【完結】ハーマイオニーと天才の魔法式   作:藍多

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3話です。

レオとハーマイオニーがお互いの素性を知ることになります。


3.魔法の世界へようこそ

レオがホグワーツの入学案内を受け取ってから数日が経過した。

普段通りに図書館で読書をしているとハーマイオニーが喜んでいるのか、悲しんでいるのか微妙な表情で話しかけてきた。

 

「レオ……、あのね、そのちょっと話があるの。」

 

「なんだい? あらたまって。どうかした?」

 

「そのね、私しばらくしたらここには来ることがなくなると思うの。えっとね、完全に来れなくなるわけじゃなくてクリスマスや夏休みぐらいしか機会がないの。」

 

レオはそれを聞いて少し寂しい気持ちになったが、別に二度と会えなくなるわけじゃないから問題ないと思っていると、自分もホグワーツに入学するとなればここには来る機会はほぼ失われる事を思いだした。

 

「奇遇だね。僕も今度から全寮制の学校に行くことになったから、ほとんど会えなくなると思うよ。」

 

「レオもなのね。私も全寮制の学校に行くことになるわ。それ自体は嬉しいんだけど、レオに会えなくなるのは辛いわ。」

 

「まぁ今生の別れではないし、次に会う時にはもっと力をつけて僕を見返すつもりでいればいいんじゃないかな。」

 

ハーマイオニーはその言葉で吹っ切れたのかやってやるわよといった顔になる。

レオはやる気に満ちたその顔のほうがハーマイオニーらしいなと笑った。

 

「やる気になって結構だ。ところでどんな学校に行くんだい? 君の力を伸ばしてくれる良い学校だと良いけどね。」

 

ハーマイオニーは少しの間考えた後、ハッキリと答えた。

 

「多分聞いたことがないと思うけど、ホグワーツって名前の学校なの。一般には知られてない学校だから調べてもわからないと思うわ。」

 

普段は冷静であまり驚いたりすることがないレオもさすがに耳を疑い、思わず聞き返してしまった。

 

「ホグワーツ!? あのホグワーツなのか? ハーマイオニー、君はマグルじゃなかったのか?」

 

ハーマイオニーはレオが驚いたことやホグワーツの名前を知っていることから彼が魔法使いであると気づく。

 

「レオも魔法使いなのね? マグル?の意味はまだ知らないけど、この前ホグワーツから入学案内の手紙が届いて自分が魔法使いであるって知ったの。レオも同じなのかしら?」

 

「いいや、僕は両親ともに魔法使いだよ。マグルっていうのは魔法を使えない人を指す言葉さ。そっか、ハーマイオニーも魔法使いなのかぁ。」

 

レオとしては自分の唯一の友人が同じ魔法使いであるのは想像以上に嬉しい事柄であると感じていた。一緒にいて心地よい相手でもマグルでは魔法関係の話題はできないからだ。これからはハーマイオニーとも魔法について色々語れるのは楽しいという確信があった。

 

「ハーマイオニー、さっき会う機会が減るといった話になったが僕もホグワーツに入学することになっているからむしろ会える時間は増えると思うよ。」

 

「本当!? 嬉しいわ!あのね、私自分が魔法使いであるって知ってとても嬉しいのだけれど同時にものすごく不安でもあるの。だから、レオに色々教えてほしいの。お願い!」

 

「もちろんOKだよ。とりあえずはホグワーツで必要なものを入手してからかな。入学の準備はどうするのかな?ホグワーツの教員の誰かが一緒に準備してくれるのかい?」

 

「副校長のマクゴナガル先生と一緒に明日教科書とか必要なものを買いに行くことになっているわ。朝の10時に家まで迎えに来てくださるわ。」

 

「それじゃあ、明日一緒に買い物について行っていいかな? 僕も必要なものは全部揃えていないから買う必要があるんだ。」

 

「断る理由なんかないわ! 知らない人よりはあなたに魔法についていろいろ教えてもらいたいわ。明日先生と合流してからこの図書館前で10時15分に待ち合わせでいいかしら。」

 

「大丈夫だよ。じゃあ、今日はこれで解散にしようか。明日必要なものをそろえて、明後日からは魔法について色々と勉強の開始だ。今まで魔法を知らなかったけれど君なら優れた魔法使いになれるだろう。」

 

「わかったわ!それじゃまた明日ね。」

 

「ああまた明日。それと、ようこそ魔法の世界へ。」

 

 

二人はそれぞれの家へ帰っていく。その足取りはとても軽いものだった。

別々の世界へ進むと思っていた友人が自分と同じ世界の住人であると知る。

そのことは別れによる寂しい思いを暖かい気持ちに変化させるには十分すぎた。

 

その日の夜はハーマイオニーは未知の世界への希望で胸をいっぱいにして、

レオは唯一の友人がどのように成長するのかを楽しみにしながら眠りについた。

 

 

 

 

その頃のハリー・ポッター

「僕が魔法使い?」

ハグリッドから自分の真実を知ることとなった。

 




認識が一致した3話となりました。

二人ともお互いに相手が魔法使いだとは思っていませんでした。
レオはマグルに対して偏見はなく、(むしろ魔法使いにない技術があると高評価)
ハーマイオニーはレオの能力が高いと認めているので、仮に魔法使いとマグルの関係であったとしても良好な関係を維持していたでしょう。

次回はダイアゴン横丁での買い物です。
原作キャラが少しずつ登場していきます。

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