【完結】ハーマイオニーと天才の魔法式   作:藍多

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構想ではそろそろアズカバンの囚人も半分ぐらいですかね。
ハグリッドがいない影響でバックビークの件が無いことや
ハーマイオニーが逆転時計を使ってないので話が速く進みそう。

それでは40話どうぞ。


40. 襲撃に初観戦さらには乱入

ハロウィンパーティーも終わり各々生徒たちは寮に帰っていく。

女性陣によって男子から引き離されていたクーもレオの元へ戻ってくる。

研究室に戻ったレオは就寝前にクーの状態を細かく調べておくことにした。

皮膚に触れたり、魔法を使って分析を進める。

 

「うんうん。細胞の状態には変化なし。基本的には小さい時と同じかな。クー、ちょっと体を変化させてみてくれ。」

 

「かしこまりました。」

 

クーは腕を伸縮させたり髪の毛を自在に動かす、腕の本数を増やすなどを繰り返す。

 

「次。魔法を使用。細胞にインプットさせたものを難易度が低いものから順に。」

 

浮遊、武装解除、麻痺、炎、移動、等々。ほぼ一通りの魔法は問題なく使用可能のようだ。その強度は並みの魔法使いを軽く凌駕している。これもドラゴンやバジリスクの因子による強大な魔力がなせるものだろう。精度についても創造時に組み込んだ改良知性向上剤が問題なく機能しているようで良好な結果だ。

 

「最後、ドラゴンの翼や鱗、バジリスクの目の再現。」

 

翼は以前から生成していたので問題なかったが、鱗は強度不足であり並みの魔法ならば防げるが強力なものには無意味だろう。バジリスクの目にいたっては再現ができなかった。

 

「申し訳ありません……。細胞のスペックを完全に発揮することができませんでした。」

 

「問題ないよ。成長や能力向上速度は想定よりも速いぐらいだからね。今日はこのくらいにしよう。進化したことで負荷は掛かっているだろうから今日は久しぶりに培養槽で寝ようか。」

 

「一緒には寝てはくれないのですか……?」

 

「駄目。それに大きくなったんだから僕のベットには潜り込まれると流石に狭い。」

 

「それでは寝るときだけ小さくなります!」

 

体を小さな状態にしてくっついてくる。ハーマイオニーの言う通り愛情をもって世話をすれば懐くのは本当のようだ。

そんな会話をしていると校舎内に魔法で連絡が流れ始めた。

 

『生徒たちは至急大広間に集まるように! 引率は寮監がします。監督生は談話室に生徒を集めて点呼をしてください。詳細な説明は大広間に集まってから校長が話します。』

 

「いったい何事かな? とりあえず行くよ。」

 

「はーい。」

 

研究室は大広間のすぐそばのためレオとクーは一番乗りだった。

大広間に入ると数人の教師が周囲を警戒していた。

ダンブルドア校長に何があったのかを聞く。

 

「グリフィンドール寮の入口の太った婦人の肖像画がシリウス・ブラックによって切り裂かれておった。今もこの校舎内にシリウス・ブラックが潜伏している可能性もある。生徒の安全のため全員をここに集めて守護するつもりじゃ。」

 

それを聞いたレオは正直なところ、『何だそんな事か。』という感想しか出てこなかった。凶悪な殺人犯であろうとも昨年のバジリスクより恐ろしいものであるとも思えなかった。

 

「研究室に戻ってもいいですか? 正直ここより防衛能力は格段に上だと思うのですけど。」

 

「そうじゃな。レオの研究室なら逆にシリウス・ブラックが捕まる可能性の方が高そうじゃ。戻ってよろしい。」

 

レオとクーは研究室に戻る。ほとんどの生徒は恐怖で眠れぬ夜を過ごしたが、レオだけはいつも通りにぐっすりと眠ることができた。

 

 

翌日から数日間は学校中ではシリウス・ブラックの話題だらけであった。どうやって侵入したのか、目的は何なのか、ホグワーツは安全なのか、話題は尽きることが無かった。昨年ほどではないが教師たちも警戒態勢になっており特にハリー・ポッターに対して警護しているように感じられた。シリウス・ブラックの狙いはハリー・ポッターであると誰もが気づいていた。

レオとしてはホグワーツに侵入できるシリウス・ブラックに多少の興味は出てきたが、手段としてはいくらでも考えられたので脱狼薬の改良やクーの成長の方がよっぽど重要だった。

 

シリウス・ブラックは見つからないままだったが、第一回のクィディッチの試合が近づくにつれ生徒たちの関心はそちらに移っていった。

クィディッチ試合当日は最悪の天候であった。

レオとクーは土砂降りの雨の中観客席で試合を見ている。クー(小)がクィディッチを見てみたいと言い出したのだ。どうも小さい状態ではサイズ相応に子供っぽいのだ。レオもクィディッチを見たことが無かったのでちょうどいいかなと観戦することにした。レオの周辺は魔法で作った雨風を防ぐ透明な天蓋を張っているのでぬれずに済んでいる。競技場全体を覆うこともできるが疲れるのでレオの周囲のみだ。その範囲に入りたいがためにレイブンクロー生たちでちょっとした争いになっていた。争いと言ってもレイブンクロー生らしく知識を競う平和なものだったが。

試合が始まるとクーは最初のうちは競技場内を箒で動き回る選手たちを見て目を輝かせていたが次第につまらなそうにしだした。

 

「ご主人。なんでいつまでもあの金色のちっこいの見つけられないの? アレ捕まえたら勝ちなんでしょ?」

 

クーの目にはスニッチが見えているようだ。見えているスニッチを選手たちがいつまでも無視しているように見えるなら確かにそれならつまらなくもなるだろう。

だが、レオはそれ以上にこのクィディッチに興味を持てないでいた。

 

「みんなは金色のスニッチが見えてないんだろうね。僕としてはこのルールの良さが理解できないな。スニッチなんて最初に見たらどこにどのタイミングで飛ぶか分かっちゃうから、僕にはクィディッチは向かないね。」

 

試合は一進一退であったがレオとクーはもう帰ろうとしていた。

その瞬間、競技場の歓声や怒号、それに実況までもが一瞬で消えた。何事か辺りを見渡すと100体を超える吸魂鬼(ディメンター)が競技場に集まっていた。

 

「ご主人。なにあれ、気持ち悪い。」

 

「クーには影響なしか。人ではないし高い魔力もあるからなのかな。クー、あれは吸魂鬼(ディメンター)というものだ。帰ったら詳しく教えよう。その前に邪魔者は消えてもらおう。」

 

エクスペクト・パトローナム・ボム(守護霊爆弾)。」

 

守護霊の爆弾を造り出し上空に放り投げる。爆弾は爆発すると白い光を吸魂鬼(ディメンター)に浴びせる。至近距離にいた吸魂鬼(ディメンター)は消滅し、生き残った吸魂鬼(ディメンター)たちは退散していく。

競技場を見るとグリフィンドールのシーカー、ハリー・ポッターが箒から落ちるところであった。ダンブルドアが助けたが試合はハッフルパフのシーカー、セドリック・ディゴリーがスニッチを掴んだことで勝利していた。セドリックは試合のやり直しのため抗議していたがそれは認められないようだった。

 

レオとクーは競技場から戻ろうとしたがレイブンクローのクィディッチチームに呼び止められる。

 

「テイラー、待って! さっきスニッチ簡単に見つけられるみたいに言ってたの聞こえたけど、本当なの!? もしそうならチームに入ってくれないかしら?」

 

チームのシーカーのチョウ・チャンが興奮した様子で話しかけてくる。

 

「嫌です。僕の『眼』で開始前のスニッチを見ればどのタイミングでどのように飛ぶか解ります。でもチームには参加したくありません。練習に時間を取られたりするのは嫌ですし、クィディッチの良さも理解できませんでした。それに開始数秒なんかで試合が終了するようなもの楽しいと言えますか?」

 

レオが『眼』を活用してシーカーをすればスニッチの位置が丸わかりになる。そうなれば必然的に試合は即終了だ。そんなものプレイヤーも観客も楽しいわけがなかった。

 

「あー……。確かにそれは嫌だわ。分かったわ。私たちの力で勝ってみせるね。」

 

クィディッチチームと別れて今度こそ研究室に戻る。

クーが不思議そうに聞いてきた。

 

「ご主人。なんであの人たちはあんなのに楽しそうにしてるの?」

 

「人が何を楽しむかは人それぞれ、千差万別だからね。僕は魔法研究が好きだけど中には勉強が大嫌いな人もいるしね。そういったこともどんどん学んでいこうね。まぁ、僕もそういう方面はダメだからハーマイオニーに頼った方が良いかもね。」

 

「分かった!」

 

レオとクーのクィディッチ初観戦は終了した。




クーは不定形なので腕を伸ばしたり増やすなど造作もないのである。
今は細胞のスペック使いこなせてないが完璧になったらどうなるかはお楽しみに。

クーはよくレオのベッドに入り込んで寝てます。イメージは猫。
流石に大きい状態じゃ狭いので却下。美少女でも自分が造ったペットにはテレも欲情もないレオなのであった。

レオ、クィディッチ初観戦。結果はやはりというか興味なし!
4巻のワールドカップどうしようかな……。

レオの箒の才能はハリーの足元にも及びません。フォイにすら余裕で負けます。
ですが、スニッチを見つけるだけなら開始前に『眼』見て終了。もし開始前に見てなくても空中に走るスニッチの魔法式の残滓から読み取ってキャッチ。
試合即終了なのでとてもつまらないものになります。

守護霊は銃の次は爆弾に。レオの改造次第で大体の物には変わります。

では次回お楽しみに。


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