【完結】ハーマイオニーと天才の魔法式   作:藍多

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ハリポタの二次創作は色々あって楽しい。
オリ主、転生、過去改変、等々。
オリ主でも所属寮で話が変わってくるしまだまだ飽きそうにない。

では29話どうぞ。


29. 焦り

決闘大会の翌日。

ハーマイオニーはレオの研究室に訪れていた。

目的はレオの防御機構や最後の攻撃について色々聞きに来たのだ。

 

「来たわよ、レオ! さっそく色々聞かせてもらいましょうか。」

 

「よく来たね。まずは君の答えを聞こうかな。その次に答え合わせだ。」

 

ハーマイオニーは決闘から導き出したレオの防御についての考察を話していく。

予想よりかなり正解に近い答えにレオは驚く。

 

「防御の予想はこんなところね。最後の攻撃を避けたのは姿くらましだとしか思えないのよ。ホグワーツでは不可能だと言われているけど、何かしらの抜け道があるんじゃないかしら。どうなの?」

 

「それじゃあ、一から解説していこうか。僕の防御は四種類存在する。『反射』、『吸収』、『遮断』、『守護』の四つ。『反射』は魔法を跳ね返す、『吸収』は魔法を吸収してそのまま魔法を利用したり魔力に変換したりする、『遮断』は魔力を遮断して魔法の威力を削ぐ、『守護』は基本的にプロテゴ(護れ)と同様の効果。それぞれには弱点もある。『反射』と『吸収』は物理攻撃には無意味だし、効果上限もある。『遮断』は対精神作用がメインだから魔法と物理防御はそこまでじゃない。『守護』は普通の魔法のプロテゴ(護れ)と同様でそこまで差がない。この四つを同時展開することでアバダ・ケダブラ(息絶えよ)以外は僕に直接飛んでくるような魔法は大抵対処可能だ。けど決闘でハーマイオニーがやったように許容以上の物理攻撃を効果範囲外から打ち出すようなものにはこれだけじゃ防げなかったよ。それとダンブルドア校長のような強力な魔法使いだと学生の魔法のように何発も無防備で受けられないね。防御が破られて突破されてしまう。」

 

「なるほどね……。大体の予想は合ってたけれど、完璧には理解してなかったのね。対抗方法が解っても実行は難しそうね。レオの反撃なんかも考慮しなきゃいけないし。」

 

「まぁ、そうなるね。次の説明にいこうか。ハーマイオニーの予想どおり最後の回避は姿くらましだ。ホグワーツに一年もいるんだから姿くらましを防ぐ魔法を突破する方法なんて見つけられるよ。最後の君の攻撃はタイミング的に完璧だった、そのままじゃ直撃だった。そこで指輪の一つ、『聡明』を使わざるを得なかったよ。これの効果は高速思考だ。魔法は頭で使うものだからそれを高速化することで瞬時に発動できるようになる。これを使ったからギリギリ姿くらましが間に合った。本当にギリギリだったんだよ。」

 

「あの時は決まった! って思ったんだけどね。それに実戦だったらその後のことを考えるとレオには余裕があっただろうし、まだまだ勝てないわね。」

 

「落ち込むことはないよ。君は僕を除けばおそらくホグワーツで一番の生徒だ。教授たちとも戦う力は持っているし、発想や機転も申し分ない。大抵の脅威には立ち向かえるんじゃないかな。」

 

「そういわれると嬉しいけど、まだまだ満足はできないの。もっと精進しなくっちゃ!」

 

実際に戦ってみてレオとの距離を改めて感じたハーマイオニーだったが心は折れていない。これからも多くの分野で力を伸ばすであろうことを確信できる顔つきをしていた。

 

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ジニー・ウィーズリーは焦っていた。

この焦りがどこから来るものかも解らないがとにかく焦っていた。

 

いつからこんな風であったのだろうか?

 

ホグワーツに入学して兄たちと同じグリフィンドールに入れた。それだけではない憧れのハリー・ポッターとも同じ寮だ!

それからは授業や宿題と忙しかったが充実した日々だった。普通の友達ももちろんできたが、私だけの秘密の友達ができた。家族の誰かからこっそりもらった書き込んだら返事をくれる魔法の日記と毎日話をした。

誰も知らない私だけの友達、しかも彼は物知りでユーモアもあって話していて飽きることが無かった。私は日記の中のトム・リドルに夢中になって夜遅くまで書き込む日々が続いて、居眠りすることが多くなっちゃったけど止めることができなかった。

 

フィルチの猫が石にされて秘密の部屋が開かれたとちょっと騒ぎになった。

その頃からだ、焦りを感じるようになったのは。それだけじゃない、授業中だけじゃなく廊下を歩いているときも意識が消えることもある。

マダム・ポンフリーに元気が出る魔法薬を処方してもらったけど効果はあまりなかった。

トムはただの過労だと言っているのでそうなのだろう。

 

猫の次は同じグリフィンドール生のコリンが石にされてしまった。

けれど生徒なのに防衛術の先生もやってるレナードが直してくれたみたい。コリンや先生たちの話から秘密の部屋の怪物はバジリスクという蛇だそうだ。その目を見ただけで死に至るという恐ろしい存在だ。

でもレナードが生徒全員に魔眼防御用の眼鏡を配布したからみんなそこまで危機感は感じていない。移動中も一人にならないようにしているから継承者も迂闊には動けないんだろう。

 

それなのに私だけは言いようのない危機感を感じていた。

 

それから日に日に焦りが増して意識がなくなる時間も増加していった。

さらに書くことが無いのにトムの日記に書くことがどんどん増えていった。

トムはレナードのことをすごく気にしているみたいだった。どんな小さなことでも知りたがるし交友関係なんかも聞くようになっていた。トムがレナードのことばかり聞いてくるからなのか気づいたら授業も彼の行動を全て観察して、上級生にも彼がどんな人物なのかどんな魔法を使うのか調査をするようになっていた。

 

なんでこんなことをしているんだろう?

 

レオとハーマイオニーが一番仲が良いと知ってからはハーマイオニーにも注目することが増えた。どうしてか解らないけどレオには敵意を向けている気がする。ハーマイオニーにも何かしてしまいそうな自分がいる。

 

私はどうなってしまっているのだろう?

 

決闘大会を見た。どのチームもすごかったが、ハーマイオニーは一番だった。

でもそれを連戦しながら打ち破るレナードはもはやどう表現していいか解らなかった。

あいつは危険だ。なぜかそんな思いが私を支配していた。

 

その夜、決闘大会についてトムに日記に書き込んでいく。私の記憶はそこで途切れた。

 

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この僕、トム・リドルが秘密の部屋を開いてから50年経過した。

馬鹿な小娘を騙して魂を手に入れて力を増し、ついに再びサラザール・スリザリンの意思を実行する機会を得ることができた。

だが、穢れた血を殺し損ねたばかりか石化も解除され、怪物がバジリスクであることも露見してしまった。

レナード・テイラー。生徒なのに非常に優秀で闇の魔術に対する防衛術の教師として教えている。今までも様々な魔法や魔法薬を発表している天才だ。噂では奴の持つ『眼』が特別らしい。まさかバジリスクの石化を解除するほどの力を持っているとは想定外だった。

おまけに即死の魔眼を防ぐ魔法具まで作り出してしまうとは。マグル生まれの穢れた血を一掃する前にあいつを排除しなければならないようだ。

 

ジニーを使って調査したところレナード・テイラーは穢れた血のハーマイオニー・グレンジャーという小娘と仲が良いことが判明した。これは使えそうだ、いざという時には利用してやろう。

 

レナード・テイラーに挑む決闘大会が開催されるようだ。相手の力量を調べるには絶好の機会だ。弱点などが判明すれば万歳だ。

結果としてはレナード・テイラーの力は解った。それはいいのだが、……想定外だ。想定より段違いに強い。全盛期の僕、ヴォルデモート卿なら問題ないだろうが、今の記憶に過ぎない僕じゃ厳しいだろう。バジリスクをけしかけても確実に屠れるとは限らない。

 

ならば……。あの小娘を使うしかないか……。この体を使って呼び出してバジリスクを使って秘密の部屋まで攫う。魔眼防止の魔法具は即死は防げるが動きは鈍るからその後丸呑みにして秘密の部屋に招待だ。人質として存分に使ってやろう。散々僕の邪魔をしたんだ。じっくりいたぶって動けなくして目の前で大切な生まれそこないの穢れた血を殺してやろう。

ふふふ、今からレナード・テイラーの苦痛と恐怖で歪む顔が楽しみだ。




ジニーとトムの回想でお送りしました。

トムとしては石化解除できるレオが最優先排除対象です。
正直ダンブルドアより厄介ですからね。最初はバジリスクか自らの手でなんて思ってましたが決闘大会を見てビビってしまいました。

レオの指輪紹介 その8
・聡明
思考速度の高速化。
魔法の発動はイメージが重要であると本作では設定しているので、思考の高速化は魔法の発動速度に直結します。それ以外にも最適な行動や魔法の選択。『増強』で視力、反射神経を強化して『聡明』も使えば防御が無い場合の回避に使用できる。
奥の手で分割思考をすることで同時に複数の魔法も発動可能。ただし負荷もかかる。

では次回お楽しみに。

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