果により、ホーリーエンジェルの攻撃力は元々の攻撃力の半分になる!」

 

収縮するホーリーエンジェルに対して、巨大化したエンコード・トーカーは持っている盾に付いている剣を振りかざす。

 

「がぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」

「やれ!エンコード・トーカー!ファイナルエンコード!」

 

ブルーエンジェル

LP3300ー(6100ー2600)

=0

 

エンコード・トーカーの剣が振り下ろされた箇所から、ホーリーエンジェルは崩れていく。ブルーエンジェルは力無くうなだれ、涙を流して爆破の光に飲み込まれた。

ごめんなさい、兄さんと言いながら――




最後のパワーのごり押し感。どれだけ頭が固いのか良く分かりました・・・涙

アンケートを取り始めました。
遊戯王ってバーチャルだね!アンケート2で1万突破した時用の話のアンケートです。よろしくお願いします!

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