【完結】ハーマイオニーと天才の魔法式   作:藍多

9 / 96
二次創作は色々な話があっていいですよね。

では8話です。


8. ダンブルドアからの依頼

マクゴナガルとフリットウィックに連れられてガーゴイルの石像の前まで進んでいく。

 

「タ〇ノコの里」

 

何やら海外の、おそらくは日本語であろう言葉をガーゴイルに向かって言うと、ピョンと飛びのいた。どうやら今のが合言葉のようだがどういった意味なのだろうか。

 

自動螺旋階段を昇って校長室の前に着く。

マクゴナガルがノックをすると中から入室の許可をもらう。

 

「校長、ミスター・テイラーを連れてきました。」

 

「おお、ご苦労じゃった、ミネルバ。さてレナード・テイラー君……、レオで良いかの?入学おめでとう。夜も更けてきたことじゃしさっそく本題に入ってしまおう。」

 

レオは頷いて了承を示す。

 

「入学式での注意で四階右の廊下は立ち入り禁止と言ったじゃろう。そこから先にあるものを隠し守ろうと計画しておるのだが、その計画の手伝いを君に頼もうかと思っておる。引き受けてくれないかのう? 無論ただでとは言わん、要望があれば出来る限り叶えよう。」

 

レオは少しの間、思案する。

 

「では、引き受ける前に守るべきあるものとは何でしょう、また何から守ろうとしているのですか? それを教えていただけるのであれば計画に協力します。」

 

「いいじゃろう、教えよう。」

 

「校長! よろしいのですか!?」

 

マクゴナガルとフリットウィックはこの計画を一生徒に教える、ましてや計画に加えることに疑問を感じていた。

 

「よいよい。レオ、君は閉心術は使えるかね? この計画は限られた者だけが知っているべきと考えておる。特に君が関与していると知られると拙い状況に陥るかもしれん。」

 

「閉心術ならば人並みにはできると思いますよ。現に校長先生からの開心術は防げています。」

 

「何も言わず開心術を仕掛けたことは許してほしい。だがそれだけこの案件は重要だということを理解してほしい。うむ……、確かに心が読めぬ。じゃが通常の閉心術による抵抗とは異なっておるの……。まるでこちらからの干渉が遮断されているようじゃ。どうやっているんじゃ?」

 

「詳しくは秘密です。自作の魔法具によるものとだけ言っておきます。」

 

「そうか。とりあえずは心を読まれる心配はなさそうであるから教えよう。守るべきものは『賢者の石』、相手は闇の帝王ヴォルデモートじゃ。」

 

予想以上のものと相手にレオも驚愕した。しかし良く考えれば納得の組み合わせである。

 

「なるほど、闇の帝王は賢者の石を使って復活するつもりですか。わかりました、協力いたします。」

 

「ありがとう。それで対価として何を望むのかね?」

 

レオは目を閉じて少し考えてみる。

新しい環境、欲しいもの、賢者の石、色々な考えが浮かんでくる。

十数秒ほど考えて結論を出した。

 

「まず一つ、僕が自由に使える研究スペースの用意をお願いします。所属はそのままレイブンクローで構いませんが、寮ではなく研究室での生活の許可をもらいたいです。」

 

「許可しよう。大広間の玄関ホールを挟んで反対側の大部屋を利用するが良いじゃろう。空間拡張呪文を使用してもよろしい。実を言うとじゃな、魔法省からも君の研究をできるだけ続けさせるようにできないかと要望があっての。君の提案はどこにとっても悪いことにはならない、存分に研究を続けるといい。わしもその成果を楽しみにしておるぞ。」

 

「ありがとうございます。次に二つ目、賢者の石を研究してもよろしいでしょうか?」

 

「それについては今ここで返答をすることはできん。賢者の石の本来の持ち主はニコラス・フラメルであるからの。彼と相談してみるとしよう。」

 

(やはりそう簡単には賢者の石については無理か……。)

 

「わかりました。それでは守りについて計画していきましょう。現在はどのような計画なのでしょうか?」

 

「守りはわしを含めてホグワーツの教師それぞれが独自の罠を構築しておる。森番のハグリッド、各寮監の四人、闇の魔術に対する防衛術のクィレル先生、そして最後に校長のわしじゃ。君にはそれぞれの罠についての更なる改良を頼みたい。これがそれぞれの罠の詳細のリストじゃ。改良点については情報漏洩対策としてわしのみが確認する。どのくらいの期間があれば完了できそうかね?」

 

レオはリストの項目を一つ一つ確認していく。

それぞれの防衛方法で各教師の専門の魔法や性格の特徴が現れていて興味深かった。

 

「そうですね……。案を考えるのに一週間ほど、校長先生と打ち合わせして最終案を決めて、その後に準備を始めるのでおおよそ一カ月程度でしょうか。」

 

「予想より速いのぅ。流石じゃな。では後日に詳細を決めるとしよう。場所はここで構わないかね、校長室の合言葉は定期的に変更するがしばらくはタ〇ノコの里のままにしよう。今日はもう遅い、また連絡するので良い案を期待しておるぞ。」

 

「ご期待に沿えるよう全力を尽くします。最後に一つ確認したいことがあります。」

 

「何かね?」

 

「手加減なし、全力で侵入者の排除。これで構いませんか?」

 

「問題ない。あらゆる手段を許可しよう。」

 

マクゴナガルとフリットウィックの二人は校長の予想外の過激な許可に少々疑問を感じた。

 

「ではフリットウィック先生。レオ君の新しい部屋まで案内してくだされ。寮内で生活はしないが、彼もレイブンクロー生には違いないのでよろしくお願いします。」

 

「分かりました校長。テイラー君、参りましょうか。着くまでに色々とお話していきましょう。」

 

「はい。それでは、ダンブルドア校長、マクゴナガル先生、おやすみなさい。」

 

「うむ、おやすみ。良い夢を。」

 

 

 

レオとフリットウィックの二人は夜のホグワーツを歩いていく。

周りには誰もおらず、時折ゴーストの姿が確認できるぐらいだ。

フリットウィックはレオに興味津々といった感じで話しかけてきた。

 

「レナード・テイラー君。君の研究については私も色々と聞いていますよ。論文や学会誌も読みました。今年入学と聞いて必ずレイブンクローに組み分けされると思って、楽しみにしていました。実際に組み分けされて非常に嬉しいですよ。ホグワーツでの生活やその他どんなことでも頼ってください。授業以外の時間は基本的に呪文学の教室の隣の自室にいることがほとんどです。紅茶ぐらいなら用意がありますぞ。」

 

「ありがとうございます、フリットウィック先生。時間があるときにお邪魔させてもらいます。迷惑でなければ共同で魔法研究などどうでしょうか。」

 

フリットウィックは小さな体で飛び跳ねて言う。

 

「非常に良いですな! 実は私も君の研究に触発されて若いころの情熱が再燃しているのですよ。」

 

その後も二人は研究をどうするかなど話し合いながら意気揚々と歩いていく。

それは目的地に到着するまで続いた。

 

「ああ、ここです。中には机と椅子、簡易ベッドがあるぐらいです。君の荷物はすでに運び込まれていると思います。校長が言った通り自由に研究設備の設置等、改装……いや改造してかまいません。もう日付も変わります。明日からすぐに授業が始まりますから、今日はもう寝るのがいいでしょう。」

 

「そうですね。改造は明日からにしましょう。おやすみなさい。」

 

「おやすみなさい。」

 

 

レオは自分の部屋になる場所に入る。

中はまさに空き部屋といった所だった。とりあえずベッドはあるので、簡単に体を魔法で清めた後、目覚まし魔法をセットして寝ることにした。

 

(いきなり、校長からの依頼、自分だけの研究室、先生との共同研究。初日にしては色々あったなぁ。)

 

そんな事を考えながら夢の世界に意識は持っていかれる。

こうしてレナード・テイラーのホグワーツ初日は終了した。




チョコ菓子ならどれでも好きだよ、オレは。(某紅い弓兵風に)

さて、レオへの校長からの依頼どうでしたか?

ハリポタ二次創作のオリ主の賢者の石での行動は
・ハリーと一緒に守る
・賢者の石について知らない、または興味がない
・賢者の石を奪おうとする
こんなところが多いかなと思います。今作では罠を設置する側にしてみました。

ダンブルドアがやけにレオに対して普通じゃない対応だと思いますが、理由はあります。

それでは次回をおたのしみに。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。