・・・・・・こ、答えてみろルドガァァァ!
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「あ、あっぶねぇ・・・!」
有馬はLink vrainsに入って、playmakerの真似をしている奴を決闘で倒して真似を止めるように忠告していた。
高校のLHRは50分ぐらいだったので、1決闘に少しの時間しか掛けられなかった。
そもそも何故有馬がその様な行動に出たかというと、単にplaymakerの真似をしているのが許せなかっただけでは無く、Link vrainsでの決闘を体験してみたかったからだ。
今ならSOLテクノロジーも、スピード決闘をしようとする者への警告や、ハノイが残した傷跡の修復、アイを持っているplaymakerの捜索で忙しくなっているだろうと推測し、試しに決闘をしてみたかったのだ。
しかし、試しにしては長く入っていたらしく、授業開始の1分前に、何とか自分の席へ着くことが出来た。
「おぉー!ギリギリセーフだったな!何やってたんだよ?」
「いや、ちょっと決闘の腕試しをね。」
因みに、隣には遊作とカバ・・・じゃなかった。島がいる。
何でも、ぼっちの遊作に近づいてあげたとかなんとか。
「へぇ~。どんなデッキ使ってんだ?」
「んー・・・色々と?まぁ、今回使ったのは天使だったけど・・・」
そういうと島は成る程なーと呟き、とあるカリスマ決闘者の名前を出した。
「じゃあカリスマ決闘者の中でもブルーエンジェルが好きなのか?」
「リンカーネイション、プレゼントカード、地獄の拷問部屋、グリード・・・考えるだけで恐ろしい・・・誰が好きになるんだあんなの・・・」
この世界に来る前、つまり前世で手札除外とバーンで苦しめられた有馬は、友人にエグゾディアパーツが揃いそうになった時打たれたリンカーネイションが今でもトラウマだった。
「はぁ?ブルーエンジェルは拷問なんてしねぇよ。」
「・・・・・・何?」
今、有馬の耳に聞き捨てならない言葉が入ってきた。
ブルーエンジェルは・・・・・・拷問しない・・・?
「・・・?どうしたんだ有馬?そんな顔して?」
「あぁ、俺は今、とても安心したよ。」
『オォォォン』
意訳:それにしても、この世界は科学が発達しているな。あの2つの世界を思い出す・・・
(そうだな、俺も同じ事考えてた。似てるよ、5DsとARCーVに。)
有馬と赤き竜はテレパシーを用いて、授業の途中で少し話をしていた。
この世界は5DsやARCーVの世界並みに科学が発達している。
とあるノベルゲームに、英知を持つものこそが最も愚かであり、滅びて行くという記述があったが、正にその通りだと思っている。
5Dsで出てくる未来から来た使者、イリアステル。
彼らの元々居た未来は、進み過ぎた科学、モーメントによって滅びの運命を迎えた。
モーメントは最初の方は安定しており、生活を支えたりするシステムだった。だが、シンクロ召喚の加速が原因でモーメントは暴走、やがては世界を絶望に染め上げた。
要するに、前世で言う原子力だ。便利であると同時に、膨大なリスクがある。
ARCーVでは質量を持ったソリッドビジョンと人々がそれに近かった。
愚かな人々はソリッドビジョンで出てくるモンスターの激しい戦いを望み、結果として、悪魔を誕生させた。
悪魔となったズァークはソリッドビジョンによって、実体のある覇王龍で世界を破壊した。
強大過ぎる光は、強大過ぎる影を生み出すのだ。
(心配だよ。この世界もあの2つの世界と同じ未来を見ることにならないか・・・)
『オォォオォン・・・』
意訳:そうだな。
どうやら赤き竜も同じ心配をしていたらしい。
もしかしたら、ハノイの騎士にもそういった何かがあるのかも知れない。
これから起こるかも知れないこと。もしくは一度起こったこと。それらを起こらない用にどうにかしたいといった思惑があるのかもしれない。
「駄目だ・・・判断材料が無い今、考えていても仕方が無いか・・・」
何故ハノイとSOLテクノロジー社はアイを探しているのか、データストームは消えて行ったのか、気になる事は沢山あるが、それを判断するには兎に角判断材料が無かった。
「おい、何ブツブツ言ってんだ?気持ち悪いぞ?」
「えっ!?あ、ゴメン・・・」
気づかない内にテレパシーが切れ、口に出ていたようだ。
テレパシーが切れない用にする事、これが今後の課題だろうか・・・
それにしても、島の顔はいつ見ても・・・
「カバだよなぁ・・・」
「うっせぇ!」
尚、この後大きな声を出した為、先生に注意された模様。
「ふぅ~・・・やっと最後の授業かぁ・・・!」
「早く草薙さんと一緒に調べたいな・・・」
「あ、それ俺も付いてって良い?」
「良いんじゃないか?草薙さんの重要な収入源だしな。」
収入源・・・あれ?俺ってそういう扱い?
こうもっとさ?友達だから良いよ、とか無いのか!?
「夜は繁盛すると言っても、大抵はアイに付いて調べる時間にするから儲けが少ないんだ。そろそろアルバイトも始めようか考えているらしい。」
遊作は小声で呆れたような声で言った。
いやアイに時間割きすぎだろ。アルバイトするとか考える以前にアイに割く時間考えろよ!
「あんなに美味しいんだからもっと高くしても問題無いと思うんだけどな・・・」
あ、でもメニューにあった幻煌龍珈琲は駄目。あれ殆ど味無いし香りもしないし。ただの黒い水だし。なのに2900円もするし・・・。どうやったら味も臭いも無くなるのだろうか。 不思議だ。
あぁ・・・何で興味本位で2900円を生け贄にしてしまったんだろうか・・・
「それにしても、カリスマ決闘者って居るけどさ?何で決闘にカリスマが必要なんだ?俺からしたら、そんなものは必要無いと思うんだけど?あ、エンターテインメントは良いかもしれないけど。」
「お前・・・まさか見たこと無いのか!?」
俺が小声で喋るのを止め、普段と同じ位の声で遊作へ向けて喋ると、島が驚いた顔をして俺の方を向いて来た。駄目だ、ヒッポにしか見えん・・・
「・・・俺もあまり詳しくは知らないな。」
「お前もか!?はぁ・・・全く・・・。良いか?カリスマ決闘者っていうのは、俺らみたいなそこら辺にいる奴とは違って決闘が上手くて、それでいて魅せる決闘をするんだ。お前らそれぐらい常識だぞ?」
う、島に常識を教えられた・・・何かムカつく。
けど、成る程。つまりはエンタメ決闘者の目指す物とカリスマ決闘者の目指す物はほぼ同じという事だろうか。
観客に夢や希望を与えたりファンサービスをしたり・・・
後半何か可笑しな物があった気もするが、大体そんな物だろう・・・
・・・
「それ、決闘じゃなくちゃいけないのか?」
遊作!それを指摘しないで!お願いだから!
それを聞いて返答に困らないで島!
「ま、まぁ良いんじゃない?カリスマ決闘者を必要とする人達も居るんだろうし・・・」
「うわぁぁぁ!」
「っ!?」
遊作は眠そうな表情で、島と俺は叫んだ男子を慌てて見る。
虫でも出たのかと思ったが、そんな訳では無さそうだ。
「ハノイ!ハノイの騎士だぁ!」
その生徒が見せた映像を見た俺は、慌てて遊作の方を向いた。
が、
「あれ?遊作の奴どこ行ったんだ?」
「・・・・・・」
そこには遊作の姿は既に無かった。
早くレギュラーメンバーと遊作の決闘終わらないかなぁ・・・
正直早くしてくれないと有馬を介入させられずに、この小説の主人公は遊作です!ってなっちゃう・・・